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他己評価とは?やり方や評価制度に組み込むメリットを詳しく解説

他己評価とは?やり方や評価制度に組み込むメリットを詳しく解説

公開日: 2025.12.02
更新日: 2025.12.02

みなさんの職場では、どのような評価制度を導入されているでしょうか。人事評価で従業員を正しく公平に評価したいとお考えの方は多いと思いますが、他者が評価を行なう「他己評価」を取り入れることで、客観的かつ従業員のスキルアップにつながる評価を実現できます。

 

本記事では、評価制度に他己評価を組み込むメリットや具体的な方法、ポイントを解説します。評価方法にお悩みの方は必見です。


 

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他己評価とは

他己評価とは、特定の1人が評価者となり評価対象者の業績やスキル、企業貢献度など人事評価を行なうことを指し、「他者評価」とも呼ばれます。主観的になりやすい自己評価と違い、客観的で公平性のある人事評価ができる点がメリットです。

 

他己評価の評価者に明確なルールはありませんが、評価対象者の仕事ぶりを把握していることから直属の上司や部下、同僚が選出されるケースが多く、主にヒアリングやアンケート調査などで実施されます。


 

自己評価・多面評価との違い

評価制度には、他己評価以外にも「自己評価」や「多面評価」があります。他己評価との違いと、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

 

自己評価とは

自己評価とは、自分で自分の評価を行なうことで、事前に設定した目標に対する達成度やプロセス、今後の課題などを振り返ります。

 

他己評価・多面評価と異なり、自分自身で評価をするので「評価結果に納得できる」「自らを振り返り成長機会につながる」といったメリットがあります。一方、評価がどうしても主観的になりがちな点がデメリットでしょう。特に業務プロセスなど数値化できない定性評価は、人によって評価基準がバラつくため、公平性を維持しづらい傾向にあります。

 

多面評価とは

多面評価は1人の評価者を上司や部下、同僚など複数人で評価する方法を指し、多角的に評価できることから「360度評価」とも呼ばれます。

 

複数人の目で評価するため「1人では把握しきれない仕事ぶりや貢献を取りこぼさず、多面的に評価できる」「1人の評価者の判断に依存しないため、より客観性・公平性が増す」といったメリットがあります。しかし、多くの従業員が評価に関わるため人的コストが大きく、評価結果の集計に手間や時間がかかる点がデメリットです。

 

3つの評価方法を組み合わせるのも有効

他己評価・自己評価・多面評価はそれぞれにメリットとデメリットがあるため、どれかひとつで完璧な評価を実現するのは難しいでしょう。そこで有効なのが3つの評価方法を組み合わせる手法です。主観と客観それぞれの視点で評価した結果を総合的に判断できると、より公平性や納得性の高い評価が可能になります。

 

また多くの場合、他己評価・自己評価・多面評価の結果にはギャップが生じるため、そのギャップを理解することで、自分の長所や強化すべきポイントに気づき成長機会につながります。


 

他己評価を評価制度に組み込むメリット

3つの評価方法を組み合わせるのが理想といっても、マンパワーを要するため「実施はなかなか難しい…」という企業も多いでしょう。ここからは評価制度に他己評価を組み込むメリットにフォーカスして解説していきます。

 

評価の客観性と公平性を維持できる

自己評価の場合、頑張っている自分を認めたくなり過大評価になったり、逆に課題ばかりに目が行き過剰に厳しい評価をつけたりと、主観が大きくなるものです。その点、他己評価はそういった私情が入りづらく、客観的かつ公平に従業員の能力を評価できます。

 

また上司や部下、同じチームのメンバーなど同僚から他己評価を受けることで、自分では認識していなかった強みや課題が明確になり、スキルアップのヒントになるメリットもあります。

 

自己認識と他者認識のギャップを可視化できる

他己評価は、従業員の能力を評価するものであると同時に、「自分が他者からどのように見られているか」を可視化する機会でもあります。たとえば自分では消極的な面を克服したいと思っていても、実は周りからは「主体性のある人だ」と思われているなど、自己認識と他者認識のギャップを明らかにできるでしょう。

 

他己評価によって他者からどのように見られているかがわかると、成長のチャンスになるだけでなく、相互理解が深まり社内コミュニケーションの改善にもつながります。

 

