「客先常駐のメンバーに社内の情報が届かない」「技術のノウハウが特定の人に偏っている」「チャットのやり取りが流れてしまい、大事な情報を見落とす」など、IT企業では情報共有に関する課題が起きやすい傾向にあります。プロジェクトごとにチームが分かれ、働く場所も社内、客先、自宅とさまざまなため、情報が部分的にしか行き渡らない状況が生まれやすいのです。
こうした課題の解決に役立つのが「社内SNS」です。本記事では、IT企業における情報共有の仕組みや、情報共有が遅れる場合の課題を整理したうえで、社内SNSを導入するメリットと企業事例を紹介します。

IT企業では、プロジェクトの進行から技術的なノウハウ、社内のお知らせまで、さまざまな情報を共有する場面があります。どのような場面で情報共有が発生しているのか、具体的に見ていきましょう。
なお、ここで紹介しているのは一例のため、企業によって組織の構成や役職名が異なったり、ほかの役職が介在したりする場合があります。
まず重要になるのが、経営層や本部と各プロジェクトチームとの間の情報共有です。経営層は事業方針や重点的に取り組む技術領域、人事制度の変更、セキュリティに関するルールなど、会社全体に関わる情報を各チームへ発信します。
各チームのリーダーは、経営層の方針をプロジェクトの進め方やメンバーの育成計画に反映させる役割を担います。あわせて、案件の進捗や課題、顧客の評価などを本部へ報告し、要員の配置や受注の判断に生かしてもらうことも欠かせません。
プロジェクトの現場では、リーダーとメンバーの間で日々細かな情報共有が欠かせません。リーダーは顧客の要望や仕様の変更、スケジュールの調整内容などをメンバーへ伝え、作業の優先順位を示します。
メンバーからは、作業の進捗や発生した課題、技術的な懸念などがリーダーへ報告されます。小さな懸念のうちに共有されれば、リーダーは早めに手を打てるため、スケジュールの遅延や品質の低下を防ぎやすくなるでしょう。
エンジニア同士の間では、技術的な知見の共有が日常的に発生します。新しい言語やフレームワークの使い方、障害対応の手順、レビューで得た気づきなど、ほかのメンバーにも役立つ情報は少なくありません。
こうした知見がチームの中で共有されれば、同じ問題で何度もつまずくことが減り、チーム全体の技術力の底上げにつながるでしょう。異なるプロジェクトのエンジニア同士で知見を交換できれば、自分の案件にはない技術に触れる機会も生まれます。
営業やバックオフィスとエンジニアの間でも、さまざまな情報がやり取りされます。営業は顧客の要望や受注の見込みをエンジニアへ伝え、提案内容の技術的な確認や見積もりへの協力を依頼するのが一般的です。
バックオフィスからは、勤怠や経費の手続き、福利厚生、研修の案内などがエンジニアへ届けられます。職種によって使う言葉や関心のある情報が異なるため、お互いにとってわかりやすい形で情報を伝える工夫が求められます。
SESや受託開発の事業を手がけるIT企業では、顧客先に常駐して働くエンジニアや、リモートで働くメンバーも少なくありません。本社からは社内のお知らせやイベントの案内、評価制度に関する情報などを、離れて働くメンバーにも等しく届ける必要があります。
離れて働くメンバーからも、常駐先での業務の様子や困りごとを本社へ共有してもらうことが大切です。双方向の情報共有ができていれば、本社は常駐先での働きぶりを把握し、必要なフォローを適切なタイミングで行なえます。

IT企業で情報共有が遅れると、プロジェクトの進行や品質、メンバーの定着にさまざまな影響が及びます。主なデメリットや課題を順に確認していきましょう。
仕様の変更や顧客の要望がメンバー全員に正しく伝わらないと、古い前提のまま開発が進み、後から大きな手戻りが発生しかねません。手戻りの対応に追われれば、スケジュールが圧迫され、テストなどの品質を確保する工程にしわ寄せがいくこともあるでしょう。
