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連鎖退職の止め方とは?原因・予兆・具体的な対策をステップで解説

連鎖退職の止め方とは?原因・予兆・具体的な対策をステップで解説

公開日: 2026.03.25
更新日: 2026.03.25
一人の退職をきっかけに、次々と従業員が辞めていく「連鎖退職」。人事担当者や経営者にとって、これほど厄介で深刻な問題はないでしょう。業務が回らなくなり、残った従業員の負担が増え、さらに退職者が出るという悪循環は、放置すれば企業の存続すら脅かしかねません。

 

本記事では、連鎖退職が起きる原因を体系的に整理したうえで、「今まさに起きている連鎖退職を止めるための5つのステップ」を実務レベルで解説します。また、再び同じ事態を招かないための根本対策として、エンゲージメントの可視化や称賛文化の醸成方法についても詳しく取り上げています。組織の立て直しに向けて、ぜひ参考にしてください。

 

 

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連鎖退職とは?

連鎖退職とは、ある従業員の退職を引き金として、短期間のうちに複数名が次々と退職していく現象です。「ドミノ退職」と呼ばれる場合もあります。一人の退職だけであれば通常の人事異動の範囲内ですが、それが2人、3人と続くと組織に深刻なダメージを与えるでしょう。

 

海外では「Turnover Contagion(離職の伝染)」として研究が進んでおり、同僚の退職が残った従業員に心理的な影響を及ぼし、退職意向が伝播していくメカニズムが実証されています。つまり連鎖退職は偶然の重なりではなく、組織内に潜むリスクが顕在化した結果といえるのです。

 

連鎖退職の2つのタイプ:「ドミノ倒し型」と「蟻の一穴型」

連鎖退職には、大きく分けて2つのタイプがあるとされています。

 

1つ目はドミノ倒し型です。退職者が出たことで残った従業員の業務負荷が増大し、その負担に耐えきれなくなった人がさらに辞めていくパターンを指します。とくに人員が少ない部署や、もともと業務量が多い職場で起こりやすいのが特徴でしょう。

 

2つ目は蟻の一穴型です。エース級の従業員やチームの精神的支柱となっていたリーダーが退職したことで、組織全体に不安や動揺が広がり、次々と退職に至るパターンを指します。「あの人が辞めるなら、この会社には未来がないのでは」という心理が連鎖的に作用するのが特徴です。

 

実際には、この2つが複合的に絡み合って発生するケースも少なくありません。

 

 

連鎖退職が起きる5つの原因

連鎖退職を止めるには、まず原因を正確に把握する必要があります。ここでは、企業で起こりやすい代表的な5つの原因を整理します。

 

エース社員やキーパーソンの退職

職場で高い業績を上げていたエース社員や、多くの部下から慕われていた管理職の退職は、連鎖退職の大きなきっかけとなります。こうした人物が辞めると、残された従業員は「ロールモデルを失った」「この会社に将来性はないのではないか」といった不安を抱きやすくなるためです。

 

とくに、その人物に業務が集中していた場合には、業務負荷の急激な増加も重なり、ドミノ倒し型との複合パターンが発生する恐れがあるでしょう。

 

労働環境・労働条件への不満の蓄積

長時間労働の常態化、市場相場と乖離した低い給与水準、有給休暇を取りにくい風土──こうした不満は、日々の業務の中で少しずつ蓄積されていきます。一人の退職がきっかけとなり、「自分もこのままでは同じだ」と感じた従業員が続々と退職を決意するケースは非常に多いでしょう。

 

厚生労働省の転職者調査においても、退職理由の上位には「労働条件(賃金以外)への不満」や「仕事内容のミスマッチ」が挙がっています。

出典:厚生労働省「令和5年 雇用動向調査結果の概要」

 

社内コミュニケーション不足と人間関係の悪化

風通しが悪く、上司や同僚に意見を言いにくい職場は、退職の連鎖が起きやすい環境といえます。コミュニケーション不足は、不満の表面化を妨げるだけでなく、ハラスメントや不正が見過ごされる原因にもなりかねません。

