コラム

社内SNSを定着させる仕組みづくりとは?ルールの事例も紹介

社内SNSを定着させる仕組みづくりとは?ルールの事例も紹介

公開日: 2025.09.15
更新日: 2025.09.12

「せっかく社内SNSを導入したのに、なかなか定着しない」「うまく活用できていない…」そんなお悩みをお持ちではありませんか?

 

社内SNSは情報共有や社内コミュニケーション活性化に有効なツールですが、定着させるには仕組みづくりが不可欠です。

 

本記事では、社内SNSの失敗事例や定着のためのポイント、仕組みを整えるためのルール例をご紹介します。ぜひ、社内SNS定着の参考になさってください。

 

社内SNSのよくある失敗事例

 

社内SNSが定着しない原因として、うまく仕組みづくりができていないケースがよく見られます。仕組み化できていないために起こる社内SNSの失敗事例を見ていきましょう。

 

一部の人しか投稿していない

よくある失敗事例のひとつめは、社内SNSに投稿する人が少ないケースです。

 

社内SNSは主に「情報共有」や「社内コミュニケーションの活性化」を目的に導入されます。しかし社内SNSの投稿が一部の従業員に限られると話題に偏りが生じ、全社的な情報共有の仕組みとして成立しません。また、限られた従業員のみで盛り上がっていると、周りが疎外感を抱き、参加しづらい雰囲気になってしまいます。

 

そのため社内SNSの定着には、全従業員を巻き込む仕組みづくりが必要になります。

 

投稿したい内容がない

「発信するトピックが見つからず投稿できない」というケースもよくあります。

 

社内SNSで投稿する内容は、業務に関することからプライベートまで規定はありません。そんな自由度の高いツールだからこそ、何を投稿すればよいか悩んでしまい、活用意欲はあっても社内SNSを利用できなくなってしまいます。

 

そのため、従業員が社内SNSに慣れるまではトピックを例示するとよいでしょう。初めは他部門へのお知らせ、ノウハウ・ナレッジ共有など業務に関するトピックが投稿しやすいです。

 

参加しにくい雰囲気を感じる

何となく参加しづらい雰囲気を感じ、利用を躊躇してしまう場合もあります。その背景には前述のとおり、一部の従業員しか投稿せず話題が偏ってしまう、仕組み上の課題があります。また、限られた従業員だけでコミュニティが形成されてしまうと「自分の投稿にはリアクションされないのでは」と不安を感じ、社内SNSから足が遠のいてしまうでしょう。

 

社内SNSを定着させるためには、部門を問わずまんべんなく利用してもらう仕組み、そして投稿に対してリアクションし合う仕組みを整えることがポイントです。

 

利用を強制される

投稿やリアクションを強制するのも、社内SNSの定着を妨げる要因になります。

 

社内SNSの利用を強制するような仕組みが作られると、情報共有やコミュニケーションが”タスク”になってしまい、楽しさを感じられません。また利用を強制している分、表面的にはやり取りが活発になっているように見えますが、実際は従業員にとってストレスとなるため社内SNS本来の効果も発揮されないでしょう。

 

従業員が自主的に投稿したい、リアクションしたいと思える仕組みや雰囲気づくりが大切になります。

 

投稿するのが面倒だ

操作が複雑で時間がかかる社内SNSの場合、業務が忙しいと、どうしても投稿が面倒になってしまいます。また気軽にコメントできない仕組みだったり、スタンプなど簡単なリアクション機能がなかったりすると、閲覧も後回しになり、どんどん利用率が下がってしまうでしょう。

 

そのような課題を解決するには、ツール選びがカギになります。「直感的に使える社内SNSを採用する」「現在利用しているツールと連携させ、ついでに投稿ができるようにする」など、従業員の負荷を減らす仕組みがポイントです。

 

投稿しても誰も見ていないと思う

心理的な要因も、社内SNSの定着を左右します。

 

