「ありがとう」と伝え合うことを社内で習慣化できているでしょうか。
近年では、従業員が感謝の気持ちを伝え合う仕組み「サンクスカード」を導入する企業が増えており、利便性の観点からデジタルのサンクスカードツールを選ぶ企業が多く見られます。
本記事では、サンクスカードツールを導入するメリットや具体的なツールのご紹介、実際にツールを選ぶときのポイントを解説します。
サンクスカードとは、従業員がお互いの言動や気遣いに対して「ありがとう」を伝え合う仕組みのことです。
仕事で助けてもらったり、同僚がチームのために動いてくれたりしても、目の前の業務が忙しいと、ついつい感謝を伝えるのが疎かになってしまうでしょう。しかし「ありがとう」を伝えることで、コミュニケーションの活性化や良好な人間関係の構築、従業員エンゲージメントの向上など、組織にさまざまなメリットをもたらします。
従来のサンクスカードは、紙のカードに感謝のメッセージを書いて渡していましたが、最近では手軽さやデータ活用などを理由にデジタルのサンクスカードツールを選ぶ企業が増えています。
紙のサンクスカードではなく、デジタルのサンクスカードツールを選択すると、具体的にどのような利点があるのでしょうか。サンクスカードツール導入のメリットを5つご紹介します。
紙のサンクスカードの場合、手書きでメッセージを書いて手渡す必要がありますが、相手が離席していてタイミングを見計らっているうちに渡しそびれてしまうケースもあります。
その点、サンクスカードツールは場所や時間を選ばず「ありがとう」を伝えたいと思ったときに手軽にメッセージを送れます。また支社・支店など離れた拠点を持つ企業やリモートワーク導入企業も、特別な運用方法を考えることなくサンクスカードを導入できるでしょう。手軽だからこそ、従業員が利用しやすく、サンクスカードが社内に定着しやすいというメリットもあります。
サンクスカードを送ることにより、従業員間のコミュニケーション数は増加します。サンクスカードは必要に駆られた業務連絡ではなく、感謝の気持ちを可視化するコミュニケーションです。送り手・受け手の双方がポジティブな気持ちになれるやり取りであるため、質の高いコミュニケーションであるともいえます。
また、他の従業員が送ったサンクスカードを見て「この人はチームのために、こんな行動ができる人なのだ」と相互理解を深めるきっかけにもなります。普段あまり関わりのない部門の従業員との会話の糸口にもなるため、社内全体のコミュニケーション活性化が期待できるでしょう。
サンクスカードは従業員同士が送るものであるため、「360度評価」のような性質も持ち合わせています。
多くの企業では、上司が部下を評価する評価制度が採用されていますが、1人の上司が部下のすべての働きぶりを把握するのは困難です。上司が見ていないところで、チームを陰で支えている従業員もいるでしょう。サンクスカードでは、そのような従業員の活躍も適切に評価することが可能です。一緒に働く仲間から自分が評価されていると感じると、従業員エンゲージメントは高まります。モチベーションもアップし、離職率の低下にもつながります。
紙のサンクスカードを運用する場合、「メッセージカードの用意」「やり取りされたサンクスカードの保管」「送受信数や、誰から誰へ送られたかの集計・分析」などを担当部門が管理しなければなりません。離れた拠点があれば、支社・支店間でサンクスカードをどのように送り合うかも考える必要があるでしょう。
しかし、サンクスカードツールを導入すれば、そのような手間は大きく削減できます。メッセージはサンクスカードツール上で送信・保管されるため、物理的な管理は必要ありません。集計に関しても、ツールによっては部門単位・個人単位で分析でき、運用の手間をぐっと削減することができます。
サンクスカードツールを導入すると、紙のサンクスカードでは難しい2種類のデータ活用が可能になります。
まず1つめは「従業員の強みの可視化」です。どのような内容でサンクスカードを受け取っているかを分析すると、その従業員の強みが明らかになり、人材マネジメントに役立てられます。また、多くのサンクスカードを受け取っている従業員は、それだけ周囲から信頼されている人材ともいえるでしょう。
2つめは「サンクスカードの効果測定」です。利用率の増減や利用者の偏りが客観的データで確認できるとPDCAを回しやすくなり、サンクスカード定着の近道にもなります。
サンクスカードツールは多種多様で、ツールによって強みや特長が異なります。実際のサンクスカードツールを10種類、比較しながら見ていきましょう。
従業員同士の感謝・称賛を通してエンゲージメントを高める、チームワークアプリです。
【機能】
メッセージとともにポイントを送れる「レター」
日報やナレッジ共有にも使える「投稿フィード」
個人間、グループ間でクローズドな会話ができる「トーク」
従業員の強みを可視化する「分析機能」
【料金】
初期費用+月額料金+オプション
【サポート】
導入から運用、定着まで専任のカスタマーサクセスが徹底伴走
導入時の社内説明会も開催
対面、メール、電話、チャットなどさまざまな方法でサポート
