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エンゲージメントとは?意味や高めるメリット・方法を紹介

エンゲージメントとは?意味や高めるメリット・方法を紹介

公開日: 2023.09.20
更新日: 2025.05.20

近年ビジネスシーンにおいて重要視されている要素の1つであるエンゲージメント。離職率やモチベーションなどさまざまな組織課題を解決するためにも、従業員のエンゲージメント向上は不可欠です。

 
本記事では、エンゲージメントの意味やメリットを整理し、エンゲージメントを高める方法を解説します。
 
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エンゲージメントとは?意味や定義について


 
最近、エンゲージメントというキーワードがビジネスの現場で頻繁に取り上げられるようになりました。
しかし、この言葉がどのような意味を持ち、ビジネスの現場でどのように用いられるのか、詳しく知っている人は意外と少ないかもしれません。
 
エンゲージメント(engagement)は、一般的には「誓約・約束・契約」といった意味があります。これをビジネスの文脈において解釈すると、「従業員エンゲージメント」と「顧客エンゲージメント」という二つの視点に分けて考えることができます。
 

従業員エンゲージメントとは

従業員エンゲージメントは、企業と従業員との間の信頼関係や愛社精神を表します。
具体的には、働く環境の良さ、仕事に対するやりがい、そして企業の理念やビジョンへの共感度などが影響します。これらが高いほど、従業員のモチベーションや生産性も向上し、結果として組織全体のパフォーマンスが高まるとされています。
 

顧客エンゲージメントとは

顧客エンゲージメントは、企業と顧客との関係性、特にその親密度を示します。
顧客エンゲージメントが高い場合、顧客は継続的にその企業の製品やサービスを利用し続けることが期待され、さらには質の高いフィードバックや口コミを提供してくれる可能性も高まります。
 

「エンゲージメント」の類語

エンゲージメントと混同されやすい言葉に「従業員満足度」と「ロイヤルティ」があります。
 
従業員満足度は従業員の仕事への満足度を示す指標です。職場環境や待遇、福利厚生、仕事内容などへの満足度を指し、高ければ高いほど離職率が低下すると言われています。
 
ロイヤルティは、従業員の企業に対する「忠誠心」と訳されることが多いです。エンゲージメントは従業員と企業が対等な関係で信頼し合っている一方で、ロイヤルティは従業員が会社に対して貢献心が強い状態であるため主従関係のイメージが強いでしょう。

 

なぜエンゲージメントが注目されているのか?


 
エンゲージメントの重要性は、昨今ますます増しています。
その理由として、少子高齢化により労働人口が減少し、労働力を確保し続けることが企業の大きな課題となっている時代背景があります。エンゲージメントの向上により離職率を低下できるため、労働人口が乏しい時代でも十分な人手を確保することが可能です。
 
また、より良い待遇や環境を求めた転職が一般的になってきています。優秀な人材ほどより優れた環境を求めて転職する傾向にあるため、そうした人材が「ともに成長していきたい」と思える環境を整えなければなりません。そのためにも、エンゲージメントが向上するための施策を講じ、一人でも多くの従業員と深くつながる必要があるのです。

 

エンゲージメント向上による5つのメリット


 
エンゲージメントの向上は、企業の未来を左右する重要な要素です。それでは、具体的なメリットを5つのポイントから見ていきましょう。
 

離職率が低下する

従業員が自分の仕事や職場に満足していれば転職を考えることがないため、離職リスクが大幅に低下します。
 
離職率の低下は、新しい人材の採用活動や育成にかかる手間やコストを削減できることや、長く勤める従業員ならではの業務ナレッジが蓄積されることなど、派生的なメリットも生まれるでしょう。
 

優秀な人材が集まりやすくなる

エンゲージメントの高い企業は、従業員の口コミやリファラルを通じて自然とブランディングが実現します。外部からの評価が高い企業は、多くの人にとって魅力的に見えるため「働きたい」という気持ちが生まれるでしょう。その結果、採用市場・転職市場で競合他社よりもアドバンテージとなり、優秀な人材が集まりやすくなります。
 

従業員一人ひとりのモチベーションが向上する

従業員が自分の仕事に意味や価値を見出すと、自主的な努力や貢献の意識が高まります。高いモチベーションは仕事のパフォーマンスを向上させるだけでなく、新しいアイデアやイノベーションを生むきっかけにもなります。
 

組織が活性化する

一人ひとりのエンゲージメントが高い組織は、従業員間のコミュニケーション活性化やチームワーク強化にもつながります。これにより、チーム内での情報共有や問題解決がスムーズになり、組織全体のアジリティが高まります。
 

業績が向上する

従業員のモチベーションが高まり組織が活性化することで、「業務効率の向上」や「自主的な問題解決」、「部署を超えた連携」などが加速されます。こうした取組みは企業の業績を向上させ、事業成長の大きな糧になるでしょう。
 
