「ありがとう」「すごいね」など、ポジティブな言葉は何度かけられてもうれしいもの。そんな感謝や称賛のメッセージと一緒に、少額の報酬を送る制度「ピアボーナス」をご存じでしょうか。さまざまな組織課題の解決につながることから、現在多くの企業でピアボーナスが導入されています。
そこで本記事では、ピアボーナスツールのおすすめ10選をご紹介。無料トライアルの実施を含めそれぞれの特徴を解説しますので、ぜひピアボーナスツール比較にお役立てください。
近年注目が集まっているピアボーナスは、ツールを利用して運用している企業も少なくありません。まずはピアボーナス制度の概要と、ツールの特徴・機能について紹介します。
ピアボーナスとは「Peer(同僚)」と「Bonus(報酬)」を掛け合わせた言葉で、従業員同士がメッセージと少額の報酬を送り合う制度です。仕事で助けてもらったときや、高い成果をあげたときなど、感謝・称賛の気持ちを伝えたい場面で送ります。
一緒に働く仲間から「ありがとう」「すごいね」と言葉をかけられるだけでなく、報酬という形で示されることで、励みになりモチベーションアップにつながります。またピアボーナスを通じて称賛文化が育まれるため、社内の雰囲気改善やコミュニケーション活性化も期待できるのがメリットです。
ピアボーナスで送られる報酬は現金ではなく、ポイントなど社内通貨が一般的です。貯まった報酬はギフトに交換できたり、企業によってはボーナスに反映されたりします。
メッセージや報酬のやり取り、ギフトへの交換を効率化できるのがピアボーナスツールです。ピアボーナスツールを使えば、わざわざ手書きでメッセージを書かずともパソコンやスマホで入力し、報酬と一緒に送信可能。受け取った報酬はツール上で自動管理されます。
また分析機能で利用率が確認できるため、ピアボーナスの運用改善にも役立てられます。
ピアボーナスツールの重要性が高まっている背景には、どのような理由があるのでしょうか。ピアボーナスツールが必要とされている理由を、組織課題の観点から解説します。
感謝を伝えたいと思ってもその場では声をかけられず、タイミングを逃してしまった経験は誰しもあると思います。
そんなときピアボーナスツールがあれば、思い立ったときにパソコンやスマホから気軽にメッセージと報酬で気持ちを伝えられます。ピアボーナスを受け取った従業員も「ありがとう」と返信したり、直接声をかけたりすることで、双方向のコミュニケーションが生まれるでしょう。
ピアボーナスは全従業員に送れるため、チームや部署の垣根を超えたコミュニケーションが活発になります。
試行錯誤してやっと得られた仕事の成果や、チームのために行なった言動に対して、まわりから感謝されたり褒められたりすると素直にうれしいものです。「次もがんばろう」とモチベーションが上がり、社内やチームの雰囲気も明るくなるでしょう。
ピアボーナスにより称賛文化が根付くにつれて、自然と相手のよい面に目を向ける習慣がつきます。互いを認め合い長所を伸ばしながら仕事に取り組めるため、ピアボーナスには心理的安全性を向上させる効果もあります。
上司が部下を評価する人事評価制度を採用している企業は多いと思いますが、上司一人が部下全員の働きを完璧に把握するのは困難です。上司が見ていないところで”縁の下の力持ち”として、チームに大きく貢献している従業員もいるでしょう。
ピアボーナスは全従業員が送り合えるものであるため、送られたメッセージや報酬を人事評価に反映すると360度評価が実現できます。ピアボーナスによって上司の一存で決まらない公平性の高い人事評価が叶うため、離職防止にもつながります。
ピアボーナスの浸透において、ひとつのハードルとなるのが「手間」です。
アナログな方法で運用すると「紙のカードにメッセージを手書きする」「渡したい相手が席にいるタイミングを見計らう」「受け取った報酬の額を管理する」など、煩雑さから制度が形骸化する恐れがあります。
しかしピアボーナスツールを使えば、パソコンやスマホからメッセージを入力し、その場で送信可能。報酬もツール上で自動管理されるため、運用にかかる手間を大きく削減できる点がピアボーナスツールの大きなメリットです。
豊富なピアボーナスツールの中から、自社に合ったツールを選ぶのが運用成功の秘訣です。ピアボーナスツール選定の際は、これからご紹介するポイントをぜひ参考にしてみてください。
