サービス業界では「教育不足でスキルに差が出る」「モチベーション維持が難しい」などの課題が生じます。そうした組織課題の解決策として「サンクスカード制度」があります。
本記事では、サービス業界の組織課題と解決策、サンクスカードを導入するメリット、企業事例を紹介します。
サービス業界では、業態・業種ならではの組織課題が起こりやすくなります。サービス業界でよく見られる組織課題を確認していきましょう。
サービス業界では、従業員がシフト制で業務を回している企業が少なくありません。そのため、情報共有がスムーズにいかず、連携ミスが発生してトラブルが起きやすくなります。
たとえば顧客からのクレームが入ったとき、最初に対応していた従業員が退勤する際に別の従業員に情報を引き継いでいないことから、顧客への対応に漏れ・遅れが生じてさらに大きなトラブルに発展してしまうケースなどがあります。
「毎日忙しすぎて、スタッフの教育に手が回らない」「シフト制のため、誰がどのくらい教育が進んでいるのか把握しきれない」など、教育制度が整っていないという課題を抱えている企業も多いでしょう。教育制度が整っていないために、従業員の業務スキルにばらつきが生じたり、将来の見通しが立たずに離職を引き起こしたりするなど、さらなる課題へつながるリスクもはらんでいます。
サービス業界では、正社員だけでなくアルバイトやパートタイマーなどさまざまな雇用形態の従業員がいます。企業によっては雇用形態によって仕事への責任感やスタンス、優先順位など価値観にギャップがあるため、特にアルバイトやパートタイマーで働く従業員のモチベーション管理がうまくいかないという事例もあります。
サービス業界は顧客からのクレームやトラブルに対応する場面も多く、従業員の精神的な負担が増えがちです。クレームやトラブルへの対応は、対人コミュニケーションが多いサービス業界では避けられないですが、従業員が苦痛を感じて離職してしまうケースは少なくありません。
サービス業界の現場は常に人手不足の状況であり、従業員一人ひとりが抱える業務量は膨大なものです。業務過多の状態が続くと、残業や休日出勤が増えたり、集中力が落ちてミスが発生したりするなど、悪循環にも陥ります。
また、人材の入れ替わりが激しいため、時間をかけて業務を教えてもすぐに辞めてしまうことも多く見られます。離職が増えると社内にネガティブな雰囲気が漂い、職場環境が悪化していくでしょう。
サービス業界では、顧客対応だけでなく事務作業や片づけなど複数の業務をこなす必要があるため、自分の仕事で手一杯になり他の従業員と話す時間を取れません。従業員同士のコミュニケーションが希薄になると、仲間意識が持てない従業員も増えていきます。
また、マネージャーも現場の仕事をこなすため、一人ひとりのケアやフォローが十分でないケースもあります。相談や悩みがあってもマネージャーに相談できず、離職を選択してしまう従業員は少なくないでしょう。
本部や上層部との関係性が構築できておらず、円滑な連携ができないパターンもあります。たとえば、上層部が現場の状況を把握できていないにも関わらず、業務効率化やコスト削減を指示しているケースです。現場の意見が上層部に届かず、現場が人手不足や業務過多に陥ってしまいパンクするケースも見られます。
また、本部・上層部で決定した内容が現場まで浸透せず、現場が誤った対応をしてしまい顧客トラブルに発展するケースも珍しくありません。
サービス業界では先述のような課題が起こりやすいため、適切に対策を講じる必要があります。課題解決策として、以下の5つの方法を紹介します。
研修制度やマニュアルを整え、人材育成に注力しましょう。忙しくても、教育体制を整えてしっかりと育成することで「新人が早期に独り立ちできる」「接客スキルが向上して顧客トラブルを防ぐ」などのメリットがあるため、結果的に大きな損失を回避できるのです。
研修コンテンツやマニュアルはデジタル化しておくことで、スマホからでも手軽に確認できるため、従業員は効率的に学習を進められます。業務の手順を記載したマニュアルだけでなく、接客スキルのノウハウを学べるセミナー動画やクレーム対応マニュアルなど多彩なコンテンツを用意しておきましょう。
従業員の情報共有を促して連携を強めるためには、コミュニケーションツールの導入が効果的です。たとえば、手軽に連絡や質問などができるビジネスチャットツールや、社内の情報を効率的に共有できる社内SNSツール、日々の業務のタスク割りができるタスク管理ツールなどが便利です。
ただし、コミュニケーションツールを導入する際にはセキュリティ面のリスクには気を付けなければなりません。従業員や顧客に関する個人情報や店舗の売上情報などを扱うこともあるため、従業員にはセキュリティ意識を高める研修を実施しましょう。
定期的なミーティングは、従業員同士のコミュニケーションを促進したり、現場の意見を上層部へ届けたりする効果があります。
従業員同士で業務に関するノウハウや悩みを共有し合えるチームミーティングや、上司と部下の1on1ミーティング、本部と現場スタッフの意見交換会などを行ないましょう。従業員が率直に発言できる場を設けることで、ストレス軽減や悩み解消にもつながります。また、上司からフィードバックをもらえる機会があれば、従業員のモチベーションアップにも有効です。
新しい人材の採用や、従業員満足度の向上には、待遇や評価制度の見直しも一つの方法です。
