サンクスカードを活用している企業は、どのような目的で取り入れ、どのように職場へ定着させているのでしょうか。感謝を伝える仕組みに関心はあっても、「自社でも活用できるのか」「無駄な取り組みにならないか」と迷う担当者は少なくありません。
サンクスカードは、感謝や称賛を従業員同士で伝え合う仕組みです。ただし、取り入れただけで自然に定着するものではありません。活用している企業の取り組みを見ると、組織課題や働き方に合わせて運用を工夫しているケースが多くあります。
この記事では、サンクスカードを活用する企業に見られる利用シーンや目的、運用ポイントを解説します。自社に近い企業の特徴を考えながら、活用のイメージをつかむ参考にしてください。

サンクスカードは、業種や規模を問わず幅広い企業で活用されています。活用している企業の使い方を「どのような場面で送るか」で整理すると、次の4つのシーンに分けられます。
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利用シーン |
送るタイミング |
送り合う相手 |
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拠点や部署をまたぐ依頼・対応の後 |
他拠点・他部署に協力してもらったとき |
本部と拠点、部署間 |
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繁忙時間帯のフォロー |
忙しい場面で助けてもらったとき |
現場のスタッフ同士 |
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オンライン会議・リモート協力の後 |
離れた場所で連携したとき |
出社勤務者と在宅勤務者 |
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理念を体現する行動があったとき |
行動指針に沿った行動を見たとき |
全従業員(テーマを設定) |
それでは、それぞれのシーンを順に見ていきましょう。
拠点や部署が分かれていると、別の場所で働く従業員の動きは見えません。日常的に顔を合わせない相手ほど、協力してもらっても感謝を伝える機会が限られます。そこで、拠点や部署をまたぐ依頼・対応が発生した後に送るのが、活用シーンの一つです。
「急な依頼に対応してくれて助かった」「他部署なのに丁寧に説明してくれた」といった気持ちを、その場を逃さず届けられます。感謝が特定の拠点や部署の中でとどまらないため、会社全体で前向きな協力を知るきっかけにもなるでしょう。
店舗や現場では、忙しい時間帯に周囲を支える行動が数多く生まれます。ただし、その場は慌ただしく、感謝を言葉にする余裕がないまま流れてしまう傾向にあります。そこで、繁忙時間帯のフォローに対して後から送るシーンが挙げられます。
「あの時フォローしてくれて助かった」と後から伝えれば、その場では言えなかった感謝を形にできます。数字だけでは見えない現場の気配りや連携が共有されると、どのような行動が評価されるのかも伝わっていくでしょう。
リモートワークやハイブリッドワークが広がると、雑談やちょっとした声かけは減ります。オンライン会議やリモートでの協力があっても、感謝を伝える場面までは用意されていません。そこで、会議やリモート協力の後に送るシーンが役立ちます。
デジタルのサンクスカードなら、働く場所が違っても「議論を進めてくれてありがとう」「資料の共有が丁寧で助かった」といった気持ちを伝えられます。業務チャットの連絡に埋もれやすい感謝を、別の形で残せる点が特徴です。
企業理念や行動指針を掲げていても、日々の業務と結びつかなければ従業員には浸透しません。そこで、理念を体現する行動を見かけたときに送るシーンがあります。テーマを設定しておけば、どの行動が理念に沿っているのかを意識しやすくなります。
たとえば、顧客を第一に考えた対応や、チームのために自発的に動いた行動をカードに残せば、理念が抽象的な言葉で終わりません。称賛された行動が他の従業員にも共有されれば、「自社らしい行動」のイメージも広がるでしょう。