ピアボーナスツールは、メッセージと報酬の送受信がメイン機能になっている「特化型」と、社内掲示板やチャットなど複数の機能を搭載した「多機能型」があります。ピアボーナスツールを検討する際は、自社に必要な機能が搭載されているか、現在利用しているツールとバッティングしないかをポイントに選ぶとよいでしょう。
優れた機能を持つピアボーナスツールだとしても、従業員が使いこなせなければ意味がありません。ピアボーナスツールを選ぶ際は、わかりやすく使いやすいUI・UXであるかを確認しましょう。全従業員がストレスなくピアボーナスツールを利用できるよう、「デジタルツールに苦手意識のある従業員が直観的に使えるか」を判断基準とするのがおすすめです。
ピアボーナスツールに関わるコストには、導入時の初期費用、ランニングコストである月額料金、ギフト交換にかかる手数料などがあります。ピアボーナスツールの初期費用や月額料金はツールごとに異なるため、事前に確認が必要です。また、毎月の料金プランが複数用意されていたり、利用する従業員数やオプションの有無によって月額料金が変動したりするツールもあります。
ピアボーナスツールを選ぶときには、必要な機能を検討したうえで適正なコストかをチェックしましょう。
ピアボーナスツールの導入はあくまでスタートであり、社内に定着させるまでが重要です。「ピアボーナスを浸透させるノウハウを提供してくれるか」「導入後のトラブルにも迅速に対応してくれるか」など、手厚いサポート体制も見逃せません。ピアボーナスツールを初めて導入するのであればなおさら、豊富な実績を持つツールを選ぶのがおすすめです。
ピアボーナスツールでメッセージを送る際、やり取りのなかで顧客情報や売上といった機密情報が混ざる場合もあるでしょう。ピアボーナスツールから大切な情報が流出することがないよう「データは暗号化されているか」「アクセス制限が施されているか」「機器の紛失時には遠隔でログアウトできるか」など、セキュリティ対策も確認しておきましょう。
ここまでご紹介したポイントのほか、以下のような観点でもピアボーナスツールを比較検討できます。
交換できるギフトの種類が豊富か
現在利用している他ツールと連携できるか
スマホ版のアプリがあるか
利用状況を分析できるレポート機能があるか
自社の利用目的に合わせてカスタマイズできるか など
このようなポイントを参考に、自社に適したツールを見極めましょう。
さまざまな特徴を持つピアボーナスツールの中から、今回は10種類のツールをご紹介します。ピアボーナスツールの導入を迷われている方は、先ほど解説した選定ポイントをもとに比較検討してみてください。
感謝や称賛を送り合うことで、社内のコミュニケーションを活性化させるアプリ「RECOG」。利用社数は1,500社以上で、幅広い業界から注目を集めているピアボーナスツールです。
ピアボーナスを贈るには、称賛・感謝のメッセージを伝える「レター」にポイントを付与します。ポイントはギフトに交換でき、自社オリジナルのギフトサイトの構築も可能です。
直感的に利用できるUI・UXにこだわっており、その使いやすさは「30分あれば誰でも利用できる」と定評があるほど。ピアボーナスツール導入前後のサポートも充実しており、トラブルの際は専任のカスタマーサクセス担当に相談が可能です。また、機密情報の暗号化・IPアドレスでのアクセス制限・紛失時のログアウト機能など、万全のセキュリティ対策が施されているため安心して利用できます。
RECOGはピアボーナス以外にも豊富な機能を備えた多機能型のツールであるため、以下も利用が可能です。
優れたノウハウ・情報を共有できる「掲示板機能」
個人・グループ間でやり取りできる「トーク機能」
利用状況や、個人の強みを可視化できる「分析機能」
さまざまな組織課題を解決できるRECCOGについての詳細はこちらの資料で紹介しています。ぜひダウンロードしてみてください。
