「社内SNSを導入したいけれど、どのツールを選べばよいかわからない…」そんなお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
社内SNSは、チャットや社内掲示板など業務を円滑に進める機能をさまざま備えていますが、その強みはツールによって異なります。
そこで本記事では、15種類の社内SNSを取り上げ、機能や特徴を比較しながらご紹介します。社内SNSの選定にお困りの方は、ぜひお役立てください。
ビジネス版のSNSを指す「社内SNS」は、多くの組織課題を解決することから、近年導入する企業が増加しています。まずは、社内SNSにどのような機能・メリットがあるかを見ていきましょう。
社内SNSは、以下のような機能を搭載しているツールが多く見られます。
個人やグループ間でのやり取りが可能な「チャット機能」
顔を見たり画面共有したりしながら会議ができる「音声・ビデオ通話機能」
全社向けの情報発信やナレッジ共有ができる「掲示板機能」
気軽なコミュニケーションが可能な「コメント・リアクション機能」
感謝、称賛のメッセージを送れる「サンクスカード機能」
メールよりも大きな容量のデータを送信できる「ファイル共有機能」
社内SNSは会話のようにテンポよく意思疎通を図れるため、複数人での意思決定にも利用できます。またコメントやリアクションによって、気軽に双方向のコミュニケーションを取れる点も社内SNSの魅力のひとつ。細かな機能はツールによって異なるため、自社が求める機能が搭載された社内SNSツールを選びましょう。
社内SNSの導入には、主に3つのメリットがあります。
1つめが、コミュニケーションの活性化です。社内SNSは気軽なやり取りが可能なことから、部門の垣根を超えたコミュニケーションが活発になります。社内交流が盛んになると、従業員同士の相互理解が深まり心理的安全性も高まります。
2つめのメリットは、業務効率化です。社内SNSはメールよりも「早く」情報共有でき、他部門の発信を含め全社の情報を「広く」収集できます。また社内SNSの掲示板を利用すれば、ナレッジ共有も可能。メンバーの入れ替わりがあったとしても、社内SNS上に蓄積されたノウハウや知見を人材育成に役立てられます。
そして3つめが、多様な働き方の実現できるというメリットです。時短勤務やリモートワークでは、しばしばコミュニケーション不足が課題になります。しかし、社内SNSを利用すればチャットや音声・ビデオ通話、掲示板、サンクスカードなど、さまざまな方法でコミュニケーションを取れるため、多様な働き方の実現を後押しできます。
社内SNSは複数の機能が備わっているケースが多いですが、得意とする分野はツールごとに異なります。ここからは社内SNSを3つのタイプに分類して解説します。
双方向のやり取りを促す社内コミュニケーション活性化タイプには、主に以下のような機能が搭載されています。
コミュニケーションを活性化できる社内SNSは、スピーディーにやり取りができて、「いいね」などのリアクションで簡単にコミュニケーションを取れることが利点です。チームをはじめ、部門を超えた全社のコミュニケーション活性化が期待できます。
また、感謝のメッセージを送れるサンクスカード機能が搭載されている社内SNSであれば、ポジティブな社内交流が増加するため、コミュニケーションの量だけでなく質も改善できるでしょう。
社内コミュニケーションに課題を抱えている企業はもちろん、リモートワークにより従業員同士が顔を合わせる機会が少ない企業、支社・支店など離れた拠点を持つ企業などにおすすめの社内SNSタイプです。
情報共有タイプの社内SNSで多く搭載されている機能は、以下のとおりです。
情報共有タイプの社内SNSは「自分が持つ情報を共有する機能」と「情報交換を円滑にする機能」が備わっているのが特徴です。
例えば、何か参考資料が必要な場合、社内SNSの掲示板を探したり、グループチャットで心当たりのある人を呼びかけて共有してもらったりすれば、業務を効率的に進められます。また社内SNSのビデオ通話を利用すれば、リモートワークや外出先、離れた拠点にいる従業員とも顔を見ながら会話が可能です。画面共有すると同じ資料を見て会議ができるため、認識の齟齬を防ぐこともできます。
情報共有タイプの社内SNSは、外回りの営業が多い企業やリモートワーク導入企業、離れた拠点を持つ企業において、情報共有の量・質に課題がある場合に適しています。
その名のとおり「社内のナレッジを効率的に蓄積できる機能」「必要なときにナレッジをすぐに見つけられる機能」を備えた社内SNSです。具体的には、以下の機能が搭載された社内SNSをナレッジ共有タイプに分類します。
