コラム

統合報告書で人的資本はどう記載する?開示項目と企業事例を解説

統合報告書で人的資本はどう記載する?開示項目と企業事例を解説

公開日: 2026.10.28
更新日: 2026.10.28

統合報告書の人的資本について、「どの情報を記載すればよいのか」「他社は人材戦略やエンゲージメントをどのように開示しているのか」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。人的資本の開示では、人事施策や数値を並べるだけでなく、経営戦略と人材戦略、それを実行する施策や指標のつながりが伝わるように構成することが大切です。

2026年3月に改訂された人的資本可視化指針でも、経営戦略と人材戦略の連動や、人材戦略を踏まえた指標・目標の開示が重視されています。ただし、企業によって事業内容や経営課題は異なるため、他社と同じ項目を掲載すればよいわけではありません。

この記事では、統合報告書における人的資本開示の考え方を確認したうえで、実際の企業5社の記載事例、主な開示項目、記載時のポイントを解説します。自社の人的資本情報をどのようにまとめるべきか検討している方は、参考にしてみてください。

 

統合報告書における人的資本開示とは

人的資本開示とは、人材を企業価値の源泉となる重要な資本と捉え、人材戦略や投資、指標、実績などを社内外へ示す取り組みです。統合報告書に人的資本の情報を記載すれば、経営戦略や中長期的な価値創造との関係まで一体的に示せます。有価証券報告書とは法的な位置づけが異なるため、両者の役割を踏まえて開示内容を検討する必要があります。

項目

統合報告書

有価証券報告書

位置づけ

企業が任意で作成する報告書

金融商品取引法に基づく法定開示書類

主な役割

中長期的な価値創造の考え方を伝える

投資判断に必要な情報を法令に沿って開示する

人的資本情報

経営戦略や人材戦略との関係まで含めて説明しやすい

法令上求められる事項を所定の枠組みに沿って記載する

出典:内閣官房「『人的資本可視化指針』の改訂について」

統合報告書は価値創造ストーリーを任意で開示する

統合報告書は、企業の戦略やガバナンス、実績、将来の見通しなどを関連付け、どのように中長期的な価値を生み出していくのかを伝えるために活用されます。人的資本の情報を記載する際も、研修や採用制度を個別に紹介するだけではなく、経営戦略の実現に必要な人材像や、その確保・育成へ向けた施策をつなげて示すことがポイントです。

統合報告書の考え方の土台となる国際的な枠組み(国際統合報告フレームワーク)も、財務資本や人的資本などの複数の資本を対象に、短期・中期・長期の価値創造を伝えることを目的としています。また、人的資本可視化指針では、特定の項目について画一的な開示が求められているわけではないとされています。掲載項目を機械的に埋めるのではなく、自社の戦略を踏まえて重要な情報を検討することが大切です。

出典
IFRS Foundation「Integrated reporting」
内閣官房・金融庁・経済産業省「人的資本可視化指針(改訂版)」

有価証券報告書は法令に沿って必要事項を開示する

有価証券報告書は金融商品取引法に基づく法定開示書類です。2023年3月期からは「サステナビリティに関する考え方及び取組」の欄が新設され、人的資本についても人材育成方針や社内環境整備方針、それらに関連する指標・目標・実績を記載する枠組みが導入されました。

さらに、2026年2月の内閣府令改正により、2026年3月31日以後に終了する事業年度から、連結ベースの企業戦略と関連付けた人材戦略、それを踏まえた従業員給与等の決定方針、提出会社の従業員の平均給与の対前年比増減率が新たな開示事項となっています。

改訂版の人的資本可視化指針では、まず有価証券報告書で経営戦略と連動した人材戦略の開示を充実させ、必要に応じて任意の媒体も用いて、有価証券報告書と整合的かつ補完的に開示する考え方が示されています。統合報告書では、法定開示の情報を単に繰り返すのではなく、背景となる戦略や施策との関係を補足すると、媒体ごとの役割を分けやすくなります。

出典
金融庁「『企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令』等の公布及びパブリックコメントの結果について」
内閣官房・金融庁・経済産業省「人的資本可視化指針(改訂版)」

 

統合報告書における人的資本の記載事例5選

人的資本の見せ方は企業ごとに異なります。経営戦略と人材戦略の関係を図示する企業もあれば、エンゲージメントや必要人材、育成状況などを指標として示す企業もあります。以下では、公式サイトで統合報告書を公開している5社について、開示内容の特徴と、自社の統合報告書を検討する際に参考になる点を紹介します。

