コラム

2023.12.05
2023.12.05

行動指針とは?行動規範との違いや作り方、浸透させるための具体例まで紹介

 ▼ 目次
行動指針とは、組織や企業が独自に定めた行動ルールや行動規範を指します。
行動指針が浸透すると、従業員は自然と組織や企業文化に沿った行動をするようになり、従業員エンゲージメントや一体感の向上につながるとして注目されています。
本記事では、行動指針の意味や作り方、浸透させるための具体例などを解説します。
「これから行動指針を作ろう」「行動指針を浸透させたい」とお考えの方はぜひお役立てください。
 

行動指針とは? 

 
一般的に行動指針とは、自分の進むべき道やとるべき姿勢を指し示す羅針盤のような役割を果たします。
これは、企業の経済活動における経営理念やビジョンを実現するための従業員の行動基準として定められています。
また、企業の価値観を体現する行動としても機能します。企業によっては、バリュー、クレド、スピリットなどと呼ばれることもあり、リッツ・カールトンのクレドやGoogle、トヨタの行動指針は有名です。
行動指針を策定し、浸透させることにより、組織全体で推奨される行動を共通の理解として持つことが可能になります。
この結果、従業員は企業の目指す方向性に沿った行動をすることができ、組織の理想像に向かって進むことができます。ビジネス環境において、行動指針は企業全体の判断基準や価値観を統一する重要な役割を担います。
 

行動指針と経営理念・企業理念・行動規範との違い

 
行動指針と経営理念、企業理念、行動規範は似ているようで異なる概念です。
ここからは、経営理念・企業理念・行動規範との違いをわかりやすく説明いたします。
 

経営理念とは

経営理念とは、経営者の考えや信念を表し、企業運営の核となる上で最も重要な考え方を示します。
従業員が日々の業務で目指すべき目標や方向性を定める際の指針となり、企業の製品やサービスの品質向上に効果があります。
 

企業理念とは

企業理念とは、「企業がなぜ存在するのか」「なぜ事業活動を行うのか」を明示します。
企業理念を策定することで、企業文化や行動規範を従業員に伝えることが容易になり、組織内の意識を統一する効果が期待できます。
 
「行動指針」は経営理念・企業理念を体現する具体的な行動を示したもののため、経営理念や企業理念の一部といえるでしょう。
 

行動規範とは

「行動指針」と「行動規範」は、どちらも従業員として適切な行動を定義することを目的としています。
自分の進むべき道やとるべき姿勢を指し示し羅針盤の役割を果たす「行動指針」に対し「行動規範」は従業員として望ましい人格や資質、従業員のあるべき姿を示すものです。
 

行動指針がもたらすメリット 

 
 
行動指針は、信頼され愛される企業文化の構築に不可欠です。
ここからは4つのメリットについて解説します。
 

従業員のモチベーションが向上する

行動指針は企業理念と密接に結びついており、従業員にとっての行動の羅針盤のような役割を果たします。
従業員は企業の目指すビジョンと自身の貢献を明確に理解し、仕事の意義と達成感を深く実感することができます。
加えて、行動指針は企業文化への理解を深め、自分の行動が組織の成功にどのように影響を与えるかを理解する手助けとなります。これは、個人の業務に対する熱意と所属感を増すことにつながり、結果として高いモチベーションと生産性を促進します。
従業員が自己実現と企業の目標達成の両方を感じる環境は、長期的なエンゲージメントと職場の満足度向上に寄与します。
 

従業員の行動の基準ができる  

行動指針は、従業員が日々の業務で直面する判断や行動選択に一貫性と方向性をもたらします。この基準は、組織の目指す理念や価値観を反映し、従業員に具体的な行動の道標を提供します。
また、明確な基準があることで、従業員は自身の判断や行動が企業の方針に沿っているかを容易に理解し、自信を持って業務に取り組むことができます。これは、個々の業務遂行においても組織全体の目標と一致した行動を取りやすくなり職場内の不確実性を減少させ、効率性と生産性の向上を促進する効果があります。
従業員が明確な行動基準をもとに行動することは、組織全体の統一感と効果的なチームワークを醸成し、組織の成長と成功に大きく寄与します。
 

従業員の帰属意識が高まる

行動指針が浸透すると、従業員は自らが組織の一員であり、その成果に直接貢献していると強く感じるようになります。組織の価値観や目標に対する共感と理解が深まることで、個人は組織に対してより強い繋がりを感じるようになります。
この結果、従業員は自分の仕事に対する責任感を強く持ち、組織全体の成功に向けて積極的に貢献しようとする姿勢が育まれます。
 

企業文化や組織・チームの一体感が醸成される  

行動指針は、企業理念やビジョンの具体化したものです。企業が目指すビジョンが行動レベルで具体的に落とし込まれるため、企業は会社がどの方向に進んでいるのかを個人レベルでも理解し、組織全体の意識統一に貢献します。
従業員一人ひとりが行動指針を体現する企業は、企業理念や経営理念に基づく理想の組織が形成され、組織やチームの一体感が醸成されます。
また、自社に適した人材を採用する際にも役立ちます。
 

行動指針の作り方

 
では、実際にどのように行動指針を作成すればよいのでしょうか。
ここからは、企業が目指すべき方向性を定め、従業員の行動を導く行動指針の作成方法について解説します。
 

実現したいことや理想を明確にする

行動方針を策定する最初のステップは、企業が達成したい目標と理想を明確にすることが重要です。
企業の現状と将来のビジョンを定め、達成したい目標と理想へ至るための行動計画を検討します。まずは会社のミッションとビジョンを明確にすることから始めましょう。
 