上司が把握しきれない長所や課題を発見できる

他己評価の評価者が常に「上司」に固定されてしまうと、上司から見た部下の姿しか評価できません。しかし、管理職やチームリーダーなどの他己評価では、部下やメンバーが評価者となった方が適切な場合もあります。

 

業務でつながりの深い部下やメンバーから他己評価を受けることで「チームをうまくマネジメントできているか」「働きやすい環境を作れているか」を確認でき、より実態に則した評価が実現できます。その結果、上司が認識できていない長所や改善点も明らかになるでしょう。

 

組織内の相互理解が深まる

評価対象者の働きぶりや人柄を知らなければ、適切な他己評価はできません。そのため、自身が他己評価の評価者になると、上司や部下、同僚など周りの従業員の行動を意識的に「見る」習慣が生まれます。すると、これまで気づかなかった周囲の考え方や気遣い、チームへの貢献が見えるようになり、組織内の相互理解やチームワークが向上するでしょう。

 

一緒に働く仲間のよい部分に目が向くようになると、良好な人間関係や信頼関係の構築も期待できます。


 

他己評価導入のデメリット

さまざまなメリットのある他己評価ですが、注意したいデメリットもいくつかあります。他己評価を導入する際は、ぜひ以下の点に気をつけてみてください。

 

評価者の業務負担が増加する

他己評価のデメリットのひとつめは、業務負担の増加です。他己評価の方法はヒアリングやアンケート調査などが主流ですが、評価項目や評価対象者が多いと、時間が取られ通常業務を圧迫してしまいます。

 

また、評価基準が曖昧な場合、どのように評価すべきか迷いが生じ、精神的にも負担になるでしょう。他己評価を行なう際は、評価基準を明確に定めたうえで、特定の従業員に負担が偏らないよう人選することが大切です。

 

不適切な評価につながるリスクがある

他己評価のデメリットとして、人間関係の良し悪しや権力の影響を受けるリスクも挙げられます。たとえば「仲のよい人には高い評価をつけ、仲の悪い人には報復的に悪い評価をつける」「上司には忖度してよい評価をつける」といった可能性が考えられます。

 

このような不適切な評価を避けるためにも、他己評価を実施するときには、定量・定性両方の評価項目を取り入れたり、評価基準を明確にしたりなどの対策が必要です。

 

人間関係に影響が出る可能性も

他己評価を受ける際、誰しも高く評価されたい、自分の能力を認めてほしいと思うものです。そのため、他己評価で納得のいかない評価をつけられた場合「悪い評価をつけられた」「不当な評価だ」といった理由から人間関係に亀裂が入り、社内の雰囲気が悪くなるリスクもあります。

 

信頼関係やチームワークを壊さないためにも「匿名のアンケートで他己評価を実施する」「評価者を明らかにしない」などの工夫を行ないましょう。


 

他己評価の具体的なやり方と導入手順

では実際に他己評価を取り入れたいと思ったら、どのような準備が必要なのでしょうか。他己評価をスムーズに進めるためのステップをご紹介します。

 

導入目的を明確にする

他己評価の導入目的は従業員の昇給や昇進、人材育成などが考えられますが、もう一歩踏み込んで定めておくのがおすすめです。たとえば人材育成が目的であっても「滞りなくプロジェクトを遂行できるリーダー」か「チームワークを活かしたマネジメントができるリーダー」か、人材像によって上司・部下どちらを評価者にすべきかが変わります。何のために他己評価を導入し、どのような職場を目指すのかを具体的にしておきましょう。

 

評価者と評価対象者を選定する

他己評価の評価者は直属の上司をイメージする人も多いと思いますが、「導入目的を果たすために最適な評価者は誰か」という視点で広く考えることが大切です。部下や同僚、場合によっては他部門の従業員など、社内全員を対象に検討しましょう。

 

また1人の評価者に対して、評価対象者があまりに多いと、業務負担が大きくなり通常業務に支障をきたします。評価者の業務量も考慮のうえ、他己評価の人選を行ないましょう。

 

評価方法を決める

1人の評価者が2、3人の他己評価を行なう際はヒアリングも可能ですが、何人もの他己評価を担当する場合はアンケート調査の方が負担が小さいでしょう。

 

