サンクスカード制度を導入したいものの、「どこまでルールを決めればよいのか」「従業員に負担なく続けてもらえるのか」と悩んでいませんか。感謝や称賛を促す取り組みは、始めること自体よりも、無理なく続けられる仕組みに整えることが重要です。
サンクスカード制度は、感謝のやり取りを個人任せにせず、組織の中で自然に交わせるように設計する仕組みです。
この記事では、サンクスカード制度の基本、設計項目、導入手順、安定運用のポイントを解説します。制度として長く活用したい担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

サンクスカード制度とは、従業員同士が感謝や称賛を伝え合う取り組みを、社内制度として運用する仕組みです。単にカードを書いて渡すだけではなく、目的やルール、運用体制まで決めておくため、日常的な感謝が組織の中に広がりやすくなります。
サンクスカード制度の目的は、普段は言葉にされにくい感謝や貢献を見える形にすることです。業務には、数字で成果が見えやすい仕事だけでなく、周囲への声かけやサポート、地道な協力もあります。制度として感謝を伝える機会をつくれば、そうした行動にも気づけるでしょう。
こうした取り組みは、職場の人間関係の改善にも関わります。人間関係が良い職場ほど従業員は安心して働けるため、感謝を伝え合う仕組みは人材の定着を考えるうえでも意味のある施策といえます。
サンクスカードそのものは、感謝を伝えるための手段を指します。一方、サンクスカード制度は、誰が誰に送るのか、どのような行動を称賛するのか、どのように振り返るのかまで含めて設計する点が異なります。
カードを配るだけでは、参加する人としない人に分かれがちです。制度として運用の枠組みを決めておけば、従業員が迷わず参加できる状態をつくれるでしょう。
サンクスカード制度は、人事評価や報酬に直結させる必要はありません。評価と強く結びつけすぎると、感謝を伝える本来の目的よりも、点数や見返りを意識した投稿が増えるおそれがあります。
連動させる場合も、送付数だけを判断材料にするのは避けましょう。称賛された行動の内容や、組織への影響まで含めて見るようにし、自然な感謝を妨げない距離感を意識してください。

サンクスカード制度を安定して運用するには、開始前に決めておくべき項目があります。ルールが曖昧なまま始めると、誰に送ってよいのか、どのような内容を書けばよいのか迷う従業員が出てくるでしょう。まずは、制度の土台となる次の5項目を明確にします。
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設計項目 |
決める内容 |
具体例 |
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対象者と送付範囲 |
誰が誰に送れるか |
全社/部署単位/部署を越えた送付を認めるか |
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送付ルールと頻度 |
送る場面と頻度の目安 |
業務を助けてもらったとき/目安は「月1枚以上を推奨」など緩やかに |
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賞賛テーマと行動基準 |
どのような行動を称賛するか |
協力/挑戦/顧客対応/改善提案/理念に沿った行動 |
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公開範囲と運用方法 |
内容をどこまで共有するか |
本人のみ/チーム内/全社/紙で保管かアプリで記録か |
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運用時の管理項目 |
運用後に確認する情報 |
送受信の偏り/部署間のやり取り/称賛テーマの傾向 |
それでは、一つずつ見ていきましょう。
まず決めたいのは、サンクスカードを送れる対象者と範囲です。全従業員を対象にするのか、部署単位や拠点単位で始めるのかによって、運用のしやすさは変わります。初めから全社で始めると周知や管理の負担が大きくなるため、状況に応じて一部の部署から試す方法もあるでしょう。
贈る相手も重要なポイントです。上司から部下だけでなく、同僚同士や部署を越えた送付を認めれば、見えにくい協力にも光を当てられます。
送付ルールでは、どのような場面でカードを送るのか、頻度の目安をどうするのかを決めます。ただし、「毎週10通」といった高いノルマを課すと、従業員は義務として受け止めかねません。
大切なのは、送りやすさと自然さのバランスです。業務で助けてもらったとき、期待以上の行動があったとき、チームに良い影響を与えたときなど、送る場面を例示しておけば迷いを減らせます。
どのような行動を称賛の対象にするかを、あらかじめ決めておくとよいでしょう。何に「ありがとう」を伝えるのかを言語化しておくと、従業員は投稿内容に戸惑いません。
たとえば、協力、挑戦、顧客対応、改善提案、理念に沿った行動などをテーマに設定できます。このようにテーマを決めておけば、サンクスカードの内容が組織の方針ともつながります。制度として活用するなら、どのような行動が称賛に値するのかを従業員が理解できる状態にしておくことが大切です。
サンクスカードの内容をどこまで公開するかも、事前に決めておきたい項目です。本人同士だけで共有するのか、チーム内で見られるようにするのか、全社で共有するのかによって、制度の運用方法は変わります。公開範囲が広いほど称賛は広がりますが、内容に気を遣いすぎて書きにくくなる面もあるでしょう。
運用についても、紙を用いる方法とデジタルアプリを活用する方法では、ルールづくりや導入プロセスが異なります。紙の場合は物理的な保管場所や手渡しなどが必要ですが、デジタルの場合は手軽に送りあえて分析も容易です。
制度を続けるには、運用状況を把握するための管理項目も必要です。確認したいのは、単純な送付数や投稿数だけではありません。誰に送付が集中しているか、部署間のやり取りがあるか、称賛されている行動に偏りがないかも見ておきましょう。
数だけを追うと、カードを増やすこと自体が目的になりかねません。制度の改善に活かす情報として扱い、より自然に続く運用へつなげましょう。

