飲食業界では「シフトが合わないためコミュニケーションが取れない」「顧客トラブルがあり精神的にツライ」などの課題が生じます。そうした組織課題の解決策として「サンクスカード制度」があります。
本記事では、飲食業界で起きやすい組織課題と解決策、サンクスカードを導入するメリットを紹介します。
飲食業界では多岐にわたる組織課題が発生しやすいですが、特に多く見られるのは以下の課題です。
飲食業界では、高い離職率が問題となっています。厚生労働省よると、令和5年度上半期の「宿泊業・飲食サービス業」の離職率が14.8%というデータが出ています。
離職率が高いことにより「すぐに辞めてしまって社内のモチベーションが下がる」「採用・教育のコストがかかりすぎる」「常に人手不足」などの課題にも発展しかねません。
飲食業界は、店舗内でスタッフ同士がコミュニケーションを取りにくい状況にあります。
接客や調理で忙しい時間帯は最低限の会話のみとなり、悩みを相談する暇がありません。また、店内にお客さまがいる状況ではプライベートな会話がしにくく、お互いの人となりを知ることもできないでしょう。
さらに、シフトが異なるスタッフ同士は顔を合わせる機会もほとんどなく、同じ店舗で働いているにも関わらずお互いについて把握できない状況となります。
飲食店は忙しいためスタッフの教育が十分ではなく、接客品質が不均一になりやすいという課題も見られます。マニュアルが整備されておらず現場で先輩や上司の動きを見て学ぶことも多く、自主的に学ぶ姿勢がなければ接客スキルが高まりません。
クレームやトラブルが発生した際、スタッフの迅速かつ丁寧な対応が求められます。しかし、時には怒りや非難を受けることもあり、スタッフの精神的な負担になります。
スタッフがそうした状況に遭っていても、店内が忙しいと責任者が気づきにくくスタッフを適切にケアできないと、スタッフ本人はさらにネガティブな感情になり離職を招きかねません。
飲食店では、先述のような顧客による誹謗中傷などのカスハラ(カスタマーハラスメント)のほか、忙しさで上司や先輩も余裕がなくなりパワハラ(パワーハラスメント)やモラハラ(モラルハラスメント)などのハラスメントが起きる可能性もあります。しかし、陰で行われていたりシフトが合わなかったりするなどの理由で周りがハラスメントに気づきにくく、ハラスメントを受けている本人が過度なストレスを感じてしまいます。
人手不足の飲食業界では、長時間労働が常態化しているケースも見受けられます。店舗の営業時間のみでなく仕込みや片づけなどの時間も必要となるため、営業時間外の勤務も少なくありません。そのため、スタッフは十分に休めずに疲労が取れなかったり、プライベートな時間を確保できなかったりすることで、心身の不調を引き起こす可能性もあるでしょう。
多店舗展開の飲食店では、本部・経営層と現場の連携が疎かになるという課題も起こりやすいです。現場の忙しさを本部が把握できていない状態で人員やコストの削減や業務効率化を指示し、現場からの反発・不満が発生します。
また、メニューや価格が変わった際に現場スタッフに情報が行きわたらず、顧客トラブルを引き起こすケースもあるでしょう。
飲食業界は食品を取り扱うため、衛生面には十分に気を付けなければなりません。食品トラブルが起きたら多大な影響が及ぶため、食品安全の責任を背負っているためスタッフの精神的な負担が大きくなりがちです。また、食品安全に関する研修を実施する必要があり、店舗側の負担も増えているといえます。
飲食業界・外食産業では先述のような課題が起こりやすいため、適切に対策を講じる必要があります。課題解決策として、以下の6つを紹介します。
労働環境の見直しは、スタッフの離職防止と新たな人材の採用に効果的です。
まずは労働条件を整備し、待遇を給与・賞与の見直しや福利厚生の整備、産休・育休や介護休暇の導入など、スタッフが安心・安定して働ける環境を作りましょう。
ほかにも、資格取得の支援、ハラスメント相談窓口の設置、業務ロボットの導入など、さまざま方法があります。
人手不足を解消するためには採用の間口を広げることも有効です。
今まで求人サイトのみを利用していた場合は、上記のように間口を広げて募集してみましょう。
接客スキルの向上や、食品安全のリスクを軽減のためには、スタッフの教育は必須です。研修制度やマニュアルを整備し、正社員・アルバイト・パートといったさまざまな雇用形態のスタッフが学べる環境を整えましょう。
忙しくて研修を実施する時間がなければ、オンラインで受講できるよう研修動画やオンラインマニュアルなどのコンテンツを作成すると便利です。
