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ナレッジマネジメントとは?手法・進め方と定着のポイントを解説

ナレッジマネジメントとは?手法・進め方と定着のポイントを解説

公開日: 2026.06.18
更新日: 2026.06.18

従業員一人ひとりが業務のなかで培った知識やノウハウは、組織にとって貴重な経営資源です。しかし、人材の流動化や働き方の多様化が進む現在、知識が個人のなかに留まったまま、退職や異動とともに失われてしまうケースは少なくありません。こうした課題を解決する経営手法として注目されているのが「ナレッジマネジメント」です。

 

本記事では、ナレッジマネジメントとは何か、意味や基礎理論であるSECIモデル、導入のメリットと進め方を解説します。さらに、多くの企業がつまずく「形骸化」を防ぎ、ナレッジ共有を定着させるポイントも紹介します。ぜひ最後までお読みください。

 

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ナレッジマネジメントとは

ナレッジマネジメントとは、従業員個人が持つ知識やノウハウを組織全体で共有・活用し、新たな知識の創造や生産性の向上につなげる経営手法です。英語ではKnowledge Managementと表記され、KMと略される場合もあります。1990年代に一橋大学の野中郁次郎氏らが提唱した「知識創造理論」を土台とする、日本発の経営理論として世界に広がりました。

 

まずは、ナレッジという言葉の意味と、ナレッジマネジメントが注目される背景から確認していきましょう。

 

ナレッジとは何か

ナレッジとは、業務を通じて得られた知識・経験・ノウハウの総称です。たとえば、顧客対応のコツ、成果につながった営業トークの工夫、トラブル発生時の対処手順、業務上の効率化ポイントなども、すべてナレッジに含まれます。

 

ナレッジマネジメントでは、組織内の知識を次の2つに分類して考えます。

  • 暗黙知:個人の経験や勘にもとづく、言語化されていない知識

  • 形式知:マニュアルや文書のように、言語や図表で表現された知識

優秀な従業員が持つスキルの多くは暗黙知であり、そのままでは本人しか活用できません。暗黙知を形式知へ変換し、組織の誰もが使える状態にすることが、ナレッジマネジメントのポイントです。

 

ナレッジマネジメントが注目される背景

ナレッジマネジメントが重視される背景には、雇用環境と働き方の変化があります。

 

終身雇用が前提だった時代は、知識やノウハウが長期間をかけて組織内に蓄積され、日々の業務のなかで自然に受け継がれていました。しかし、転職が一般化した現在では、従業員の退職とともに貴重なノウハウが流出するリスクが高まっています。高齢化が進み、ベテラン従業員の大量退職による技術伝承の課題も深刻です。

 

また、テレワークの普及により、対面でのOJTや雑談を通じて知識を伝達する機会は減少しました。意図的に知識を共有する仕組みを整えなければ、ノウハウが個人の中に留まってしまう時代になったといえるでしょう。

 

 

ナレッジマネジメントの基礎理論「SECIモデル」

SECI(セキ)モデルとは、暗黙知を形式知へ変換し、組織の新たな知識を生み出すプロセスを示した、ナレッジマネジメントの基礎理論です。4つのプロセスを繰り返し循環させることにより、個人の知識が組織の知識へと発展していきます。

 

SECIモデルの4つのプロセス

SECIモデルは、次の4つのプロセスの頭文字から名付けられました。

  1. 共同化(Socialization):OJTや同行訪問など、共通の体験を通じて暗黙知を他者と共有する段階
  2. 表出化(Externalization):対話や文書化を通じて、暗黙知を言葉や図表などの形式知へ変換する段階
  3. 連結化(Combination):形式知同士を組み合わせ、マニュアルや業務フローなど体系的な知識をつくり出す段階
  4. 内面化(Internalization):形式知を実践のなかで習得し、自分自身の暗黙知として身につける段階

内面化で得られた新たな暗黙知は、再び共同化へとつながります。このサイクルを止めずに回し続けることが、組織の知識を増やし続ける鍵です。

 

知識創造を支える4つの場

SECIモデルの各プロセスには、それぞれに適した「場」があるとされています。

  • 創発場:休憩室やランチ会など、気軽な会話から暗黙知が交換される場

  • 対話場:会議やワークショップなど、対話を通じて暗黙知を言語化する場

  • システム場:社内SNSやデータベースなど、形式知を結合・共有するITの場

  • 実践場:日々の業務のなかで形式知を実践し、自分のものにする場

ナレッジマネジメントを進める際は、ツールというシステム場の整備だけでなく、4つの場をバランスよく用意する視点が大切です。

 

