「開発と製造の間で情報が分断されている」「品質保証が把握した不具合の情報が設計に届くまで時間がかかる」「海外拠点の状況が本社から見えない」など、メーカーでは情報共有に関する課題が起きやすい傾向にあります。研究開発から製造、営業まで多くの部門がひとつの製品に関わり、拠点も国内外に分散しているため、情報の流れが複雑になりやすいのです。
そうした課題を解決する糸口になるのが「社内SNS」です。本記事では、メーカーにおける情報共有の仕組みや、情報共有が遅れる場合の課題を整理したうえで、社内SNSを導入するメリットと企業事例を紹介します。

メーカーでは、製品の企画から開発、製造、販売に至るまで、部門や拠点をまたいだ情報共有が日常的に発生します。具体的にどのような情報共有の場面があるのか見ていきましょう。
なお、ここで紹介しているのは一例のため、企業によって部門の構成や役職名が異なったり、ほかの部門が介在したりする場合があります。
まず重要になるのが、本社・経営層と各部門・拠点との間の情報共有です。経営層は中期経営計画や事業方針、新製品の投入計画、品質方針、コンプライアンスに関する方針など、会社全体の方向性を決める情報を各部門・拠点へ伝えます。
各部門や拠点の責任者は、経営層の方針を自部門の目標や業務計画に落とし込み、メンバーに展開する役割を担います。あわせて、開発の進捗や生産の状況、販売の動向など、現場で起きていることを本社へ報告し、経営判断の材料を提供することも欠かせません。
新製品を世に送り出すうえで欠かせないのが、研究開発・設計部門と製造部門の情報共有です。研究開発・設計部門は、製品の仕様や図面、使用する材料、試作の結果などを製造部門へ伝え、量産に向けた準備を進めてもらいます。
製造部門や生産技術部門からは、「この形状では加工が難しい」「この部品は組み立てに時間がかかる」といった量産の視点からのフィードバックが返されます。設計の段階で製造側の意見を取り入れられれば、量産開始後の手戻りを減らし、製品の品質とコストの両方を改善できるでしょう。
品質保証部門は、メーカーの情報共有の要となる存在です。受入検査や出荷検査の結果、市場からの不具合情報、顧客からのクレームなど、品質に関わる情報を集約し、関係する部門へ共有します。
不具合の原因が設計にあれば設計部門へ、製造工程にあれば製造部門へ、部品にあれば調達部門へと、情報を正確に伝えて対策を求めることになります。再発防止策の内容をほかの製品や拠点にも水平展開し、同じ不具合を繰り返さない仕組みをつくることも、品質保証部門の重要な役割です。
営業部門は、顧客と直接向き合う立場から、要望や不満、競合製品の動向といった市場の情報を開発部門へ届ける役割を担います。顧客の声が開発に正確に伝われば、市場のニーズに合った製品の企画や改良につながります。
また、営業部門は受注の見込みや納期の要望を製造部門と共有し、生産計画の調整を依頼するのが一般的です。反対に、製造部門からは生産能力や在庫の状況が営業部門へ伝えられ、顧客に約束できる納期の判断材料になります。
メーカーでは、本社、研究所、工場、営業所など、機能ごとに拠点が分かれているケースが少なくありません。海外に生産拠点や販売拠点を持つ企業では、時差や言語の違いを越えた情報共有も求められます。
拠点間では、生産計画や在庫の情報、品質の基準、改善の成功事例などを共有し、どの拠点でも同じ品質の製品をつくれる体制を整えることが重要です。海外拠点との間では、本社の方針や品質基準が現地の言葉で正しく伝わっているかを確認することも欠かせません。拠点ごとに蓄積されたノウハウを全社で生かせるかどうかが、メーカー全体の競争力を左右するといっても過言ではありません。

メーカーで部門間や拠点間の情報共有が遅れると、製品開発や品質、顧客満足にさまざまな影響が及びます。ここでは、代表的なデメリットや課題を見ていきましょう。
