導入事例

トップダウンとボトムアップの突破力。縦割り組織を溶かし、全従業員をひとつにするVALUE改革の全貌

トップダウンとボトムアップの突破力。縦割り組織を溶かし、全従業員をひとつにするVALUE改革の全貌

101〜300名
IT・インターネット
人事施策・評価制度
コミュニケーション
理念浸透
連携強化
社内風土
公開日: 2026.02.12
更新日: 2026.02.12

株式会社HUMAN LIFE(以下、HUMAN LIFE)は、国内外でのWi-Fiサービス(ZEUS WiFiZEUS WiFi for GLOBAL)提供を軸に、現在はAIを活用したサービス開発にも注力しています。さらなる成長に向けてIPO(新規上場)を見据え、事業を拡大している同社。そんななかで直面したのは、社風を重んじる生え抜きの従業員とキャリアを積んだ中途採用者の間で生じる「意識の隔たり」という壁です。

 

この壁を壊し、全従業員が同じ方向を向くために同社が選んだ手段は、VALUE(バリュー)の浸透でした。チームワークアプリ「RECOG」と、従業員自らが主導する「VALUE委員会」の設立を通じ、どのようにVALUEを浸透させていったのか。代表取締役社長の板垣様、VALUE委員会の中野様、辻様にお話をうかがい、RECOG導入から約半年経った今までを振り返っていただきました。

 

 


 

組織の急拡大がもたらした「見えない溝」

―RECOGを導入される前、組織にはどのような課題があったのでしょうか?

板垣様(以下、敬称略):当社は現在、IPOを目指して組織体制や規模を大きく変化させている真っ只中にあります。その過程で、さまざまな企業でのキャリアを経て高い専門性を持った人材が外部から次々と入社してくれました。非常に喜ばしいことなのですが、一方で「昔からの社風を知る新卒・生え抜きの従業員」と「経験豊富な中途入社者」の間で、「意識の隔たり」があるように感じるようになりました。

 

また、組織が大きくなるにつれ、隣の部署の人が何をしているのか、誰がいるのかさえ分からないという、いわゆる「縦割り」の弊害が顕著になっていました。このまま分断が進むのは良くない、と危機感を抱き、改めて私たちの根本にある「VALUE(バリュー)」を浸透させて全従業員が同じ方向を向いていく必要性を痛感したのが、今回のプロジェクトの出発点です。

 

 

現場主導の「VALUE委員会」が変革を牽引する

―VALUEを現場に落とし込むために、どのような体制を作られたのですか?

板垣:「会社の思想に沿って行動しよう」と口で言うのは簡単ですが、現場に落とし込むのは非常に難しい作業です。そこで、現場メンバーも巻き込んだ「VALUE委員会」を発足させました。現在9名のメンバーがいますが、私が直接声をかけて集めたメンバーです。

 

委員会の構成にもこだわりました。共通認識を持ちやすい古参メンバーを8割程度にしつつ、新しい意見を取り入れるために、あえて社歴に関係なく新メンバーも加えています。幅広い役職や部署から適任者が集まることで、一方的なトップダウンではなく、全社的な視点で施策を打てるように工夫しています。

 

(VALUE委員会の打ち合わせの様子)

 

具体的な取組みを検討するなかで候補に挙がったのが、サンクスカードの運用でした。実は、以前もRECOGのようにサンクスカードを贈り合えるコミュニケーションツールを導入したことがあるのですが、その際は目的も運用体制もあいまいなまま導入したことで、運用が定着せず形骸化してしまった過去があります。そこで、そのときの反省点を活かし、VALUE浸透に最適なツールを選定することにこだわりました。

 

中野様(以下、敬称略):他社のサービスは、あくまで「ありがとう」を贈り合うサンクスレターが基本機能です。しかし、私たちの目的は「VALUEの浸透」です。RECOGは、レターを一通贈る際にも必ず「どのVALUEに基づいた行動なのか」をバッジで紐付けられます。この設計が、私たちの目指す組織づくりに合致していました。

 

辻様(以下、敬称略):RECOGに決めた理由は複数あるのですが、すでに導入している社内プラットフォームと連携できることは大きな決め手でした。また、単なるメッセージツールではなく、バッジやポイント制度といった「楽しみながらVALUEを浸透できる仕組み」が搭載されていたことも大きかったです。ポイントを自社商品と交換できるなど、運用の柔軟性が非常に高い点も魅力でした。


 

トップダウンとボトムアップの両立が成否を分けた

―新たにRECOGを導入する際、現場からの反発や苦労はありませんでしたか?

板垣:驚かれるかもしれませんが、苦労は全くありませんでした。実は、ツールの導入前から「これからはVALUEを大事にしていきたい」という想いを、経営方針発表会や忘年会のたびに、しつこいくらいに発信し続けていたんです。まさに「種まき」の期間ですね。

 

現場の従業員たちも「次はVALUEを軸にした何かが始まるんだな」という心の準備ができていました。その土壌があったからこそ、導入当初からログイン率ほぼ100%という好調なスタートを切ることができました。

 

(RECOG導入説明会の様子

 

―現在はどのような運用をされているのでしょうか?

辻:当社のVALUEは以下の7つです。

  • 縁、人の縁を大切にする

  • 場、人生を共有できる仲間と出会える場所

  • 挑、成長にコミットし、チャレンジし続ける

  • 気、感謝を忘れず、本気で向き合い、研鑽する

  • 速、最適・最短・最速

  • 責、役割を考え、責任を果たす

  • 共、パートナーやお客様の繁栄に寄与し、共に成長する

VALUEに沿った7つのオリジナルバッジを作成し、称賛や感謝を感じたらすぐに言語化してレターを贈るよう働きかけています。

 

また、私たち委員会メンバーに各部署のマネージャーレイヤーが多いことを活かし、まずは私たちが積極的に利用するようにしています。「上司がやっているなら自分もやってみよう」という安心感を現場に持ってもらうためです。

 

今はRECOGを使ってもらう・理解してもらうことを重視して運用しているため、従業員もカジュアルに利用できているようで、ログイン率もレター送信率も高い水準となっています。


 

RECOGを通じて可視化された従業員の意外な一面

―RECOGを導入してから、どのような効果を感じていますか?

