社内報の担当者にとって、毎号のコンテンツ企画は悩みの種ではないでしょうか。「ネタが尽きてきた」「発行しているのに読まれている実感がない」といった声は少なくありません。社内報のコンテンツは、単にネタを集めるだけでは読まれる記事になりにくく、目的から逆算した設計が求められます。
本記事では、社内報のコンテンツを企画する前に押さえたい視点や目的別のコンテンツ例、読まれる記事にするコツを解説します。コンテンツが形骸化してしまう原因と対策も紹介するため、社内報の運用を見直したい方はぜひ参考にしてください。

社内報のコンテンツを考える際、いきなりネタ探しから始めると、企画の軸がぶれてマンネリ化を招きやすくなります。まずは、企画の前提となる3つの視点を押さえておきましょう。
社内報のコンテンツは、発行目的から逆算して選ぶのが基本です。経営理念の浸透が目的なら経営層のメッセージや理念に関する特集が中心となり、部署間のコミュニケーション活性化が目的なら従業員紹介や部署紹介の比重が高まります。
目的が曖昧なままコンテンツを企画すると、「なんとなく面白そうなネタ」の寄せ集めになり、読み手にも意図が伝わりません。ひとつの号にすべての目的を詰め込む必要はないため、年間を通してどの目的をどの号でカバーするのかを計画しておくとよいでしょう。
会社が伝えたい情報と、従業員が読みたい情報には、ギャップが存在する場合があります。経営層は方針や業績を伝えたい一方、従業員は他部署の様子や身近な仲間の活躍に関心をもつ傾向があるでしょう。
このギャップを埋めるには、アンケートやヒアリングによって読者である従業員の関心事を把握するのが有効です。たとえば、新入社員は先輩の仕事ぶりや社内制度に、中堅層はキャリアや他部署の動向に関心を持ちやすいといわれます。読者層ごとのニーズを整理し、各号でバランスよく配分すれば、幅広い層に読まれる社内報になります。
社内報には、読者が毎号期待している定番コンテンツと、新鮮さを提供する新企画の両方が必要です。トップメッセージや新入社員紹介などの定番は、継続によって社内報への信頼感を育てます。
一方で、定番だけを続けているとマンネリ化は避けられません。読者の期待に応える安定感と、「今号は何が載っているのだろう」という期待感の両立が理想です。季節の特集や従業員参加型の企画など、変化を持たせる要素を全体の3割程度組み込むと、飽きられない社内報になります。過去の人気記事を分析し、読まれた理由のエッセンスを新企画に取り入れるのも効果的です。

ここからは、社内報で使えるコンテンツ例を目的別に紹介します。自社の発行目的に照らして、優先的に取り入れるコンテンツを選んでみてください。
会社の方向性を従業員に理解してもらうためのコンテンツです。代表的な例として、以下が挙げられます。
社長・役員からのメッセージ
経営方針や中期計画のわかりやすい解説
企業理念に紐づく社会貢献活動の紹介
新規事業やプロジェクトの進捗報告
このジャンルは硬い内容になりがちなため、難解なビジネス用語を避け、図解を交えて平易に伝える工夫が欠かせません。社長と若手従業員の対談形式にするなど、切り口を変えると親しみやすくなります。また、方針の発表だけで終わらせず、「現場ではこう実践されている」という具体例とセットで紹介すると、従業員が自分の業務との接点を見つけやすくなるでしょう。経営層を身近に感じてもらう狙いで、社長の新人時代の失敗談や日々の習慣といった人柄が伝わる企画を組み合わせるのも効果的です。
普段接点のない従業員同士をつなぐコンテンツです。社内コミュニケーションの活性化を目的とする場合、中心的な役割を担います。
新入社員・中途入社者の自己紹介
部署紹介、他部署の業務内容の解説
ベテラン従業員のキャリアヒストリー
従業員の1日密着企画
リレー形式の従業員紹介
顔と名前、人となりが伝わると、実際の業務でも声をかけやすくなります。趣味や特技といったカジュアルな質問を交えると、意外な共通点が見つかり会話のきっかけが生まれるでしょう。とりわけリモートワークや多拠点展開によって従業員同士の接点が減っている企業では、このジャンルのコンテンツが組織の一体感を支える役割を果たします。インタビューは新卒と中途で質問内容を変えるなど、対象者に応じた設計を意識すると内容に深みが出ます。
従業員の頑張りにスポットを当てるコンテンツは、社内報のなかでも特に読まれやすいジャンルです。
表彰者・MVP受賞者へのインタビュー
プロジェクトの成功事例と裏側のストーリー
資格取得や昇格など個人の成果の紹介
従業員同士の感謝・称賛を紹介するコーナー
自分やその仲間の努力が全社に紹介されると、「会社はちゃんと見てくれている」という安心感が生まれます。また、同僚の活躍はほかの従業員にとってもよい刺激となり、前向きな組織風土の醸成につながります。ポイントは、大きな成果だけでなく、日々の地道な取り組みや縁の下の力持ち的な貢献にも光を当てることです。表彰される一部の従業員だけが取り上げられる状態が続くと、それ以外の読者は次第に自分ごととして読めなくなってしまいます。称賛の対象を広げるほど、社内報は多くの従業員にとって「自分たちのメディア」になっていくでしょう。
読んで得をする実用的な情報も、社内報の閲覧率を支える重要な要素です。
社内制度や福利厚生の解説
業務効率化に役立つツールやノウハウの紹介
健康管理やストレス対策の情報
防災、感染症対策など季節に応じた知識
制度の解説は、人事や総務への問い合わせ削減にも役立ちます。健康系のテーマは季節ごとに切り口を変えられるため、連載コーナーとしても運用しやすいでしょう。「読むと得をする」体験が積み重なると、社内報を開くこと自体が従業員の習慣になっていきます。
従業員が「読む」だけでなく「参加する」コンテンツは、社内報を身近な存在にします。
社内アンケートの結果発表
川柳・フォトコンテストなどの投稿企画
従業員おすすめのランチやお店の紹介
ペットや家族にまつわるほっこり企画
仕事に直接関係のない内容でも問題ありません。参加のハードルを下げ、多くの従業員を誌面に登場させることが、「自分ごと」として読まれる社内報への近道です。