 

一方で、日頃から対話が活発な組織では、退職の兆しにいち早く気づいてフォローに動ける体制が整いやすくなります。

 

会社の将来性・経営状況への不安

業績が悪化し続けている企業では、従業員の間に将来への不安が広がりやすくなります。昇給の見通しが立たない、新規事業に投資がない、経営方針が不透明だという状況が続けば、「早いうちに転職したほうがよいのでは」と考える従業員が増えるのは自然な流れです。

 

とくに管理職や経理担当者など、経営の内情に近い立場の人が退職すると、その動きが社内に広まり、不安に拍車がかかりやすくなります。

 

従業員エンゲージメントの低下

仕事への意欲や会社への愛着を示す「エンゲージメント」が低い状態は、連鎖退職のリスクを大きく高めます。エンゲージメントの低下は、一人の問題にとどまらず組織全体に広がる傾向があり、退職の連鎖を引き起こす土壌となるでしょう。

 

エンゲージメントが低い状態では、たとえば同僚の退職や評価への不満といったちょっとしたきっかけが退職の決断を後押ししやすくなるのも特徴です。

 

 

連鎖退職が企業にもたらす深刻な影響

連鎖退職は放置すれば企業経営全体に甚大な影響を及ぼします。ここでは代表的な4つの影響を確認しておきましょう。

 

業務の生産性低下と品質の悪化

退職者が増えると、残った従業員に業務が集中し、一人あたりの業務量が急増します。引き継ぎが不十分なまま退職が続けば、業務の質が低下し、納期遅延やミスの増加につながるでしょう。慢性的な過負荷は、さらなる退職を招く悪循環を生み出しかねません。

 

採用・育成コストの増大

短期間に複数名を採用し直す必要が生じるため、求人広告費や面接の工数、入社後の研修コストが一気に膨らみます。たとえ経験者を採用できたとしても、自社の業務に慣れるまでには一定の時間がかかるため、すぐに退職者と同等のパフォーマンスを期待するのは難しいでしょう。

 

企業イメージの悪化と採用難

退職者が増えると、口コミサイトやSNSを通じてネガティブな評判が広まるリスクが高まります。求職者の多くが応募前に企業の口コミをチェックする昨今、悪い評判は採用活動に直接的なマイナス影響を与えかねません。人が集まらなければ組織力の回復はさらに遅れるでしょう。

 

最悪の場合、倒産リスクも

連鎖退職が長引けば、基本的な業務すら回らない状態に陥る可能性があります。取引先からの信頼を失い、業績が急速に悪化すれば、企業の存続そのものが危うくなるリスクもゼロではありません。連鎖退職を軽視することは、経営リスクの放置と同義です。

 

 

連鎖退職の予兆を見逃さない!5つのサインをチェック

連鎖退職を止めるうえで、早期発見は極めて重要です。退職を検討している従業員に共通して見られやすい5つの予兆を把握しておきましょう。

 

従業員が不満や意見を言わなくなった

以前は会議で積極的に発言していた従業員が、急に口数が減るケースには注意が必要です。不満を言わなくなるのは、「もう改善は望めない」と見切りをつけたサインである場合があります。

 

新しい業務やプロジェクトへの参加を避ける

長期的に関わるプロジェクトや新しい挑戦への参加を断るようになった場合も、退職を視野に入れている可能性が考えられます。退職を決意した従業員にとって、新しい業務に着手するメリットは感じにくいものです。

 

勤務時間や出勤パターンに変化が見られる

定時退社が増えたり、有給休暇の取得が急に増えたりするなどの勤務パターンの変化は、転職活動を並行して進めている兆候かもしれません。また、遅刻が多くなるケースもあるので、注意深くチェックしておきましょう。

 

業務の引き継ぎやマニュアル作成を始めた

突然、担当業務のマニュアル化や後任への引き継ぎ資料を作り始めた場合、退職準備に入っている可能性は高いといえます。もちろん業務効率化の一環である場合もありますが、他の予兆と合わせて判断するとよいでしょう。

