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企業がやるべき健康管理とは|義務と施策、形骸化を防ぐ進め方

企業がやるべき健康管理とは|義務と施策、形骸化を防ぐ進め方

公開日: 2026.06.23
更新日: 2026.06.23

従業員の健康管理は、いまや一部の担当者だけの業務ではなく、企業全体で向き合うべき経営課題になっています。法律上の義務を満たすだけでなく、生産性や人材の定着にもつながります。一方で、健康診断やストレスチェックを「実施して終わり」にしてしまい、制度が形骸化している企業も少なくありません。

 

本記事では、企業に求められる健康管理の範囲や具体的な施策、形骸化を防ぐ視点、進め方の4ステップまでを整理して解説します。

 

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企業の健康管理とは

企業がやるべき健康管理とは、従業員一人ひとりの心身の状態を把握し、長期的な視点で病気やケガの予防と健康の増進に取り組むことを指します。

 

混同されやすい「体調管理」との違いは、対象とする期間にあります。体調管理が短期的にコンディションを整える行為であるのに対し、健康管理は継続的に従業員の健康を守ることを目的とした取り組みです。

 

かつて健康管理は従業員個人の自己責任と捉えられ、企業は健康診断を実施する程度にとどまっていました。しかし現在では、従業員の健康を組織の資本とみなし、企業が主体的に関わる考え方が広がっています。この延長線上にあるのが、健康管理を経営戦略として位置づける「健康経営」です。健康管理は、健康経営を支える日常的な土台だといえるでしょう。

 

 

企業に健康管理が求められる理由

企業が健康管理に取り組む理由は、大きく「法律上の義務」と「経営へのメリット」の2つに分けられます。それぞれを確認していきましょう。

 

法律で義務づけられているため

企業が従業員の健康を守ることは、複数の法律によって義務づけられています。労働契約法第5条では、企業が従業員の生命や身体の安全に配慮する「安全配慮義務」が明文化されています。

 

また労働安全衛生法では、健康診断の実施や産業医の選任、ストレスチェックの実施など、従業員の健康を保持・増進するための具体的な措置が定められています。これらを怠った結果として健康被害が生じた場合、企業が損害賠償責任を問われるおそれもあるため、法令遵守の観点からも健康管理は欠かせません。

 

出典:労働契約法労働安全衛生法|厚生労働省

 

生産性と人材定着に直結するため

従業員が体調不良やメンタル不調を抱えたまま働くと、集中力や判断力が低下し、業務の質が落ちます。出勤していても本来の力を発揮できない状態はプレゼンティーズムと呼ばれ、欠勤による損失以上に企業へ影響を与えるとも指摘されています

 

健康管理によって従業員が良好な状態を保てれば、生産性の向上だけでなく、離職率の低下や採用面での評価向上にもつながるでしょう。健康への配慮が行き届いた職場は、求職者や取引先からの信頼を得やすく、人的資本経営の観点でもプラスに働きます。

 

 

企業が取り組む健康管理の施策【3分類】

健康管理の施策は幅広く、何から着手すべきか迷いやすいものです。ここでは「法律上の義務」「予防・増進」「組織風土づくり」の3つに分けて整理します。

 

法律上の義務として行なう施策

まず満たすべき土台となるのが、法律で定められた施策です。代表的なものは次のとおりです。

  • 健康診断:労働安全衛生規則第44条にもとづき、年1回の定期健康診断などが義務づけられています。常時50人以上の従業員を使用する事業場では、結果の報告も求められます。

  • ストレスチェック:従業員数50人以上の事業場では、年1回の実施が義務です。50人未満の事業場についても、対象拡大に向けた法改正が進められています。

  • 産業医・衛生管理者の選任:50人以上の事業場では、専門的な立場から健康管理を担う産業医を選任しなければなりません。

これらは「やって当たり前」の最低ラインであり、ここを満たしたうえで次の段階へ進むことが重要です。

 

出典:労働安全衛生規則ストレスチェック制度について小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル|厚生労働省

 

予防と健康増進のための施策

法定義務を満たした次の段階が、疾病の予防と健康の増進を目的とした施策です。具体的には以下のような取り組みが挙げられます。

  • 長時間労働の是正と適切な勤怠管理

  • 生活習慣の改善支援(食事補助、運動機会の提供、禁煙支援など)

  • 働きやすい職場環境の整備(温度・照明・作業スペースなど)

  • 相談窓口やカウンセリングの設置

これらは法律で必須とされているわけではありませんが、不調を未然に防ぎ、従業員が安心して働ける環境を整えるうえで効果的です。

 