例えば投稿に対して誰からもコメントや反応がなかったら、誰しも寂しいと感じるのではないでしょうか。一方で、たくさんのコメントをもらっている従業員がいると「自分には人望がないのだろうか」と社内SNSが悩みや疎外感の種になってしまい、積極的に利用したいと思えなくなります。

 

多くの従業員に楽しんで社内SNSを利用してもらうためにも、リアクションに関して一定のルールや仕組みを設けることが大切です。後述の「社内SNSの仕組みを整えるルール例」で詳しく説明しますので、ぜひチェックしてみてください。

 

社内SNSを定着させるポイント

 

社内SNSの失敗を防ぐためには、どのような点に気をつけて仕組みを整えればよいのでしょうか。社内SNSを定着させるために押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。

 

導入目的を周知して理解を得る

新しいツールや制度を社内に定着させるには、それが「便利であること」「おもしろいこと」に加え、「必要性に納得できること」が重要になります。

 

社内SNSをスタートさせる際は、必ず導入目的を全従業員に説明して理解を得ましょう。具体的には「現状抱えている課題」「社内SNSの利用によってどんな状態を目指すのか」「そのために、どのように利用してほしいか」を説明します。導入目的が正しく伝わっていないと、一部の従業員にしか利用されなかったり、プライベートな投稿ばかりになったりと、想定していた使い方から離れてしまう場合もあります。

 

また導入目的の発信は、誤解を招かないよう、朝礼やミーティングなどの“口頭”と、メールや社内掲示板などを通した“文書”の両方で伝えると効果的です。

 

推進委員会を立ち上げる

社内SNSの導入をアナウンスしただけでは、なかなか全従業員に利用してもらうのは難しいでしょう。導入目的の理解が得られたら、次は活用促進の仕組みを整えます。有効なのは、社内SNSの盛り上げや運用のPDCAを回す、推進委員会を発足させることです。

 

推進委員会のメンバーは特定の部門で構成するのではなく、各部門から1名ずつアサインするのがおすすめです。部門ごとに推進委員がいると、すべての部門で広く活用促進できるのはもちろん、現場のリアルな声が集まるので実態に沿った運用改善が可能になります。また、同じ部門の仲間から直接促されると「利用してみようかな」という気持ちになりやすい側面もあるでしょう。さらに、推進委員を通じて他部門のよい活用事例をスピーディーに共有できるのもメリットです。

 

マネージャー層が関わる

社内SNSを盛り上げ、定着させる仕組みとして、マネージャーの関わりも大きなポイントになります。

 

推進委員による社内SNSの活用促進はもちろん効果的ですが、そこでマネージャーがひと言「ぜひ積極的に利用しましょう」とフォローしてくれると、全社的な取り組みであることが伝わり、さらに活用が加速します。推進委員も、部門のなかで1人で奮闘するよりも、マネージャーのバックアップがある方が活動しやすいでしょう。

 

さらにマネージャーが部下の投稿に対して、コメントやスタンプなどリアクションをするのもおすすめです。全従業員が閲覧する社内SNSの場で、マネージャーから前向きなコメントをもらったり褒められたりするとモチベーションが上がり、次からも積極的に投稿しようと思えます。

 

ガイドラインを策定する

社内SNSの定着には、従業員が安心して利用できる仕組みづくりも欠かせません。そのためにも社内SNSのガイドライン、つまり利用に関するルールも設定しましょう。

 

ガイドラインを策定する際は「毎日1件以上投稿する」といった過度なノルマや、「閲覧したすべての投稿にコメントする」などの厳しいルールは逆効果で、従業員が利用に後ろ向きになってしまいます。ガイドラインは、あくまで心理的安全性の高い環境を作る仕組みとして位置付けましょう。

 

また、ガイドラインでは「投稿内容」「投稿時間」「既存ツールとのすみ分け」などのルールを明確にしておく必要があります。それぞれ具体的にどのようなルールを設けるとよいかは、後述の「社内SNSの仕組みを整えるルール例」で詳しくご紹介します。ぜひ参考になさってください。

