IT業界では「客先常駐が続き、自社のメンバーと話す機会がない」「リモートワークで同僚の仕事ぶりが見えない」「障害対応を乗り切っても誰にも気づかれない」といった組織課題が起こりがちです。プロジェクトや働く場所がメンバーごとに異なるため、従業員同士のつながりや会社への帰属意識が育ちにくい構造を抱えています。
そうした課題を改善する施策のひとつが「サンクスカード制度」です。本記事では、IT業界で起きやすい組織課題と解決策、サンクスカードを導入するメリット、導入事例を紹介します。

IT業界は、システム開発やインフラ構築、運用保守、SESなど、多様な働き方が混在する業界です。ここでは、IT業界で起きやすい代表的な組織課題を見ていきましょう。
SESや受託開発の現場では、エンジニアが顧客企業に常駐して働くケースが少なくありません。日々の業務は常駐先のメンバーと進めるため、自社の上司や同僚と顔を合わせる機会は、帰社日や社内イベントなどに限られることもあります。
自社とのつながりが薄れると、「自分はどの会社の一員なのか」という感覚が揺らぎやすくなります。常駐先での評価は高くても、自社への愛着が育たなければ、より条件のよい会社への転職を考えるきっかけにもなりかねません。
IT業界は、業務の多くをオンラインで完結しやすく、リモートワークを取り入れている企業も多い業界です。通勤の負担が減り、集中して作業できる一方で、業務に必要な連絡以外のやり取りは減りがちです。
チャットでのやり取りが中心になると、相手の表情や状況が見えにくく、ちょっとした相談もしにくくなります。とくに入社して間もないメンバーは、誰に何を聞けばよいかわからず、孤立感を抱えてしまうこともあるでしょう。
エンジニアの仕事には、コードレビューやドキュメント整備、後輩からの質問への対応、インフラの安定運用など、周囲から見えにくい業務が多く含まれます。システムが問題なく動いている状態は当たり前とみなされやすく、その裏にある工夫や努力は評価の対象から漏れがちです。
人事評価がプロジェクトの成果や数値目標に偏ると、チームを支える地道な貢献は報われません。自分の仕事が正当に認められていないと感じたエンジニアは、モチベーションを失い、離職を選ぶこともあるでしょう。
システム障害は時間を選ばず発生し、深夜や休日の対応が求められる場合もあります。リリース前や納期直前には作業が集中し、長時間労働が続くことも珍しくありません。
負荷の高い場面で周囲からのねぎらいや感謝がなければ、心身の疲労は蓄積する一方です。大変な時期を乗り越えた経験が「報われなかった記憶」として残ってしまうと、組織への信頼にも影を落とすでしょう。
IT業界は、スキルを持つ人材への需要が高く、転職によるキャリアアップが一般的な業界です。エンジニアにとっては選択肢が多い一方、企業は採用と育成に投じたコストが離職によって失われるリスクを常に抱えています。
待遇面の競争だけで人材をつなぎとめるには限界があるものです。職場の人間関係や「この会社で働き続けたい」と思える組織風土をつくることが、定着の鍵を握ります。
IT企業では、顧客と接する営業やコンサルタント、開発を担うエンジニア、バックオフィスを担う管理部門など、職種によって業務内容や使う言葉が大きく異なります。営業が受注した案件の要件が開発側に正しく伝わらなかったり、エンジニアの稼働状況が営業に共有されなかったりすると、プロジェクトの品質や顧客満足度に影響が出かねません。
職種間の相互理解が不足した状態では、トラブルが起きたときに責任の押し付け合いが生じやすくなります。普段から互いの仕事に関心を持ち、協力し合える関係を築いておくことが大切です。

先述の課題を放置すると、エンジニアの離職や組織の一体感の低下が進み、事業の成長にも影響が及びます。ここでは、IT業界の組織課題に対する主な解決策を整理しましょう。