 

ナレッジマネジメントを導入する4つのメリット

ナレッジマネジメントに取り組むと、組織にはどのような効果があるのでしょうか。代表的な4つのメリットを紹介します。

 

業務効率化と生産性の向上

ナレッジが整理・共有されていれば、従業員は必要な情報をすぐに探し出せます。「あの件は誰に聞けばわかるのか」と社内を探し回る時間や、同じ質問への対応が繰り返される無駄を削減でき、組織全体の生産性向上が期待できます。過去の成功事例や失敗事例を参照できるため、業務の質も高まるでしょう。

 

業務の属人化を防止できる

特定の担当者しか業務内容を把握していない状態は、業務の属人化を招きます。担当者の退職や休職、異動のたびに業務が停滞するでしょう。

 

ナレッジマネジメントによってノウハウを組織の資産として蓄積すれば、担当者が不在でも業務を継続できる体制づくりが可能です。事業継続の観点からも、属人化の解消は大きな意味をもちます。

 

人材育成・引き継ぎがスムーズになる

ベテランのノウハウが形式知化されていれば、新入従業員や異動者は体系的に業務を学べます。教育担当者が口頭で一から説明する負担が減り、育成期間の短縮にもつながるでしょう。

 

引き継ぎ資料を作成する際も、日頃から蓄積されたナレッジが土台にできるため、作成時間を効率化できます。

 

新たな知識やイノベーションが生まれる

ナレッジマネジメントの目的は、知識の保管ではなく知識の創造です。部署や拠点を越えて知識が結びつくと、これまでになかった発想や業務改善のアイデアが生まれやすくなります。組織の競争力を高める源泉として、知識の循環は欠かせません。

 

 

ナレッジマネジメントの進め方4ステップ

ナレッジマネジメントは、次の4ステップで進めるのが基本です。

  • ステップ1:目的を明確にする

  • ステップ2:共有するナレッジを選定する

  • ステップ3:共有方法・ツールを決める

  • ステップ4:運用状況を定期的に見直す

 

ステップ1:目的を明確にする

最初に、自社がナレッジマネジメントに取り組む目的を明確にします。「営業ノウハウを共有して成約率を高めたい」「ベテランの技術を若手へ伝承したい」など、解決したい課題を具体化しましょう。目的が曖昧なまま進めると、集めるべき情報の基準が定まらず、運用が迷走しやすくなります。あわせて、取り組みの背景と目的を全従業員へ丁寧に説明することも欠かせません。

 

ステップ2:共有するナレッジを選定する

目的にもとづき、どのようなナレッジを蓄積するかを決めます。たとえば、問い合わせ対応の品質向上が目的であれば、よくある質問への最適な回答例や、優秀なオペレーターの対応のコツなどが対象です。すべての情報を集めようとすると現場の負担が増えるため、課題解決への貢献度が高い情報から優先的に選定してください。

 

ステップ3:共有方法・ツールを決める

ナレッジの共有方法には、社内Wiki、FAQシステム、データベース、社内SNSなど、さまざまな選択肢があります。検索性を重視するのか、日常的なやり取りのなかで気軽に共有したいのかなど、自社の目的を基準に選びましょう。

 

また、現場での使いやすさも選定ポイントのひとつです。高機能なツールでも、操作が複雑で現場に敬遠されては意味をなさなくなります。

 

ステップ4:運用状況を定期的に見直す

運用開始後は、投稿数や閲覧数、従業員アンケートなどをもとに、定期的に効果測定を行ないます。利用が伸び悩んでいる場合は、入力の手間や情報の探しにくさといったボトルネックを特定し、改善を重ねていきましょう。

 

ナレッジマネジメントは導入して終わりではなく、育て続ける取り組みです。自社に合った運用方法を見つけ、形骸化を防ぎましょう。

 

 

ナレッジマネジメントが失敗する3つの原因

ツールを導入したものの、投稿が集まらずに形骸化してしまう企業は少なくありません。失敗の原因は仕組みの不備よりも、ナレッジを発信する側の心理や組織風土にある場合がほとんどです。代表的な3つの原因を見ていきましょう。

 

