金融業界は、顧客の資産を預かり、経済活動を支えるという社会的に極めて重要な役割を担っています。その根幹を支えるのが、正確でスピーディな「情報共有」です。しかし、旧来の縦割り組織や複雑な業務プロセスが、スムーズな情報共有を妨げているケースも少なくありません。
本記事では、金融業界における情報共有の仕組みと、情報共有が遅れることで生じる深刻なデメリットを解説します。さらに、その解決策として注目される「社内SNS」の活用メリットについても詳しく紹介します。
金融業界の情報共有は、組織の階層や部門ごとに行なわれています。ここでは、代表的な情報共有の仕組みを見ていきましょう。
本社と支社間の情報共有は、組織全体の戦略や方針を末端まで浸透させ、現場の情報を吸い上げるための重要なパイプラインです。
本社から支社への情報共有では、経営戦略、新商品・新サービスの通達、コンプライアンスに関する重要事項、市況の変化などが伝達されます。電話やメール、会議などで伝えられることが多いですが、社内のポータルサイトや通達文書などを通じて情報共有している企業もあります。
また、支社から本社へ共有される情報は、営業実績、顧客からの要望・クレーム、地域の経済動向、現場で発生した課題などです。日報・週報・月報などの報告書やCRM(顧客管理システム)への入力、定例会議などを通じて伝達されます。
支社内では、日々の業務を円滑に進めるためにより密な情報共有が求められます。
日々のスケジュールや顧客データ、成功事例、地域の情報などさまざまな情報が共有され、窓口業務や営業活動に活かされています。
窓口業務や営業担当者間で起こる、細かなニュアンスの伝達や緊急性の高い情報の共有は、対面で行なわれることが依然として多い傾向です。
同一エリア内の支社間や、特定の業務に特化した支社間での連携も不可欠です。特に、成功事例を横展開して全社的に取り組むためには、支社間の連携が必須といえるでしょう。支社間で案件に関する相談などを行なうことで、新たな施策を取り入れて成果を高めていけます。
支社間の情報共有は、エリア会議や電話・メールなどがメインです。また、異なる支社の従業員同士が集まる合同研も、重要な情報共有の場となります。
「融資部門と審査部門」「営業部門とマーケティング部門」など、異なる専門性をもつ部門間の連携は、質の高い金融サービスを提供するうえで欠かせません。
しかし部門が異なるとオフィスが隔たっている場合も多いため、なかなか対面でのコミュニケーションが取れない傾向にあります。定例会議やコミュニケーションツールなどで情報共有をしている企業が多いでしょう。
情報の伝達が滞ることは、金融機関にとって致命的なリスクにつながりかねません。ここでは、情報共有の遅れが引き起こす具体的なデメリットを見ていきましょう。
市場は刻一刻と変化しており、特に金融市場ではそのスピードが著しい傾向にあります。現場からの重要な情報が経営層に届くのが遅れたり、部門間の調整に時間がかかったりすると、投資機会の見逃しやリスクへの対応遅れなどを引き起こし、経営判断の遅延が大きな損失につながります。
顧客からの問い合わせに対して「担当者が不在で分からない」「本部に確認しないと答えられない」といった対応が頻発すれば、顧客満足は低下していくでしょう。顧客情報や取引履歴がリアルタイムで共有されていないと、一貫性のある最適な提案ができずに顧客の信頼を失う原因となります。
金融機関には、マネー・ローンダリング対策やサイバーセキュリティ対策など、厳格なリスク管理体制が求められます。不正取引の兆候やシステム上の脆弱性といった情報が担当部署に迅速に共有されない場合、インシデントの発見が遅れてしまい、顧客や組織に甚大な被害を及ぼす可能性があります。
融資の申し込みや金融商品の契約において、審査部門や法務部門との連携がスムーズにいかないと、手続きに時間がかかり顧客を待たせてしまいます。その結果、競合他社に顧客を奪われたり、ビジネスチャンスそのものを失ったりする「機会損失」が発生します。
縦割り組織の弊害として、部門間の連携不足が挙げられます。たとえば、マーケティング部門が企画したキャンペーン情報が営業現場に十分に伝わっておらずに顧客への案内が徹底されないケースや、営業部門が掴んだ顧客ニーズが商品開発部門に届かず市場の需要と乖離した商品が生まれてしまうケースなどの問題が発生します。
これらの課題を解決する有効な手段として、近年「社内SNS」の導入が注目されています。セキュリティが担保されたクローズドな環境で、チャットや掲示板のように気軽にコミュニケーションが取れる社内SNSは、金融業界に多くのメリットをもたらします。
社内SNSはチャット機能や掲示板機能、サンクスカード機能など社内コミュニケーションを活性化させる機能が充実しており、情報共有やナレッジ展開といった業務用ツールとして活用されることもあります。
金融業界での社内SNSの導入により、以下のようなメリットが期待できます。
メールよりも気軽に、電話よりも相手の時間を奪わずにコミュニケーションが取れる社内SNSは、手軽に従業員同士がコミュニケーションを取ることができます。本社と支社、部門間といった物理的・心理的な壁を越えて会話が生まれるため、組織の一体感を醸成して従業員のエンゲージメント向上にもつながります。
重要な通達や市況の速報などを、全社員や特定のグループにリアルタイムで一斉配信できます。関係者が投稿内容をすぐに確認してコメント機能で意見交換を行なえば、会議を設定する必要もなく、その場でスピーディな意思決定が可能になります。市場の変化に迅速に対応できるようになるには、社内SNSが有効といえるでしょう。
ベテラン行員が持つ専門知識や、支店での成功事例、顧客対応のノウハウといった属人化しがちなナレッジを、社内SNS上に投稿・蓄積できます。ナレッジの共有は、組織全体の知識レベルの底上げを促し、若手人材の育成にも効果を発揮します。社内SNSはキーワード検索で必要な情報にすぐにアクセスできるため、業務効率も大幅に向上します。
経営層からのメッセージや各部門の取り組みがオープンな場で共有されることで、社員は会社の方向性を理解しやすくなります。誰がどのような業務を行っているのかが見える化されるため、業務の重複を防ぎ、健全な協力関係を築くことができます。このような透明性は、コンプライアンス意識の向上や不正の抑止にもつながるでしょう。
サービス業界の情報共有を促せる、おすすめの社内SNSがチームワークアプリ「RECOG」です。
RECOGは掲示板(投稿)機能やトーク(チャット)機能など、メンバー間でのコミュニケーションや情報共有を促進できる機能が搭載されています。さらにサンクスカードとして使えるレター機能では感謝・称賛の気持ちを伝えられるため、頑張りや成果が可視化されてさらなる相互理解が進むでしょう。
RECOGの詳しい機能についてはこちらの資料で紹介しているので、ぜひダウンロードしてみてください。
金融業界において、迅速で正確な情報共有は企業の競争力と信頼性を左右する生命線です。情報共有の遅れは、機会損失やリスクの増大といった深刻なデメリットを引き起こします。 社内SNSは、従来のコミュニケーションツールが抱える課題を解決し、組織の活性化、意思決定の迅速化、ナレッジの共有、透明性の確保を実現する強力なツールです。自社の情報共有の在り方を見直し、社内SNSの導入を検討してみてはいかがでしょうか。 \\編集部おすすめ記事//まとめ