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クレドとは?意味や作り方、浸透させる方法をわかりやすく解説

クレドとは?意味や作り方、浸透させる方法をわかりやすく解説

公開日: 2026.06.12
更新日: 2026.06.12
「クレドという言葉を聞いたが、企業理念と何が違うのかわからない」「クレドを作りたいが、何から始めればよいのか迷っている」と感じている人事担当者の方は多いのではないでしょうか。

 

クレドとは、従業員が日々の業務で判断に迷ったときの拠り所となる信条や行動指針を明文化したものです。価値観の多様化やリモートワークの普及により組織の一体感が薄れやすい現在、クレドは従業員の行動をひとつの方向にそろえる手段として注目されています。

 

本記事では、クレドの意味や類似する言葉との違い、導入のメリット、作り方の5ステップを解説します。さらに、競合他社の多くが見落としがちな「作成後に形骸化させないための浸透方法」まで踏み込んで紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

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クレドとは

クレド(Credo)とは、ラテン語で「信条」「志」「約束」を意味する言葉です。企業活動においては、従業員全員が心掛けるべき信条や行動指針を簡潔に明文化したものを指します。

 

クレドの特徴は、抽象的な理念ではなく、日々の業務における具体的な判断基準として機能する点です。たとえば「顧客第一」という理念だけでは、現場の従業員は具体的に何をすべきか判断に迷うかもしれません。そのため、クレドで「お問い合わせには24時間以内に返答する」のように、誰もが実践できる行動レベルまで落とし込みます。

 

また、クレドを名刺サイズのカードに記した「クレドカード」を従業員に配布する企業も多く、カード自体をクレドと呼ぶ場合もあります。

 

クレドの起源

 

企業におけるクレドの起源として有名なのが、アメリカの製薬会社ジョンソン・エンド・ジョンソンが1943年に策定した「我が信条(Our Credo)」です。顧客、従業員、地域社会、株主に対する4つの責任と、その優先順位を明確に示した内容で、現在も同社の経営の中核に据えられています。

出典:我が信条(Our Credo)|ジョンソン・エンド・ジョンソン

 

同社は過去に自社製品への毒物混入事件に直面した際、このクレドに基づいて迅速な製品回収を実行し、顧客第一の企業として信頼を高めたといわれています。クレドが危機における判断の拠り所として機能した代表的な例です。

 

クレドが注目される背景

近年、日本企業でクレドが見直されている背景には、大きく3つの変化があります。

 

1つ目は、働き方や価値観の多様化です。リモートワークの普及により従業員同士が顔を合わせる機会が減り、組織としての一体感を保ちにくくなりました。共通の行動指針を持つ重要性が、以前にも増して高まっています。

 

2つ目は、現場での迅速な判断が求められるようになったことです。変化の速い市場環境では、すべての判断を上層部に委ねる余裕はありません。クレドがあれば、従業員一人ひとりが自信を持って判断できます。

 

3つ目は、コンプライアンスへの関心の高まりです。企業の不祥事が経営の根幹を揺るがす事態に発展するケースは少なくありません。従業員の倫理観をそろえる手段として、クレドの役割が再評価されています。

 

 

クレドと類似する言葉との違い

クレドは企業理念やミッション・ビジョン・バリューと混同されやすい言葉です。それぞれの違いを整理しておきましょう。

 

企業理念との違い

企業理念は、企業の存在意義や根本的な価値観を示すものです。創業時から受け継がれる抽象的な表現が多く、基本的には変更されません

 

一方、クレドは企業理念を従業員の具体的な行動レベルまで落とし込んだものです。内容が具体的であるぶん、時代や市場環境の変化に合わせて柔軟に見直される点も企業理念とは異なります。企業理念が「目指す姿」を示すのに対し、クレドは「日々どう行動するか」を示すものと整理できるでしょう。

 

ミッション・ビジョン・バリューとの違い

ミッションは企業が果たすべき使命、ビジョンは将来のあるべき姿、バリューは組織が大切にする価値観を表す言葉です。3つをあわせてMVVと呼びます。

 

クレドは、これらの考え方を踏まえたうえで、従業員の日常的な行動指針として表現したものです。たとえばバリューが「挑戦」であれば、クレドでは「新しいアイデアは否定せず、まず実現方法を考える」のような具体的な行動に変換されます。MVVと現場をつなぐ翻訳装置のような役割と考えるとわかりやすいでしょう。

 

 

