コラム

従業員エンゲージメント向上施策とは?高める方法10選と進め方を解説

従業員エンゲージメント向上施策とは?高める方法10選と進め方を解説

公開日: 2021.08.19
更新日: 2026.09.29

「従業員エンゲージメントを高めたいものの、具体的に何から始めればよいのかわからない」「施策を実施しているのに、期待した変化につながっていない」と悩んでいる企業もあるのではないでしょうか。従業員エンゲージメントの向上にはさまざまな方法があり、自社の課題に合わない施策を取り入れても、十分な成果には結びつきません。

重要なのは、組織が抱える課題を把握したうえで、理念の共有や1on1、評価制度の見直し、感謝・称賛を伝える仕組みなどから必要な施策を選び、実施後も改善を重ねていくことです。

今回の記事では、従業員エンゲージメント向上施策の意味やメリットを押さえたうえで、具体的な10の施策、課題別の選び方、進め方を解説します。自社に適した取り組みを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

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従業員エンゲージメント向上施策とは

従業員エンゲージメント向上施策とは、従業員と組織の結びつきを強め、会社への共感や仕事への貢献意欲を高めるための取り組みです。単発の制度やイベントだけで完結させるのではなく、自社の課題に合った施策を組み合わせ、継続的に取り組むことが必要です。

向上施策を考える3つの要素

従業員エンゲージメントの捉え方には複数ありますが、施策を検討する際には「理解度」「共感度(帰属意識)」「行動意欲」の3つの要素に分解して考えるとよいでしょう。

要素

主な意味

関連する施策の例

理解度

経営方針や理念、目標を理解している度合い

理念・ビジョンの共有

共感度

(帰属意識)

組織の価値観や目標に共感し、自分とのつながりを感じる度合い

承認・称賛

社内コミュニケーション

行動意欲

組織に貢献するため主体的に行動しようとする意欲

キャリア支援、1on1、

評価制度

たとえば、理念は理解されていても共感につながっていない企業と、会社への愛着はあるものの成長機会を感じられていない企業では、優先すべき施策が異なります。どの要素に課題があるのかを捉えると、施策を立案する際の基準が明確になります。

従業員満足度向上施策との違い

従業員満足度向上施策は、給与や福利厚生、勤務環境などに対する満足度を高める取り組みです。一方、従業員エンゲージメント向上施策では、働きやすさに加えて、組織への共感や仕事への主体性、貢献意欲などにも目を向けます。

比較項目

従業員エンゲージメント向上施策

従業員満足度向上施策

主な目的

組織への共感や貢献意欲を高める

待遇や職場環境への満足を高める

主な視点

主体性、共感、組織への貢献

待遇、制度、働く環境への評価

施策例

理念共有、1on1、称賛・承認、

成長支援

福利厚生、設備改善、休暇制度の充実

両者は別々に考えるものではなく、働きやすい職場環境がエンゲージメントを支える場合もあります。ただし、満足度を高められたからといって主体的な貢献まで生まれるとは限らないため、目的に応じて施策を使い分けることが大切です。

 

従業員エンゲージメントを高めるメリット

従業員エンゲージメント向上に継続して取り組むと、従業員個人だけでなく組織全体にもよい影響が期待できます。代表的な3つのメリットを見ていきましょう。

生産性の向上

従業員が会社の方向性や自分の役割に納得し、仕事への貢献意欲を持てるようになると、与えられた業務をこなすだけでなく、自ら考えて行動するようになります。業務をよりよくするための改善提案や、チームの課題に対する協力も生まれます。

また、自分の仕事と組織目標との関係が明確になれば、何を優先すべきかも判断することが可能です。従業員一人ひとりの主体的な行動が積み重なれば、個人だけでなくチーム全体の仕事の質や効率にもよい影響が期待できるでしょう。

生産性を高めていくには、従業員エンゲージメント向上施策と並行して、業務プロセスや職場環境、マネジメントなども含めて改善していくことが欠かせません。

離職率の低下

会社の理念や目標に共感でき、自分の仕事や貢献が認められていると感じられると、従業員は組織へ愛着を持つようになっていきます。キャリア形成への支援や上司との対話を通じて従業員エンゲージメントが高まると、「この会社で長く働きたい」という気持ちにつながり、人材の定着を支えます。