客先常駐やリモートワークで顔を合わせる機会が少ないメンバーには、上司との定期的な1on1が有効です。業務の進捗だけでなく、キャリアの悩みや職場での困りごとを聞く場を設ければ、小さな不満が大きくなる前に対処できます。オンラインでも実施できるため、働く場所が分散している組織でも取り入れやすい施策です。
プロジェクトの成果だけでなく、チームへの貢献やナレッジ共有、後輩の育成などを評価項目に加えれば、地道な仕事にも光が当たります。上司ひとりの視点では把握しきれない貢献もあるため、同僚からのフィードバックを参考にする仕組みも検討したいところです。
技術の変化が速いIT業界では、エンジニアが学び続けられる環境が欠かせません。資格取得の費用補助や社内勉強会の開催、書籍購入の支援などは、スキルアップを後押しすると同時に、会社が成長を応援しているというメッセージにもなります。
働く場所が分散している組織では、オンライン上で気軽に交流できる場が必要です。雑談用のチャンネルやオンラインイベント、社内SNSなどを活用すれば、業務以外の話題を通じてメンバー同士の距離を縮められます。
制度や仕組みの整備とあわせて、日々の関係性を育む取組みも欠かせません。なかでも、従業員同士が感謝や称賛を伝え合う「サンクスカード制度」は、離れた場所で働くメンバーをつなぐ施策として、IT企業とも相性のよい仕組みです。
サンクスカードとは、従業員同士が「ありがとう」「助かりました」といった感謝や称賛のメッセージを贈り合う仕組みです。紙のカードで運用する方法もありますが、近年は場所や時間を問わずに送れるデジタルツールが広がっています。ここでは、IT業界でサンクスカードを導入する具体的なメリットを見ていきましょう。
デジタルのサンクスカードであれば、客先常駐やリモートワークのメンバーにも、場所や時間を問わず感謝を届けられます。「先週のリリース対応、遅くまでありがとうございました」「常駐先での丁寧な対応がお客様から評価されていました」といったメッセージは、離れて働くメンバーが自社とのつながりを感じるきっかけとなるでしょう。
メンバー同士が贈り合ったメッセージを閲覧できれば、誰がどのような仕事をしているのかも自然と伝わります。顔を合わせる機会が少なくても、互いの活躍を知っていれば、帰社日や社内イベントでの会話も弾みやすくなるでしょう。
コードレビューや障害対応、ドキュメント整備などの地道な仕事も、サンクスカードを通じて可視化できます。「丁寧なレビューのおかげで不具合を事前に防げました」「深夜の障害対応、本当に助かりました」といった感謝が届けば、担当者は自分の仕事の価値を実感できるはずです。
贈られたメッセージは、上司が日々の貢献を把握する手がかりにもなるでしょう。人事評価ではすくいきれない行動に光を当てられる点は、エンジニアの多い組織にとって大きなメリットといえます。
資格の取得や勉強会での発表、技術記事の執筆などにサンクスカードで称賛を贈れば、学ぶ意欲が組織全体に広がります。「勉強会の資料がわかりやすく、すぐに業務で試せました」といったメッセージは、発表した側にとって次の挑戦への励みになるでしょう。
また、後輩の質問に答えた先輩へ感謝を伝える習慣があれば、教える側のやりがいも生まれます。知識を共有した人が称賛される文化は、ナレッジが特定の人に偏る状態を防ぐことにもつながるはずです。
サンクスカードは、エンジニアと営業、管理部門など、普段は接点の少ない職種同士をつなぐ役割も果たします。たとえば、営業からエンジニアへ「提案時の技術的な補足のおかげで受注につながりました」と伝えれば、エンジニアは自分の仕事が事業に貢献していると実感できます。
反対に、エンジニアから管理部門へ「入社手続きをスムーズに進めていただき助かりました」と感謝を伝えるのも効果的です。職種を越えた感謝のやり取りが増えれば、互いの仕事への理解が深まり、協力し合える関係が築かれていくでしょう。
サンクスカードは、導入しただけでは利用が広がらず、一部のメンバーだけの取組みで終わってしまうこともあります。IT業界で定着させるためのポイントを押さえておきましょう。
