コラム

2023.09.19
2023.09.19

360度評価とは?目的や導入メリットや運用の注意点について解説!

 ▼ 目次
あらゆる立場の従業員から多面的に評価を行なう360度評価は、一般的な人事評価に比べて客観的で公平な評価ができると注目されています。
 
本記事では、360度評価のメリットとデメリット、導入の際の手順や注意点を解説します。
「360度評価を取り入れたい」とお考えの方はぜひお役立てください。
 

360度評価の意味や目的とは?


 
360度評価とは、上司が部下を評価するだけの従来の評価方法とは異なり、関係者全員が柔軟に評価の対象者を評価する制度です。上司、部下、同僚、さらには場合によっては取引先や外部のステークホルダーまでが参加することから、この名称がつけられました。
 
従来、人事評価は上司の目線での評価が主流でした。
しかし、360度評価を導入することで、同僚や部下からの視点も加わり、全方位からの評価が可能となります。これにより、評価の公平性や信頼性が向上し、評価の対象者自身の納得度も高まります。
 
この制度の最大のメリットは、上司だけの視点では気づきにくい、対象者の強みや改善点を多面的に捉えることができる点にあります。これにより、個人のキャリア形成やスキルアップの参考にするだけでなく、組織全体の質的な向上も期待できるのです。
また、この評価方法は「360度フィードバック」とも呼ばれ、時には「多面評価」とも呼ばれることがあります。このように、名前は様々ですが、その目的や意味合いは共通しています。
 

なぜ360度評価が導入されるようになったのか

 
その背後には、従来の日本型の働き方、年功序列や終身雇用といった制度が徐々に風化してきている事実があります。その変革の中で、組織は成果主義を重視する方向へと舵を切っており、一方的な上司の評価ではなく、より多面的な視点からの評価が求められるようになったのです。
 
さらに、働き方改革やテクノロジーの進化を背景に、多様な働き方が進んでいます。リモートワークの増加や多国籍のチームなど、働く環境の変化に伴い、上司の目線だけでは、適切な評価が難しくなってきました。
 
このような環境下で、公平で納得感のある評価を行うために、360度評価の導入が進められるようになったのです。
 
また、日本の労働人口の減少は避けられない現実です。この状況の中で、企業は優秀な人材を確保し、育成するための新しい取り組みが必要とされています。その一環として、評価に対する納得度を向上させ、人材のモチベーションを高めるための方法として、360度評価が見直されているのです。
 

360度評価のメリット


 
360度評価には様々なメリットがあります。
 

客観的な評価ができる

360度評価は、多様な関係者からの評価を取り入れることで、評価の客観性を担保します。従来の上司一人からの評価にはどうしても主観が入り込む可能性があるため、これを補完する効果があります。
このような多面的な視点による評価は、組織としての公平性や透明性を高める要素となります。
 

評価への納得度がある

評価の対象者としては、一人の上司だけからの評価よりも、関係者全体からのフィードバックが得られることで、評価への納得度が増します。
これは、評価の適正性を感じやすく、モチベーションの向上にもつながります。
 

今まで気づかなかった改善点が発見できる

360度評価では、同僚や部下からの意見も取り入れるため、上司からの評価では気づきにくい自身の課題や改善点を見つけることができます。
これは、自己成長やスキルアップのきっかけとなる重要なフィードバックです。
 

マネジメント層の育成に活かせる

普段、評価する立場のマネジメント層も、この評価の対象となることで、自らのマネジメントスキルやリーダーシップの課題を発見することができます。
これは、組織の上層部の成長と向上を促進するための貴重な情報です。
 

関係者同士の人間関係が可視化できる

360度評価を通じて、客観的に見て不適切な評価が続出する場合、それは人間関係の課題やコミュニケーションの不備を示唆している可能性があります。
このような情報を元に、組織内の人間関係の改善やチームビルディングの施策を計画することができます。
 

360度評価のデメリット


 
360度評価はメリットだけではありません。デメリットも理解していきましょう。
 

適切な評価がなされない可能性がある

360度評価を導入すると、評価者がお互いに遠慮したり、人間関係への影響を過度に気にすることで、真摯なフィードバックが得られないリスクがあるのです。
特に、評価のプロセスに不慣れなメンバーが多い場合、客観的で的確な評価が難しくなることが考えられます。
 

評価されることを気にしたコミュニケーションに陥る可能性がある

組織内で360度評価を採用すると、スタッフ間のコミュニケーションに変化が現れることがあります。具体的には、評価されることを前提にして「角が立たないように」という考えが先行してしまい、率直な意見交換やフィードバックが難しくなる場合があります。
組織の風土やコミュニケーションの質が低下するリスクに注意が必要です。
 

