コラム

社内SNSのデメリット・リスクとは?知っておきたい注意点を解説

社内SNSのデメリット・リスクとは?知っておきたい注意点を解説

公開日: 2025.10.06
更新日: 2025.10.06

社内SNSは、従業員間でのスムーズな情報共有を実現するコミュニケーションツールです。ただし、社内SNSは運用ルールやコミュニケーション、企業文化の面でデメリットがあるため、事前に把握しておく必要があります。

 

この記事では、社内SNSのデメリット・リスクに加えて、運用上の注意点などを紹介します。社内SNSの導入を検討中の方、社内コミュニケーションの活性化に取り組んでいる方は、参考にしてみてください。


 

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社内SNSとは

社内SNSとはLINEやXなどと同様の形式で、従業員同士がメッセージを交わすコミュニケーションツールです。

 

社内SNSを導入する目的は、従業員同士のコミュニケーション活性化やスムーズな情報共有を実現するためです。

 

たとえばチャット機能では、メッセージをチャットルームに入力するだけで、伝えたい情報を相手と共有できます。グループチャットで連絡事項や注意事項を伝える際も、チャットメンバーとスムーズな情報共有が可能です。

 

ファイルのアップロード機能やタスク管理機能なども搭載しており、重要事項や注意事項を素早く相手に伝えられます。

 

また、社内SNSでは業務連絡だけでなく、雑談やプライベートな内容の投稿も可能です。画像や動画を交えての投稿にも対応しており、部署や役職を超えた交流が期待できます。


 

社内SNSのデメリット・リスク

社内SNS導入によるデメリットの内容は、従業員同士のコミュニケーションと社内文化への影響、運用面の3つに分けられます。ここでは、それぞれに分類されるデメリットに関して紹介します。

 

コミュニケーション上のデメリット

コミュニケーション上のデメリットには、以下3つの内容があげられます。

 

書き方・捉え方で認識のすれ違いが起きる

社内SNSは文章でのやりとりがメインとなるテキストコミュニケーションです。対面でのコミュニケーションと異なり、相手の反応や表情の変化が見えません。

 

言語化しにくい内容や微妙なニュアンスが伝わりづらく、文章の書き方によっては相手と認識のずれが生じるおそれが生じます。

 

また、書き手が「了解」や「わかりました」など、簡潔に返事をした際、受け手によっては事務的で冷たい印象を覚える可能性もあります。素っ気ない印象を与えないよう、句読点の代わりに「!」や「?」といった感嘆符や、ツールに搭載されている絵文字などを使うとよいでしょう。

 

対面コミュニケーションが減る

社内SNS上でのコミュニケーションに慣れていくと、対面での会話頻度が減少します。

 

仮にテレワークでも業務が問題なく回った場合、オフィスワークの必要性や頻度は低下するでしょう。それと同じで、社内SNSでのやり取りがメインになると対面でのコミュニケーションが減り、従業員同士が気軽に雑談を交わす機会も減ります。普段の何気ない会話から、生まれるアイデアやイノベーションのきっかけがなくなってしまうといえます。

 

従業員によっては人間関係が希薄になったと感じ、孤独感や寂しさを覚えてメンタルヘルスに悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

一部の人しか盛り上がらず疎外感が生まれる

社内SNSはプライベートな話題も含めて、従業員同士が気軽にコミュニケーションを取れるツールです。ただし、業務に関係ない話題が多数投稿されると、内容を知っている一部の人しか盛り上がれません。

 

特定の従業員がいいねやコメントを交わし合う状態となり、内容を知らないと話に加われず、疎外感を覚えるでしょう。

 

また、投稿されている話題に興味のない従業員にとっては、「自身に無関係のコミュニティ」と判断し、社内SNSへの参加意欲も低下します。

 

社内文化へのデメリット

社内文化へのデメリットには、以下3つの内容があげられます。

 