クレドを導入するメリット

クレドの導入により、企業はさまざまな効果を期待できます。

  • 従業員の判断基準が明確になる
  • 従業員エンゲージメントが向上する
  • 採用のミスマッチを防げる
  • コンプライアンス意識が高まる

ここでは代表的な4つのメリットを紹介します。

 

従業員の判断基準が明確になる

クレドがあると、従業員は業務で迷ったときに自分で判断しやすくなります。上司の指示を待たずに行動できるため、業務のスピードが上がり、指示待ちではなく主体的に考える人材の育成にもつながるでしょう。

 

マニュアルとの違いは、想定外の状況にも応用が利く点です。クレドは行動の背景にある価値観まで含んでいるため、マニュアルにない場面でも判断の拠り所になります。

 

従業員エンゲージメントが向上する

共通のクレドを持つ仲間と働くと、仕事の価値観を共有しやすくなります。自分の行動が会社の価値観と一致している実感は、仕事への誇りや充実感を生み、従業員エンゲージメントの向上につながるのです。

 

特に若手の従業員にとって、自分の仕事の意義を理解できることは働き続ける大きな動機になります。エンゲージメントの向上は、離職率の改善という形でも成果に表れるでしょう。

 

採用のミスマッチを防げる

クレドを社外に公開すると、自社の価値観に共感した人材からの応募が増えやすくなります。入社前に価値観の擦り合わせができるため、入社後の「思っていた会社と違う」というミスマッチを減らせます。

 

採用する企業側にとっても、クレドは共通の採用基準となり得ます。「自社のカルチャーに合う人材か」を判断する軸ができるため、面接官による評価のばらつきを抑えられる点もメリットです。

 

コンプライアンス意識が高まる

クレドは従業員の倫理観をそろえる役割も果たします。判断に迷う場面や不正の誘惑に直面した場面でも、クレドという共通の拠り所があれば、誤った選択を避けやすくなります。従業員の行動の一つひとつが企業ブランドに直結する時代において、クレドは社会からの信頼を守る防波堤にもなるでしょう。

 

 

クレドの作り方5ステップ

クレドは経営層だけで作るものではなく、従業員を巻き込みながら作り上げましょう。以下が、標準的な作成手順です。

  • ステップ1:目的と意義を明確にする
  • ステップ2:従業員の意見を集める
  • ステップ3:意見をまとめて文章化する
  • ステップ4:フィードバックを反映する
  • ステップ5:クレドカードなどの形にして周知する

ここでは、上記の5つのステップを解説します。

 

ステップ1:目的と意義を明確にする

最初に「なぜクレドを作るのか」を明確にします。離職率の改善、組織の一体感の醸成、コンプライアンスの強化など、自社が解決したい課題を整理しましょう。

 

目的が定まったら、従業員にもクレド作成の意義を伝えます。「自分たちで作るものだ」と認識してもらうことが、後の浸透のしやすさを左右します。

 

ステップ2:従業員の意見を集める

次に、アンケートやワークショップを通じて従業員の意見を集めます。従業員数が多い企業では、部署ごとに意見を取りまとめてから集約すると効率的です。

 

経営層へのインタビューも並行して行ない、企業の方向性とのずれがないかを確認します。ただし、クレドは現場の実感が重要なため、経営層の意見に偏りすぎないよう注意が必要です。

 

ステップ3:意見をまとめて文章化する

集まった意見を整理し、クレドの原案を文章化します。表現はシンプルで覚えやすく、従業員に向けた言葉であることが望ましいです。長く複雑な文章は記憶に残りません。日常の行動に結びつくよう、具体的かつ簡潔な表現を心掛けましょう。

 

ステップ4:フィードバックを反映する

原案ができたら、従業員からフィードバックをもらいます。実際の業務で判断の拠り所として使えそうか、現場の実態とかけ離れていないかを確認するためです。

 

必要に応じて何度も調整を重ねると、納得感の高いクレドに仕上がります。このプロセス自体が、クレドへの愛着を育てる機会にもなるでしょう。

 

ステップ5:クレドカードなどの形にして周知する

完成したクレドは、名刺サイズのクレドカードにして配布するのが定番の方法です。携帯できる形にしておくと、迷ったときにすぐ確認できます。

 

あわせて、社内報や社内ポータル、オフィスの掲示など、従業員の目に触れる場所に掲載しておくと効果的です。日常的に目にする機会が増えるほど、記憶への定着が期待できます。

 