研究開発・設計と製造の情報共有が滞ると、試作や量産準備の段階で手戻りが発生しやすくなります。設計変更の情報が製造側へ届くのが遅れれば、古い仕様のまま部品の手配や工程の準備が進んでしまうこともあるでしょう。
開発スピードの低下は、市場への製品投入の遅れに直結します。競合他社に先を越されれば、販売の機会を失うだけでなく、開発にかけた投資の回収も難しくなりかねません。
市場で発生した不具合の情報が品質保証部門から設計や製造へ届くまでに時間がかかると、原因の特定や対策が遅れます。その間にも同じ不具合を含む製品が出荷され続け、被害が広がるおそれがあります。
品質トラブルへの対応の遅れは、リコールや顧客からの信頼の低下といった深刻な事態を招きかねません。不具合の兆候をいち早く関係部門で共有できる体制は、メーカーにとって欠かせないリスク管理の一部です。
営業が顧客から聞いた要望や不満が開発部門に届かなければ、市場のニーズとかけ離れた製品が生まれてしまいます。せっかく顧客と接点を持っていても、その情報が営業部門の中で止まっていては、製品の改良には生かされません。
顧客の声を製品に反映できない状態が続けば、顧客の満足度が下がり、競合製品への乗り換えを招くおそれもあります。特にBtoBのメーカーでは、営業担当者だけが顧客と接点を持つことも多く、市場の情報が個人に偏りがちです。部門を越えて市場の情報を共有する仕組みは、製品の競争力を保つうえで重要です。
工場や研究所ごとに独自の改善や工夫を重ねていても、その情報がほかの拠点に共有されなければ、ノウハウは拠点の中にとどまってしまいます。ある工場で解決済みの問題に、別の工場が一から取り組むといった非効率も生じるでしょう。
拠点ごとにノウハウが分断されると、拠点間で品質や生産性にばらつきが生まれます。ベテラン従業員の退職とともに、その拠点だけが持っていた技術が失われるリスクも高まります。
本社と各拠点の距離が遠く、経営層からの発信が一方通行になっていると、経営方針や理念が現場まで浸透しにくくなるでしょう。工場や海外拠点の従業員にとって、本社の方針が自分の仕事とどう関係するのかが見えにくくなるためです。
方針や理念が浸透しないままでは、部門や拠点ごとに判断の基準がばらばらになり、組織としての一体感が損なわれかねません。品質に対する考え方が拠点によって異なれば、製品の品質にも影響が出るおそれがあります。
メーカーで社内SNSを導入すると、部門や拠点を越えた情報共有がしやすくなり、さまざまなメリットが期待できます。
社内SNSを活用すれば、部門をまたぐ情報をリアルタイムで関係者に共有できます。設計変更の連絡を投稿すれば、製造や調達、品質保証の担当者が同時に確認でき、メールの転送を重ねる必要もありません。
投稿へのコメント機能を使えば、疑問点をその場で質問したり、補足を加えたりすることも可能です。部門の垣根を越えたやり取りが気軽にできるようになれば、情報の行き違いによる手戻りを減らせます。
社内SNSに不具合の情報や対策の内容を投稿すれば、関係する部門だけでなく、ほかの製品や拠点の担当者も目を通せます。再発防止策の水平展開がスムーズになり、同じ不具合を別の製品で繰り返すリスクを減らせるでしょう。
営業が聞いた顧客の声を投稿として共有するのも効果的です。開発や製造の従業員が顧客の反応に直接触れる機会が増えれば、自分たちがつくる製品への意識も高まり、改良のアイデアが生まれやすくなります。
本社、研究所、工場、営業所が離れていても、社内SNSを使えば同じ場で情報をやり取りすることが可能です。ほかの拠点の取り組みや改善事例が投稿されれば、自拠点でも取り入れられるヒントを得られます。
スマートフォンから利用できる社内SNSであれば、業務用のPCを持たない工場の従業員も参加できます。拠点や職種を問わず全従業員が同じ情報に触れられる環境は、メーカー全体の一体感を高めるうえで役立つでしょう。