離職が抑えられれば、新たな人材の採用や育成に伴う負担を減らせるほか、従業員が培ってきた経験や知識を組織内に残しやすくなります。長く働く人が増えることで、社内の人間関係やチーム運営の安定にもつながります。

人材の定着を進めるには、従業員エンゲージメント向上施策とあわせて、待遇や仕事内容など実際の離職理由に応じた対応も組み合わせていくと効果的です。

企業イメージの向上

従業員が自社の理念や商品・サービスに誇りを持てるようになると、顧客や取引先への対応、採用活動、日常的な情報発信にも前向きな姿勢が表れます。従業員自身の言葉で会社の魅力が伝われば、社外から見た企業イメージにもよい影響が期待できます。

従業員エンゲージメントが高まると、従業員は自社の魅力を自分の言葉で語ったり、日々の仕事に前向きに取り組んだりするようになります。その様子は口コミや発信を通じて社外にも伝わり、「働きやすい会社」という評価につながります。結果として、企業の姿勢に共感する求職者が集まりやすくなり、採用面でも良い影響が期待できます。

社外からの評価を高めていくには、社外への発信と並行して、まず社内の環境や文化を整え、従業員が自社を前向きに語れる状況をつくっていくことがポイントです。

 

従業員エンゲージメントを高める施策10選

従業員エンゲージメントを高める方法は一つではなく、組織が抱える課題や従業員の状況によって取り入れたい取り組みは変わります。

ここでは、代表的な10の施策を紹介します。

  • 理念やビジョンを共有する
  • 定期的に承認する機会を設ける
  • 上司との1on1ミーティングを行なう
  • キャリア形成を支援し成長機会を提供する
  • 社内コミュニケーションを活性化する
  • 職場の心理的安全性を高める
  • 働きやすい制度を整備する
  • 評価基準とフィードバックを明確にする
  • サーベイで組織課題を可視化する
  • 感謝や貢献を贈りあう

それぞれの内容を見ていきましょう。

理念やビジョンを共有する

企業の理念やビジョンは、経営層だけが理解していても従業員エンゲージメントの向上には結びつきません。会社が何を大切にし、どこを目指しているのかを言葉にしたうえで、従業員自身の仕事との関係まで伝えることが重要です。

経営層からのメッセージ発信、全社会議、社内報、日々のミーティングなど、複数の場を使って継続的に共有すると、理念に触れる機会を増やせます。

さらに、理念に沿った行動をした従業員を称賛すると、抽象的だった理念と具体的な行動が結びつきます。たとえば「挑戦を歓迎する」という理念があれば、失敗を恐れず新しいやり方を試した従業員を称賛することで、従業員は理念を理解するだけでなく、具体的な行動にまで落とし込めるようになります。

定期的に承認する機会を設ける

成果や日々の貢献を認める機会を設けることも、従業員エンゲージメント向上につながる施策の一つです。目標達成だけを評価するのではなく、周囲への支援や挑戦、理念に沿った行動など、数字だけでは表れにくい貢献にも目を向けます。

具体的には、月次・四半期ごとの表彰制度、上司からのフィードバック面談、従業員同士が感謝を伝え合うサンクスカードやピアボーナスなどが挙げられます。年1回の表彰だけではなく、日常のなかでも自分の行動が認められる機会をつくると、組織への貢献を実感するきっかけになります。

一方、表彰件数や称賛数を増やすこと自体が目的になると、形式的な取り組みになりかねません。どのような行動を認めたいのかを明確にし、従業員が納得できる制度設計につなげましょう。

上司との1on1ミーティングを行なう

上司と部下が定期的に対話する1on1ミーティングは、業務上の悩みやキャリアへの希望を共有し、相互理解を深める機会になります。自分の考えや状況を上司が受け止めてくれると感じられると、従業員は組織に対する信頼や安心感を持ちやすくなり、従業員エンゲージメントの向上につながります。普段の業務では話題にしにくい内容も話せる関係が築かれれば、従業員が抱える課題を早期に把握できます。