仕事が属人的になり、ナレッジが言語化されていなければ、いくら優秀な人材がいても企業全体としてのノウハウ・知見は積み上がりません。また、有益な情報を積極的に発信していても、その都度メールで共有されていては必要なときに探し出せないでしょう。そのため、社内SNSの機能を活用して情報を整理し、いつでもアクセスできる状態を作ることが大切です。
ナレッジ共有タイプの社内SNSは、ハイパフォーマーな従業員がいるにもかかわらず、なかなかナレッジが蓄積されず困っている企業、ナレッジの一元管理に問題意識がある企業におすすめです。
15種類の社内SNSについて【機能】【料金】【サポート】【セキュリティ】の観点で比較しながらご紹介します。ぜひ「自社で導入するなら…」をイメージしながら比較検討してみてください。
RECOGは従業員同士の感謝・称賛を通じてエンゲージメントを向上させるチームワークアプリです。情報共有、ナレッジ共有の機能も備えた社内SNSですが、サンクスカード機能に強みを持つ、社内コミュニケーション活性化タイプに分類できます。
【機能】
【料金】
初期費用+月額料金+オプション
【サポート】
【セキュリティ】
リアルタイムの情報共有、データの蓄積を通して、組織力を最大化させる社内SNSです。社内コミュニケーション活性化タイプ、ナレッジ共有タイプの両方の性質を持ち合わせています。
【機能】
【料金】
【サポート】
【セキュリティ】
情報共有や社内交流の促進により、従業員の離職、情報共有、生産性などさまざまな組織課題の解決を支援するツールです。社内コミュニケーション活性化タイプの社内SNSに分類できます。
【機能】
【料金】
初期費用+月額料金
【サポート】
【セキュリティ】
情報共有を効率化させ、チームのつながりを強めるコミュニケーションツール。医療・福祉から不動産まで、幅広い業界で利用されている情報共有タイプの社内SNSです。
【機能】
【料金】
【サポート】
【セキュリティ】
「組織を変えたいなら、制度より”良い行動”から。」を掲げる社内SNS、Unipos。ピアボーナスを軸に社内文化を改善する、社内コミュニケーション活性化タイプのツールです。
【機能】
【料金】
初期費用+月額料金
【サポート】
【セキュリティ】
多くの人に馴染みのある「LINE」のビジネス版です。LINEと近い使い勝手のため、抵抗感なく運用できるのが強みです。業務効率化につながる機能が充実した社内SNSで、情報共有タイプに分類されます。
【機能】
【料金】
【サポート】
【セキュリティ】
社内のナレッジ、ノウハウを一元管理できるナレッジマネジメントツールです。簡単にマニュアルの作成・管理ができる、ナレッジ共有タイプの社内SNSです。
【機能】
【料金】
月額料金のみ
【サポート】
ホームページにてお役立ち資料を掲載
【セキュリティ】
WowTalkは、クローズドな環境でコミュニケーションを図れるビジネスチャット。どの従業員にも使いやすいシンプルな操作性にこだわった、社内コミュニケーション活性化タイプの社内SNSです。
【機能】
【料金】
【サポート】
【セキュリティ】
さまざまな社内システムをワンパッケージとして利用できる社内SNSです。社内コミュニケーション活性化タイプ、情報共有タイプ、ナレッジ共有タイプすべての性質を持っています。
【機能】
【料金】
【サポート】
【セキュリティ】
従業員の業務進捗を把握できる日報アプリ。フォーマットが統一されているため、情報の抜け漏れが少ないうえ1日5分で記入できる、情報共有タイプの社内SNSです。
【機能】
【料金】
【サポート】
【セキュリティ】
チャットを中心に、多様な機能がオールインワンに揃ったビジネスアプリ。バラバラになりがちなツールを「Lark」ひとつで完結できる、情報共有タイプ、ナレッジ共有タイプの両方の性質を併せ持つ社内SNSです。
【機能】
【料金】
【サポート】
【セキュリティ】
メッセージはもちろん、画像やファイルの共有、タスク管理を行なえるビジネス専用の連絡ツール。ベーシックな機能が備わった、情報共有タイプの国産社内SNSです。
【機能】
【料金】
【サポート】
ホームページにて「よくあるお問い合わせ」、運用・定着のための「活用支援ナビ」を掲載
【セキュリティ】
コミュニケーションをはじめ、プロジェクト管理、他ツールとの連携など業務効率を向上させる機能が充実したツール。社内コミュニケーション活性化タイプ、情報共有タイプの両方の性質を持った社内SNSです。
【機能】
【料金】
月額料金のみ