味の素株式会社

味の素グループのASVレポート2026では、「ありたい姿の実現を支える無形資産」の章を設け、組織資産、人財資産、技術資産、顧客資産を位置づけています。人的資本を単独の人事テーマとして扱うのではなく、ありたい姿の実現を支える資産の一つとして、CHROメッセージとあわせて示している点が特徴です。

また、同レポートでは人財資産に関する指標として従業員エンゲージメントスコアを掲げ、年度ごとの目標と実績に加え、2030年度に向けた目標値も示しています。人的資本に関する施策だけでなく、経営上どのような位置づけで指標を追っているのかまで示しているため、経営戦略と人的資本指標を関連付けて開示する際の参考になります。

出典
味の素株式会社「ASVレポート(統合報告書)」
味の素株式会社「ASVレポート2026(ありたい姿の実現を支える無形資産)」

富士通株式会社

富士通統合レポート2025では、人的資本経営を検討する構想フレームとして「人的資本価値向上モデル」を示しています。このモデルは、人材ポートフォリオの策定や人材の獲得・配置などの「成果を生むための取り組み」と、社員一人ひとりのウェルビーイングの実現を目指し、ジョブ型人材マネジメントや自律的な学びの支援などを行なう「持続的効果を生むための取り組み」で構成されており、人材施策同士の関係を一つのモデル上で示しています。

また、統合レポートには「財務・非財務指標の関係性の把握」のページも設けられており、人的資本を含む非財務の取り組みと財務との関係を整理する姿勢がうかがえます。同レポートは2026年3月に「第5回日経統合報告書アワード」でグランプリを受賞しており、人材施策を個別に並べるのではなく全体像として示す構成は、自社の見せ方を考えるうえで参考になります。

出典:富士通株式会社「富士通統合レポート2025」

株式会社リコー

リコーグループ統合報告書2026では、人的資本を中期経営戦略ʼ26の実行を支え、事業成長を加速する経営基盤として位置づけています。人的資本戦略をサステナビリティやガバナンスとともに経営基盤の一部として掲載し、人材の育成・活躍に向けた取り組みを紹介しています。

また、同社は情報開示の体系も示しており、統合報告書では中長期の企業価値向上ストーリーを、有価証券報告書では財務状況やリスクなどの重要な事実情報を、サステナビリティレポートではESGの戦略・取り組み・実績を開示すると整理しています。人的資本を経営戦略の実行を支える要素として配置し、媒体ごとの役割も明確にしている点は、自社の開示体系を検討する際に参考になります。

出典:株式会社リコー「リコーグループ統合報告書2026」

双日株式会社

双日の統合報告書2026では、中期経営計画2026を「Next Stageに向けた成長基盤を構築する期間」と位置づけ、そのロードマップの中に「人的資本強化」を明示しています。人的資本への投資を独立した人事施策として扱うのではなく、事業基盤の強化や将来の企業価値向上につながる取り組みとして示している点が特徴です。

なお、双日は金融庁の好事例集でも、有価証券報告書で男女間賃金差異の要因を分析し、その解消に向けた対応策を開示した例として取り上げられています。人的資本を統合報告書に記載する際は、「どの施策を行なっているか」だけでなく、なぜその投資が必要なのかを経営計画との関係から説明することが重要になります。

出典
双日株式会社「統合報告書2026」
金融庁「記述情報の開示の好事例集2025」

株式会社日立製作所

日立の統合報告書2026では、「サステナビリティ戦略」の中に、CHROとCSuO(最高サステナビリティ責任者)によるメッセージとともに「人財戦略」を掲載しています。人的資本を経営計画やサステナビリティ戦略と並べて位置づけている構成です。

金融庁の好事例集では、日立が人財への投資と企業価値向上・経営戦略との関連を、価値創造プロセスとして1枚の図で示したことが紹介されています。統合レポートの内容を拡充する際には全社的な検討体制を組み、有価証券報告書の人的資本パートも統合レポートと整合を取る方針としたとされています。

人財への投資と経営戦略、企業価値向上との関係を図示し、複数の開示媒体で一貫したストーリーを示しているため、人材施策を経営全体の流れに組み込んで説明する方法を検討する際に参考になります。

出典
株式会社日立製作所「統合報告書」
金融庁「記述情報の開示の好事例集2025」

 