1on1では、上司が一方的に指示や評価を伝えるのではなく、従業員の話を聞く姿勢が欠かせません。「最近困っていることはあるか」「今後どのような仕事に挑戦したいか」など、相手の考えを引き出す問いかけを交えると、対話を具体的な支援につなげられます。

面談で得た内容を次回以降の支援や育成にも反映すると、単なる定例面談で終わりません。

キャリア形成を支援し成長機会を提供する

自社で働きながら成長できると感じられる環境は、従業員が将来のキャリアを前向きに考えるうえで大切です。「この会社にいれば成長できる」という実感は、組織への信頼や働き続けたい気持ちを育て、従業員エンゲージメントの向上につながります。企業側が一方的にキャリアを決めるのではなく、本人の希望や適性を踏まえ、複数の選択肢を用意する必要があります。

研修や資格取得支援だけでなく、社内公募、メンター制度、職種を越えたプロジェクトへの参加なども成長機会になります。キャリア面談を通じて、従業員が身につけたい能力や将来取り組みたい仕事を知り、実際の経験につなげていく方法もあります。

制度を用意しただけでは、従業員に活用されないこともあります。どのような機会があるのかをわかりやすく伝え、希望する従業員が利用できる運用体制まで整えることが重要です。

社内コミュニケーションを活性化する

従業員同士の接点が少ない職場では、業務上必要な情報だけがやり取りされ、互いの考え方や仕事ぶりを知る機会が不足する場合があります。互いを知る機会が増えると、従業員同士の信頼関係や組織への帰属意識が育ち、従業員エンゲージメントの向上につながります。特に部署や拠点が分かれている企業では、意識して接点をつくらなければ、組織内のつながりが弱まることもあります。

部署横断のプロジェクトや交流会、社内SNS、チャットなどを活用し、普段接点の少ない従業員ともコミュニケーションを取れる環境を整えます。リモートワークを取り入れている企業では、オンラインで相談や情報共有ができる場を設ける方法もあります。

交流の場をつくる際は、イベントの数を増やすことよりも、日々の業務のなかで自然に会話や感謝が生まれる状態を目指します。継続的なつながりが生まれると、従業員が安心して力を発揮できる土台となり、組織への関わりも深まります。

職場の心理的安全性を高める

従業員が意見や疑問を伝えにくい職場では、課題があっても声が上がらず、改善の機会を逃すことがあります。安心して発言できる環境が整うと、従業員は「自分の意見が尊重されている」と感じ、主体的に組織へ関わろうという意識が高まります。こうした関わりの深まりが、従業員エンゲージメントの向上につながります。

管理職には、従業員から出た意見をすぐに否定せず、まず内容を受け止める姿勢が求められます。失敗が起きた際も個人を責めるだけではなく、原因や再発防止策をチームで考える習慣があれば、新しい挑戦への過度な不安を抑えられます。

日常的に感謝や称賛を伝え合うことも、互いの存在や行動を認める関係づくりにつながります。制度だけに頼らず、管理職の対応や日々のコミュニケーションまで含めて職場環境を整える必要があります。

働きやすい制度を整備する

仕事への意欲があっても、生活との両立が難しい環境では、継続して能力を発揮することが難しくなります。従業員が安心して働き続けられる制度や職場環境を整えることは、エンゲージメント向上を支える土台の一つです。

フレックスタイム制やリモートワーク、有給休暇を取得しやすい環境、育児・介護との両立支援など、自社の働き方や従業員のニーズに合う制度を検討します。また、制度があっても利用しにくければ十分に機能しないため、実際の利用状況にも目を向けましょう。

ただし、働きやすさだけで貢献意欲まで高まるとは限りません。これまで紹介した施策と組み合わせ、「働きやすさ」と「仕事への意欲」の両面を支えることがポイントです。

評価基準とフィードバックを明確にする

「何を基準に評価されているのかわからない」「評価者によって判断が大きく異なる」と感じる状況は、仕事に対する納得感を損なう原因になります。評価基準と期待する行動が明確に示されると、従業員は「努力が正当に見てもらえる」と感じられ、仕事への納得感や組織への信頼が高まります。これが従業員エンゲージメントの向上につながります。