監視されていると感じる人もいる

社内SNSの導入で、業務内容や他の従業員とのやりとり、プライベートの投稿が監視されていると感じる従業員もいます。監視されている状態を不快に思う人は多く、社内SNSの利用に消極的になる可能性が高まるでしょう。

 

また、上司や経営層が社内SNS上での発言に対して指摘や指導をすると、利用者が減ります。他の従業員が叱責されている様子を見ると、委縮する可能性が高まるためです。

 

たとえば、上司が部下の社内SNS上での言動を監視し、不適切な表現や失言が混じった投稿に対して、社内SNS上で叱責したとしましょう。叱責を受けた様子は社内SNS上で共有されるため、利用者全員が「次は自分が責められるかもしれない」と感じ、利用を控えるリスクが高まります。

 

仕事とプライベートの切り替えがしにくい

社内SNSには個人の趣味や休日の過ごし方など、プライベートな内容も投稿可能です。ただし、社内SNSが終業時間後や休日にも利用可能な状態だと、従業員のなかにはSNSの投稿や通知にストレスを覚える方もいます。

 

仕事とプライベートの切り替えを促すには、利用時間の制限や休日の投稿禁止など、運用ルールの整備が必要です。また「私用のスマートフォンで社内SNSを通知しない」「好きなときだけ投稿に反応する」など、従業員の意識改革も必要です。

 

運用面のデメリット

運用面でのデメリットは、以下3つの内容があげられます。

 

コストがかかる

社内SNSの導入には、一定の費用と時間がかかります。たとえば、1人あたり月額500円の従量課金制の社内SNSを導入する場合、従業員数が100人いると月額50,000円かかる計算になります。

 

月額費用は機能数やオプションなどによっても変動し、さらに初期費用がかかる場合もあるため、慎重な見極めが必要です。

 

また、社内SNSを導入するまでには、ツール同士の比較や見積依頼、運用ルールの整備など、さまざまな準備をこなさなければなりません。

 

ルール設定が難しい

社内SNSは事前に導入目的や運用ルールを明確にしておかないと、導入後にほとんど利用されなくなるおそれがあります。

 

社内SNSは、投稿の自由度を制限する線引きが非常に難しいツールです。たとえば、プライベートな話題が増えすぎると、自社商品の導入事例や業務での気づきなど、ノウハウやナレッジが共有されにくくなります。

 

一方、プライベートな話題の投稿を禁止した場合は業務連絡でしか使用されず、投稿頻度が極端に低下する可能性があります。業務関連のやりとりであればビジネスチャットやメールで十分なため、社内SNSの導入による効果はほとんど望めないでしょう。

 

社内に定着しにくい

社内SNSはInstagramやXなどと同様、他の従業員と共有したい内容があった際、自由に発信していくスタイルです。

 

利用を強制するものではないため、必ずしも毎日投稿する必要はありません。強制力が働かない分、通常業務が忙しい場合は後回しにされる可能性が高いです。

 

また、人手不足で従業員が担当業務をこなすのに精一杯の場合、社内SNSを運用する余裕はないでしょう。

 

セキュリティ面のリスク

社内SNSは設定ミスや不正アクセス、内部不正による情報漏洩のリスクを抱えています。SNSを公開設定にしていた場合、新商品の販売や顧客情報など、機密情報が外部ユーザーに閲覧・漏洩されるおそれが生じます。

 

顧客情報が流出した場合、最悪の場合は多額の損害賠償を請求されるでしょう。また、アカウント情報の流出や脆弱性、情報管理の甘さが原因で、他の不正アクセスを許すリスクもあります。

 

さらに、勤務先に不満を持つ従業員が、意図的にSNS上で機密情報を漏らす可能性も考えられます。不正アクセスや内部不正を防ぐには、パスワードの定期的な変更や多要素認証の導入、データの外部持ち出し禁止など、セキュリティ対策の強化が必要です。


 

