サンクスカードツールの候補を絞り込むなかで、「THANKS GIFT」と「GRATICA」は候補に挙がりやすいサービスです。どちらも従業員同士が感謝や称賛を伝え合うサービスですが、機能の広さも、料金の考え方も、運用にかかる手間も同じではありません。
検討の最終段階では、機能や料金だけでは判断がつきにくくなります。必要なのは、どの違いが自社の課題解決に効果的かを見極める視点です。
本記事では、2つのツールの違いを5つの軸で整理したうえで、それぞれに向いている企業像と、選定時に見落としやすい観点を解説します。社内で検討を進める際の判断材料としてお役立てください。

結論から述べると、THANKS GIFTは感謝の可視化に社内報やサーベイまでを束ねた多機能型、GRATICAはサンクスカードのやり取りに軸足を置いた設計です。まずは全体像を表で確認しましょう。
|
項目 |
THANKS GIFT |
GRATICA |
|
提供会社 |
株式会社Take Action |
株式会社オーケーウェブ |
|
導入実績 |
1,000社以上 |
700社以上 |
|
中心となる機能 |
コインの贈り合い、社内掲示板、チャット、社内報 |
デジタルサンクスカードの贈り合い |
|
感謝の伝え方 |
理念や行動指針に紐づくオリジナルコイン |
1,500枚以上のデザインから選ぶカード |
|
交換の仕組み |
ポイントをAmazonギフトカードなどと交換 |
貯まったポイントを商品と交換 |
|
可視化・分析 |
組織サーベイ、ランキング、MVP表彰 |
月次アンケート、ウェルビーイング循環マップ |
|
料金 |
初期費用+月額(人数により変動・年間契約) |
初期費用+月額(最低月額3万円から) |
|
導入範囲 |
少人数から数千名・数万人規模まで |
一部署からの導入が可能 |
両ツールの違いを、5つの比較軸で見ていきます。
もっとも大きな違いは、ツールがカバーする機能の範囲にあります。
THANKS GIFTはコインの贈り合いに加えて、社内掲示板、チャット、Web社内報、組織サーベイなどを1つのアプリに集約しています。社内コミュニケーションの基盤ごと入れ替えたい企業に向いた構成といえるでしょう。
一方のGRATICAは、デジタルサンクスカードを中心に据えたシンプルな設計です。機能が絞られている分、従業員が操作に迷いにくく、すでに使っているチャットツールと併用しやすい点が特徴になります。
この差は、すでにどのようなツールが社内で利用しているかによって評価が変わります。チャットも社内報も別サービスで運用が固まっている組織であれば、機能の重複が起きにくいのはGRATICAです。逆に、複数のツールが乱立して情報が散らばっている組織であれば、多機能なTHANKS GIFTに集約できます。
THANKS GIFTでは、自社の理念や行動指針に沿ったオリジナルコインを作成し、感謝の言葉に添えて贈ります。「どの価値観に沿った行動なのか」を明示できるため、理念浸透の施策と接続しやすい仕組みです。
GRATICAは1,500枚以上のカードデザインから、相手やシーンに合わせて1枚を選んで贈ります。文章を書くのが得意でない従業員でも、デザインを選ぶこと自体が気持ちの表現になるため、最初のハードルは下がりやすいでしょう。
言い換えると、THANKS GIFTは「会社が大切にしたい価値観」を起点に感謝を設計し、GRATICAは「送り手の気持ち」を起点に感謝を届ける設計といえます。理念や行動指針の言語化ができている企業ならTHANKS GIFTの仕組みが効果的ですが、まずは相互理解を深めたい段階の企業ならGRATICAの気軽さが有効になります。
両ツールともポイントを商品と交換できますが、交換先の選択肢に差があります。
THANKS GIFTでは貯めたポイントをAmazonギフトカードやスマホ決済、福利厚生サービスのポイントなどと交換でき、SDGs関連の寄付に充てる使い方も用意されています。感謝の仕組みを福利厚生の一部として位置づけたい企業が選びやすい設計です。
GRATICAもカードのやり取りで貯まったポイントを商品と交換できます。ただし報酬としての性質は比較的控えめで、カードのやり取りを楽しく続けるための後押し、という位置づけに近いといえます。
THANKS GIFTは組織サーベイやエンゲージメント診断を備え、モチベーションが下がっている従業員や、交流の少ない部署を早めに把握できます。コインの送受信数を集計してランキングやMVP表彰につなげる機能もあり、人材データの一元管理を志向する企業と相性がよいでしょう。
GRATICAは、カードのやり取りから生まれるつながりのデータと月次アンケートを組み合わせ、やりがい・人間関係・健康といった観点から組織の状態を可視化します。ウェルビーイング循環マップによって、チームの状況を直感的に把握できる点も特徴です。
分析機能は「見られる情報の細かさ」だけでなく、「誰がそのデータを読み解くのか」まで含めて考える必要があります。詳細なレポートが出ても、活用する担当者がいなければ意思決定にはつながりません。人事部門にデータを扱える体制があるかどうかも、判断の材料に加えておきましょう。
料金はどちらも初期費用と月額費用の組み合わせで、利用人数に応じて変動します。THANKS GIFTは年間契約を前提とし、初期設計から定着支援まで専属の担当者が伴走する体制を整えています。GRATICAは公式サイトで最低月額3万円からと明示しており、一部署からの導入にも対応しています。
全社で腰を据えて取り組むならTHANKS GIFT、小さく試して広げたいならGRATICA、という整理をすると検討が進めやすくなります。
なお、どちらも料金は原則として問い合わせベースです。人数やオプションの構成で総額は変わるため、公開情報だけで比べると実態を見誤ります。稟議に進む前に、同じ利用人数・同じ利用期間の条件をそろえて見積もりを依頼してください。