 

クレドを作成する際の注意点

クレドの作成では、進め方を誤ると逆効果になる場合があります。3つの注意点を押さえておきましょう。

 

トップダウンで押しつけない

経営層が一方的に作ったクレドは、現場の実情とかけ離れたものになりがちです。押しつけられたと感じた従業員はクレドに愛着を持てず、浸透もしません。場合によっては、経営層と現場の溝を深める原因にもなります。クレドはボトムアップで、従業員の声を反映しながら作ることが基本です。

 

実現可能な内容にする

理想を詰め込みすぎたクレドは「どうせ達成できない」と受け取られ、形骸化を招きます。クレドはあくまで日常業務の延長線上にある、実際に行動へ移せる内容に設定しましょう。

 

立派な言葉を並べるよりも、従業員が「これなら実践できる」と思える現実的な表現のほうが、結果として組織を動かします。

 

定期的に見直す

クレドは一度作ったら終わりではありません。事業内容や市場環境の変化により、実態と合わなくなる場合があります。

 

「3年に1回は見直す」のように、あらかじめ見直しのタイミングを決めておくのがおすすめです。実情に合わないクレドを放置すると、クレド自体への信頼が損なわれてしまいます。

 

 

クレドを浸透させて形骸化を防ぐ方法

クレドで最も難しいのは、作ることよりも浸透させることです。カードを配布しただけでは、数か月後には誰も意識しなくなるケースが少なくありません。ここでは、クレドを組織に根づかせるための3つの方法を紹介します。

 

日常業務でクレドに触れる機会をつくる

クレドは目に触れる頻度が高いほど定着します。朝礼でクレドを1項目ずつ取り上げて感想を共有する、会議の冒頭でクレドに沿った行動事例を紹介するなど、業務の中に組み込む工夫が有効です。

 

毎日の始業時にクレドについて話し合う時間を設けている企業も存在します。特別なイベントではなく、日常の習慣にするとよいでしょう。

 

クレドに沿った行動を称賛する

浸透のうえで特に効果的なのが、クレドを体現した行動を見つけて称賛する仕組みです。人は称賛された行動を繰り返す傾向があるため、称賛とクレドを結びつけることで、クレドが「掲げられた言葉」から「実際の行動」へと変わっていきます。

 

たとえば、クレドの項目に沿った行動をした従業員に感謝のメッセージを贈る、月に1度クレドを最も体現した従業員を表彰するなどの方法が考えられます。称賛された本人だけでなく、それを見た周囲の従業員にも「どのような行動が望ましいのか」が具体的に伝わる点もメリットです。

 

浸透度を可視化して改善する

クレドの浸透度は、定期的に測定して改善につなげましょう。従業員サーベイで「クレドを覚えているか」「業務で意識しているか」を確認したり、クレドに沿った行動がどの程度称賛されているかを集計したりすると、浸透の状況を客観的に把握できます。

 

部署によって浸透度に差がある場合は、浸透している部署の取り組みを他部署へ横展開するのも効果的です。測定と改善を繰り返す姿勢が、クレドの形骸化を防ぎます。

 

 

クレドの浸透を後押しするツール「RECOG」

クレドに沿った行動を日常的に称賛する仕組みづくりには、チームワークアプリ「RECOG」が役立ちます。

 

RECOGは、従業員同士が感謝や称賛の「レター」を贈り合えるサービスです。レターには会社が設定した価値観やクレドの項目を「バッジ」として紐づけられるため、誰がどのクレドを体現したのかが組織全体に共有されます。称賛が積み重なるほど、クレドが具体的な行動イメージとして従業員に浸透していくのです。

 

また、レターの送受信状況はデータとして可視化されるため、クレドの浸透度を部署ごとに把握し、改善につなげられます。導入実績は累計2,000社以上にのぼり、理念浸透や組織活性化の目的で幅広い業種に活用されています。

 

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まとめ

クレドとは、従業員が日々の業務で拠り所とする信条や行動指針を明文化したものです。企業理念をより具体的な行動レベルに落とし込んだものであり、判断基準の明確化やエンゲージメント向上、採用ミスマッチの防止など、多くの効果が期待できます。

 

作成の際は、従業員を巻き込んだボトムアップの進め方が基本です。そして何より重要なのは、作った後に形骸化させないことです。日常業務でクレドに触れる機会をつくり、クレドに沿った行動を称賛する文化を育てることが、浸透への確実な道筋となります。

 

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