社内にコミュニケーションルールを導入する目的は、情報共有の漏れや伝達ミスが原因でのトラブルを防ぐためです。報告すべき内容や連絡手段、緊急時の対応など、コミュニケーションルールが決まっていれば、従業員がマネージャーへ重要事項を伝えやすくなります。
本記事では、コミュニケーションルールの作り方や取り入れたい内容、定着のコツなどを紹介します。スムーズな情報共有の実現に取り組んでいる方は、最後までご一読ください。

連絡事項や重要事項がチームメンバーに伝わっていないと、ミスやトラブルを招くリスクが高まります。ここでは、コミュニケーションルールが必要な理由を4つ紹介します。
コミュニケーションルールを策定する目的は、業務に関する情報を素早く正確に共有するためです。重要な情報が共有されていないと、対応漏れ・遅れが原因でトラブルに発展するおそれが高まります。
また、報告すべき内容やフォーマットなどが決まっていない場合、従業員ごとに報告方法がバラバラで組織内の統制がとれません。情報伝達の精度とスピードを高めるためにも、ルールを決めておく必要があります。
メールやグループウェア、ビジネスチャットなど、情報共有の方法を決めておき、共有内容を記録で残しておくことも重要です。
口頭での共有は手間がかからないものの、共有した内容を相手が正確に理解・記憶できるとは限りません。口頭でのやりとりは伝言ゲームのように情報の歪みが起きやすく、相手との間に認識のズレが起きるリスクが高くなります。
「言った・言わない」のトラブルを防ぐため、情報共有の方法を決めておき、文書として報告内容を記録に残すように徹底しましょう。
リモートワークでは同じ部署で働くメンバーに対して、対面での報告・情報共有ができません。業務の進捗状況や商談結果などを伝える際は、メールやチャットでのテキストコミュニケーションが中心です。
情報共有の際は、対面でのやりとりとは異なるやり方や内容にしなければなりません。コミュニケーションルールを設定しておけば、勤務場所が異なるリモートワークでも、従業員間のスムーズな連携や情報共有が実現できます。
コミュニケーションルールを設定しておくと、外出頻度の多さや勤務時間の長さを問わず、従業員同士で情報格差が生じることを防げます。
たとえば営業や現場作業員など、外出頻度が多い職種の場合、メンバー全員が顔を揃える機会は限られます。重要事項の伝達方法や対面で集まる頻度などが決まっていないと、情報格差が生じやすく、メンバーによっては疎外感や孤独感を覚えるでしょう。また、正しい情報が伝わっていないために業務がスムーズに進行できず、ストレスを抱える原因にもなりかねません。
また、部署によってはパートや短時間勤務など、従業員ごとに勤務時間の長さが異なるケースもあります。業務時間外の連絡でストレスを与えないよう、連絡可能な時間帯や業務時間外の返信の必要性など、ルールを決めておくことが重要です。

従業員同士のスムーズな情報共有を実現するには、チーム内でコミュニケーションルールを策定しておくことが必要です。ここではルール策定の手順を紹介します。
まずは部署や業務内容、プロジェクト単位で、共有すべき情報や対象者、管理者を決めておきます。たとえば、商品開発部でコミュニケーションルールを整備すると想定した場合、整理しておくべき内容は以下の表のとおりです。
|
内容 |
主な例 |
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主に共有すべき情報 |
・市場規模の変化 ・競合他社の動向 ・テストマーケティングの結果 |
|
情報の分類 |
業務の進捗状況および結果 |
|
情報の発表者 |
マーケター |
|
報告すべき相手 |
・プロジェクトリーダー ・チームメンバー全員 |
業務の進捗状況ごとに共有すべき情報や手段などを決めておくと、情報共有が進めやすいでしょう。
コミュニケーションルールを決める際は、ルール導入後に必要な情報を素早く相手へ伝えられるよう、以下5W1Hの要素を意識することが重要です。
情報を伝える相手
情報の発信者
情報共有の頻度
伝えるべき情報の内容
情報共有の手段
情報の伝え方
上記の表に5W1Hの要素を当てはめると、以下のようになります。
伝える相手:プロジェクトのリーダーやメンバー
発信者:マーケター
頻度:最低週1回
情報の内容:市場や競合他社の動き
手段:チャット
伝え方:必要に応じて資料も添付
上記の要素が含まれているかを確認してから、相手に報告・相談をすると、必要な情報が伝わりやすくなります。
コミュニケーションルールを策定したら、チームメンバー全員に共有して合意形成を取る必要があります。多くのメンバーからルールの見直しを指摘された際は、どのような点を修正すべきか、ヒアリングして修正内容をルールに反映します。
コミュニケーションルールは、従業員が実践しやすい内容にしなければなりません。スムーズな情報共有の実現に向け、ルールの導入後も従業員と定期的に意見を交わしながら、見直しに努めましょう。

