ピアボーナスの導入を検討しているものの、「自社と似た課題を抱える企業は、どのように活用しているのだろう」「始めても一部の従業員しか使わず、形骸化しないだろうか」と迷っていませんか。仕組みやメリットだけでは、実際の運用方法や導入後の変化まで想像しにくいものです。
この記事では、RECOGを活用した称賛制度の事例を、ピアボーナス運用の参考例として課題別に紹介します。各社でポイント付与の有無や運用方法は異なりますが、称賛基準の設け方、従業員を巻き込む工夫、理念との結びつけ方など、制度設計に活かせる視点があります。
あわせて、複数の事例から見える成功ポイントと、成果につながりにくい失敗パターンも解説するので、自社の課題に近い事例を探している担当者の方は、導入前の検討材料として参考にしてください。

ピアボーナスの運用方法は、企業が抱える組織課題によって変わります。ここでは、RECOGを活用したピアボーナスの事例を紹介します。
各社でポイント付与の有無は異なるため、ピアボーナスの設計や定着に活かせる参考事例として見ていきましょう。
愛媛県松山市にて、不動産事業やフィットネス事業、ホテル・観光事業、福祉事業など多業種を展開する三福グループ。複数の企業を抱えるなかで、勤務時間や業務内容の違いから従業員同士のコミュニケーションが希薄になりやすいという課題を抱え、2020年にRECOGを導入しました。
利用率向上のきっかけとなったのは、2024年夏に開始した「称賛給制度」です。商品券などに交換できるポイントをレターに付けて贈れる仕組みを導入したところ、自発的に利用する従業員が増加。あわせて「ありがとう」などシンプルなバッジの追加や、月次の利用レポートに基づく個別の声かけ、年末の表彰制度なども実施しています。
その結果、グループ間の共通言語・共通ツールとしてピアボーナスが機能し、新卒採用時のカルチャーマッチや、グループ全体での経営者育成にもつながっているといいます。
国内外でのWi-Fiサービスを軸に事業を展開する株式会社HUMAN LIFE。IPOを見据えて組織を急拡大するなかで、生え抜きの従業員と中途入社者の意識の隔たりや、部署間の縦割りが課題となっていました。VALUE(バリュー)浸透を目的に、現場主導の「VALUE委員会」を発足させ、ピアボーナスツールを導入しています。
同社のVALUEに沿った7つのオリジナルバッジを作成し、レターを贈る際にバッジで「どのVALUEに基づいた行動か」を紐付けられる仕組みを整備。ポイントは自社商品と交換できるなど、楽しみながらVALUEに触れられる運用が定着しています。
導入当初からログイン率はほぼ100%を維持し、アンケートでは9割の従業員が「レターをもらうと嬉しい」と回答するなど、モチベーション向上にも直結しているとのことです。
コンクリート切断・穿孔を専門に手がけるコンクリートコーリング株式会社(西日本)では、人的資本経営の一環としてピアボーナスを導入しています。建設業界は現場で働く時間が多く、面と向かって感謝や称賛を伝えることが難しいという背景がありました。
同社では、レターに付与できるポイント機能を健康経営の施策と組み合わせて運用しています。たとえば、年3回のウォーキングキャンペーンでは参加者にレターでボーナスを贈り、目標達成者には追加ボーナスを付与。卒煙キャンペーンの成功者にも、社内から称賛レターが寄せられるなど、健康施策とピアボーナスを連動させた独自の使い方が特徴です。
このような取組みもあり、同社は2025年に建設業の中小企業として初めてISO 30414を取得しました。本社と現場の距離が縮まり、社内コミュニケーションの活性化を実感しているといいます。
苅田建設工業株式会社では、工事現場と事務所で働く従業員が顔を合わせにくく、部署や年代を越えたコミュニケーションが生まれにくい状況でした。職人気質の従業員も多く、口頭で褒めたり感謝を伝えたりすることへの苦手意識も課題だったといいます。
2024年2月にRECOGを導入した後は、レターで感謝や称賛を伝えるだけでなく、現場写真や工事の進捗、完成報告なども投稿し、情報共有の場として活用しています。称賛と業務情報を同じ場所で共有したため、勤務場所や年代が異なる従業員にも利用のきっかけが生まれました。日常業務に合う使い方を加えた点が、部署を越えた関係づくりにつながった事例です。
ソニアグループでは、携帯ショップ、フィットネスジム、飲食、教育など複数の事業を展開しており、営業時間や休日の違いから、事業や店舗を越えた交流が生まれにくい状況でした。従来から年1回の社内表彰「感動大賞」を実施していましたが、日々生まれる感動や貢献も共有したいと考え、2022年にRECOGを導入しています。
同社は、レターに「#感動大賞」のハッシュタグを付け、日常の称賛と既存の表彰制度を結びつけました。担当者は、部署を越えたコミュニケーションの広がりや、従業員の定着率が良くなった実感があると話しています。離職率への因果関係を示す数値ではありませんが、会社が従業員を大切にする姿勢を伝え、店舗や部署を越えた関係づくりを進めた事例として参考になります。