本部や経営層が現場を理解するには、つながりを強化する取組みが求められます。ビジネスチャットツールやオンライン会議ツールなどでコミュニケーションを取ったり、社内SNSや社内掲示板で本部の情報を発信したりするなど、オンラインでやり取りできるツールの導入がおすすめです。
また、店舗スタッフと対面して直接話せる機会を設けましょう。現場の実情を把握するためには、定期的な店舗巡回が有効です。本部での研修や本社見学などを実施し、店舗スタッフが本社へ訪問できる機会をつくるのも一案です。
店舗スタッフのモチベーションを高めて意欲的に仕事に臨んでもらうために、モチベーションアップに向けた施策を導入しましょう。たとえば、評価制度を見直して各スタッフの頑張りを正当に評価したり、表彰制度を設けて店舗やスタッフの成果を可視化したりする方法が挙げられます。
また、次章で詳しく説明しますが、従業員同士で感謝・称賛を伝え合える「サンクスカード制度」もおすすめです。
業務効率化のための取組みや教育体制の整備などが効果的です。しかし、そもそも人材がいなければ業務が回らないため、「働き続けたい」と思える職場作りを行なう必要があります。従業員エンゲージメントを高める方法としておすすめなのが「サンクスカード制度」です。
飲食店でスタッフ同士の関係性を深めたりモチベーションを高めたりするのに効果的なのが、サンクスカードです。
サンクスカードは、従業員同士で「仕事を手伝ってくれてありがとう」「○○さんの接客は素敵だね」などの感謝・称賛を伝え合う制度を指します。紙のサンクスカードでやり取りするのが一般的でしたが、最近ではメッセージやポイントなどを贈れるサンクスカードツールも増えており、デジタルに移行する向上が増加傾向にあります。
それでは、飲食店でサンクスカードを導入するメリットを見ていきましょう。
サンクスカードは、スタッフの頑張りや成果にフォーカスして感謝・称賛を贈れるため、贈られたスタッフのモチベーションアップに効果があります。「クレームに対応してくれたおかげで大きなトラブルにならずに済みました、ありがとう」といった日ごろの業務に対する感謝だけでなく、「Aさんの教育のおかげで○○店の接客レベルが上がっています」「Bさんはいつも丁寧な盛り付けをしてくれているから、自信を持って料理を提供できます」などの称賛を贈ることが可能です。
また、サンクスカードを見た他のスタッフにも「私も頑張ろう」「真似してみよう」などといった気づきを与えられるため、店舗全体のモチベーションアップも期待できるでしょう。
感謝・称賛が飛び交う職場では、自然とスタッフ同士の絆が強化されてチームワークが向上します。調理スタッフ同士・接客スタッフ同士の連携のみならず、調理スタッフと接客スタッフの連携も強化されるため、品質の高い料理や接客を提供できるようになり、顧客満足度も高まるでしょう。
また、チームワークがよい職場は心理的安全性が高まるため、離職防止の効果も期待できます。
会社のビジョンや理念を浸透する目的でサンクスカードを活用する企業も見られます。たとえば「くつろぎの時間を提供する」「調理技術を磨く」など企業が推奨する行動を明文化し、その行動を取ったスタッフに対してサンクスカードを贈る仕組みを構築できれば、スタッフはビジョンに沿った行動をしようと心がけるようになります。
また、本部や経営層は店舗内で行き交うサンクスカードを見ることで、現場の状況を理解しやすくなるでしょう。
サンクスカードの導入にはチームワークアプリ「RECOG」がおすすめです。感謝・称賛のメッセージをパソコンやスマホから手軽に贈り合うことができ、チームワークの醸成が期待できるツールです。
他にも、情報共有やナレッジ共有ができる投稿フィード機能や、チャットのように利用できるトーク機能があり、コミュニケーションを促進します。また、組織と個人についての分析機能も搭載されているため、組織改善やフィードバックなどに活用できるでしょう。
詳しい機能については以下の資料にて紹介しているので、ぜひダウンロードしてみてください。
飲食店では、シフトや雇用形態の違いによるコミュニケーション不足や、顧客トラブルによる精神的な負担、本部と現場の意識のズレなどが生じやすくなります。その結果、店舗スタッフの離職を招き、常に人手不足に陥ってしまうでしょう。
そうした事態を防ぐために、職場のチームワークを活性化させてスタッフのモチベーションを向上させていく必要があります。サンクスカードはスタッフの頑張りを可視化・評価できる方法のため、チームワークアプリ「RECOG」を活用して飲食業界の組織課題を解決していきましょう。
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