評価項目を従業員へ共有するとともに、評価基準の解釈や評価結果のばらつきを抑えるため、評価者同士ですり合わせる機会を設けます。また、評価結果だけを伝えるのではなく、「どの行動が評価されたか」「今後何を期待しているか」まで伝えると、次の行動につなげられます。

評価制度そのものの見直しだけでなく、基準の説明や日常的なフィードバックにも目を向けましょう。評価への納得感を高めるには、制度とコミュニケーションの両方が必要です。

サーベイで組織課題を可視化する

エンゲージメントサーベイは、従業員の意識や組織の状態を定期的に把握するための施策です。従業員が自分の意見を伝える機会になるうえ、結果をもとに職場が改善されていけば、「声を上げれば会社が動く」という信頼が生まれ、従業員エンゲージメントの向上につながります。

サーベイでは全体の平均値だけでなく、部署や属性による傾向、過去からの推移などにも目を向けます。回答を集めて終了するのではなく、結果と今後の対応方針を従業員へ共有し、改善につなげるところまでを一連の取り組みとして考えることが大切です。

感謝や貢献を贈りあう

日常業務には、売上や目標達成率などの数値だけでは評価しにくい貢献もあります。同僚への支援や部署を越えた協力などを見える形で共有できる仕組みがあれば、普段は目立ちにくい行動にも目を向けられます。

上司から部下への一方向の評価だけではなく、同僚同士や部署を越えて感謝・称賛を伝えられる仕組みにすると、さまざまな立場から従業員の貢献を知る機会が生まれます。ツールを活用すれば、拠点や勤務時間が異なる場合でも、感謝を共有する場を設けられます。

感謝や称賛を受け取った従業員は、「自分の働きが認められている」「チームの役に立っている」と実感できます。こうした実感の積み重ねが、仕事への意欲や組織への愛着を育て、従業員エンゲージメントの向上につながります。日常的に感謝・称賛を伝え合う文化をつくることが、多くの企業で有効な取り組みとされています。

 

従業員エンゲージメントが低下する原因と有効な施策

従業員エンゲージメント向上施策は、前述の取り組みをすべて実施すればよいわけではありません。大切なのは、自社でエンゲージメントが低下している背景を捉え、課題に合った施策を選ぶことです。ここからは従業員エンゲージメントが低下する代表的な4つの課題と、優先候補となる施策の組み合わせを紹介します。

経営方針が伝わらず理念への共感が弱い場合

経営層が理念やビジョンを発信していても、従業員が自分の仕事とのつながりを感じられていなければ、組織への共感につながりにくくなります。「理念は知っているものの、普段の仕事では意識していない」という状況も見られます。

この場合に優先したいのは、「理念やビジョンの共有」です。加えて、理念に沿った行動を感謝・称賛の対象にする仕組みを組み合わせれば、理念を日常業務に結びつける機会を増やせます。

まずは従業員が「理念を知らない」のか「理解していても共感できていない」のかを見極めたうえで、次の対応を決めましょう。

承認や成長実感が乏しく離職につながる場合

努力や貢献が認められていない、今後の成長を描けないといった状況が続くと、仕事への意欲や会社への愛着が弱まります。ただし、承認不足と成長機会の不足では必要な施策が異なるため、原因を分けて考える必要があります。

承認に課題がある場合は「承認機会の定期化」や「感謝や貢献を共有するツール活用」が候補です。一方、将来のキャリアが見えないことが課題であれば、「キャリア支援と成長機会の提供」を優先します。

離職率だけを見て施策を決めるのではなく、1on1や退職者へのヒアリング、サーベイなどから背景を確認し、実際の課題に合う方法を選びましょう。

部署を越えた接点が少なく連携が弱い場合

業務が部署ごとに完結している組織では、他部署の役割や仕事が見えず、必要な場面でも相談や協力につながらない場合があります。拠点が分かれている企業やリモートワークを取り入れている組織でも、同様の課題が生じることがあります。