社内SNSのデメリット・リスクへの対策方法

社内SNSの導入を決断する前に、従業員同士のコミュニケーションや企業文化への悪影響、情報漏洩のリスクに関して対策を考えておかなければなりません。社内SNSの運用にともなうデメリットやリスクへの対策には、以下5つの内容があげられます。

 

事前に導入目的を共有して理解してもらう

社内SNSのスムーズな運用や利用率向上に向け、事前に導入目的を従業員へ周知しておくことが重要です。社内SNSの導入目的には、主に以下の内容が挙げられます。

  • コミュニケーションの活性化

  • 業務効率化

  • スムーズな情報共有

  • ノウハウやナレッジの蓄積

  • 部署間での連携強化

上記を明確化した上で、従業員にどのような内容を投稿してほしいのか、社内SNSでどのような課題を解決したいのか、従業員へ伝えます。従業員へ期待する行動や解決したい課題がはっきりすれば、従業員の迷いや不安も軽減できるでしょう。

 

また、課題解決の機能を搭載したツールを選ばなければなりません。例えば、社内SNSの導入目的が「ノウハウやナレッジの蓄積」の場合、ファイルのアップロードやグループチャットなど、他の従業員とスムーズに必要な情報を共有できる機能を搭載したツールの導入が求められます。

 

適切なルールを設定して周知する

社内SNSは従業員同士が気軽にコミュニケーションが取れる分、運用ルールを事前に決めておき、従業員へ周知する必要があります。

 

自由度が高すぎると「業務と無関係な投稿が増える」「プライベートも気が休まらない」などと感じる従業員もいるかもしれません。従業員へ負担がかからないよう、利用時間や投稿内容など、大枠のルールを決めておくことが重要です。

 

例えば「定時時間内に投稿する」「休日は利用しない」など、利用時間を制限しておくとプライベートと切り替えやすくなります。

 

また、自社商品の導入事例やキャンペーン特典のアイデア募集など、投稿内容の具体例を事前にあげておくと、従業員が投稿内容をイメージしやすくなるでしょう。

 

そして、社内SNSの運用ルールは大枠を決めておき、従業員の声を聞きながらルールの追加や変更を行いましょう。最初からルールを細かく決めすぎると、従業員が利用しにくくなり発信を控えるようになるためです。

 

従業員へのレクチャーやセキュリティ研修を行なう

社内SNSの導入後は、操作方法やセキュリティ対策に関する研修を行いましょう。自社で働く従業員全員が、ITリテラシーが高いとは限りません。普段の生活でSNSを利用しない人もいるため、投稿やリアクションの仕方など操作方法を一通り教える必要があります。

 

また、社内SNSは機密情報や個人情報を多く扱います。そのため、誤操作や設定ミスで情報が流出しないよう、従業員全員がセキュリティへの意識を高めなければなりません。外部のセキュリティ研修を受講し、最新のトレンドや専門知識を習得しましょう。

 

全員が利用したくなるような仕組みをつくる

社内SNSの利用率を高めるには、従業員全員が利用しやすい仕組みづくりが求められます。強制はできないものの、従業員全員が積極的にならなければ、社内での定着率は高まりません。

 

たとえば、運用当初は従業員が取り組みやすいよう、「今週の出来事」や「最近仕事で嬉しかったこと」など、テーマを決めておくのがおすすめです。部署ごとに担当者を毎回順番に回しておくと、全員が参加する機会を与えられます。

 

また、社内SNSの導入後、経営層や上司が積極的に活用することも重要です。経営層や上司が積極的に投稿すれば、どのような内容を社内で共有すべきか、従業員が参考にできます。

 

さらに、経営層や上司が従業員の投稿に「いいね」やコメントをすると、「自分の投稿を見てくれている」と感じ、モチベーションアップが期待できるでしょう。

 

サポート体制が手厚いツールを選ぶ

はじめて社内SNSを導入する場合、操作方法や運用ルールの作り方などに関して、疑問が生じるケースも少なくありません。そのため、手厚いサポートが望めるツールを選びましょう。

 