次は、各ツールの特徴と向いている企業を見ていきましょう。まずはTHANKS GIFTから紹介します。
THANKS GIFTの特徴は、主に以下の点です。
コイン:理念や行動指針に紐づくオリジナルコインを贈り合える
社内掲示板・Web社内報:全社への情報共有と相互理解を促す
チャット:業務連絡と称賛のやり取りを同じ環境で完結できる
組織サーベイ:エンゲージメントの状態や離職の兆候を可視化する
ポイント交換:Amazonギフトカードや福利厚生ポイントなどと交換できる
向いているのは、感謝の可視化と情報共有をまとめて進めたい企業です。店舗や拠点が分散していて全体像が見えにくい組織でも、掲示板とコインを併用すれば、離れた場所の貢献が本社や他拠点に届きやすくなります。
また、理念浸透を人事施策の中心に据えている企業とも相性がよいでしょう。行動指針をコインの形に落とし込めるため、「どんな行動が評価されるのか」が日々のやり取りを通じて伝わります。
ただし機能が多いぶん、企画・投稿・分析にかかる工数は増えます。運用担当者が一定の時間を確保できる体制は前提になるといえるでしょう。

次は、GRATICAの特徴と向いている企業を解説します。
GRATICAの主な機能は以下の点です。
デジタルサンクスカード:1,500枚以上のデザインから選んで送付できる
オリジナルカード:自社の理念やロゴを反映したデザインを作成できる
ポイント交換:やり取りで貯まったポイントを商品と交換できる
月次アンケート:やりがいや人間関係などの状態を継続的に把握する
外部ツール連携:SlackやMicrosoft Teams、LINEなどから送付できる
まずは感謝を伝え合う習慣づくりから始めたい企業に適しています。すでにチャットツールが定着している組織であれば、既存の業務フローを崩さずにカードのやり取りを重ねられるでしょう。
一部署からの導入にも対応しているため、情報システム部門の負担を抑えて試したい場合にも選びやすい選択肢です。従業員から見ても機能がシンプルで、説明会に長い時間をかけずに運用を始められます。
反面、社内報や評価との連携まで1つのツールで賄いたい場合には、物足りなさを感じるかもしれません。将来的にどこまで広げたいのかを、導入前に整理しておくことをおすすめします。
感謝のやり取りが定着したあとに、サーベイや評価との連携を検討する段階が訪れることもあります。その時点で他のツールを組み合わせる前提なら、シンプルなまま運用を始める判断も一案です。

THANKS GIFTとGRATICAを比較して迷った際は、以下3つの軸で判断してみましょう。
機能表を見比べる前に、自社の課題を1行で言語化してみてください。「情報が現場まで行き渡らない」「理念が浸透しない」といった課題が中心ならTHANKS GIFT、「感謝を伝える習慣がない」「部署間の関係が希薄」という課題が中心ならGRATICAが候補になります。
多機能なツールほど、コンテンツの企画や分析に人手が必要になります。専任の担当者を置けないのであれば、機能を絞ったツールから始めたほうが結果的に長続きするでしょう。
また、見落としやすいのが、導入初期の説明会や問い合わせ対応にかかる負荷です。機能が多いほど従業員への説明も長くなり、現場からの質問も増えます。専任担当者が2名以下であれば、まずは使い方を説明しやすいツールを選ぶ判断も現実的です。
全社一斉に導入して制度として根づかせたいのか、特定の部署で試して成果を確認してから広げたいのかによっても答えは変わります。後者を選ぶなら、部署単位での契約に対応しているかどうかを必ず確認しましょう。
段階的に広げる進め方は、現場の声を反映しながら運用ルールを調整できる点で優れています。一方、全社一斉の導入は経営メッセージとして伝わりやすく、初期の熱量を高めやすいという利点があるでしょう。