辻:印象に残っているのは、Wi-Fi事業部の物流担当メンバーの話です。彼は普段、黙々と作業をこなすタイプで、他部署と深く関わる機会もほとんどありませんでした。しかし、蓋を開けてみると、彼が社内で最も多く投稿してくれていたんです。ほぼ毎日欠かさず投稿してくれる彼の姿を知り、全従業員が「こんなに素敵な人だったんだ」と驚きました。RECOGがなければ知ることのできなかった彼の人となりが可視化され、RECOGを活用した意義を実感した瞬間でした。

 

他の従業員に関しても、日ごろどのような仕事をしているのか、どのような課題にチャレンジしているのかなどがレターを通じて把握できるため、部署を横断して相互理解できていると感じています。

 

ユーモアのあるやり取りも増えましたね。「ありがとう」をあいうえお作文にして贈っているメンバーがいて、その言葉選びのセンスに社内が沸くこともあります。堅苦しい報告だけでなく、こうした遊び心のあるコミュニケーションが生まれることで、社内の雰囲気が一気に和やかになりました。

 

中野:新入社員が入社しても、日常的に感謝や称賛を贈れるのは、その人の頑張りを直接見ている直属の上司や先輩に限られます。しかし今はRECOGを通じて他部署の新入社員の頑張りや成果を知ることができ、「頑張っているね」と全社で声をかけられる環境になっています。今までは個人間や部署内に留まっていた感謝・称賛が、RECOGによって全社に広がっているのが嬉しいです。

 

板垣:経営視点でも、RECOG導入後は変化を実感しています。とくに、当初から取り組んでいるVALUEの浸透には、大きな進歩が見られます。

 

レターを贈る際にバッジを選択することで、従業員たちはHUMAN LIFE のVALUEを自然と意識できるようになっているようです。

 

また、一人ひとりの仕事や頑張りを可視化できていることには、大きなメリットを感じています。今までは縦割りの意識が強かったため、隣の部署にいる人の名前もわからず、その状況が当たり前にさえなっていました。しかしRECOG上で「あの人はこんな仕事しているのか」「あんなことを頑張っているのか」という新しい発見がきっかけで、積極的にお互いについて知ろうとしてくれているように見えます。

 

RECOGでのやり取りを見ていると、会社で何が起きているのか把握できます。今日一日何があったのか、どんな成果があったのかがRECOG上で可視化されているため、会社の動きを手軽に確認できるのが嬉しいです。


 

オンラインとオフラインの融合でVALUE浸透を加速

―オンライン以外での取り組みについても教えてください。

辻:VALUEへの理解を深めるため、定期的にVALUEに関するディスカッションを開催しています。部署を横断してレイヤーごとにディスカッションを行ない、VALUEについて理解するだけでなく、他部署とのコミュニケーションを深める機会をつくっています。

 

ディスカッションが終わったら「意見が参考になりました」などのお礼をRECOG上で贈り合っているのも見かけます。

 

また、2〜3ヶ月ごとに、VALUE委員会主導で交流会を開催しています。そこでは、特に素晴らしかったレターを選抜して発表する「プチ表彰式」を行っています。贈った本人に「なぜこのレターを書いたのか」「どのようなポイントで書いたのか」などをインタビューすることで、その人の価値観がさらに深く伝わるようにしています。

 

中野: 昨年末の忘年会では、これまでのレターの内容を詰め込んだ「感謝のアルバム」を受賞者に贈りました。受け取ったメンバーが、嬉しさのあまり泣き出してしまったのを見て、私たちも胸が熱くなりました。受賞者は「誰かに褒められるためではなく、ただその人の良いところを知ってほしい」という純粋な想いでレターを贈っていると話しており、今のHUMAN LIFEには感謝や称賛が溢れていると感じましたね。


 

未来への展望。オフライン施策との連動とさらなる浸透

―今後の目標について教えてください。

板垣:RECOGを通じてVALUE浸透が進んでいる実感がありますが、私たちはまだ「入口」に立ったばかりだと考えています。今後はこの熱量を冷まさないよう、従業員たちの関心が高い今のうちに、さらにオフラインと連動させた取組みを増やしたいです。

 

たとえば、RECOGでの活動を反映させた評価指標の設定です。定性的な評価を上司がメンバーに行う際の情報源として、RECOGのデータを活用したいと考えています。

 

先日は、オフライン企画として「VALUE祭」という社内イベントもVALUE委員会が主体となり、開催しました。今後は、名刺やスクリーンセーバーのデザイン刷新、VALUEが描かれた法被の作成なども予定しています。

 

辻: アンケートでも9割の従業員が「レターをもらうと嬉しい」と回答しており、モチベーション向上への寄与は間違いありません。最終的には、この取組みが社外からも評価され、「RECOGアワード」の受賞を目指していきたいです。

 

組織の課題を解決するアプリ、RECOG
RECOGは、メンバー同士の「感謝」「称賛」を通じてコミュニケーションを活性化するアプリです。 心理的安全性を高め、チームの活性化に貢献します。
RECOGは、メンバー同士の「感謝」「称賛」を通じてコミュニケーションを活性化するアプリです。 心理的安全性を高め、チームの活性化に貢献します。

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