感謝のコミュニケーションを通して、経営理念の浸透・離職を防止する「THANKS GIFT」。「エール機能」と呼ばれるピアボーナス機能を使って、感謝や応援のメッセージと報酬を送り、社内コミュニケーションを活性化させます。 貯まった報酬はAmazonギフトカードやQUOカードPay、JALマイレージバンクなどに交換可能。 THANKS GIFTも多機能型のピアボーナスツールで、従業員のモチベーションやメンタルヘルスを可視化する「パルスサーベイ」、理念・ナレッジを共有できるWeb社内報など、さまざまな機能が搭載されています。 心理的安全性やエンゲージメントを高め、人事担当・経営者から見えづらかった従業員の貢献度を可視化できるピアボーナス。「Unipos」はピアボーナスを軸に企業文化を変え、組織課題の解決を目指すツールです。 Unipos上で、よい行動に称賛のメッセージと報酬を送信。そのメッセージを他の従業員が見ることで、自分が気づかなかった仲間のよい行動を学習し、ポジティブなコミュニケーションを増幅させます。 また、SlackやMicrosoft Teams、Ctatworkなど他ツールとの連携も充実。支援体制も整っており、ピアボーナスに関する豊富な経験とノウハウを持つチームが運用を伴走してくれます。 「TUNAG」は「人と組織に働きがいを」を理念とし、社内のさまざまな取り組みをサポートするクラウドサービスです。その機能のひとつに、感謝・称賛のメッセージを送れるサンクスカードがあります。サンクスカードに報酬機能を追加すると、ピアボーナスツールとしても活用が可能です。 ツール導入後も専任のスタッフが運用・定着をサポート。ヘルプコンテンツや導入企業同士のコミュニティなど、手厚いサポート体制が構築されています。 TUNAGも多機能型のため、ピアボーナス以外にも以下のような機能を備えています。 社内チャット マニュアル管理 社内アンケート ワークフロー など ピアボーナス以外にも組織改善の取り組みを実施したい企業に適しているといえます。 感謝の気持ちを伝え合って、チームワークを改善するサービス「GRATICA」。感謝のメッセージと報酬の送受信をメインとする、特化型のピアボーナスツールです。 1,500以上の豊富なメッセージカードの中から、感謝を伝える相手やシーンにぴったりのカードを選んで「ありがとう」を伝えられます。オリジナルカード機能を使うと、企業独自のデザインでメッセージカードを作れるため、ピアボーナスを通じて経営理念やビジョンの浸透も図れます。 ビジネスチャットツールとの連携も充実しており、SlackやMicrosoft Teams、Chatworkのほか、LINEやLINE WORKSなど多様なツールと紐づけが可能です。 「OH!KIMOCHI」は特化型のピアボーナスツールで、非常にシンプルな操作性を備えています。初期費用が無料で、月額料金は5,000円〜とコストを抑えてピアボーナスを導入・運用できる点も特徴です。 送信されたメッセージはOH!KIMOCHIのタイムラインに表示されますが、希望により匿名にすることも可能(送受信者とシステム管理者には名前が表示されます)。誰が誰にピアボーナスを送ったかを、全社に公開するのに抵抗がある場合も安心して利用できます。 受け取った報酬はデジコポイントへの交換を経て、最大6,000種類以上のギフトと交換可能です。 アメリカで生まれたピアボーナスツール「HeyTaco」。チーム内の感謝を習慣にし士気を高めることで、チームワーク向上を目指します。 HeyTacoもメッセージと報酬の送受信がメインとなる特化型のピアボーナスツールで、感謝・称賛の気持ちを込めて、仮想通貨「タコス」を送り合います。 ビジネスチャットツールではSlackやMicrosoft Teams、Goggle Chatなどと連携可能。ピアボーナスを通じて貯まった報酬はギフトに交換できるだけでなく、導入企業がどんなギフトにするかを決められます。ツールの基本言語は英語ですが、30日間の無料トライアルで使いやすさを確認できます。 モチベーションをアップさせるサービス「インセンティブ・ポイント」は、従業員だけでなく、顧客・代理店にも報酬(ポイント)を送れる点が特徴です。 企業オリジナルのポイント付与基準や、ポイント名称を設定できるのも魅力のひとつ。ピアボーナスツールの導入目的に合わせたルールや、社内で馴染のある名称にすると浸透度が加速します。 また、管理者は自由にポイント設定ができるため、ニーズに合わせたカスタマイズが可能です。例えば、感謝を伝えたいときにポイントを付与するのはもちろん、繁忙期にシフトに入ってくれた従業員にポイントを付与するといった使い方もできます。 従業員エンゲージメントを高めて離職を防止するツール「agelu(あげる)」。