メンバーが抱えている懸念がリーダーに届かない状況も、プロジェクトのリスクを高めます。問題が表面化したときにはすでに手遅れになっている、という事態を防ぐには、日頃から気軽に情報を共有できる環境が必要です。
技術的なノウハウが個人の頭の中やローカルのメモにとどまっていると、担当者が不在のときに誰も対応できない状況が生まれます。担当者が異動や退職をすれば、そのノウハウごと失われてしまうおそれもあります。
ナレッジが属人化した組織では、同じ問題に別のメンバーが一から取り組む非効率も生じがちです。技術の変化が速いIT業界にとって、組織として知見を蓄積できないことは、競争力の低下に直結しかねない課題です。
システム障害やセキュリティ上の問題が発生したとき、関係者への情報共有が遅れると、原因の調査や復旧の着手が遅れます。誰が対応しているのか、どこまで状況が把握できているのかがわからなければ、同じ確認を複数の人が重ねるといった混乱も起きるでしょう。
障害対応の遅れは、顧客のビジネスに損害を与え、信頼を大きく損なう原因になります。過去の障害の経緯や対応内容が共有されていなければ、同じ障害を繰り返すリスクも高まるでしょう。
営業が顧客と約束した内容がエンジニアに正確に伝わっていないと、提案と実際の開発内容にずれが生じます。反対に、エンジニアの稼働状況が営業に共有されていなければ、対応できない案件を受注してしまうこともあるかもしれません。
職種間の情報共有が不足すると、トラブルが起きたときに責任の押し付け合いが生じやすくなります。互いの仕事への理解が浅いままでは、協力して問題を解決する関係を築くことは困難です。
客先常駐やリモートで働くメンバーは、社内の動きや仲間の様子を知る機会が限られます。会社からの情報が届かない状態が続くと、「自分はどの会社の一員なのか」という感覚が薄れ、帰属意識が低下しがちです。
孤立感を抱えたメンバーは、悩みを相談できないまま一人で抱え込んでしまうおそれがあります。帰属意識の低下は、より条件のよい会社への転職を考えるきっかけにもなりかねません。

日々の連絡にビジネスチャットを活用しているIT企業は少なくありません。ビジネスチャットが特定のメンバーとのやり取りを素早く進めるのに向いている一方で、社内SNSはチームや職種を越えて全社に情報を発信し、後から振り返れる形で残すのに適しています。社内SNSの基本や選び方は、社内SNSとは?メリットや選び方・おすすめ10選と事例を解説で紹介しているので、あわせてご覧ください。
社内SNSに技術的な知見や障害対応の記録を投稿すれば、プロジェクトの垣根を越えて全社のエンジニアが参照できます。チャットのように会話が流れていかないため、後から同じ問題に直面したメンバーが検索して見つけられる点もメリットです。
「この設定で解決できた」「この手順で作業時間を短縮できた」といった投稿が積み重なれば、組織としての知見が蓄積されていきます。社内SNSに備わる機能については、社内SNSの機能を徹底解説!選び方と活用のポイントとはも参考にしてください。
社内SNSで社内のお知らせやイベントの案内を発信すれば、本社にいるメンバーも客先常駐やリモートのメンバーも、同じ情報を同じタイミングで受け取れます。スマートフォンから確認できる社内SNSであれば、常駐先の業務の合間や移動中にも目を通せるでしょう。
働く場所によって得られる情報に差がなくなれば、離れて働くメンバーも会社の一員であることを実感しやすくなります。情報が公平に届く環境は、帰属意識を保つための土台です。
社内SNSでは、エンジニア、営業、バックオフィスなど、職種を問わず誰もが発信し、ほかの人の投稿に反応できます。各部門の取り組みが投稿されれば、普段は接点の少ない部門の仕事に関心を持つきっかけにもなるはずです。
職種を越えたやり取りが増えれば、互いの仕事への理解が深まり、営業とエンジニアの連携もスムーズになります。トラブルが起きたときにも、責任を押し付け合うのではなく、協力して解決に向かえる関係を築きやすくなるでしょう。