 

社内SNSのガイドラインを策定する必要性

 

ガイドラインは「従業員が安心して利用できる仕組みづくりの一環」だと紹介しましたが、実はその他にもメリットをもたらします。3つの観点から、社内SNSのガイドラインの必要性を解説します。

 

仕組み化できる

仕組み化とは「判断やアウトプットが属人的にならず、誰もが同じようにできる状態を作ること」を意味します。ガイドラインで社内SNSのルールを明文化すると、使い方や利用タイミングを従業員個人の判断に委ねることなく、統一の基準のなかで利用する仕組みが整います。

 

例えばツールのすみ分けでいえば、ルールが定まっていなければ、連絡手段としてメールを使う従業員もいれば、社内SNSを利用する従業員も出てくるでしょう。しかしガイドラインでそれぞれのツールの利用シーンを明確にすると、バラつきを避けられ、従業員も迷わずにツールを選択できます。

 

また仕組み化によって、利用場面が指定されるため「社内SNSが使われない」という課題も解決できます。

 

利用を促進する

利用頻度や利用方法を完全に従業員に任せてしまうと「一部の人しか投稿しない」という、よくある失敗事例につながってしまいます。

 

しかし、「週に1件以上投稿する」「閲覧した投稿はスタンプでもいいのでリアクションする」など、無理のない範囲で仕組み化しておくと社内SNSの利用を促進できます。

 

またガイドライン上で、社内SNSのアイコンを顔写真に設定することを推奨するのも効果的です。支社・支店が離れていて顔を合わせる機会がなくても、写真で雰囲気が分かるだけで、社内SNS上のコミュニケーションが円滑になり、相互理解も深まります。顔を合わせる機会があったときにも、声を掛けやすくなるでしょう。

 

トラブルを防止する

利用時間やプライベート利用の可否、機密情報の取り扱いなどは、ガイドラインでルールを明確にしていなければ、大きなトラブルにつながる可能性があります。

 

特に利用時間に関しては、退勤後や休日に社内SNSの通知が届くと従業員にとってストレスになります。上司や先輩からの連絡であれば、すぐに返信しなければという気持ちにも駆られるでしょう。プライベートの時間も気が休まらず、働き方に支障をきたしかねません。

社内SNSは情報共有や社内コミュニケーション活性化によって、より働きやすい仕組みを作るためのツールです。社内SNSの存在がトラブルやストレスの原因にならないよう、適切なガイドラインを設定しましょう。

 

社内SNS利用の仕組みを整えるルール例

 

ここからは仕組みづくりのためのルール例をご紹介します。社内SNSの定着にお悩みの方はルール例を参考に、仕組みの見直しやガイドラインの策定をしてみてください。

 

レクチャーやガイドラインを整備する

社内SNS利用の仕組みを整えるため、まずは使い方のレクチャーやガイドライン作りを行ないます。

 

従業員や世代によっては、SNSに不慣れな場合もあるでしょう。社内SNS導入時には任意参加の説明会を開催し、操作方法を丁寧に説明すると従業員の安心につながります。

 

また、ガイドラインには操作方法のほか、投稿内容や利用時間に関するルール、既存ツールとのすみ分け、機密情報の取り扱い、リアクションの規定などを記載します。従業員が必要なときに見返せるよう、発信した文書は社内掲示板に掲載するとよいでしょう。社内SNSの運用開始後も「よくある質問」を更新していくと、問い合わせを削減でき生産性をアップします。

 

投稿内容を明確にする

社内SNSの仕組みを整えるうえで、投稿するトピックを明確に示しておくことも大切です。社内SNSの導入目的が情報共有であれば、業務に関する内容が主なトピックとなるでしょう。全社や他部門へのお知らせ、仕事のノウハウ・ナレッジ共有、日報や日々の気づきなどが考えられます。

 