電話やメール、Web会議などさまざまな手段で担当者と連絡が取れると、トラブルが起きても早期解決が期待できます。また、セミナーやコラムなどで社内SNSの情報を積極的に発信しているベンダーだと、利用率や定着率を高めるヒントを得やすくなります。


 

デメリットを乗り越えた先にある社内SNSのメリット

ここまで、社内SNS導入にともなうデメリットを紹介してきました。上記を超えるメリットはあるのでしょうか?ここでは、社内SNS導入によるメリットを5つ紹介します。

 

情報共有が円滑になる

社内SNSを導入するメリットは、スムーズな情報共有ができる点です。社内SNSにはグループチャット機能や投稿機能が搭載されており、部署やチーム間で業務の進捗状況や連絡事項を素早く共有できます。

 

チャットの場合はメールと異なり、件名や宛先の入力、挨拶文の作成は必要ありません。チャットルームにメッセージを送るだけで、参加しているメンバー全員に情報を発信できます。

 

部門や役職を超えたコミュニケーションが活性化する

社内SNS上に投稿した内容をきっかけに、他部署や管理職との交流に発展する可能性があります。投稿へのコメントやリアクションなどを通じて、部署や役職を問わず従業員同士のコミュニケーションが活性化します。

 

また、社内SNSには業務関連の内容だけでなく、趣味や好きなことなど、自由に投稿が可能です。従業員一人ひとりへの理解を深めるきっかけにもなり、協調性の向上や部署間での連携強化が望めます。

 

従業員エンゲージメントが向上する

社内SNSの導入で従業員同士のコミュニケーションが活発になると、従業員エンゲージメントが高まります。

 

社内SNSを導入すると、社内でのコミュニケーションが活性化し、人間関係や職場環境が改善されます。職場の雰囲気も明るくなり、誰とでも楽しく会話しやすい環境が整うため、心理的安全性や会社への愛着が高まるでしょう。。


 

従業員エンゲージメントが高まると、一人ひとりが能力を最大限発揮できるようになります。業務に自信を持って取り組めるようになり、生産性向上や組織力強化、離職率の低下など、さまざまなメリットが得られます。

 

ノウハウやアイデアを共有できる

受注につながった営業資料や顧客からの反応が良かった提案内容など、、他の従業員に自身のもつノウハウやアイデアを共有できます。

 

投稿機能やグループチャットなどで伝えたい情報を発信すると、参加している全員が学びを得られます。ファイルのアップロード機能を活用すると、資料や画像なども共有でき理解が深まるでしょう。

 

また、社内SNSの導入で組織内のコミュニケーションが活性化すると、従業員一人ひとりが自由に意見を言いやすい環境が生まれます。さまざまな意見を聞くことで視野が広がり、新たなアイデアやイノベーションが生まれるきっかけにもなります。

 

相互理解が深まる

社内SNSは設定したルール内であれば、趣味や好きなことなど、個人が関心を持つ内容を自由に投稿可能です。一人ひとりの考え方や関心、価値観などを知るきっかけになり、従業員同士の相互理解が深まります。

 

相互理解が深まると従業員同士が相手を気遣うようになり、信頼関係の強化やスムーズなコミュニケーションが期待できます。


 

まとめ

社内SNSは一部の人しか盛り上がらない、運用ルールの設定が難しいなど、さまざまなデメリットがあげられます。デメリットの解消には、事前に導入目的や運用ルールを十分に従業員へ周知しておくことが必要です。

 

導入目的が曖昧だと、企業側がどのような行動を期待しているか、従業員が把握できません。投稿内容や利用時間など、ルールが決まっていない場合も、従業員が使いづらくなります。

 

上記を明確化したうえで、操作方法のサポートや全員が参加できる仕組みを整備し、従業員の不安を軽減しましょう。利用しやすい環境が整えば、社内コミュニケーションの活性化や従業員のエンゲージメント向上など、社内SNSの導入で多くのメリットが得られます。


 

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