利用シーンが「いつ送るか」であるのに対し、ここでは「何を解決したいか」という経営課題の視点を紹介します。自社の課題と活用の目的が合っていないと運用は続きません。企業が掲げる主な目的を、4つに整理します。
職場での孤立感や、評価されていないという感覚は、離職を考えるきっかけになります。特に入社直後や異動直後は、自分の働きが受け入れられているか不安を感じやすい時期です。
サンクスカードで日常的な承認を増やせば、従業員は職場に必要とされている実感を持ちやすくなります。待遇や業務量といった根本的な課題への対応も欠かせませんが、人材の定着を支える施策の一つとして活用されています。
従業員エンゲージメントとは、従業員が組織に愛着を持ち、仕事に主体的に関わろうとする状態です。評価面談を待たずに、日頃の行動へ反応が返ってくる仕組みは、貢献を実感する機会を増やします。
サンクスカードは、上司からの評価だけでなく、従業員同士の承認を増やせる点が特徴です。自分の行動が周囲に届いていると感じられる機会が増えれば、仕事への前向きな姿勢につながっていくでしょう。
部署や拠点が分かれていると、互いの仕事が見えにくく、業務連絡以外のやり取りは生まれにくくなります。関わる機会が少なければ、協力してもらったときの感謝も伝えそびれます。
サンクスカードを活用すれば、直接話す機会が少ない相手とも接点が生まれます。感謝をきっかけに互いの仕事を知れば、相談しやすい関係も育っていくでしょう。部門や拠点を越えた連携を強めたい企業が、目的として掲げています。
理念や行動指針を職場に浸透させるには、日常業務の中で「どの行動が自社らしいのか」を共有する機会が必要です。研修や掲示だけでは、具体的な行動例まで伝わりにくいものです。
サンクスカードのテーマや文面に行動指針を反映すれば、理念に沿った行動を感謝や称賛の言葉として残せます。価値観が具体的な行動とセットで共有されるため、抽象的な言葉のままで終わりません。
なお、サンクスカードで得られるメリットは、サンクスカードのメリットを解説した記事で詳しく紹介しています。

サンクスカードは、運用によって成果が変わります。仕組みを用意するだけでは、投稿が一部の従業員に偏ったり、義務感が生まれたりしかねません。活用している企業に共通する運用の工夫を、4つ紹介します。
サンクスカードを定着させるには、なぜ取り入れるのかを従業員に伝える必要があります。目的が曖昧なまま始めると、「書かされている」「何のために必要なのかわからない」と受け止められかねません。
活用している企業の多くは、感謝を伝える文化づくりや部署間の関係改善など、目的を具体的に発信しています。カードを書く意味や期待する行動を丁寧に伝えれば、理解も進むでしょう。運用開始前だけでなく、開始後も繰り返し発信することが大切です。
サンクスカードは、人事部門や管理部門だけで進めても定着しません。実際にカードを書くのは現場の従業員であり、日常の業務に合った使い方を考える必要があるためです。
活用している企業では、現場の管理職やリーダーを巻き込み、自然に使える雰囲気をつくる工夫が見られます。朝礼やミーティングでカードの内容を紹介したり、管理職が率先して感謝を伝えたりすると、従業員も参加しやすくなるでしょう。現場が前向きに関われるかどうかが、継続的な運用につながります。
サンクスカードを無理なく続けるために、日常業務の中で使いやすい場面を決めておきましょう。特別な成果があったときだけに限定すると、投稿機会は増えません。
一方で、日々のフォローや確認作業、顧客対応、チーム内の支援などを対象にすれば、感謝を伝える機会は自然に生まれます。活用している企業では、プロジェクト終了時や月次の振り返り、店舗間の引き継ぎ後など、業務の流れに合わせて送りやすい場面を設定しています。業務に組み込まれるほど、サンクスカードは特別な作業ではなくなります。
サンクスカードは、開始直後は投稿が増えても、時間の経過とともに参加率が下がります。継続的な参加を促すには、マンネリを防ぐ企画が必要です。
たとえば、月ごとにテーマを変えたり、印象的なカードを社内で紹介したりすると、従業員が書くきっかけを持てます。ただし、投稿数だけを強く求めると義務感が生まれます。大切なのは、感謝や称賛の質を保ちながら、自然に参加できる雰囲気をつくることです。企画は派手である必要はなく、小さな工夫から始めれば十分でしょう。