サンクスカードツールを比較する際、導入ばかりに目が向いてしまい、その後の運用定着が見落とす場合も少なくありません。社内への定着にまで発想を広げることで、ツール選定の材料となります。
サンクスカードの取り組みは、開始直後こそ盛り上がるものの、数か月経つと投稿数が落ち込むケースが少なくありません。原因の多くは機能不足ではなく、「なぜやるのか」が共有されていないことや、感謝を贈る場面が業務の流れに組み込まれていないことにあります。
ツールを比較する段階では、機能の差に目が向きやすくなります。しかし実際に成果を分けるのは、導入後にどう運用を設計するかという点です。
紙のサンクスカードが続かなかった経験を持つ企業ほど、デジタル化そのものを解決策と考えてしまう傾向です。デジタル化は手間を減らす手段であって、贈り合う理由をつくる手段ではないという点は押さえておきましょう。
現場任せにすると、一部の従業員だけが使う仕組みになりやすいといえます。管理職が率先してメンバーの行動を認める投稿を続けると、周囲も安心して参加できるようになります。
ツールの選定と同じタイミングで、「最初に誰が動くのか」を決めておきましょう。マネージャー層が定期的に称賛を発信している組織ほど、取り組みが日常に溶け込みやすくなります。
「ありがとうを送りましょう」という呼びかけだけでは、何を称賛すればよいのかがわからず、当たり障りのない投稿ばかりが並びます。行動指針や日常の具体的な場面と結びつけて基準を示すと、称賛の中身が濃くなり、制度の形骸化を防げるでしょう。

最後に、社内で比較を進める際に確認しておきたい項目を整理します。両ツールに共通して押さえておきたい観点です。
解決したい課題を1行で言語化できているか
感謝を贈る場面が日常業務のどこにあるかを想定できているか
運用担当者と、その稼働時間を決めているか
管理職の巻き込み方を設計しているか
同じ条件で見積もりを取得し、総額で比較しているか
導入後の支援内容と、その頻度を確認しているか
半年後・1年後に何が変わっていれば成功と呼べるかを定義しているか
この7項目のうち、埋まっていない箇所があれば、ツールの選定よりも先に社内で議論しておくほうが得策です。前提が固まっていれば、営業担当との商談でも具体的な質問ができ、判断の精度が上がります。

最後に、THANKS GIFTとGRATICAを比較する際によくある質問とその回答をまとめました。
技術的には併用も可能ですが、感謝を贈る場所が2つに分かれると投稿が分散し、どちらも中途半端になりやすいものです。目的を整理したうえで、いずれかに絞って運用する進め方をおすすめします。
GRATICAは営業担当への問い合わせを通じてトライアルを利用できます。THANKS GIFTも無料トライアルや期間限定のデモを案内している場合があるため、いずれも公式サイトから最新の条件を確認してください。
どちらも利用人数によって変動するため、一律の比較はできません。GRATICAは最低月額3万円からと公開されていますが、実際の総額は人数やオプションによって変わります。同じ条件で見積もりを取って比べるのが確実でしょう。
いずれも小規模組織での利用実績があります。THANKS GIFTは10名規模から、GRATICAは一部署からの導入に対応しているため、まずは対象範囲を決めたうえで相談するとよいでしょう。
サンクスカードの履歴をそのまま移行できるとは限りません。移行の可否や方法は各社の対応によって変わるため、切り替えを前提に検討している場合は、商談の早い段階で確認しておくと安心です。

ツールを比較していくと、最後に残るのは「どうすれば使われ続けるのか」という問いです。チームワークアプリ「RECOG」は、感謝や称賛を伝え合う「レター」を中心に、日々の承認を習慣として組織に根づかせるサービスです。誰がどんな行動を称賛されたのかが見えるため、通常の評価では拾いきれない貢献も可視化されます。
累計2,000社以上の組織に導入され、民間企業だけでなく自治体や学校法人など幅広い現場で活用されています。導入して終わりにせず、運用設計から定着支援まで伴走する体制を整えているため、称賛文化を根づかせたい企業に適したサービスです。自社に合うかどうかを具体的に確かめたい方は、機能や料金をまとめた資料をご用意していますので、資料請求からお気軽にご確認ください。
THANKS GIFTとGRATICAは、いずれも感謝や称賛を可視化するサービスですが、カバーする範囲と設計の思想が異なります。情報共有や理念浸透まで1つの基盤に集約したいならTHANKS GIFT、感謝を伝える習慣づくりから軽やかに始めたいならGRATICAが有力な候補になるでしょう。
比較する際は、機能表だけでなく、導入後に誰がどう運用するのかまで想像してみてください。自社の課題と運用体制に合ったツールを選び、称賛が循環する組織づくりを進めていきましょう。
\\編集部おすすめ記事//