情報共有の手間やミスを減らすため、チーム内でのコミュニケーションルールに取り入れるべき内容は、以下の7点です。
メールやチャットで報告する際のフォーマットを統一しておくと、相手と情報共有する際に確認の手間を減らせるだけでなく、共有された情報を正確に理解できます。たとえば、報告フォーマットに含めるべき主な項目は以下のとおりです。
担当者
件名
決定事項
マネージャーが対応すべき内容の有無と期日
担当者のネクストアクション
上記に加えて「先方の担当者と商談日程を調整中です」「試作品の注文を受注予定です」など、今後の流れを加えておくと、情報を伝える相手に安心感を与えられるでしょう。
また、相談・急ぎでの確認・共有など、用途別にテンプレートを用意しておけば、報告や相談を受けた方が今後の判断を下しやすくなります。
発信側が受け手に対して、伝えるべき情報の範囲や優先度を決めておくことも重要です。共有すべき内容があいまいな場合、情報の抜け漏れや伝達ミスなどが発生し、通常業務に支障が及ぶリスクが高まります。
一方、重要度の低い情報まで共有すると、情報の発信側は業務遂行に割く時間が減り、受け手は情報整理の手間が増え、業務効率が悪化します。「顧客からのクレームはすぐに報告」「案件に進展があった場合のみ報告」など、ルールを明確にしておくと報告・管理の手間を減らせるでしょう。
電話やメール、チャットなど、連絡手段は多岐にわたります。「緊急時は電話」「通常のやりとりはチャット」など、情報の重要性や緊急度に応じて、連絡手段を使い分けましょう。
たとえば、メールやチャットは相手の勤務場所や都合を問わず、情報を伝えられる点が特徴です。ただし、会議中や商談中など、相手の状況によってはこちらが送ったメッセージをすぐに確認できないため、リアルタイムでのやりとりが難しい傾向にあります。
クレーム対応や設備の故障など、緊急性が高い内容の場合は電話やWeb会議、対面でのやりとりを選んだ方が、今後の対応を相談しやすくなります。
連絡手段にビジネスチャットを導入している場合、チャットに対してなるべく早くリアクションを相手に示す必要があります。
テキストコミュニケーションは、相手がいつメッセージを確認して返信するのか、予測が付きません。仮にチャットを送って数時間経過しても何も反応がない場合、「内容を見ていないのでは?」と不安になる方もいるでしょう。
また、手が離せない場合でも「確認中」「了解」などのスタンプでリアクションすれば、自身の状況と内容を確認した旨を伝えられるため、相手の不安を軽減できます。
ビジネスチャットには、パブリックチャンネルとプライベートチャンネル、2種類のチャンネルが存在します。
ビジネスチャットでメンバーと業務に関する情報を共有する場合は、パブリックチャンネルを活用しましょう。パブリックチャンネルはワークスペース内に加入していれば、誰でも入室やメッセージの閲覧が可能なチャンネルです。パブリックチャンネルで情報共有を行なうことで、情報共有の効率性や透明性が高まります。
情報を特定のメンバーへ個別で送り、ほかのメンバーへ拡散してもらうように依頼するのは避けましょう。伝言ゲームのように情報の歪みや認識のズレなどが発生し、重要な情報が伝わらないリスクがあります。
カレンダーやステータス機能を活用し、業務時間外での連絡を防ぎましょう。自身の行動予定や離籍状況などを伝え、メールやチャットへすぐに返信できないことを知らせられます。
たとえば、会議や商談予定などをカレンダーに記載しておくと、相手はその時間帯は連絡が取りにくいと判断できます。ビジネスチャットの場合でも「離席中」「不在」などとステータスを切り替えると、社内に状況を伝えられます。長時間離席する際は、自分の名前に「午後から返信不可」「終日不在」などと記載しておくのもおすすめです。
部署内会議や朝礼などを定期的に開催し、部署のメンバー同士が直接顔を合わせる機会を作ることも必要です。対面でのコミュニケーションは、相手と共通認識をもちやすくなります。
相手の表情や反応を見ながら説明を進められるため、細かいニュアンスも含めて自分の説明を理解してもらいやすくなります。相手からすぐ反応が得られるため、業務の進め方に関してやりとりを交わしやすく、相互理解や連帯感も深まるでしょう。
また、メンバー一人ひとりが活動状況を発表する時間を設けることで、直接顔を合わせる機会が少なかったとしても、緊張感を維持しやすくなります。リモートワークを導入している企業は、会議や朝礼などをオンラインで実施するのも一案です。