社内SNSには、業務の情報だけでなく、自己紹介や趣味、休日の出来事など、メンバーの人柄が伝わる投稿も集まります。新しく入社したメンバーが自己紹介を投稿すれば、まだ一緒に仕事をしたことがないメンバーにも、どのような人なのかが伝わるはずです。
顔を合わせる機会が少ないIT企業でも、相手の人柄を知っていれば、仕事の相談や依頼がしやすくなります。投稿をきっかけに会話が生まれ、チームを越えたつながりが育っていくのも、社内SNSならではの効果です。
感謝や称賛を伝え合える機能を備えた社内SNSであれば、コードレビューや障害対応、ナレッジの共有といった見えにくい貢献にも光を当てられるのが利点です。「共有してくれた手順のおかげで、障害をすぐに解決できました」といったメッセージは、情報を発信した側の励みになります。
情報共有に感謝が返ってくる経験が増えれば、「次も共有しよう」という意識が自然と育ちます。発信する人が増えるほど社内SNSに集まる情報が充実し、組織全体の情報共有の質も高まっていくでしょう。

IT企業の情報共有とチームワークを後押しする社内SNSとして、チームワークアプリ「RECOG(レコグ)」がおすすめです。累計2,000社以上の企業に導入されており、IT企業での活用事例もあります。
RECOGには、全社へのお知らせや技術的な知見の発信に使える投稿機能や、日々のやり取りに使えるトーク機能が搭載されているのが特長です。さらに、感謝や称賛を贈り合えるレター機能を使えば、エンジニアの見えにくい貢献や職種を越えた協力を可視化できます。スマートフォンからも利用できるため、客先常駐やリモートのメンバーが参加しやすい点も魅力です。
機能や活用シーン、料金をまとめた資料を無料でご用意しました。IT企業の情報共有の改善に関心をお持ちの方は、ぜひ資料をご請求ください。
最後に、RECOGを情報共有にも活用しているIT企業の事例を紹介します。
ネットワークやセキュリティなどのITインフラ設計・構築を手がけるアイティアスリート株式会社では、案件ごとにメンバーが異なる現場で働くうえ、リモートワークも増えたことで、社内のつながりが希薄になることが課題でした。東京と大阪に拠点を持つ同社は、SNSに投稿するような感覚で気軽に使えるシンプルさを評価し、RECOGを導入しています。
情報共有の面で活用されているのが、スレッド機能です。新しく入社したメンバーには最初のタスクとしてスレッドに自己紹介を投稿してもらい、まだ一緒に仕事をしたことがないメンバーにも人柄が伝わるようにしています。スレッドには仕事と直接関係のない日常的な話題も多く投稿され、「あの投稿、見ましたよ」と普段話したことのない人との会話が生まれるきっかけになっているそうです。大阪のメンバーが社内イベントの様子を投稿することで、東京からも離れた拠点の雰囲気が伝わるようになり、今後はスレッドをブログのように活用してもらうことも目指しています。
IT企業では、経営層とプロジェクトチーム、リーダーとメンバー、エンジニア同士、職種間、本社と客先常駐・リモートのメンバーなど、多方向の情報共有が求められます。情報共有が遅れると、プロジェクトの手戻りやナレッジの属人化、障害対応の遅れ、離れて働くメンバーの孤立など、事業と人材の両面に影響が及びかねません。
社内SNSは、チームや働く場所の違いを越えて情報を届け、知見を組織に蓄積できるツールです。ビジネスチャットと役割を分けて活用すれば、ナレッジの共有や職種を越えた交流が進み、感謝や称賛を通じて見えにくい貢献にも光が当たります。情報共有に悩むIT企業は、社内SNSの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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