統合報告書で記載したい人的資本の主な項目

人的資本の開示項目は、自社の経営戦略や重要な人材課題を踏まえて選ぶことが大切です。人的資本可視化指針では、自社の戦略に基づく独自性のある指標と、企業間で比較しやすい指標をバランスよく組み合わせることが重要とされています。幅広い企業に開示が期待される指標としては、従業員数、人件費、離職率、従業員エンゲージメントスコアが挙げられています。

こうした考え方を踏まえ、主な候補として次のような項目が挙げられます。

  • 経営戦略と連動した人材戦略
  • 人的資本への投資・人事施策
  • 従業員エンゲージメントに関する指標
  • 人材育成・多様性に関する指標・目標・実績
  • 人材ポートフォリオと必要スキル
  • 人的資本経営の推進体制

出典:内閣官房・金融庁・経済産業省「人的資本可視化指針(改訂版)」

経営戦略と連動した人材戦略

人的資本を開示する際は、まず経営戦略と人材戦略がどのようにつながっているのかを示します。「研修を充実させる」「採用を強化する」といった施策だけを掲載しても、なぜその取り組みが必要なのかは読み手に伝わりにくいためです。

たとえば、新規事業の拡大に特定分野の専門人材が必要であれば、必要な人材像を示したうえで、採用・育成・配置の方針を説明します。経営上の目標から必要な人材を導き、人材施策へつなげると、人的資本への投資理由が明確になります。

人的資本への投資・人事施策

人材戦略を実行するために、どのような投資や施策を進めているのかも開示候補となります。研修やリスキリング、採用、キャリア形成、健康支援、DEI、働く環境の整備などから、自社の経営戦略や人材課題と関係する取り組みを選んで示します。

施策数の多さを強調する必要はありません。経営上の課題に対して何を行ない、どのような状態を目指しているのかまで説明すると、人的資本投資の意図が伝わりやすくなります。投資額を開示する場合も、金額だけでなく目的や対象を併せて示すと理解しやすいでしょう。

従業員エンゲージメントに関する指標

従業員エンゲージメントは、人材戦略や職場の状態を確認するための指標として開示されることがあります。金融庁の好事例集では、エンゲージメントスコアなどの指標は単なる数値の増減だけでなく、数値を構成する要素の変化に着目し、改善施策との関連性を示すことが望ましいとされています。

統合報告書に掲載する際は、スコアだけでなく、調査対象や測定方法、目標値なども必要に応じて補足すると、数値の意味を理解しやすくなります。測定方法や対象範囲を変更した場合は、その内容を明記しておくと、過年度との比較で誤解が生じにくくなります。

出典:金融庁「記述情報の開示の好事例集2025」

人材育成・多様性に関する指標・目標・実績

人材育成や多様性に関する定量情報も、人的資本の状況を伝える材料になります。教育投資や研修実績、女性管理職比率、男性の育児休業取得率、男女間賃金差異など、自社の人材戦略と関係する指標を選び、必要に応じて目標と実績を示します。

大切なのは、数値の数を増やすことではありません。なぜその指標を重視しているのか、どの課題に対応しているのかを説明すると、開示する意味が明確になります。目標に届いていない指標についても、背景や今後の対応を併せて示すことで、現在地をより正確に伝えられます。

人材ポートフォリオと必要スキル

将来の事業を支える人材について、「どの領域に、どのような能力を持つ人材が、どの程度必要なのか」を示す方法もあります。金融庁の好事例集では、事業戦略ごとの必要人材数やスキル構成を定量的に開示し、育成・採用計画との関係を説明することが有用とされています。

必要人材と現在の人材構成に差がある場合は、その差をどのように埋めるのかまで示すと、人材戦略の具体性が高まります。社内育成、配置転換、中途採用などの施策と関連付ければ、事業戦略の実現に向けた人材確保の道筋も伝えやすくなるでしょう。

出典:金融庁「記述情報の開示の好事例集2025」

人的資本経営の推進体制

人的資本経営を継続して進めるには、担当部署だけでなく、経営層や事業部門がどのように関与しているのかを示すことも有用です。CHROなどの責任者、経営会議や取締役会での議論、事業部門との役割分担などを記載すると、人的資本を経営課題として扱う体制が伝わります。