該当する場合は「社内コミュニケーションの活性化」を中心に、「感謝や貢献を共有するツール活用」なども候補になります。どちらも接点を増やす施策ですが、前者は業務上の交流、後者は互いの貢献を知る機会という役割があります。

施策を立案する際は、交流そのものを目的にせず、「どの部署同士の連携に課題があるのか」「何を共有できていないのか」まで明確にすることが重要です。

本部と現場のあいだにギャップがある場合

管理職から指示は届いていても、従業員の意見や悩みが管理職へ伝わらない職場では、双方の認識にずれが生じます。現場から「意見を伝えても変わらない」と受け止められるようになると、組織への参加意欲が弱まることもあります。

優先候補になるのは「上司との1on1ミーティング」や「心理的安全性のある職場づくり」です。1on1は対話の機会をつくる施策、心理的安全性は意見を伝えられる関係や職場環境を整える施策として役割を分けられます。

制度を設けるだけではなく、管理職自身の傾聴やフィードバックの姿勢に課題がないかもあわせて見ていきましょう。

 

従業員エンゲージメント向上施策の進め方

従業員エンゲージメント向上施策は、思いついた取り組みをそのまま始めるのではなく、目的や対象範囲、運用体制を決めてから進めることが大切です。ここでは、5つのステップで施策を進める手順を紹介します。

ステップ1:実施目的と対象範囲の設定

最初に、何のために従業員エンゲージメントを高めるのかを明確にします。離職率の改善、部署間コミュニケーションの促進、理念浸透など、解決したい課題によって選ぶ施策が変わるためです。

あわせて、全社で実施するのか、特定の部署や拠点から始めるのかといった対象範囲も決めます。課題が一部の部署に集中している場合は、対象を限定して試し、その結果を踏まえて範囲を広げる方法もあります。

目的の設定には、サーベイ結果や離職状況、1on1などで寄せられた声を活用できます。得られた情報をもとに組織課題を特定することで、どのような施策が効果的なのかが明確になります。

ステップ2:担当者と運用ルールの決定

目的と対象範囲が決まったら、施策を推進する担当者と運用ルールを決めます。誰が準備や周知を担当し、実施後の振り返りを誰が担うのかを明確にしておけば、担当の所在が曖昧になることを防げます。

担当者1人にすべてを集中させず、人事、管理職、現場の従業員など、必要に応じて複数の立場が関われる体制を整えましょう。現場の意見を取り入れることで、実際の業務にまっちした運用ルールを策定できます。

実施頻度や対象者、利用方法なども事前に決めます。ただし、ルールを増やしすぎると従業員の負担になるため、施策の目的を達成するために必要な範囲にとどめましょう。

ステップ3:従業員への目的共有

施策を始める前に、「なぜ取り組むのか」「どのような職場を目指しているのか」を従業員へ伝えます。目的を説明せずに制度やツールだけを導入すると、従業員から新たな負担として受け止められることがあります。

人事担当者からの説明に加え、経営層や管理職から取り組みの背景を伝えることも有効です。従業員に期待する参加方法や実際の利用場面まで共有すれば、施策の意図をより具体的に伝えられるでしょう。

また、一度説明して終了するのではなく、運用中にも目的を振り返る機会を設けることが大切です。新しく入社した従業員にも伝わるよう、社内資料や研修に施策の目的を組み込むのもおすすめです。

ステップ4:実施後の振り返り

施策を実施した後は、当初設定した目的に近づいているかを振り返ります。ツールの利用率や1on1の実施状況に加え、定期的にエンゲージメントサーベイを実施している場合は、施策実施前後の推移や部署ごとの違いも参考になります。

こうした数値は短期間で変化しない場合もあるため、従業員の行動や現場から寄せられた意見、社内のコミュニケーション頻度なども確認していきましょう。

また、参加率が低ければ、目的が十分に伝わっていない、利用方法に負担があるなど、運用面に原因がある場合もあります。結果だけでなく、その背景まで振り返ることが次の改善につながります。

ステップ5:継続運用に向けた改善と定着

振り返りで見つかった課題をもとに、施策の運用方法を改善します。たとえば参加率が低ければ周知方法や利用ルールを見直し、一部の部署に利用が偏っている場合は、その部署ごとの状況に応じた対応を検討します。