コンテンツの種類が決まっても、見せ方次第で読まれ方は大きく変わります。ここでは、読まれる記事にするための4つのコツを紹介します。
情報の羅列ではなく、読み物として楽しめるストーリーを意識しましょう。たとえば新商品の紹介であれば、スペックの説明だけでなく、開発の苦労話や担当者の想いを交えると共感を呼びます。
数字やデータを扱う場合も、その背景にある人の動きを描くと、無味乾燥な報告から生きた読み物に変わります。困難をどう乗り越えたのかという具体的なエピソードは、読者の記憶にも残りやすいものです。
役職者だけでなく、現場で働く従業員をできるだけ多く登場させましょう。登場人数が増えるほど、「知っている人が載っている」「次は自分の部署かもしれない」という関心が生まれ、読者の裾野が広がります。
取材を通じてリアルな声を届けることは、誌面に温度感を生む効果もあります。取材の工数が課題になる場合は、アンケート形式やオンライン取材を活用して負担を減らす工夫も必要です。
文字ばかりの誌面は、忙しい従業員に敬遠されがちです。写真やイラスト、図表を積極的に使い、直感的に内容が伝わるレイアウトを心がけましょう。
特に人物系のコンテンツでは、表情のわかる写真がひとつあるだけで印象が大きく変わります。Web社内報であれば、動画や音声を組み合わせた表現も可能です。
コンテンツは作って終わりではなく、読者の反応をもとに改善を重ねていく姿勢が大切です。閲覧数や読了率、アンケートでの感想などを定期的に確認し、人気の傾向を次の企画に反映させましょう。
紙媒体では反応の把握が難しいため、データ収集のしやすさを重視するならWeb社内報の活用も選択肢になります。

熱心に運用を始めた社内報でも、時間の経過とともに「発行しているだけ」の状態に陥るケースは珍しくありません。ここでは、コンテンツが形骸化する3つの原因と対策を解説します。
形骸化の最大の原因は、発行そのものが目的化してしまうことです。当初の目的が忘れられ、「毎月出すこと」がゴールになると、コンテンツは前号の焼き直しになり、読者の関心は徐々に離れていきます。
対策としては、年に1度は発行目的とコンテンツ方針を見直す機会を設けましょう。「誰に、何を届け、どんな行動変化を期待するのか」を編集チームで再確認すると、企画の軸が定まり直します。閲覧率や読者アンケートといった指標を目的と紐づけて追うことも、目的意識の維持に有効です。指標が下がってきたタイミングを企画刷新のサインと捉えれば、形骸化の兆候に早めに対処できます。
会社から従業員への一方的な発信に終始している社内報は、読者にとって「読まされるもの」になりがちです。双方向のやり取りがなければ、従業員の関与は薄れ、閲覧の習慣も定着しません。
参加型企画やアンケート、記事へのコメント機能などを通じて、従業員が反応を返せる仕組みを取り入れましょう。従業員同士の感謝や称賛を紹介するコーナーは、読者自身が誌面の主役になれるため、双方向化の第一歩として特におすすめです。記事に対する感想や反響を次号で紹介するだけでも、「読めば誰かとつながる」という感覚が生まれ、閲覧の習慣づけにつながります。
社内報の企画から取材、執筆までを少人数の担当者だけで抱えると、ネタの視野が狭まり、担当者の異動や退職で運用が途絶えるリスクも抱えがちです。
各部署に「編集協力メンバー」を置いてネタを吸い上げる体制を作る、従業員からの投稿を受け付ける窓口を設けるなど、全社を巻き込む仕組みが対策になります。Web社内報ツールを活用して作成や配信の工数を減らし、担当者が企画に集中できる環境を整えるのも有効です。

社内報で従業員の活躍を紹介する取り組みを、日常のコミュニケーションにまで広げたい場合は、チームワークアプリ「RECOG」の活用をおすすめします。
RECOGは、従業員同士が感謝や称賛のメッセージを送り合うアプリです。社内報が会社から従業員への発信を担うのに対し、RECOGは従業員同士が日々の頑張りを称え合う場として機能します。送り合われたレターは組織全体に共有されるため、社内報の表彰企画では拾いきれない日常の小さな貢献にも光が当たり、称賛の文化が組織に根づいていくでしょう。
前身サービスから累計2,000社以上の導入実績があり、業種や規模を問わず活用されています。社内報とあわせて双方向のコミュニケーションを育てたいとお考えの方は、ぜひ資料をご請求ください。
社内報のコンテンツは、発行目的から逆算し、従業員のニーズとのギャップを埋めながら企画することが大切です。目的別のコンテンツ例を参考に、定番と新企画をバランスよく組み合わせましょう。
また、読まれる社内報を維持するには、ストーリー性やビジュアルの工夫に加え、形骸化を防ぐ運用体制づくりが欠かせません。一方通行の発信にとどめず、従業員が参加し、互いを称え合える仕掛けを取り入れることによって、社内報は組織の一体感を育てるメディアへと成長していきます。まずは自社の発行目的を見つめ直し、次号の企画から小さな改善を始めてみてはいかがでしょうか。
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