組織風土づくりの施策

3つ目が、見落とされがちな組織風土づくりの施策です。コミュニケーションが活発で心理的安全性の高い職場では、従業員が不安や悩みを早めに相談でき、上司や同僚も互いの変化に気づきやすくなります。

 

制度やツールを整えるだけでは、健康管理は十分に機能しません。日常の関係性こそが、ほかの施策を生かす基盤になります。

 

 

健康管理の施策が形骸化する原因と防ぎ方

多くの企業が施策をそろえているにもかかわらず効果を実感できないのは、制度が「実施して終わり」になり、形骸化しているケースが多いためです。原因と対策を整理します。

 

「実施して終わり」になりやすい構造

健康診断やストレスチェックは、実施そのものが目的化しやすい施策です。結果が個人に通知されるだけで、その後のフォローや職場の改善につながらなければ、従業員にとっては形式的な手続きにすぎません。制度の数を増やしても、運用が伴わなければ従業員の健康状態は変わらないでしょう。

 

形骸化を防ぐには、検査の結果を職場環境の改善や面談につなげ、施策を「点」ではなく「循環」として回す仕組みが求められます。

 

日常のコミュニケーションが不調の早期発見を支える

メンタル不調や体調の変化は、年1回の検査よりも、日々のやりとりのなかで先に表れることが少なくありません。普段から従業員同士や上司・部下が互いの様子に関心を向け合える関係があれば「最近元気がない」といった小さな変化に早く気づけます。

 

心理的安全性が高く相談しやすい風土こそが、単なる制度で留まらず、循環する仕組みへと変える土台です。逆に、コミュニケーションが希薄な職場では、どれだけ制度を整えても不調の兆候が見過ごされやすくなります。健康管理を形だけで終わらせないためには、施策と並行して日常の関係性を育てる視点が欠かせません。

 

 

 

企業の健康管理を進める4ステップ

健康管理を形だけで終わらせないために、次の4ステップで進めると整理しやすくなります。

  • ステップ1:現状把握と課題の特定

  • ステップ2:目標と方針の設定

  • ステップ3:施策の実行と運用

  • ステップ4:効果測定と改善

 

ステップ1:現状把握と課題の特定

健康診断やストレスチェックの結果、残業時間、離職率などのデータをもとに、自社の課題を洗い出します。「何が問題なのか」を具体化することが、効果的な施策の出発点になります。

 

ステップ2:目標と方針の設定

把握した課題に対して、目指す状態と方針を定めます。たとえば「高ストレス者の割合を下げる」「相談しやすい環境をつくる」など、達成度を確認できる目標にしておくと運用しやすいでしょう。

 

ステップ3:施策の実行と運用

設定した方針にもとづき、3分類で整理した施策を実行します。担当者だけで抱え込まず、経営層や現場の管理職を巻き込み、全社で取り組む体制を整えることが大切です。

 

ステップ4:効果測定と改善

実施した施策の効果を、データや従業員の声から振り返ります。うまくいかなかった点は次の施策へ反映し、改善を繰り返します。この循環を続けることで、形骸化を防ぎながら健康管理を定着させられます。

 

 

称賛文化で健康管理を支える「RECOG」

ここまで見てきたように、健康管理を機能させるには、制度に加えて従業員同士が互いに関心を向け合える風土が欠かせません。チームワークアプリ「RECOG」は、従業員同士が日常的に感謝や称賛のメッセージを送り合えるサービスです。

 

やりとりのなかで一人ひとりの貢献や変化が可視化されるため、孤立を防ぎ、不調の兆候に周囲が気づきやすい関係づくりにつながります。実際に、RECOGを活用しながら健康経営を推進し、建設業の中小企業として初めて人的資本の国際規格ISO 30414を取得した企業もあります。累計2,000社以上に導入されているRECOGは、健康管理の土台となる職場の関係性づくりを支えます。

 

 

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まとめ

企業の健康管理は、法律上の義務を満たす取り組みであると同時に、生産性や人材定着を左右する経営課題です。健康診断やストレスチェックといった施策をそろえるだけでなく、それらを形骸化させず、日常のコミュニケーションや相談しやすい風土とあわせて機能させることが重要になります。

 

本記事で紹介した3分類の施策と4ステップを参考に、自社に合った健康管理の仕組みづくりを進めてみてはいかがでしょうか。RECOGでは、称賛文化を通じて健康管理を支える職場づくりのヒントをまとめた資料をご用意しています。具体的な活用方法を知りたい方は、ぜひ資料をダウンロードのうえご検討ください。

 

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