経営戦略と人材戦略の連動を説明する場合は、誰が方針を決め、どのように施策を実行し、結果を経営へ反映するのかまで補足すると全体像が明確になります。組織図だけでなく、意思決定やモニタリングの流れを簡潔に示す方法も考えられます。

 

統合報告書で人的資本を記載するポイント

人的資本の開示では、情報量を増やすことより、各情報の関係が読み手に伝わることが重要です。金融庁の好事例集は有価証券報告書の開示例をまとめた資料ですが、戦略との連動や時系列での変化、ベンチマーク、課題への対応、財務情報とのつながりなど、統合報告書の構成を考える際にも参考になる観点が示されています。

  • 人材戦略・施策・指標のつながりを示す
  • 時系列で目標と実績の変化を示す
  • 他社や業界とのベンチマークを示す
  • 課題や未達の要因と対応策も示す
  • 財務・企業価値とのつながりを説明する

自社にとって重要な情報を選び、「なぜこの情報を開示するのか」が伝わるように構成しましょう。

出典:金融庁「記述情報の開示の好事例集2025」

人材戦略・施策・指標のつながりを示す

人材戦略、具体的な施策、KPIを別々に掲載するよりも、それぞれの関係がわかるように示した方が、人的資本への投資目的を理解しやすくなります。経営戦略で目指す姿から必要な人材像を定め、施策を実行し、その進捗を指標で確認するという流れを意識するとよいでしょう。

文章だけで説明しにくい場合は、「経営戦略→人材戦略→施策→指標・目標」の関係を図や表で示す方法もあります。すべての施策を無理に関連付けるのではなく、企業価値や重要な経営課題と関係の深い情報を優先すると、伝えたい内容がぼやけにくくなります。

時系列で目標と実績の変化を示す

人的資本への投資は、施策を実施してすぐに成果が表れるとは限りません。単年度の実績だけではなく、複数年度の推移を掲載すると、中長期的な変化や施策の進捗を読み手が把握しやすくなります。

エンゲージメントスコアや女性管理職比率、人材育成に関する指標などでは、過去実績、現在値、将来目標を並べる方法があります。指標の定義や測定方法を変更した年度がある場合は、その旨を注記するなど、単純比較による誤解を防ぐ配慮も必要です。

他社や業界とのベンチマークを示す

自社の数値だけでは、その水準や目標設定の背景を判断しにくい場合があります。比較可能なデータがある場合は、必要に応じて業界平均や外部調査などをベンチマークとして示すと、自社の現在地や改善余地を説明しやすくなります。

ただし、調査対象や算出方法が異なる数値を単純に比較するのは適切ではありません。外部データを使う際は、出典や対象範囲、算定方法を確認し、自社の指標と比較できる条件かを確かめる必要があります。比較そのものを目的にせず、課題や目標の背景を伝えるために活用することが大切です。

課題や未達の要因と対応策も示す

人的資本開示では、良い成果だけでなく、課題や目標未達の状況も含めて説明すると、人材戦略の現在地が伝わりやすくなります。人的資本可視化指針でも、望ましい数字が現れていない場合に、その原因や対応策とともに開示することは投資家の目線から有効との声があるとされています。

たとえば目標としていた管理職比率に届かなかった場合は、実績値だけで終わらせず、候補者層や育成機会などの課題を示し、今後どのような施策を進めるのかまで説明します。課題と次の対応がつながっていれば、人的資本経営を継続的に改善していることも伝えやすくなります。

出典:内閣官房・金融庁・経済産業省「人的資本可視化指針(改訂版)」

財務・企業価値とのつながりを説明する

人的資本への投資が、事業や企業価値とどのような関係にあるのかを示すことも有用です。金融庁の好事例集では、人事と財務の責任者がそれぞれ管掌するKPIを連動させ、「要因→活動→成果(財務)」のつながりを示すことが、投資家の評価に役立つとされています。

ただし、エンゲージメントスコアの向上が売上増加を直接もたらしたといった因果関係を、十分な根拠なしに断定するのは避けましょう。まずは事業戦略に必要な人材や組織能力を示し、その強化へ向けた施策、変化を確認する指標、事業上期待する成果を順序立てて説明します。因果関係を十分に検証できていない場合は、目指す関係や仮説として表現する方が、読み手に誤解を与えにくくなります。

出典:金融庁「記述情報の開示の好事例集2025」

 

統合報告書の人的資本開示に関するよくある質問

統合報告書は任意開示の媒体であり、人的資本についてすべての企業が同一の内容を掲載する仕組みではありません。一方で、人的資本可視化指針や有価証券報告書など、参考にすべき指針・制度もあります。人的資本の記載内容を検討する際に迷いやすい点を、3つの質問に分けて確認します。

統合報告書の人的資本開示に決まった項目はありますか?