また、評価項目や評価基準もあらかじめ明確にしておきます。売上や受注数など数値化できるものは定量的な基準を設け、定性的な項目は簡単にでも具体的な事例やエピソードを添えられる仕様にすると評価の納得性が増すでしょう。

 

実施と集計を行なう

初めて他己評価を導入する際は、多数の質問や問い合わせが来る可能性があります。事前に人事部内でテストとして他己評価を行なってみるのも、ひとつの方法です。

 

また、すべての他己評価が完了したら、適切に評価がなされているか、評価者に結果を返すうえで不足や不備がないかを確認しましょう。

 

さらに、社内全体でどのような他己評価がなされているか傾向を確認するため、集計も行ないましょう。

 

フィードバック面談を行なう

他己評価を従業員の成長機会とするため、結果をもとに評価対象者とフィードバック面談を行ないます。面談は必ずしも評価者が行なう必要はなく、評価者以外の上司・人事部が担当しても構いません。

 

面談では、自己評価と他己評価の結果を並べて見せ、そのギャップについて対話することが重要です。ギャップを理解できると、スキルアップやキャリアアップのヒントになります。


 

他己評価が成功するポイント

ここまで具体的な導入手順をご紹介しましたが、せっかくであればさらに効果的に他己評価を活用したいものです。他己評価を成功させるために押さえておきたいポイントを3つご紹介します。

 

導入目的を周知する

評価結果は給与や今後のキャリアに大きく関わる可能性があるため、評価方法が変わると従業員が不安を抱きます。また、これまで上司が評価を担当してきた企業では、評価者が部下や同僚になると「適切に評価されるのだろうか」と心配になる場合もあるでしょう。

 

そのような不安を取り除くためにも、導入前に「なぜ他己評価を行なうのか」「評価結果をどのように利用するのか」を全従業員に丁寧に説明しましょう。

 

評価者のトレーニングを実施する

他己評価は、評価対象者の働きぶりを冷静に見極めて、強みとステップアップに必要なスキルを見つける必要があります。そのため、評価する“目”を養わなければ適切な評価は難しいでしょう。

 

評価スキルを向上させるためにも、評価者向けの研修を開催したり、練習として模擬的に他己評価を行なったりと、評価者トレーニングを実施しましょう。特に、初めて評価者となる従業員には手厚いフォローが大切です。

 

フィードバックの質を高める

面談でよりよいフィードバックができると、他己評価の効果はさらに高くなります。具体的には、評価結果をただ渡すだけでなく、自己評価と他己評価のギャップにフォーカスして、その理由を一緒に深掘りしましょう。

 

その際、一方的なアドバイスにならないよう、評価対象者の考えや悩みにも耳を傾け、対話することが大切です。また、強みや今後伸ばしていきたいスキルも言語化して伝え、従業員の成長を後押ししましょう。


 

他己評価にはサンクスカードも活用できる

普段から評価スキルを磨き、他者からどのように見られているかを知るためには、従業員同士で評価し合えるサンクスカードの活用が効果的です。互いの言動や気遣いに対して「ありがとう」のメッセージを送れるサンクスカードは、どのような点を評価されたかが可視化できるため、日常的な他己評価の手段として非常に有効です。また、従業員それぞれのスキルアップや人間関係の円滑化にも役立ちます。


 

サンクスカードの導入は「RECOG」がおすすめ!

他者からの評価を可視化するためのサンクスカードは、ツールの導入がおすすめです。サンクスカードツール「RECOG」は、パソコンやスマホから手軽にサンクスカードを送受信できるツールです。

 

サンクスカードにはポイントを付与でき、貯まったポイントはギフトに交換可能。日頃の感謝・称賛を贈りあうことができ、さらに社内全体に開示されるため他者の貢献や活躍を共有できます。

 

RECOGの詳細は以下の資料で紹介しているので、ぜひダウンロードしてみてください。

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まとめ

評価方法のひとつである他己評価は、客観性・公平性の観点から評価制度に組み込むメリットの多い評価方法です。他己評価は、他者からどのように見られているかを可視化できるため、自己認識と他者認識のギャップからこれまで気づかなかった長所や改善点を発見でき、スキルアップにもつながります。

他己評価の効果をより高めたいという方は、ぜひフィードバックの質を高めながら、自己評価・多面評価と組み合わせて実施してみてはいかがでしょうか。

 

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