【セキュリティ】
ISO27001(ISMS)取得
第三者機関による脆弱性診断
端末紛失時は強制ログアウト
「感謝のコミュニケーション」を増やし、企業理念の浸透・離職率の低下を目指すサンクスカードツールです。 【機能】 感謝や称賛の気持ちを伝え合う「サンクスカード」 経営層からの発信や情報共有に利用できる「社内掲示板/社内報」 従業員アンケートから組織課題の改善に役立てられる「組織サーベイ」 離職の兆候、活躍人材の特徴分析ができる「タレントファイル」 【料金】 初期費用+月額料金 【サポート】 計画立案から施策実行、運用まで一貫したサポート 目的に応じた継続的な運用改善支援 モチベーション、エンゲージメント向上研修の実施 【セキュリティ】 すべての通信をSSL/TLSにより暗号化 信頼性の高いAmazon Web Serviceのデータセンターを利用 第三者機関による脆弱性診断 サンクスカードに少額の報酬を組み合わせた「ピアボーナス」で、組織文化の改善を図るツールです。 【機能】 サンクスカードと少額の報酬を一緒に送れる「ピアボーナス」 投稿内容や従業員の行動を称える「表彰機能」 ツール上で多く交わされた言葉を可視化する「ワードクラウド」 投稿数やリアクション数が確認できる「利用データ」 【料金】 システム利用料+初期費用+変革支援費用+サポート費用 【サポート】 導入時の社内周知、関係者の巻き込み支援 メール、電話での運用に関するアドバイス 利用企業コミュニティへの参加 【セキュリティ】 ISO27001(ISMS)取得 すべての通信をSSL/TLSにより暗号化 端末紛失時は遠隔でのアカウント停止 称賛文化の醸成や社内交流の促進から、従業員の働きがいを高めるサンクスカードツールです。 【機能】 画像や動画を添付できる「サンクスカード」 季節やイベントなどに合わせて選べる「デザインプレート」 サンクスカードの送受信に紐づけられる「社内ポイント」 送受信数を集計し、社内の人間関係を可視化する「分析機能」 【料金】 初期費用+月額料金 【サポート】 専任スタッフが導入から運用までサポート ヘルプサイトや運用レポートなど、サポートコンテンツの提供 利用企業同士のコミュニティへの参加 【セキュリティ】 ISO27001(ISMS)取得 機密情報はSSLにより暗号化 Amazon Web Serviceのサーバーを利用 感謝の気持ちを伝え合うことにより、従業員満足度やチームワークを向上させるサンクスカードツールです。 【機能】 感謝の気持ちを簡単に伝えられる「サンクスカード」 サンクスカードを通じてポイントを貯められる「ポイント制度」 企業理念を反映した独自のメッセージカードが作れる「オリジナルカード」 周囲から高く評価されている従業員を可視化する「ランキング機能」 【料金】 初期費用+月額料金 【サポート】 お問い合わせください 【セキュリティ】 お問い合わせください サンクスカードをはじめとするさまざまな機能で、社内コミュニケーションを活性化させる国産のビジネスチャットです。 【機能】 感謝の気持ちを電子レターとして送れる「サンクスレター」 ChatGPTを搭載した生成AIチャット機能「WowTalk」 全社発信に役立ち、社内SNSとしても活用できる「掲示板」 気象庁連携の自動送信機能を備えた「安否確認」 【料金】 月額料金のみ 2週間の無料トライアルあり 【サポート】 電話、メールでのサポート 「よくあるお問い合わせ」やユーザーガイドをホームページに掲載 【セキュリティ】 IPアドレスによるアクセス制限 管理者がコミュニケーション範囲を制限できる「パーテーション機能」 組み合わせの文字列など、パスワード設定を企業によってカスタマイズ可能 サンクスカードに少額の報酬を添えて送れる、簡単な操作性と低価格が魅力のツールです。 【機能】 SNSのように気軽に会話ができる「メッセージ」 やり取りを確認できる「タイムライン」 ツールの利用状況を把握できる「集計」 貯まったポイントをギフトに交換できる「ポイント交換」 【料金】 月額料金のみ 1ヵ月の無料トライアルあり 【サポート】 ユーザー登録やポイント設定などの導入作業をサポート 導入や活用方法に関する社内説明会を実施 定期的なヒアリングなど、担当者によるサポート 【セキュリティ】 信頼性の高いAmazon Web Serviceを利用 APNセレクトティア企業に認定 目に見えない従業員の活躍や貢献を可視化し、エンゲージメントや離職率の改善を図るサンクスカードツールです。 【機能】 送信数やポイントなどを可視化する「ランキング機能」 企業の施策と連動させた制度を構築できる「表彰制度」 企業オリジナルのボーナスが作れる「独自ボーナス作成機能」 称賛文化や理念浸透の度合いを確認できる「アナリティクス機能」 【料金】 月額料金+ボーナス交換金額 【サポート】 カスタマーサクセスチームによる初期設定サポート 専任のカスタマーサクセス担当が導入から運用、定着まで伴走 活用のヒントや施策例などのコンテンツ提供 【セキュリティ】 お問い合わせください アプリ上で手書きのメッセージを送れる、デジタルと紙の両方のよさが備わったサンクスカードツールです。 