 

社内コミュニケーションの量が減っている

雑談が減った、ランチを一人で取ることが増えた、チャットでの反応が遅くなったなど、小さな変化の積み重ねも、退職の前兆として注視すべきポイントです。コミュニケーション量の低下はエンゲージメントの低下を反映している場合があります。

 

 

【実践】連鎖退職の止め方を5つのステップで紹介

ここからが本記事の核心です。連鎖退職が発生した際に、どのような手順で対応すべきか、実務に即した5つのステップを解説します。

 

ステップ1|退職の原因を正確に把握する

連鎖退職を止めるための第一歩は、なぜ従業員が辞めているのかを正確に把握する作業です。退職面談を実施する際には、形式的なものではなく、退職者が本音を話しやすい雰囲気を意識しましょう。表面的な理由だけでなく、その背景にある職場環境や人間関係、評価への不満などを丁寧に探ることが欠かせません。

 

退職者だけでなく、在籍している従業員へのヒアリングやアンケート調査も並行して実施するのが効果的です。離職率データを部署別・職種別・在籍期間別に分析すれば、問題の所在が具体的に見えてくるでしょう。

 

ステップ2|残った従業員の業務負荷を早急に軽減する

退職者の穴埋めとして、残った従業員に業務を分担させるのは自然な対応に見えますが、注意が必要です。この方法は逆効果になるケースが多く、さらなる退職を招きかねません。

 

まず現状の業務量と人員配置を精査したうえで、他部署からの人員確保やアウトソーシングの活用、新規採用のスピードアップなど、負荷を根本的に軽減する手段を検討しましょう。残業時間の削減に向けた具体的なアクションも、従業員に対する強いメッセージとなります。

 

ステップ3|「退職者を批判しない」組織メッセージを発信する

退職者に対して「あの人は逃げた」「裏切り者だ」といった批判的な言動は、絶対に避けるべきです。こうした雰囲気は残った従業員の心理的安全性を損ない、「自分も辞めたいとは言い出せない」という萎縮を生むだけでしょう。

 

代わりに経営層やマネジメントが発信すべきなのは、「退職という事実から組織として何を学び、今後どう変わっていくのか」という未来志向のメッセージです。こうした前向きな姿勢は、残った従業員に安心感を与え、組織への信頼回復につながります。

 

ステップ4|個別のキャリア相談・1on1の場を設ける

連鎖退職が起きた直後は、多くの従業員が不安を抱えています。この不安を放置せず、早い段階で個別の対話の場を設けることが極めて重要です。

 

海外の調査では、最初の退職者が出てから約135日以内に「この会社に残る理由」について対話することが効果的とされています。一人ひとりのキャリアの悩みや職場への要望をじっくりと聞き、具体的な改善策とともにフィードバックすることで、退職の連鎖を食い止められる可能性は高まるでしょう。

 

ステップ5|労働環境・評価制度を迅速に見直す

原因の分析で浮かび上がった課題に対しては、迅速に改善のアクションを打つ必要があります。給与水準が市場相場と乖離しているなら昇給を検討する、評価制度に不透明感があるなら基準を明文化する、柔軟な働き方のニーズが高いならテレワークやフレックスタイム制度の導入を進める──このように、具体的かつスピーディーな対応が求められます。

 

重要なのは、経営側が一方的に進めるのではなく、従業員の声を反映させながら改善を進めることです。「自分たちの意見が反映されている」と実感できれば、従業員の定着意欲は大きく向上するでしょう。

 

 

連鎖退職を再発させないための根本対策

連鎖退職を止めた後も、再び同じ事態を招かないための根本的な取り組みが不可欠です。ここでは3つの観点から再発防止策を紹介します。

 

エンゲージメントサーベイで組織状態を定期的に可視化する

連鎖退職の予防には、従業員エンゲージメントの状態を定量的に把握し続ける仕組みが欠かせません。エンゲージメントサーベイを定期的に実施すれば、従業員の満足度や不満の所在を「感覚」ではなく「データ」で捉えられるようになります。