統合報告書そのものについて、日本の法令で一律の人的資本開示項目が指定されているわけではありません。人的資本可視化指針でも、自社の経営戦略に基づく人的資本投資の考え方や目的、現状と課題、今後の取り組みを説明することが重要であり、特定の項目について画一的な開示が求められているわけではないとされています。

指針の付録で整理されている開示事項も、あくまで例示です。自社の経営戦略や重要な人材課題を起点に、戦略、施策、指標・目標のうち何を開示すべきか検討することが基本です。法令で求められる開示事項については、別途最新の制度を確認しましょう。

出典:内閣官房・金融庁・経済産業省「人的資本可視化指針(改訂版)」

人的資本レポートと統合報告書の違いは何ですか?

人的資本レポートは、一般に人材戦略や人的資本への投資、従業員に関するデータなどを中心に、企業が任意で作成する報告書を指します。法令で統一された形式があるわけではなく、名称や掲載内容、構成は企業によって異なります。

一方、統合報告書は人的資本だけでなく、経営戦略、財務、ガバナンス、知的資本なども含め、中長期的な価値創造の全体像を伝えるために活用されます。たとえばリコーは、統合報告書で中長期の企業価値向上ストーリーを、有価証券報告書で重要な事実情報を、サステナビリティレポートでESGの取り組みと実績を開示すると整理しています。人的資本レポートで詳細なデータや施策を掲載し、統合報告書では企業価値との関係を中心に説明するなど、媒体ごとに役割を分ける方法もあります。

出典:株式会社リコー「リコーグループ統合報告書2026」

他社の人的資本の記載事例はそのまま参考にできますか?

他社事例は、見せ方や説明の組み立てを考える際の参考になりますが、掲載項目や指標をそのまま自社へ当てはめるのは適切ではありません。事業内容や経営戦略が違えば、必要となる人材、人材課題、成果を確認する指標も変わるためです。

他社の統合報告書を見る際は、「どの指標を使っているか」だけでなく、「なぜその指標を選んだのか」「経営戦略や人材施策とどうつなげているのか」に注目するとよいでしょう。その考え方を参考にしながら、自社の経営課題を起点として必要な情報を選ぶことが大切です。

 

人的資本経営の取り組みにRECOGを活用!

人的資本可視化指針では、従業員エンゲージメントスコアが幅広い企業に開示が期待される指標の1つとされています。開示した指標を改善していくには、施策と指標のつながりを意識しながら、日々の職場で従業員が働きがいを感じられる環境を整えることが欠かせません。

RECOGは、従業員同士が感謝や称賛をレターで伝え合い、ポイントを贈り合えるサービスです。互いの貢献を認め合う機会を日常的につくることで、エンゲージメント向上に向けた職場づくりを後押しします。導入後は、本記事で解説したように指標の推移を継続的に確認しながら、人的資本経営の取り組みの1つとしてRECOGの活用もご検討ください。

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まとめ | 企業事例を参考に自社の人的資本開示を整理しよう

統合報告書の人的資本開示では、人事施策や指標を数多く掲載することよりも、経営戦略と人材戦略、施策、指標・目標の関係をわかりやすく伝えることが重要です。実際の企業事例でも、人材戦略の全体像を図示したり、エンゲージメントや必要人材に関する指標を継続的に示したりと、それぞれの経営戦略に合わせた工夫が見られます。

他社事例をそのまま転用するのではなく、自社が抱える経営課題や必要な人材を起点に、開示する情報を検討しましょう。目標と実績の推移や課題、今後の対応まで示すと、人的資本経営の進捗や投資の意図も伝わりやすくなります。

人的資本可視化指針では、従業員エンゲージメントスコアが幅広い企業に開示が期待される指標の一つとして挙げられています。開示する指標を改善していくには、日々の職場で従業員が認め合い、働きがいを感じられる環境づくりも欠かせません。

RECOGでは、感謝・称賛を伝え合えるレター機能やポイント機能を通じて、従業員同士のコミュニケーションやエンゲージメント向上を支援しています。人的資本経営の取り組みの一つとして、RECOGの活用もぜひご検討ください。

 

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