【機能】 手書きでメッセージを書ける「サンクスカード」 残しておきたいカードを登録できる「お気に入り登録」 サンクスカードが届いたらすぐにわかる「受信通知」 送受信を個人単位で確認できる「データ集計」 【料金】 月10,000円~ 【サポート】 1社1担当制で導入から運用まで徹底サポート 【セキュリティ】 お問い合わせください サンクスカードに少額の報酬を組み合わせた、アメリカ生まれのピアボーナスで、感謝を習慣にしてチームワーク向上を図るツールです。 【機能】 サンクスカードと一緒に仮想通貨“タコス”を送れる「ピアボーナス」 貯まった“タコス”をギフトに交換する「タコスショップ」 ツールの利用状況を確認できる「データ分析」 【料金】 月額料金のみ 30日間の無料トライアルあり 【サポート】 メールでのサポート FAQをホームページに掲載 【セキュリティ】 ISO27001(ISMS)を取得 Amazon Web Serviceのデータセンターを利用 ここまでご紹介したとおり、サンクスカードは数多くありますが、料金だけで選ぶと運用や定着がうまくいかないことがあります。サンクスカードを選ぶ際は、ぜひ料金だけで判断せず、以下のポイントにも注目してみてください。 どれほど低コストで利用できるサンクスカードツールであっても、操作手順が複雑でわかりづらいと、ツールに慣れるのに時間を要してしまいます。次第に、サンクスカードを送るのが面倒になり、仕組みが形骸化してしまう場合もあります。 サンクスカードツールを検討するときは、以下の観点で使いやすさを判断しましょう。 直感的に使えるUI・UXになっている スタンプなど気軽にリアクションできる機能がある 現在利用中の他ツールと連携できる これらのポイントは使い勝手のよさに直結するため、サンクスカードツールを導入した際にもスムーズに社内に定着します。 サンクスカードツールのなかには、サンクスカード機能のみが搭載されている特化型と、チャットや掲示板など複数の機能が備わっている多機能型があります。また、サンクスカードと一緒に少額の報酬が送れるピアボーナス機能や、効果測定に役立てられるデータ集計・分析機能があるツールもあります。 サンクスカードを選ぶ際は、自社に必要な機能が過不足なく揃っているかを確認しましょう。利用するツールの種類が多いと従業員の負担になるため、サンクスカード導入を機に1つのツールに集約するのもおすすめです。 従業員がやり取りするサンクスカードのメッセージには、取引先情報や自社の未公開情報などが含まれる場合もあるでしょう。セキュリティ面に不安があると「機密情報を含まないメッセージにしなければ」と送る内容が制限されます。従業員が自由に利用できない状況は、サンクスカードの定着を妨げる原因になりかねません。 サンクスカードツールを検討するときには、万全なセキュリティが施されているか、それが第三者機関によって証明されているかをチェックしておくと安心です。 営業職の多い企業や、店舗など共有パソコンを利用する機会が多い場合におすすめなのが、モバイル対応のサンクスカードツールです。スマホからアクセスできるため、思い立ったときにサンクスカードを送れ、利用率のアップにつながります。 ツールによっては、ブラウザではなく、スマホ専用のアプリが用意されていることもあります。その都度ログインする必要がなかったり、スマホに適したUI・UXが設計されていたりするため、従業員がよりサンクスカードを使いやすい環境を整えられるでしょう。 サンクスカードはツールを導入して終わりではありません。サンクスカードツールを導入して運用を開始し、定着させるには、時間とノウハウが必要です。 実績豊富なベンダーであれば、運用のノウハウや知見、過去の事例などを多数持っているため、定着を手厚くサポートしてくれます。 また、サンクスカード運用開始後にツールにトラブルが発生したときにも、電話やメールなど状況に合わせて臨機応変かつ迅速に対応してくれる体制が整っていると安心です。 サンクスカードの魅力は、「ありがとう」を言葉で伝えるだけでなく、目に見える形で相手に表せることです。 何気なく取った言動に対して、サンクスカードツールを通して「ありがとう」を伝えられると嬉しいのはもちろん、「誰かのためになるのだ」と実感でき、次も同じように行動するようになるでしょう。そのような、“よい行動の連鎖”が起こるのがサンクスカードツールを導入するメリットでもあります。 また、些細なことでも感謝する習慣ができると、従業員同士が自然とお互いを尊重し、認め合うようになります。心理的安全性が高い環境は、離職率の低下につながるだけでなく、仕事でも忌憚のない意見を言いやすいため、大きな成果が生まれやすくなるでしょう。
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サンクスカードツール選び方のポイント
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まとめ