複数の事例を比べると、制度を定着させている企業には共通した工夫があります。ポイントや報酬の内容だけでなく、従業員が迷わず参加できる環境を整えられるかが重要です。代表的な4つの工夫を見ていきましょう。
何を称賛すればよいのかが曖昧だと、従業員は投稿内容に迷います。理念や行動指針に沿った行動、部署を支える行動、顧客への丁寧な対応など、称賛の対象を具体的に示しておくと、投稿のきっかけをつくれます。
単に「ありがとう」と伝えるだけでなく、どの行動が組織で大切にされているかを共有できるため、理念やバリューを意識する機会も増えました。基準は細かく縛るのではなく、投稿時の判断を助ける目安として設けることがポイントです。
制度を長く続けるには、従業員が日常業務の中で無理なく投稿できる状態が欠かせません。長文を求めたり、毎週の投稿数を厳しく決めたりすると、感謝を伝える行為が義務に変わります。短いメッセージでも送れること、利用場面を限定しすぎないことが負担の軽減につながります。
また、既存業務との接点をつくるとアプリを開く理由が増え、称賛制度だけが日常業務から切り離されにくくなります。たとえば、現場の写真をアプリで送ったり、店舗ごとの集客ナレッジを投稿したりすることで、称賛のきっかけが生まれます。
導入直後は、「どの程度の内容を送ればよいのか」「投稿して浮かないか」と不安を感じる従業員もいます。管理職やリーダーが先に利用し、具体的な投稿例を示せば、参加への心理的な負担も和らぎます。上司から部下への一方向だけでなく、部署や役職を越えて感謝を伝える姿勢も大切です。
たとえば、経営層が積極的に利用したり、管理職もまじえた運用委員会を立ち上げたりするのが効果的です。管理職が投稿数だけを求めるのではなく、自ら制度の目的に沿った使い方を示すことが定着を支えます。
運用期間が長くなると、似た内容の投稿が増えたり、利用する従業員が固定されたりします。称賛する行動やバッジのテーマを定期的に見直せば、同じ内容の投稿が続く状態を避けられます。季節や組織課題に合わせた企画や、既存の表彰制度との連動も選択肢です。
新しい企画を増やし続けるのではなく、利用状況や従業員の反応を踏まえて必要な部分を変える方が、運用担当者にも無理のない改善になります。

ピアボーナスは、導入しただけで称賛文化が根づく制度ではありません。目的や運用方法が曖昧なまま始めると、ポイントの獲得競争になったり、一部の従業員しか使わなくなったりします。成功事例と対比しながら、避けたい代表的な運用パターンを解説します。
ポイントや交換商品を強く打ち出しすぎると、感謝や称賛よりも報酬の獲得が目的になります。投稿数だけを評価した場合、内容の薄いメッセージや、仲のよい従業員同士でポイントを贈り合う行動が生まれかねません。
称賛と行動指針を結びつける設計にしておくと、ポイントだけに焦点が集まりにくくなります。報酬は参加のきっかけと位置づけ、称賛メッセージには具体的な行動を含めましょう。
制度の利用が一部の部署や管理職の周辺だけに偏ると、組織全体の取り組みとして定着しません。勤務場所や業務内容によってアプリを開く機会が異なる場合、現場勤務者やパートタイムの従業員が参加しにくくなります。
部署ごとの投稿数を比較するだけでなく、未利用者が参加しにくい理由に目を向け、各部署の日常に合う入口を用意しましょう。
制度を導入する目的が従業員に伝わっていないと、ピアボーナスが一時的な社内企画として受け止められ、利用が続きません。人事部門だけでルールを決め、現場には使い方だけを案内しても、従業員は必要性を感じないためです。
導入前に、解決したい課題、称賛したい行動、運用を支える人を明確にしておく必要があります。