ナレッジを共有するメリットが従業員にない

ナレッジの発信は、発信者にとって手間のかかる行為です。テキストでまとめられる情報だけでなく、パソコン画面のスクリーンショットを撮ったり、実際に機器を操作している写真を撮影したりするケースもあるでしょう。

 

そうして時間をかけてノウハウをまとめても、誰からも反応がなく、評価にもつながらないのであれば、発信を続ける動機は生まれません。なかには「自分のノウハウを手放すと、自分の価値が下がるのではないか」「みんなに真似されたくない」と感じる従業員もいます。共有した人が報われる仕組みがない限り、ナレッジは集まらないと考えるべきでしょう。

 

心理的安全性が確保されていない

「初歩的な情報を投稿したら笑われるかもしれない」「間違いを指摘されたら恥ずかしい」という不安があると、従業員は発信をためらいます。完璧な情報しか歓迎されない雰囲気の組織では、現場の生きたノウハウほど表に出てきません。発信が否定されない、安心して声を上げられる風土が、ナレッジマネジメントの前提として必要です。

 

 

共有が日常業務に組み込まれていない

ナレッジの投稿が通常業務とは別の「追加作業」になっていると、業務が立て込んでいるときや繁忙期には後回しにされます。

 

日報や週次ミーティングなど、既存の業務フローにナレッジ共有の機会がなければナレッジマネジメントは進みません。特別な努力をしなくても、自然とナレッジが蓄積される動線を設計することが重要です。

 

 

 

ナレッジマネジメントを形骸化させず定着させるポイント

失敗の原因を踏まえると、定着の鍵は「発信する従業員のモチベーションをいかに維持するか」にあります。3つのポイントを紹介しましょう。

 

ナレッジ発信への貢献を称賛・評価する

ナレッジを発信した従業員に、感謝や称賛がきちんと届く仕組みをつくりましょう。「あの投稿のおかげで助かった」という反応が見えるだけで、発信者の意欲は大きく変わります。閲覧した側が気軽にリアクションできる環境や、優れたナレッジ共有を表彰する制度も有効です。貢献が可視化される組織では、発信が自然と習慣になっていきます。

 

 

完璧を求めず気軽に発信できる風土をつくる

「整った文書でなくてよい」「メモ程度でも歓迎する」という方針を明示し、発信のハードルを下げましょう。粗い情報でも、組織にとってはゼロよりはるかに価値があります。投稿に対して批判ではなく感謝で応える文化が根づけば、心理的安全性が高まり、現場の暗黙知が表に出やすくなるはずです。

 

 

経営層・管理職が率先して発信する

ナレッジ共有の文化づくりには、上層部の姿勢が大きく影響します。経営層や管理職が自ら学びや失敗談を発信すれば、「この組織では発信が歓迎される」というメッセージとなり、従業員も安心して続きやすくなります。現場任せにせず、組織全体の取り組みとして推進しましょう。

 

 

ナレッジが集まり続ける組織づくりには「RECOG」

ナレッジマネジメントを定着させるうえで最大の壁となるのが、発信する従業員のモチベーション維持です。チームワークアプリ「RECOG」は、メンバーの素晴らしい行動に感謝や称賛をレターとして贈れるサービスです。「お客様対応の○○が素晴らしかった」「作ってもらった資料の○○の箇所に対して、お客様の反応が良かった」などのレターを贈ることで、メンバー自身も気づいていないナレッジを社内に発信できます。

 

また、投稿機能を使うと、直接ナレッジを発信することも可能です。画像やPDFなども添付できるため、手軽にナレッジを社内に共有する仕組みを構築できます。ナレッジが集まり続ける組織を育てたい方は、ぜひ以下より資料をダウンロードしてください。

 

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まとめ

ナレッジマネジメントとは、従業員個人の知識やノウハウを組織全体で共有・活用し、生産性の向上や新たな知識の創造につなげる経営手法です。SECIモデルにもとづき暗黙知を形式知へ変換する仕組みを整えれば、属人化の防止や人材育成の効率化など、多くの効果が期待できます。

 

一方で、ツールを導入するだけではナレッジは集まりません。発信した従業員が称賛され、報われる風土づくりこそが、定着への近道です。称賛を通じてナレッジが循環する組織づくりに関心をお持ちの方は、RECOGの資料をダウンロードのうえ、ぜひ参考にしてください。

 

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