待遇面では、給与や勤務時間、福利厚生などのほか、正社員登用制度やスキルアップ制度などの整備もあります。また、有給休暇や産休・育休を取りやすい環境を整えることも重要です。
評価制度の面では、公平に努力や成果を可視化できるようにしましょう。上司の主観や感情などで評価が左右されないよう、明確な評価軸の設定が効果的です。
本部・上層部と現場の連携を強めるには、関わる機会を増やすこともおすすめです。本社見学や本部研修などを実施し、現場の従業員が本部に訪問できる環境をつくりましょう。
また、上層部が定期的に店舗巡回を行ない、現場の状況を把握することも必要です。直接現場を見ることで現状を理解でき、より現場に寄り添った意思決定ができます。
サービス業界におけるコミュニケーション不足やモチベーション管理の方法としておすすめなのが「サンクスカード制度」です。
サンクスカードは、従業員同士で「仕事を手伝ってくれてありがとう」「イレギュラーな問い合わせにも完璧に対応できていたね」などの感謝・称賛を伝え合う制度を指します。紙のサンクスカードでやり取りするのが一般的でしたが、最近ではメッセージやポイントなどを贈れるサンクスカードツールも増えており、デジタルに移行する向上が増加傾向にあります。
それでは、サービス業界でサンクスカードを導入するメリットを見ていきましょう。
サンクスカード制度は、従業員同士の「ありがとう」や「おめでとう」などポジティブなコミュニケーションを促進する方法として効果的です。忙しくて直接話す機会がないときや、シフトが合わない相手にも、手軽に感謝・称賛の気持ちを伝えられます。
また、サンクスカードを見た他の従業員も「この人はこんなことが得意なのか」「この人はあんな成果を出したのか」などその人の人柄や頑張りを知るきっかけになり、相互理解が促進されるでしょう。
サンクスカード制度を通じて、社内の文化形成を実現できる可能性もあります。
サンクスカードを贈るためには、一緒に働く仲間たちの仕事ぶりや努力を見て、良いところを見つける必要があります。そのため、自然とスタッフ同士がお互いの仕事を把握するようになり、業務過多になっていたらフォローしたり、仕事につまずいていたらアドバイスをしたりするなど、協力体制が構築できるでしょう。
サンクスカードのやり取りを見ることで、現場で何が起きているのか、どのような課題があるのかといったことを知る機会にもなります。たとえば、「今日は~~というトラブルがあったけれど、落ち着いて対応できたね」といったサンクスカードがあれば、そのトラブルの対応マニュアルを整備することができるでしょう。
また、上層部が現場に感謝を伝える手段にもなりえます。「○○店はいつも清掃が行き届いていて、お客様も気持ちよく利用できていますね」などとサンクスカードで伝えると、現場の従業員のモチベーションが向上します。
サンクスカードの導入にはチームワークアプリ「RECOG」がおすすめです。感謝・称賛のメッセージをパソコンやスマホから手軽に贈り合うことができ、チームワークの醸成が期待できるツールです。
他にも、情報共有やナレッジ共有ができる投稿フィード機能や、チャットのように利用できるトーク機能があり、コミュニケーションを促進します。また、組織と個人についての分析機能も搭載されているため、組織改善やフィードバックなどに活用できるでしょう。
詳しい機能については以下の資料にて紹介しているので、ぜひダウンロードしてみてください。
最後に、サービス業界でサンクスカードを運用している企業事例を見ていきましょう。 携帯ショップからフィットネスジム、飲食、教育事業など幅広いサービスを展開するソニアグループでは、日々の業務の中で生まれる感動的なエピソードや感謝などを伝え合う場としてRECOGを導入しました。 業種や店舗によって営業時間や休日が異なるため従業員全員が集まることは難しいですが、RECOGであればツール上で情報の伝達やコミュニケーションが可能になったため、社内コミュニケーションの向上を感じているそうです。また、普段目立たないスタッフをクローズアップしたり、口数が少ないスタッフが「実はこんなことを思っていたんだ」とメッセージから読み取れたりするようになり、社内のモチベーション向上も実感しているといいます。
大阪府内でパチンコ・スロットホールや飲食店を展開する株式会社オフィスボストンでは、社内で直接的な関わりがない従業員同士が互いを褒め合う風土を醸成したいという想いからRECOGを利用しています。 各店舗の店長クラスはレターの内容をなるべく具体的に書いてもらうようにし、他の従業員がレターを書く際のお手本となるようにしているのだとか。本社から各店舗に訪問する際にRECOGの内容を見返して、各従業員とコミュニケーションのきっかけを作っている本部スタッフもいるそうです。
サービス業界では、「モチベーション管理が難しい」「シフトが合わずコミュニケーションが取れない」「クレーム対応が対比園」など、さまざまな組織課題が発生します。従業員のモチベーションにもマイナスな影響を与えるため、課題解決のための取組みが求められます。 サンクスカード制度はチーム内に感謝・称賛の文化を醸成し、モチベーションやチームワークの向上が期待できます。チームワークアプリ「RECOG」を活用し、サービス業界の組織課題を解決していきましょう。 \\編集部おすすめ記事//サービス業界のサンクスカード導入事例
ソニアグループ
オフィスボストン(マジックバードグループ)
まとめ