多機能型のピアボーナスツールで、以下3つの投稿が可能です。 特定の相手に感謝のメッセージを送れる「感謝投稿」(報酬の設定が可能) 組織全体に向けて自由に発言できる「つぶやき投稿」 グループ内でメッセージのやり取りができる「コミュニティ投稿」 シンプルな操作性とテキストのみのメッセージによって、従業員が負担に感じることなくピアボーナスツールを使えるので、コミュニケーションが活性化します。初期費用が無料で月額料金のみで利用できるため、ピアボーナスツールのコストを抑えたい企業も導入しやすいでしょう。 従業員エンゲージメントの向上、称賛文化を実現する「Sushi Bonus」は、特化型のピアボーナスツールです。Slack、Microsoft Teams、Chatwork、LINEなどと連携できるため、現在利用しているビジネスチャットツールに紐づけて運用できます。 企業独自のボーナスも設定でき、導入目的や企業文化に合わせてカスタマイズしながらピアボーナスの定着を図れる点も魅力です。さらに、経営理念に沿った行動をした従業員にはハッシュタグをつけてメッセージと報酬を送ると、理念やビジョンの浸透にも役立ちます。 月額料金は1アカウントあたり385円(税込)で最低利用人数の設定がないため、小規模の企業でも導入しやすいでしょう。 従業員同士のつながりを強化し、一人ひとりの頑張りや成果を可視化できるピアボーナスツール。導入を検討している方は、すでに活用している企業の事例を参考にするのもおすすめです。 チームワークアプリ「RECOG」でピアボーナス制度を運用している企業の事例を見ていきましょう。 コンサルティングやホームページ制作、通信教育などを手がける株式会社アンドワイでは、2021年7月よりグループ会社を含む5社でRECOGを導入。導入背景としては、愛知県名古屋市を拠点としており、全国各地に点在するアポインター(=マーケター)とのコミュニケーション不足を解消したいという想いがありました。 アポインターとはオンラインでのやり取りが基本ですが、名古屋に来てもらい対面で話をしたいという想いから、ピアボーナスで換えられる報酬の中に「名古屋への無料招待」を入れています。実際、名古屋に訪問してからモチベーションが上がり、実績が跳ね上がった事例もあるそうです。ほかにも「30分~1時間程度の個別電話」や「一緒に食事を楽しむ美食会」も交換できる報酬の中に入れ、物理的に離れているメンバーともコミュニケーションを大事にしています。
システム開発やコンサルティングなどの事業を展開する株式会社イーガオは、「金銭報酬」と「感情報酬」という2つの報酬の概念を持っています。感情報酬の位置づけとしてピアボーナス制度を導入し、感謝や称賛といった感情を報酬で表現する取組みを行なっています。 ポイントと交換できる報酬は、Amazonギフト券のほか、自社のオリジナルキャラクターであるガオ君のオリジナル商品も展開。自社ならではの魅力として社内に徐々に浸透し、サンクスレターの贈り合いにもつながっているとか。モチベーション向上や職場雰囲気の改善などの効果も感じているといいます。
ビジネスウェアや関連商品を販売する株式会社コナカ。2018年10月からRECOGを導入し、日本全国に展開する400以上の店舗の垣根を超えてコミュニケーションを取り合える文化を形成しています。 感謝・称賛を伝えるツールとしてだけでなく、ピアボーナスツールとしても活用。レターの贈り合いによって貯まったポイントを多様な商品を交換できるため、従業員の利用を促進しているそうです。
称賛文化の醸成によって、社内のコミュニケーションを活発にし、従業員のモチベーションや心理的安全性を高めるピアボーナス。メリットの多い制度だからこそ、従業員がストレスを感じずに利用できる環境が大切です。 ピアボーナスツールは、従業員一人ひとりはもちろん、運用・管理を担う社内の担当者にとっても手間を大きく削減できるものです。多種多様なピアボーナスツールの中から自社に合ったものを選べるよう、ぜひ本記事を参考に比較検討してみてください。 \\編集部おすすめ記事// THANKS GIFT
Unipos
TUNAG
GRATICA
OH!KIMOCHI
HeyTaco
インセンティブ・ポイント
agelu
Sushi Bonus
ピアボーナスツール導入企業の成功事例
株式会社アンドワイ
株式会社イーガオ
株式会社コナカ
まとめ