 

エンゲージメント低下に影響する要素

エンゲージメント向上は企業にとって大きなメリットがありますが、エンゲージメントが下がる理由にはどのような要素が影響しているのでしょうか。よくあるエンゲージメント低下の原因を見ていきましょう。
 

コミュニケーション不足

職場のコミュニケーション不足によって人間関係が悪化していくと、従業員は職場に不満を感じてエンゲージメントが低下していきます。
また、コミュニケーション不足は情報共有や連携を妨げるため、業務のトラブルが発生しやすくなります。仕事での失敗体験が積み重なっていくことでも、エンゲージメントの低下を招くでしょう。
 
コミュニケーション不足は従業員同士だけでなく、企業と従業員の間でも発生します。企業側から正確な情報が与えられないと、従業員は「会社が目指す方向性がわからない」「自社のビジョンに共感できない」となり、不満を抱えるようになります。
 

仕事への不満

業務の内容や量に不満を感じていると仕事にやりがいを感じられず、貢献したいという気持ちが薄れていきます。具体的には「やりたい仕事をさせてもらえない」「業務量が多すぎる」「残業が多くてプライベートな時間がない」などがあります。
こうした状態では仕事に対する不満ばかりが募っていき、エンゲージメント向上とは程遠い状況となるでしょう。
 

報酬・待遇への依存

報酬や待遇にのみ依存していると、ボーナスが下がったり有給が取りにくかったりするなどが原因でモチベーションが低下します。仕事内容とのマッチ度や、メンバーとのチームワークなど、報酬・待遇以外の部分でもやりがいを感じられる要素がなければ長期的なモチベーションが維持できず、エンゲージメント低下を引き起こすリスクがあります。
 
 
エンゲージメントの3つの指標

 
エンゲージメントを正確に測るためには、3つの指標が必要です。それぞれの特性と重要性について詳しく見ていきましょう。
 

1.エンゲージメント総合指標

エンゲージメント総合指標は従業員と会社の結びつきを表した指標です。
具体的には、以下の3要素で構成されています。
 
・eNPS(employee Net Promoter Score)
企業の魅力を内外に伝える指標として使用されるeNPS。従業員が自社を友人や家族におすすめするかどうかを示すこのスコアは、従業員の会社への熱意や誇りを示す重要な要素です。高いeNPSは、社員が企業文化や価値を深く受け入れている証拠となります。
 
・総合満足度
日々の仕事の中で、どれだけ満足感を感じているかを表す指標。福利厚生や業務環境、チームの関係性など、多岐にわたる要因がこの指標に影響します。高い総合満足度は、企業が従業員の幸福度に注力している証と言えるでしょう。
 
・継続勤務意向
未来を共にする意向を示す指標。従業員がどれだけこの企業で長く働きたいと考えているのかを示し、これが高いと企業の安定性や成長性が期待されます。
 

2.エンゲージメントレベル指標

仕事への情熱や意欲を示す、まさにエンゲージメントの核心部分です。具体的には、以下の3要素で構成されています。
 
・活力
毎日、仕事に向き合うエネルギーの源泉。従業員が業務を楽しみ、積極的に取り組む意欲を示すこの指標は、組織全体の活気やイノベーションを生み出す要因となります。
 
・熱意
業務の遂行以上の、やりがいや使命感を示す指標。熱意の高い従業員は、自身の業績だけでなく、周囲のモチベーションアップにも繋がります。
 
・没頭
一つ一つのタスクへの集中力。この指標が高いと、従業員は高品質な結果を生み出すことが期待され、ミスの低減や生産性の向上にも寄与します。
 

3.エンゲージメントドライバー指標

エンゲージメントの土台となる要因を示す、非常に重要な指標です。具体的には、以下の3要素で構成されています。
 
・組織ドライバー
企業全体の雰囲気や文化、そして人間関係。これらが健全であれば、従業員のエンゲージメントも自然と高まります。企業の基盤となる部分を示すこの指標は、経営層は特に注力すべき部分です。
 
・職務ドライバー
業務の内容やその難易度、達成感など、仕事そのものとの関係性を示す指標。これにより、業務改善や役割の最適化が図れます。
 
・個人ドライバー
一人ひとりの能力やスキル、価値観など、従業員個人の特性を示す指標。この情報をもとに、従業員の成長支援やキャリアパスの設計が行われます。
 
 