サンクスカード制度は、思いつきで始めるよりも、段階を踏んで導入した方が安定します。制度の目的を決め、ルールを整え、試験運用で検証したうえで全社へ広げる流れが基本です。導入後に混乱しないよう、順番に準備を進めましょう。
最初に、なぜサンクスカード制度を導入するのかを明確にします。社内コミュニケーションを増やしたいのか、理念に沿った行動を称賛したいのか、部署を越えたつながりをつくりたいのかによって、制度設計は変わるでしょう。
目的が曖昧なままだと、従業員に「なぜ始めるのか」が伝わりません。あわせて、制度を管理する責任者や推進担当者を決めておけば、導入後の相談先も明確になります。
目的が決まったら、対象者、送付範囲、投稿ルール、公開範囲などのルール案を作ります。この段階では、細かく決めすぎるよりも、従業員が迷わず参加できる最低限のルールを意識するとよいでしょう。
ルールが複雑になるほど、確認の手間が増え、参加のハードルは上がります。送る場面や書き方の例を添えておけば、初めて参加する従業員も使いやすくなります。
いきなり全社展開せず、一部の部署やチームで試験運用を行なうと、実際の使いやすさを確認できます。見るべきなのは、次の3点です。
従業員が送付しやすいか
ルールがわかりにくくないか
負担が大きくないか
想定していなかった課題が見つかる場合もあるため、短期間で振り返る機会を設けておきましょう。小さく始めて改善する流れをつくれば、本格運用後のつまずきを減らせます。
制度を始める前には、従業員に目的やルールをわかりやすく伝える必要があります。単に「サンクスカード制度を始めます」と知らせるだけでは、参加する意味が伝わりません。
目的が伝わらないまま案内すると、従業員は「また新しい取り組みが増えた」と負担に感じ、利用が広がらないおそれがあります。どのような行動を称賛したいのか、どのように送ればよいのか、強制ではないのかを丁寧に伝えましょう。説明資料や例文を用意すれば、部署や拠点による理解の差も抑えられます。
試験運用で得た意見をもとにルールを調整したら、本格運用へ移行します。開始直後は従業員が様子を見ながら参加するケースが多いため、担当者から定期的に使い方を案内するとよいでしょう。
参考になる投稿例を共有したり、称賛テーマを設けたりすれば、カードを送るきっかけが生まれます。始めて終わりにせず、運用しながら改善することが重要です。