コミュニケーションルールを導入しても、従業員の意識が高まらなければスムーズな情報共有は望めません。コミュニケーションルールを組織全体に定着させるポイントには、以下3点があげられます。
「業務の進捗状況を可視化」「伝達ミスの削減」など、コミュニケーションルールの導入目的をチーム全員で共有することが重要です。
導入目的があいまいな状態だと、メンバー全員から合意を取りにくく、導入効果が十分に得られません。チーム全員にコミュニケーションルールの重要性を認識してもらうため、マネージャーが丁寧に説明をすることが重要です。
また、メンバーからの同意が得られたあと、コミュニケーションルールを明文化しておきましょう。メンバーがいつでもルールを確認できるため、スムーズかつ正確な情報共有ができるようになります。
マネージャーはチームメンバーがコミュニケーションルールを守っているかを定期的にチェックし、制度の形骸化を防ぎましょう。一人ひとりの意識が低ければ、優れたコミュニケーションルールを策定しても、情報共有におけるトラブルは避けられません。
また、ルールを守らないメンバーに対して注意や改善要求を示さない場合、ルールを守っているメンバーのモチベーションが低下する可能性もあります。
マネージャーはメンバーがルールを守っているかを毎月確認し、意思疎通や連携を取りやすい環境を整えましょう。
コミュニケーションルールは導入して終わりではありません。ルールを運用していくなかで生じた課題や企業規模の変化など、状況に応じたアップデートが求められます。
ルールを見直す際は、現場で働く従業員にヒアリングを行ない、改善点を踏まえつつ要望を反映させましょう。一部の管理職や経営層、担当者だけで決めてしまうと、現場の実情とかけ離れた内容になるおそれがあるためです。
また、緊急時の連絡手段の使い分けができているかも確認しておくと、トラブルが発生した場合に備えられます。
スムーズな情報共有を実現するには、心理的安全性の高い職場環境の整備も重要です。職場の心理的安全性が高ければ、たとえば顧客トラブルやクレームといったネガティブな情報でも、社内に共有しようという意識になります。逆に心的安全性が低いと「怒られるかも」「必要ないだろう」という意識が働き、情報共有に消極的な人もあらわれます。
心理的安全性を高めるには、コミュニケーションの活性化が不可欠です。社内のコミュニケーションを活性化させる方法に有効な選択肢が、サンクスカード制度です。
サンクスカードとは互いの仕事ぶりや貢献に対して、従業員同士が自発的に感謝や称賛の気持ちを伝え合う制度です。サンクスカードを導入すると、部署や役職を問わず従業員同士が会話するきっかけを作れます。
「〇〇さんの作った資料のおかげで受注できました」「商品開発のアドバイスありがとうございます」など、具体的なエピソードと自身の気持ちを記載して相互理解を深められます。サンクスカードを受け取った相手は、「自身の仕事ぶりを評価してもらえた」と感じ、業務へのモチベーションが高まるでしょう。
また、サンクスカードの導入で組織内に称賛文化が醸成されると、部署間の連携強化や生産性向上なども期待できます。

サンクスカードを導入する際には、スマホやパソコンなどのマルチデバイスで利用でき、手軽に感謝・称賛を贈り合えるツールを導入しましょう。
チームワークアプリ「RECOG」は、従業員同士の感謝・称賛を可視化して社内コミュニケーションを活性化できるサービスです。画像や動画つきでレターを贈れるため、テキストだけではない表現で感謝を伝えられる点もメリットです。
専任のカスタマーサクセス担当者が導入から運用定着までをサポートするので、初めてサンクスカードを導入する企業でも安心。ぜひ一度、下記の資料をダウンロードしてみてください。
コミュニケーションルールとは、「誰に・いつ・どのような内容を・どのような手段で」伝えるのか、部署やチーム内でのやりとりに関する約束ごとです。
コミュニケーションルールを整備する目的は、情報の共有漏れが原因でのトラブルを防ぐためです。連絡の手段や時間帯、報告のフォーマットなどを決めておくことで、相手が重要な情報を素早く把握できます。
また、緊急度や重要度の高さに応じて連絡手段を使い分けると、トラブルが起きた際も素早く対応し、被害を最小限に抑えられる確率が高まります。そして、課題や組織体制の変化などに応じてルールを変更し、従業員が業務に取り組みやすい環境を整えましょう。
本記事を参考にコミュニケーションルールの導入や見直しを行ない、スムーズな情報共有を実現できる環境を整備してみてはいかがでしょうか。
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