【サポート】
【セキュリティ】
従業員が気軽にコミュニケーションを図るための社内SNSです。社内コミュニケーション活性化タイプのツールで、互いに意見やアイディアを発信し合える機能も搭載されています。
【機能】
【料金】
月額料金のみ
【サポート】
お問い合わせ
【セキュリティ】
メールやカレンダー、ミーティングなどGoogleのさまざまな機能を利用できるビジネスツール。業務効率化の機能が豊富に揃った、情報共有タイプの社内SNSです。
【機能】
【料金】
【サポート】
【セキュリティ】
最後に、社内SNSを比較検討するときのコツをご紹介します。社内SNSの選び方に迷ったときは、ぜひこちらのポイントを参考に比較してみてください。
先述のとおり、社内SNSと一口に言っても、ツールによって特徴や機能は異なります。社内SNSを選ぶ際は、まず自社の導入目的や抱えている課題が「社内コミュニケーション」「情報共有」「ナレッジ共有」のいずれに該当するかを整理しましょう。そのうえで、社内SNSで必要な機能を具体的に洗い出します。
例えば「社内コミュニケーション活性化」が社内SNS導入目的であれば、チャットやコメント、リアクション、掲示板などの機能は外せません。また、ポジティブな社風を作りたいと考えている場合は、サンクスカード機能も搭載された社内SNSを選ぶと導入目的の達成に近づくでしょう。
社内SNSのやり取りのなかで、売上や顧客情報などの機密情報が含まれる場合もあるでしょう。従業員が安心して社内SNSを利用するためには、セキュリティ対策が最も重要と言っても過言ではありません。どの社内SNSも何らかのセキュリティ対策が施されているケースがほとんどですが、その度合いはツールによって異なるので注意が必要です。
ISMS認証の取得や、第三者機関による脆弱性診断など、安全性が客観的に認められていることに加え、IPアドレスでのアクセス制限、端末紛失時のログアウトなど安心して利用できる機能が備わった社内SNSであるかを確認しましょう。
社内SNS選びで意外と見落としがちなポイントが、サポートの手厚さです。社内SNS導入前の仕様相談はもちろん、導入時の従業員説明、そして導入後のフォローも欠かせません。せっかく社内SNSを導入しても、うまく定着しなければ意味がないからです。
社内に浸透させる方法や、利用率を上げて社内SNSの効果を最大化させる方法など、知識やコンテンツを提供してくれるベンダーを選びましょう。また電話やメール、Web会議、訪問など状況に応じたサポート体制が整っていると、安心して社内SNSを運用できます。
利用するツールの種類が増えるほど、業務上での使い分けが難しくなったり、ツールの切り替えが手間になったりするため、どうしても社内SNSの利用頻度が落ちてしまいます。また、同じような情報をそれぞれのツールに入力するとなると、ミスが発生しかねません。
しかし、今利用しているツールと連携できる社内SNSであれば、それらの手間やミスを軽減でき、さらに業務効率もアップします。例えばカレンダー機能を連携していれば、ミーティングの時間に通知が届いたり、会議の参加依頼を社内SNS上から送信できたりします。社内SNSを比較検討するときは、従業員の業務負荷を下げるためにも、今利用中のツールと連携できるかをチェックしてみてください。
社内SNSはツールによって初期費用の有無が異なるため、どうしても初期費用に目が向いてしまう方もいるでしょう。しかし社内SNSの比較の際は、ランニングコストである月額料金にも着目して検討されることをおすすめします。
月額料金は、社内SNSを利用する従業員数やプラン、オプションの有無などによって異なります。社内SNSを長期的に運用するうえで無理のない金額か、将来従業員が変動しても利用し続けられる金額かなど、「現在」だけでなく「長期的な視点」で検討するとよいでしょう。
また、導入後のサポートがオプションとして別料金になっている社内SNSもあります。初期費用、月額料金、オプション費用のトータルで納得できる料金体系かを確認してください。
プライベートでのSNSの利用が身近になった今日。社内SNSも抵抗なく受け入れられ、社内のコミュニケーション活性化や業務効率化、多様な働き方に役立てられているケースが多くあります。
一方で、ツール選びを間違えると社内SNSの効果は最大限に発揮されません。社内SNSの導入を検討中の方はぜひ、自社の導入目的や課題を整理したうえで、上記のポイントを参考にツールを比較検討してみてください。
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