経営理念やミッション・ビジョンを定める 

経営理念やミッション・ビジョンを定めることで、一貫したコミュニケーションが可能となります。これにより、ブランドの信頼性が向上し、サービスレベルの保証、顧客満足度の向上が期待できます。
また、企業の価値観を社内外に示すことで、同じ理念を共有するパートナーや顧客が集まりやすくなります。
 

経営理念やミッション・ビジョンを体現する行動を考える

ミッションやビジョンを実現するために必要な価値観や行動を挙げます。これは、企業のバリューチェーンを考慮しながら行います。顧客の経験から、企業が提供する価値を具体化し、それを行動指針に反映させます。部門やチームごとに役割を考え、具体的な行動に落とし込むことが重要です。
 

経営理念やミッション・ビジョンに反する行動を考える  

行動指針では、企業が避けるべき行動も重要です。企業が取らない行動のリストを作成し、それらを明示します。
例えば、「短期的な利益に捉われず、法律を遵守し、従業員のワークライフバランスを重視する」や「どのような行為がクライアントや顧客にとって有害となるのか?」などの原則を定めます。
次々とルールを作ってしまい、そのルール自体に縛られてしまったり、形骸化してしまうケースも少なくありません。
新しいルールや約束を作る際には、何かを差し引くことも重要なポイントです。
 

シンプルな文言で行動指針を作成する  

最後に、これまでのアイディアを簡潔かつ明瞭にまとめます。重要なのは、言葉がシンプルで理解しやすいことです。言葉に沿った具体的な行動を短い文章で定義し、従業員が日常業務で使いやすい形にします。
 

行動指針を浸透させる方法とは?

 
行動指針」を定めることは重要ですが、浸透しなければその効果は半減します。
ここからは、行動指針を効果的に浸透させる方法を解説します。
 

日々の業務の中に落とし込む  

行動指針を日々の業務に落とし込むことは、浸透させる上で重要です。
まず行動指針を具体的な作業や決定に関連付けます。
例えば、顧客サービスの向上を目指す場合、行動指針に基づき、顧客対応のガイドラインを明確に定めます。
次に、これらの指針を定期的なミーティングや研修で従業員に共有し、理解を深める機会を提供します。従業員が日々の業務の中で指針を意識し、それに沿った行動を取れるようにすることが目標です。
これにより、行動指針は単なる文書から、実際の業務プロセスと緊密に結びついた、生きたガイドラインへと変化します。従業員が指針を日常業務に取り入れることで、組織全体の効率と品質が向上し、組織の理念や目標達成に寄与します。
 

トップから定期的に発信する  

トップメッセージとは文字通り、企業の創業者や社長、会長、執行役員など企業のトップに立つ人が発するメッセージのことを指します。
トップからの発信は、社内の文化を作る上で大きな影響力を持ちます。トップが行動指針に基づいて行動し、その重要性を強調することで、従業員はその指針を日々の業務にどう生かすべきかを理解しやすくなります。
また、トップが積極的に発信することで、従業員は指針に対する共感と理解を深め、実際の業務でそれを適用することが鼓舞されます。
 

行動指針を浸透させるなら「RECOG」!

 
 

前述もした通り、行動指針を浸透させるには「日々の業務の中に落とし込む」「トップから定期的に発信する」ことが大切です。
しかし、いざ行おうとしてもなかなか難しいもの。

そこでおすすめしたいのが、弊社が提供するコミュニケーションツール「RECOG」です。

RECOGは、感謝や称賛を通した双方向のコミュニケーションを叶えるサービス。
感謝や称賛の気持ちを伝えるサンクスレターを贈る際に行動指針のバッジを選ぶ仕組みにより、日々行動指針について考えることができます。
また、レターを受け取ったメンバーは自分のどんな行動が行動指針を体現できているのか、仲間からのサンクスレターで知ることができます。
レターの内容は他のメンバーもチェックできるので、どんな行動をしたら行動指針が体現できるのかを意識するようになり、自然と浸透していくでしょう。

 

掲示板機能もあるため、トップからの発信も気軽に行なえます。
「いいね」を押してもらうことによって、トップからの従業員が確認しているかしていないか一目でわかります。
今までの方法では浸透しなかったという方は、是非ご相談ください。
 

まとめ

行動指針は、行動指針とは、自分の進むべき道やとるべき姿勢を指し示す羅針盤のような役割を果たし、従業員が企業文化に沿った行動を取るための重要な基準となります。これにより、従業員のエンゲージメントや組織の一体感が向上し、企業の経営理念やビジョンを具体的に体現する助けとなります。
 
さらに、経営理念や行動規範とは異なり、行動指針はより実践的な行動への道しるべを提供します。そのような効果的な行動指針の作成には、企業の理想とビジョンを明確にし、それを具体的な行動に落とし込むプロセスが必要です。
また、行動指針を組織内で浸透させるためには、日々の業務への落とし込みとトップからの定期的なメッセージが重要です。
 
これにより、行動指針はただの文書ではなく、経営理念やビジョンの実現に向けたガイドラインとなるのです。
 
弊社では行動指針の浸透を支援するため、ツールのご提供から運用まで一貫したサポートを行なっております。
無料トライアルもございますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
 
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