ピアボーナスの導入を検討する際は、有名企業の事例だけでなく、自社の規模や課題との相性も気になるところです。企業事例の選び方や制度の取り入れ方について、よく挙がる疑問に回答します。
代表的な企業として知られているのが株式会社メルカリです。同社は2017年9月に、Uniposを利用したピアボーナス制度「mertip」を導入しました。従業員同士が感謝や称賛のメッセージと、一定額のインセンティブを贈り合う仕組みです。
導入から約1か月後の社内アンケートでは満足度が約87%となり、期待以上の効果があったと公開されています。ただし、企業名の知名度だけで判断せず、自社と組織課題や働き方が近い事例を選ぶことが大切です。
参考:メルカリ公式メディア「贈りあえるピアボーナス(成果給)制度『mertip』を導入しました。」
導入目的を明確にし、日常業務に合った運用を設計すれば活用できます。むしろ従業員数が少ない組織ほど、一人ひとりの貢献が全体へ与える影響は大きくなります。
従業員同士の距離が近い企業では、「わざわざアプリで伝える必要はない」と思われることもあるでしょう。しかし、誰がどのように貢献したかを記録し、組織全体で共有できる点は、小規模な組織でも役立ちます。最初から複雑なポイント制度を設けず、感謝メッセージを贈る運用から試す方法もあります。
成功事例の仕組みをそのまま真似しても、必ず定着するとは限りません。企業によって従業員数、勤務場所、雇用形態、既存の表彰制度、解決したい課題が異なるためです。店舗型企業の運用を、全員が同じオフィスで働く企業へそのまま当てはめても、必要な投稿のきっかけや運用ルールは変わります。
事例から取り入れたいのは、具体的なポイント数や投稿回数ではなく、課題に合わせて制度を設計する考え方です。自社の目的を決めたうえで対象部署を限定した試験運用を行ない、従業員の反応や利用状況に応じて調整すると、無理のない制度へ育てられます。

ピアボーナス制度の運用や、社内に称賛文化を根付かせる取り組みを検討している方には、チームワークアプリ「RECOG(レコグ)」がおすすめです。
RECOGは、感謝や称賛の気持ちをメッセージとポイントで贈り合える「レター機能」を中心に、投稿フィード機能、送受信状況の分析機能、ランキング機能などを備えたツールです。直感的に使えるUIと手厚いサポートが評価され、導入実績は2,000組織を超えています。
スマートフォンからも手軽に利用でき、リモートワーク下でも部署や拠点を越えた称賛のやり取りが自然と生まれます。
「自社にどう取り入れればよいかわからない」「具体的な機能や料金を知りたい」という方は、まずは無料の資料をご覧ください。RECOGの活用シーンや料金プラン、導入事例まで、はじめての方にもわかりやすくまとめた資料をご用意しています。
ピアボーナスを定着させるには、有名企業の制度をそのまま取り入れるのではなく、自社の課題に合う活用方法を選ぶことが大切です。紹介した事例では、称賛基準を明確にする、投稿しやすい環境を整える、管理職と現場が同じ目的を共有する、称賛テーマを定期的に見直すといった工夫が見られました。
一方、ポイント獲得だけを目的にした運用や、一部の部署に偏った利用、導入目的が伝わらない状態では、制度は形骸化します。導入前に、解決したい課題と称賛したい行動を言語化しておきましょう。
RECOGでは、感謝や称賛を伝えるレター、行動指針と結びつけるバリューバッジ、組織のつながりや利用状況を捉える分析機能などを活用できます。自社に合うピアボーナスや称賛制度の設計・運用を検討している場合は、RECOGの活用もぜひご検討ください。
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