サンクスカード制度は、導入後の運用によって成果が変わります。送付数や投稿数だけを追うのではなく、参加の偏りや従業員の負担感にも目を向けましょう。無理なく続けるための観点を、4つ紹介します。
安定運用には、利用状況の定期的な確認が欠かせません。確認したいのは、次のような項目です。
送付数の増減
送る人や受け取る人の偏り
部署間のやり取り
称賛テーマの傾向
投稿する人数や送付回数が減っていても、制度そのものに問題があるとは限りません。繁忙期で時間がない、書き方がわからない、送りにくい雰囲気があるなど、背景はさまざまです。数字の裏側にある理由を探ってから、改善策を考えましょう。
サンクスカード制度では、特定の従業員や部署だけが多く送受信する状態になりやすいです。積極的な人に利用が偏ると、参加していない従業員との温度差が広がります。
偏りを防ぐには、部署ごとの利用状況を見ながら、参加しやすいテーマを用意したり、管理職から声をかけたりする工夫が有効でしょう。無理に投稿を促すのではなく、感謝に気づくきっかけを増やすための発想が大切です。
サンクスカード制度を長く続けるには、従業員に義務感を持たせすぎないことが大切です。送付数を競わせたり、一定数の送付を強く求めたりすると、感謝の気持ちよりも「送らなければならない」という意識が先に立ちます。
制度の目的は、無理に褒め合うことではありません。日々の仕事の中で見つけた良い行動を、自然に称賛できる状態を目指す方が、前向きな運用につながるでしょう。
担当者の負担が大きすぎると、制度の継続は難しくなります。紙のカードとアプリでは、運用負担に次のような差があります。
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項目 |
紙で運用する場合 |
アプリで運用する場合 |
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配布・改修 |
担当者の手作業が必要 |
送付から共有までデジタルで完結 |
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集計・分析 |
手集計に時間がかかる |
送受信データを自動で確認できる |
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公開範囲の設定 |
掲示場所に左右される |
権限設定で調整できる |
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コスト |
カード代や保管場所が必要 |
初期費用や月額料金が発生する |
記録や集計の機能があるアプリを使えば、投稿内容の保存や部署ごとの傾向を把握しやすくなります。ただし、ツールを入れるだけで制度が定着するわけではないため、ルールと運用体制を整えたうえで活用しましょう。

サンクスカード制度でよくある質問とその回答をまとめました。
あります。株式会社SBI証券、株式会社BOD、富士フイルムワコーケミカル株式会社などが、称賛アプリ「RECOG」を用いて感謝や称賛を伝え合う制度を運用しています。紙のカードを使う企業もあれば、アプリで送付や集計を行なう企業もあり、規模や業種によって運用方法はさまざまです。
導入できます。むしろ、従業員数が少ない組織ほど一人ひとりの関係性が全体に影響するため、感謝が伝わる仕組みの効果を実感しやすいでしょう。少人数であれば紙のカードから始める方法もありますが、記録や振り返りまで行ないたい場合は、アプリの活用も選択肢になります。
反映する必要はありません。称賛文化の醸成が目的であれば、評価と切り離した方が自然な運用になります。従業員の参加を後押ししたい場合は、評価に組み込むのではなく、月間の表彰やピアボーナスなど別の仕組みと組み合わせる方法も検討できるでしょう。

サンクスカードツール「RECOG(レコグ)」は、パソコンやスマートフォンなどから手軽に感謝の気持ちを伝えられるツールです。「仕事を手伝ってくれてありがとう」「受注おめでとう!」などの感謝・称賛を伝えることで、社内に称賛文化を醸成できます。使いやすいインターフェースと手厚いサポートで、導入実績は2,000組織にのぼりました。
RECOGは以下の機能が搭載されています。
感謝・称賛を伝えるレター機能
情報や日報を投稿できる投稿フィード機能
レターの送受信の状況を可視化できる分析機能
レターの送受信件数のランキング機能
このほかにも組織を活性化できるこだわりが詰まっているので、詳細につきましては以下の資料をご確認ください。
サンクスカード制度は、従業員同士が感謝や称賛を伝えやすくするための仕組みです。制度として導入するなら、対象者や送付範囲、送付ルール、称賛テーマ、公開範囲、管理項目を事前に決めておきましょう。ルールが曖昧なまま始めると、利用の偏りや義務感が生まれかねません。
安定して運用するには、利用状況を定期的に確認し、偏りや負担を減らしながら改善を続けることが大切です。紙のカードでも運用できますが、記録や集計、部署間の可視化まで考える場合は、アプリの活用も選択肢になります。
RECOGでは、従業員同士の感謝や称賛を見える形にし、利用状況を分析する機能も備えています。自社に合った設計と運用体制を整え、感謝が自然に交わされる職場づくりを進めたい場合は、RECOGの活用もぜひご検討ください。
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