一方、社内SNSの導入目的が社内コミュニケーションの活性化であれば、上記のトピックに加え、相談やアイディア募集の投稿も考えられます。例えば「○○を解決した事例はありませんか?」「商品改訂を行なう予定ですが、意見や要望はありますか?」といった全社的な呼びかけも可能です。さらに節度を守ったうえでのプライベートな発信や、スレッドを分けた雑談なども社内コミュニケーション活性化には効果的です。

 

利用時間を決める

社内SNSの利用時間も、仕組みを整備するうえで欠かせない要素です。特に、スマホに通知が届く社内SNSを利用する場合は、利用時間を決めておくことをおすすめします。

 

退勤後や休日にも社内SNSで連絡が来ると落ち着かず、ゆっくりと心身を休められません。自分は返信しないと決めていても、周りの従業員がリアクションしていれば返信せざるを得ない場合もあるでしょう。常に社内SNSをチェックするようになり、仕事とプライベートを分けられなくなります。

 

また“SNS疲れ”すると、次第に「コメントが来るかもしれないから、投稿はやめておこう」と社内SNSの利用を控えるリスクもあります。

 

安心して社内SNSを使えるよう「利用は営業日の○時~○時のみ」などルールを決めておきましょう。

 

既存ツールとのすみ分けをする

社内SNS利用を仕組み化するにあたり、既存ツールとのすみ分けも大切です。すみ分けが曖昧だと、どのような場面で社内SNSを利用してよいか分からず「迷うくらいなら使い慣れたツールを使おう」と、いつまで経っても社内SNSが定着しません。

 

すみ分けの代表例として挙げられるのがメールですが、メールは長文が送れ、重要なメッセージをピン止めしたり、検索機能で見返せるのがメリットです。一方、社内SNSはスピーディーかつ気軽にやり取りできるのが特長です。「改まった文章や、上司への承認・報告など後々見返す可能性がある連絡はメールで」「日々の共有事項は社内SNSで」など仕組み化しておくとよいでしょう。

 

機密情報の取り扱いに注意する

社内SNSの仕組みを整えるため、機密情報に関するルールも決めておきましょう。顧客情報や売上などの機密情報は、社外に漏れると企業の信頼を失うだけでなく、大きな経済的損失を招く場合もあります。

 

考えられる仕組みのひとつは「社内SNSでは機密情報は絶対に投稿しない」というルール設定です。この場合、機密情報を含む発信はメールを利用しましょう。

 

しかし投稿するたびに「この発信には機密情報が含まれていないだろうか」と考えるのも、社内SNSの利用が面倒になる一因です。そんなときには、万全のセキュリティ対策が施された社内SNSを導入するのも手段のひとつです。従業員の心理的負荷を軽減し、機密情報も守れます。

 

コメントやスタンプなどのリアクションの規定を決める

社内SNSの特長であるコメントやスタンプに関しても、あらかじめ仕組みを整えておきましょう。

 

投稿が誰にも見られていないと感じると社内SNSを利用しなくなってしまうため、「閲覧した投稿には何らかのリアクションをする」など仕組み化しておくのがおすすめです。

 

また、上司からのコメントに対して、スタンプで返信するのは気が引けてしまう人もいるのではないでしょうか。全社的なルールとして「上司の投稿・コメントにもスタンプで返信してOK」と仕組み化されていると、気軽にコミュニケーションを図れます。

 

さらに、社内SNSで上司から叱責を受けると利用に消極的になるため、社内SNSでは指摘や指導は行わないようルールを決めておきましょう。

 

まとめ

社内SNSは情報共有やコミュニケーションが活発になることで、業務効率の向上や良好な人間関係の構築につながる、便利なツールです。ビジネスシーンにおいては、比較的新しいツールだからこそ、社内SNSの定着には仕組みづくりが欠かせません。

 

社内SNSの定着にお困りの方はぜひ、ご紹介したポイントを参考に仕組みづくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。


 

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