エンジニアは業務に集中している時間が長く、手間のかかる仕組みは敬遠されがちです。スマートフォンやPCから短時間で送れる、シンプルで操作に迷わないツールを選ぶことが大切です。客先常駐やリモートワークのメンバーも参加できるよう、場所を問わず使えるかどうかも確認しておきましょう。
「いつでも送ってください」と伝えるだけでは、日々の業務に追われて後回しになりがちです。会議や勉強会の終了後、プロジェクトの完了時、リリース後の振り返りなど、送るタイミングをあらかじめ決めておくと習慣化しやすくなります。
上司がサンクスカードを使っていなければ、部下も使いにくいと感じるものです。管理職や推進メンバーが率先してメッセージを贈り、全社ミーティングなどで継続的に利用を呼びかけると、役職に関係なく贈り合える雰囲気が生まれます。送信枚数のノルマだけに頼ると「やらされ感」が生まれやすいため、自発的に送りたくなる雰囲気づくりを意識してください。

IT業界でサンクスカードを導入するなら、チームワークアプリ「RECOG(レコグ)」がおすすめです。RECOGは、感謝・称賛のメッセージをスマートフォンやPCから贈り合えるツールで、累計2,000社以上の導入実績があります。
SNSに投稿するような感覚で使えるシンプルな操作性が特長で、客先常駐やリモートワークのメンバーも場所を問わず参加できます。経営理念に合わせたバッジをメッセージに添えられるため、理念の浸透にも活用できるでしょう。投稿機能やトーク機能による情報共有、組織や個人の状態を把握できる分析機能も備えています。
機能や活用シーン、料金をまとめた資料を無料でご用意しました。IT業界の組織課題の解決に関心をお持ちの方は、ぜひ資料をご請求ください。
最後に、RECOGを活用してサンクスカードを運用しているIT企業の事例を紹介します。
ITインフラ領域に特化した技術を活用し、SESをはじめとした事業を展開するエンライズソリューション株式会社では、お客様先に常駐するエンジニアが社内の動向や仲間の活躍を把握しにくく、本部もエンジニアの活躍を把握できていないことが課題でした。未経験エンジニアの採用を進めるなかで個々のフォローが難しくなり、離職率が上がったことも導入のきっかけとなっています。
同社では、会議や社内イベントの直後にレターを贈る時間を設けて利用を定着させました。資格取得や勉強会の後にレターを贈る習慣が生まれ、人事評価でカバーできない範囲をRECOGで評価しています。社内イベントで初対面のメンバー同士が顔を合わせても、レターの内容をきっかけにスムーズにコミュニケーションが取れるようになったそうです。
ネットワークやセキュリティなどのITインフラ設計・構築を手掛けるアイティアスリート株式会社では、案件ごとにメンバーが異なる現場で働くうえ、コロナ禍でリモートワークが増え、社内のつながりが希薄化していました。複数の称賛サービスを比較した結果、SNSのように手軽に使えるシンプルさと、経営理念に沿ったバッジを設定できる点を評価してRECOGを導入しています。
代表が毎週の全社ミーティングで利用を呼びかけ、管理職も率先して利用した結果、導入から約4年が経った現在も毎月8〜9割のメンバーがレターを贈り合っています。部下から上司へのレターも多く、役職に関係なく感謝を伝え合う文化が定着したそうです。
IT業界では、客先常駐やリモートワークによる帰属意識の低下、エンジニアの貢献の見えにくさ、障害対応などの高い負荷、職種間の連携不足など、業界特有の組織課題が発生しやすい状況にあります。こうした課題を放置すれば、人材の流出や組織の一体感の低下を招きかねません。
課題解決の施策のひとつが、従業員同士で感謝・称賛を伝え合うサンクスカード制度です。離れて働くメンバーとのつながりの維持や見えにくい貢献の可視化、学び合いの文化づくりなど、多面的な効果が期待できます。チームワークアプリ「RECOG」を活用し、自社の組織課題の解決に向けた一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
\\編集部おすすめ記事//