評価にあたって工数が発生する

従来の評価方法と比較すると、360度評価は工数が多く必要です。上司1人だけでなく、多くの関係者が評価を行うため、時間やコストが増加します。
この工数の増加は、組織全体の労働効率の低下を招く可能性も考慮する必要があります。
 

360度評価の導入手順


 
ここからは、360度評価の導入手順について解説します。
 

360度評価を導入する目的を明確にする

最初に、360度評価を導入する理由や目的を明確にする必要があります。これは、評価制度が社員にとってどのような意義を持つのかを理解しやすくするためです。例えば、組織全体のコミュニケーション向上や人材の発掘が目的か、それともマネジメント層の育成を主眼とするのか、明確に設定しましょう。
 

運用ルールを定める

360度評価は多くの関係者が関与するため、運用ルールを事前に定めておくことが重要です。どのような頻度で評価を行うのか、どのような方法でフィードバックを行うのか、具体的な運用ルールを確立しましょう。
 

目的とルールを周知する

評価制度の目的と運用ルールをしっかりと全社員に周知することで、スムーズな運用を期待できます。周知方法としては、社内研修やミーティング、社内共有ツールを活用して情報を発信することが考えられます。
 

試用期間として一部のチームで実施し問題点などを改善する

全社一斉に360度評価を導入する前に、一部のチームで試用期間を設けて実施することを推奨します。この段階でのフィードバックや問題点を元に、制度の改善やブラッシュアップを図りましょう。
 

準備が整い次第、一斉に開始する

全ての準備が整ったら、全社一斉に360度評価を開始します。この段階で、改めて評価の目的やルール、評価項目などの詳細を全社員に伝えることで、評価の質を向上させることができます。
 

360度評価の注意点


 
360度評価は多面的な視点からのフィードバックを得ることができる強力な評価方法ですが、その運用には注意が必要です。
 

すべての社員を対象に行うこと

360度評価は確かに時間や労力がかかる作業ですが、この評価を有効活用するためにはすべての社員を対象に行うことが必要です。部分的な実施では、評価の偏りや不公平感が生じる可能性があるため注意が必要です。
 

評価内容を活用すること

評価を一度行っただけでは十分な効果を得ることは難しいです。定期的なフィードバックを提供し、面談の際にも評価結果を参照することで、評価の目的や意義を強化しましょう。
 

評価基準やルールを順守すること

360度評価の導入や実施の際、評価の目的や意義をしっかりと伝えることは欠かせません。さらに、評価基準や運用ルールも明確にし、全員がそれを順守することで、公平かつ正確な評価を実現します。
 

匿名での評価がないようにすること

匿名評価は誤解や不満を生む原因となることがあるため、公平に実施することが望ましいです。評価者と評価対象者がしっかりと意識し合えるよう、匿名での評価を避けることをおすすめします。
 

評価内容をお互いに話さないよう他言禁止のルールを設けること

評価内容が他者に伝わると、人間関係にトラブルの元となることがあります。そのため、評価内容をお互いに話さないよう、明確な他言禁止のルールを設けることで、安心して評価活動を行える環境を整えることが大切です。
 

360度評価の項目サンプル


 
360度評価は、定量的な評価だけではなく、行動や態度、コミュニケーション能力など定性的な評価も対象となります。実際に評価項目を設定する際は、業務内容や組織の文化、目的に応じて適切に選定する必要があります。
また、評価者の負担を軽減するためにも、15分以内で回答可能な内容のものを30項目程度用意することが好ましいでしょう
 
・メンバーや他部署との意思疎通が円滑にできている
・質問や提案を積極的に行い、職場の雰囲気を良好に保っている
・与えられたタスクを期日通りに完成させる能力がある
・複雑な課題や問題に対しても適切な解決策を考え、実行している
・チーム内での役割を明確に理解し、他メンバーと協力して業務を進めている
・他部署や関連するステークホルダーとの連携を積極的に図っている
・会社のビジョンやミッションを理解し、それに基づいた行動をとっている
・新しい取り組みやアイデアを提案する際にも、企業理念を反映した内容となっている
・部下やメンバーへの指導・教育に努めている
・業務の方向性や目的を明確に伝え、チームを引っ張る姿勢が見られる
 

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その気付きをきっかけとして行動変容が起き、組織の成長につながるケースも期待できます。
 

まとめ

あらゆる立場の従業員から多面的に評価を行なう360度評価は、一般的な人事評価に比べて客観的で公平な評価がきます。
正しく取り入れることで、上司だけの視点では気づきにくい、対象者の強みや改善点を多面的に捉えることができ、組織の成長が期待できるでしょう。
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