社内SNSに投稿された情報は、時間が経っても検索して振り返れます。トラブルへの対処法や改善の工夫、設計の考え方などが投稿として蓄積されれば、後から入社した従業員にとって貴重な学びの材料になります。写真や動画を添えて投稿すれば、言葉だけでは伝わりにくい作業のコツも共有しやすくなるでしょう。
ベテラン従業員が経験から得たノウハウを投稿すれば、部門や拠点を越えて若手に伝えることも可能です。口頭での伝承だけに頼らず、組織の知識として残していける点は、技術継承に悩むメーカーにとって大きなメリットといえます。
感謝や称賛のメッセージを贈り合える機能を備えた社内SNSであれば、部門を越えた協力にも光を当てられるのが利点です。「不具合の情報を早く共有してもらえて、設計変更が間に合いました」「お客様の声を詳しく伝えてくれたおかげで、改良の方向性が見えました」といったメッセージは、情報を共有した側の励みになります。
情報共有に感謝が返ってくる経験が増えれば、「次も早めに伝えよう」という意識が自然と育ちます。部門間で協力し合う文化が根付けば、情報の流れそのものがスムーズになっていくでしょう。

メーカーの部門間・拠点間の情報共有を後押しする社内SNSとして、チームワークアプリ「RECOG(レコグ)」がおすすめです。累計2,000社以上の導入実績があり、さまざまな業種の企業で活用されています。
RECOGには、部門や拠点をまたいだお知らせや情報の発信に使える投稿機能や、日々のやり取りに使えるトーク機能が搭載されているのが特長です。さらに、感謝や称賛を贈り合えるレター機能を使えば、部門を越えた協力や情報共有への貢献を可視化でき、協力し合う文化づくりにもつながります。スマートフォンからも利用できるため、本社や研究所だけでなく、工場の従業員が参加しやすい点も魅力です。
機能や活用シーン、料金をまとめた資料を無料でご用意しました。メーカーの情報共有の改善に関心をお持ちの方は、ぜひ資料をご請求ください。
最後に、RECOGを情報共有にも活用しているメーカーの事例を紹介します。
ハウス食品グループで健康食品事業を担うハウスウェルネスフーズ株式会社は、兵庫県伊丹市に本社と工場を構え、伊丹市と千葉県四街道市に開発研究所を置いています。品質マネジメントシステム(QMS)の方針浸透を目的に、2020年にRECOGを導入しました。トラブルの芽を早期に摘む日々の気づきや行動を、称賛と感謝で後押しすることがねらいです。
導入から約6年が経った現在、RECOGはレターを贈り合うツールにとどまらず、伊丹と四街道の拠点間の情報共有基盤としても機能しています。スレッド機能では、お客様の声やセミナー、イベントの情報を発信しており、離れた拠点の状況をRECOG上のやり取りから知ることができるようになったそうです。生産技術部では、部署をまたいだ日常の協力を見える化する「協力RECOG」という取り組みが現場の発案で生まれるなど、部門間の協力文化も育っています。
メーカーでは、本社・経営層と各部門の間だけでなく、研究開発・設計と製造、品質保証と各部門、営業と開発・製造、国内外の拠点間など、多方向の情報共有が求められます。情報共有が遅れると、製品開発のスピードの低下や品質トラブルへの対応の遅れ、顧客の声が製品に反映されないといった、競争力に直結する問題につながりかねません。
社内SNSは、部門や拠点の垣根を越えた情報共有を後押しするツールです。品質情報や顧客の声の全社共有、拠点間の連携強化、ナレッジの蓄積に加え、感謝や称賛を通じて部門間の協力を促す効果も期待できます。部門間・拠点間の情報共有に悩むメーカーは、社内SNSの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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