 

年1回の大規模調査(センサス)に加え、月1回や週1回の短いパルスサーベイを組み合わせると、小さな変化の兆候を見逃しにくくなるでしょう。サーベイ結果を分析し、課題の優先順位をつけて改善に取り組むサイクルを回していくことが重要です。

 

管理職のマネジメント力を強化する

連鎖退職を未然に防ぐうえで、現場を率いる管理職やリーダーの役割は極めて大きいといえます。部下の変化にいち早く気づき、適切なフォローを行なうためには、コミュニケーションスキルやコーチングの手法を学ぶ研修が有効です。

 

また、部下の定着率をマネジメント評価の指標に組み込むといった制度面の工夫も、管理職の意識を変えるきっかけになるでしょう。連鎖退職への危機感を持たない管理職が、いざ事態が深刻化してから慌てるケースは少なくありません。

 

称賛・感謝の文化を日常に根づかせる

連鎖退職の根底には、従業員が「自分の存在や貢献が認められていない」と感じる心理が潜んでいるケースが多くあります。こうした心理を払拭するには、日常的に感謝や称賛を伝え合う「称賛文化」の醸成が有効です。

 

称賛文化が定着した組織では、心理的安全性が高まり、従業員のエンゲージメントも向上する傾向が見られます。結果として退職リスクが低減し、生産性の向上にもつながるのです。

 

しかし、称賛の習慣を紙やメールだけで定着させるのは簡単ではありません。日々の業務の中で手軽に感謝を伝え合える仕組みづくりが、継続的な文化醸成の鍵となります。

 

 

称賛文化の醸成で連鎖退職を防ぐチームワークアプリ「RECOG」

日常的に称賛・感謝を贈り合う仕組みを組織に根づかせるなら、チームワークアプリ「RECOG」の活用が効果的です。

 

RECOGは、従業員同士が「レター」と呼ばれるメッセージで感謝や称賛の気持ちを気軽に贈り合えるコミュニケーションアプリです。レター機能に加え、社内掲示板として使える投稿機能や、グループ・個人間で会話できるトーク機能も搭載されているため、社内コミュニケーションの基盤として幅広く活用できるでしょう。PCだけでなくスマートフォンアプリにも対応しており、場所や時間を問わず利用可能です。

 

従業員同士が日常的に感謝を伝え合えば、「自分は認められている」という実感が生まれやすくなります。この積み重ねがエンゲージメントの向上につながり、退職リスクの低減に寄与するでしょう。

 

また、他部署の従業員が贈り合うレターも全体に共有されるため、普段は見えにくい貢献や活躍が組織全体で認知されるようになります。セクショナリズムの解消にもつながり、風通しのよい組織づくりの基盤となるのです。

 

連鎖退職を未然に防ぎ、従業員が長く安心して働ける組織を目指すなら、RECOGの導入をぜひ検討してみてください。

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まとめ

連鎖退職は、どの企業でも起こりうる深刻な経営リスクです。しかし、原因を正しく理解し、適切な手順で対応すれば、連鎖を断ち切り、組織を立て直すのは十分に可能でしょう。

 

本記事で紹介した「止め方の5ステップ」を改めて整理すると、以下のとおりです。

  1. 退職の原因を正確に把握する
  2. 残った従業員の業務負荷を早急に軽減する
  3. 退職者を批判しない組織メッセージを発信する
  4. 個別のキャリア相談・1on1の場を設ける
  5. 労働環境・評価制度を迅速に見直す

そして再発を防ぐには、エンゲージメントサーベイによる組織状態の可視化、管理職のスキル向上、そして称賛文化の醸成が重要です。とくに称賛・感謝を日常的に贈り合う仕組みは、心理的安全性を高め、従業員の定着意欲を根本から支える効果が期待できます。

 

「連鎖退職を止めたい」「再び起こさないための仕組みをつくりたい」とお考えの方は、RECOGのような称賛文化を支えるツールの活用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

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