エンゲージメントの主な調査方法はアンケート


 
エンゲージメントを可視化し、具体的に把握するための主要な手段として「アンケート」が用いられます。
 
特に、昨今多くの企業で導入されている「エンゲージメントサーベイ」は、従業員の感じている職場の雰囲気や満足度を知るための重要な要素となっています。以下は、このサーベイによく含まれる質問の一部です。
  • 会社のビジョンや方針に共感していますか?
  • 上司や同僚とのコミュニケーションは円滑ですか?
  • 業務に対する自身の役割や意義を理解していますか?
  • 職場の環境や福利厚生に満足していますか?
  • 成果に対する評価やフィードバックは適切だと感じますか?
  • 自身の成長やキャリアの展望に期待を持てていますか?
  • 労働時間やワークライフバランスに満足していますか?
  • 新しいアイディアや提案が受け入れられやすい職場だと感じますか?
  • チームの連携や協力体制に満足していますか?
  • 会社の未来に希望や期待を持っていますか?
これらの回答を基に、企業は人事施策を打つ、あるいはマネジメント手法を改善するなど、エンゲージメントをさらに高める施策を計画・実施します。
エンゲージメントは企業の成長や従業員の満足度に直結する要素であるため、定期的なアンケートを通じてその状況を確認し、改善に取り組むことが必要です。
 
 

エンゲージメントを高めるための5つの施策


 
どのようにしてエンゲージメントを高めるかは、経営者や人事担当者の永遠の課題とも言えるでしょう。ここからは、エンゲージメントを高めるための具体的な方法を5つ紹介します。
 

現状のエンゲージメントについて把握する

エンゲージメントを向上させるための第一歩は、「現状の把握」です。エンゲージメントサーベイを実施して従業員の声を直接聞くことで、どのような課題や不満が存在するのか明らかにします。このデータを元に、具体的な施策の方向性を決定します。
現状を把握していなければ、従業員のニーズと異なるアプローチをしてしまい効果を得られません。
 

従業員が働きやすいと思える環境づくりを行なう

働きやすい環境はエンゲージメントを向上させるポイントとなります。
特に、長期的にやりがいを持って働いてもらうためには良好な人間関係が重要です。ディスカッションやコミュニケーション研修などを実施してチームビルディングを行ない、従業員同士の協力関係を強めましょう。
ほかにも、人材の適材適所の配置、ワークライフバランスの尊重など、従業員が安心して働ける環境を整えることが不可欠です。また、デバイスやインターネット環境など物理的な職場環境や、報酬・待遇・評価制度などの側面も軽視せずに取り組みましょう。
 

企業理念やビジョンを明確に示す

企業が目指す方向性を明確に示し、従業員の理解と共感を促しましょう。
理念やビジョンを理解できていないと、自身がどのような目標で仕事をすべきかわからなくなります。自社の方向性を理解できていれば、自主的に仕事に取り組めるようになり、やりがいを感じられるようになります。
 

組織活性化の施策を行う

組織を活性化してチームワークを促進すると、エンゲージメントの向上に寄与します。
たとえば、コミュニケーションツールを導入すると、情報共有が効率化したり、離れた場所の従業員同士もコミュニケーションを取ったりできます。また、従業員同士の交流を促進するイベントの開催や、経営者からの定期的なメッセージ発信なども、組織の活性化につながるでしょう。
 

マネジメント層が適切にサポートする

従業員任せにするのではなく、マネジメント層が積極的に関わっていくことも重要です。
エンゲージメントサーベイでは定量的な結果しか把握できませんが、マネージャーと従業員の1on1ミーティングを行なえば、サーベイでは把握しきれないリアルな情報を得られます。
また、マネージャーがエンゲージメント向上のために取り組んでいる姿を見ることで、「上司が自分たちのためにがんばってくれている」「細かいところまで見てくれている」という気持ちになり、エンゲージメント向上につながるでしょう。
 
 

「RECOG」なら"褒める"コミュニケーションで組織の課題を解決!

 
従業員のエンゲージメントを上げるためには、”褒める”ことも効果的です。
 
そこでおすすめしたいのが、チームワークアプリ「RECOG」です。
RECOGは、感謝や称賛を通した双方向のコミュニケーションをかなえるサービス。アプリを通じて「レター」を贈ることで、行動や成果を日常的に”褒める”ことができます。
レターを受け取った従業員は「自分のがんばりが認められている」「自分はチームの役に立っている」という実感が得られ、仲間や企業への愛社精神が自然と高まります。その結果、離職率の低下やモチベーションの向上につながるでしょう。
 
詳しい機能はこちらの資料で紹介しているので、ぜひダウンロードしてみてください。
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まとめ

エンゲージメントは「従業員エンゲージメント」と「顧客エンゲージメント」があり、本記事では従業員エンゲージメントについて解説しました。エンゲージメント向上によって企業の成長につながるため、本記事で紹介した施策を講じて組織を活性化していきましょう。
 
そのためには、まずは自社の状態を把握するのが第一です。エンゲージメントに課題を抱えている方は、エンゲージメントサーベイを実施して現状把握から始めてみてはいかがでしょうか。
 
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