サンクスカードは多くの企業で活用できますが、特に効果を実感しやすい企業には共通する課題があります。自社の状況と照らし合わせ、活用のイメージをつかんでみてください。
ここでは、向いている企業の特徴を4つ紹介します。
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企業の特徴 |
抱えやすい課題 |
サンクスカードで期待できること |
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拠点や店舗が複数ある企業 |
他拠点の従業員の努力が見えない |
会社全体の一体感を育てる |
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部署間の接点が少ない企業 |
業務連絡以外のやり取りがない |
相談しやすい関係をつくる |
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多様な働き方を推進する企業 |
働く場所や時間で関係性に差が出る |
場所を問わず接点を確保する |
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現場の貢献が見えにくい企業 |
数値に表れない行動が評価されない |
同僚視点で貢献を可視化する |
それぞれの特徴を順に紹介していきます。
拠点や店舗が複数ある企業では、従業員同士の接点が限られます。別の拠点で働く人の努力や協力が見えないため、感謝を伝える機会も自然には生まれません。
こうした企業では、拠点を越えて感謝を共有できる仕組みが組織全体のつながりを支えます。本部から店舗へ、店舗同士で、現場から管理部門へと、日常的な協力に対する感謝を届けられるためです。離れた場所で働く従業員の行動が見えれば、会社全体の一体感も育っていくでしょう。
部署ごとの専門性が高い企業では、他部署との接点が限られます。業務上の依頼や確認は発生していても、感謝を伝える場面までは用意されていません。
サンクスカードは、業務連絡だけでは生まれにくい前向きな接点をつくりたい企業に向いています。部署を越えて協力する機会が多い一方、感謝を伝える場が少ないなら、活用のイメージも描きやすいでしょう。部署間の距離を縮めたい企業に適した仕組みです。
リモートワーク、ハイブリッドワーク、時短勤務など、多様な働き方を推進する企業では、働く時間や場所が異なる従業員同士の関係づくりが課題になります。対面での雑談や声かけが減れば、相手の努力にも気づけません。
チャットや会議では業務連絡が中心になりやすくなるからこそ、感謝を伝える場を別に用意する意味があります。柔軟な働き方の中でも組織のつながりを保ちたい企業に向いているでしょう。
現場で働く従業員の貢献は、数値やレポートだけでは伝わりません。顧客への細やかな対応、トラブルを未然に防ぐ確認、同僚への自然なフォローなど、見えにくい貢献は少なくないでしょう。
サンクスカードを活用すれば、周囲が気づいた行動を言葉にして残せます。上司だけでは拾いきれない行動も、同僚からの感謝によって可視化されます。日々の努力を認め合う文化を育てたい企業に適しているでしょう。

サンクスカードの活用を検討する際は、例文や運用の手間、企業の見方について疑問が出てきます。確認されやすい質問を取り上げ、運用を考えるうえでのポイントを解説します。
相手の行動と助かった内容を具体的に入れると伝わりやすくなります。たとえば「急な依頼にも丁寧に対応していただき、納期に間に合いました。いつも落ち着いて進めてくださりありがとうございます」といった書き方です。
単に「ありがとうございます」と書くだけでなく、どの行動に感謝しているのかを添えましょう。受け取った相手も、自分の貢献を実感できます。部署や立場を問わず、業務の中で助けられた場面を思い出して書くのがポイントです。
目的が曖昧なまま取り入れると、無駄に感じられます。投稿数だけを求めたり、義務として書かせたりすれば、従業員の負担になるでしょう。
一方、活用の目的を共有し、書きやすいテーマや運用ルールを整えれば、感謝や称賛を伝える文化づくりに役立ちます。大切なのは、仕組みそのものを目的にしないことです。職場の関係づくりや貢献の可視化など、組織課題と結びつけて運用しましょう。
業種や企業規模だけでなく、導入前の課題や運用体制まで見ることが大切です。特に、自社と近い組織課題を持つ企業は参考になります。確認したい観点は、次の4点です。
取り入れる前にどのような課題があったか
どの部署や拠点で活用しているか
誰が運用を推進しているか
活用後にどのような変化があったか
表面的な業種や規模だけで判断せず、「何を解決するために取り入れたのか」「どのように定着させたのか」に注目しましょう。自社に取り入れやすいポイントが見つかります。

サンクスカードツール「RECOG(レコグ)」は、パソコンやスマートフォンなどから手軽に感謝の気持ちを伝えられるツールです。「仕事を手伝ってくれてありがとう」「受注おめでとう!」などの感謝・称賛を伝えることで、社内に称賛文化を醸成できます。使いやすいインターフェースと手厚いサポートで、導入実績は2,000組織にのぼりました。
RECOGは以下の機能が搭載されています。
感謝・称賛を伝えるレター機能
情報や日報を投稿できる投稿フィード機能
レターの送受信の状況を可視化できる分析機能
レターの送受信件数のランキング機能
このほかにも組織を活性化できるこだわりが詰まっているので、詳細につきましては以下の資料をご確認ください。
サンクスカードを活用する企業の取り組みを見ると、感謝を伝える仕組みは、拠点間の関係づくり、現場の貢献の可視化、多様な働き方でのコミュニケーション促進、理念に沿った行動の浸透などに役立てられています。
ただし、取り入れただけで成果が出るわけではありません。目的を社内に伝え、現場を巻き込み、日常業務に合う利用場面を設計することが重要です。自社に近い企業を参考にする際は、業種や規模だけでなく、組織課題や働き方、運用体制の再現性まで確認しましょう。
サンクスカードをアプリで定着させ、感謝や称賛を見える化したい場合は、RECOGの活用もぜひご検討ください。
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