最初に決めたルールを守り続けること自体が目的ではありません。従業員の反応や働き方の変化を踏まえ、実施頻度や運用方法を見直すことも必要です。成果が出ている部分は残し、負担や課題が生じている部分を改善していきます。

従業員エンゲージメント向上のための取り組みは、一度施策を実施すればよいわけではありません。実施、振り返り、改善を繰り返しながら、日常業務や組織文化のなかに定着させていきましょう。

 

感謝・称賛を組織に広げるRECOG

RECOGは、従業員同士が感謝や称賛を「レター」として送り合える社内SNS型のサービスです。上司から部下への一方向の評価だけでなく、同僚同士や部署を越えて貢献を伝え合えるため、数値では表れにくい支援や協力にも光が当たります。

レターには、どのような行動を評価したのかが伝わる「バリューバッジ」を添えられます。行動指針をバッジとして設定すれば、理念やバリューと日々の称賛を結びつけられるため、「理念やビジョンを共有する」施策とも連動させられます。

送り合われた称賛は記録として残るため、施策実施後の振り返りの材料にもなります。サーベイのスコアとあわせて利用状況を見ることで、取り組みがどの程度定着しているかを確認できます。

自社の課題に合わせて感謝・称賛の仕組みを取り入れたい場合は、RECOGの活用もぜひご検討ください。

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従業員エンゲージメント向上施策に関するよくある質問

従業員エンゲージメント向上施策を検討する際は、効果が現れるまでの期間や費用、企業規模に関する疑問も出てきます。よくある3つの疑問についての回答をまとめます。

施策の効果はどのくらいの期間で出ますか?

従業員エンゲージメント向上施策の効果が現れるまでの期間は、取り組みの内容や組織が抱える課題によって異なります。そのため、「何か月で成果が出る」と一律に示すことはできません。

たとえば、1on1や感謝・称賛を伝える取り組みでは、会話量や従業員の反応などに比較的早い段階で変化が見られる場合があります。一方で、理念への共感や心理的安全性、組織文化などは、短期間で定着するものではありません。

施策ごとに確認したい変化をあらかじめ決め、利用状況や従業員の声、サーベイの推移などを継続して見ていきましょう。短期間の数値だけで成功・失敗を判断しないことも重要です。

向上施策にはどのくらいの費用がかかりますか?

従業員エンゲージメント向上施策にはさまざまな種類があり、一律の費用相場はありません。対象人数や取り組みの内容、外部サービス・ツールを利用するかどうかなどによって必要な費用は変わります。

日常的な声かけや、ミーティングで感謝・称賛を共有する取り組みであれば、大きな追加費用をかけずに始めることも可能です。一方、研修の実施や外部ツールの導入、福利厚生制度の拡充などには費用が発生します。

予算だけを基準に施策を選ぶのではなく、まず自社の課題と目的を明確にしましょう。そのうえで、導入費用だけでなく、運用に必要な時間や担当者の負担も含めて比較することがポイントです。

中小企業でも実施できる施策はありますか?

従業員エンゲージメント向上施策は、企業規模にかかわらず取り組めます。大規模な制度変更やツール導入だけが施策ではなく、日常のコミュニケーションや感謝・称賛の共有など、少ない費用から始められる方法もあります。

たとえば、経営層が理念や今後の方針を伝える機会を設けたり、上司と従業員が定期的に対話したりする方法があります。日頃の貢献に対して感謝を言葉にする習慣づくりも、特別な設備を必要としない取り組みの一つです。

最初から多くの施策を実施する必要はありません。改善したい課題を絞り、小規模に試したうえで従業員の反応を見ながら対象範囲を広げていく方法もあります。

 

まとめ | 従業員エンゲージメント向上施策は課題に合わせて選ぼう

従業員エンゲージメント向上施策では、取り組みの数を増やすことよりも、自社が抱える課題に合った方法を選ぶことが重要です。理念やビジョンの共有、1on1、キャリア支援、評価制度の整備、サーベイなど、施策によって解決を目指す課題は異なります。

まず実施目的と対象範囲を明確にし、担当者や運用ルールを決めたうえで取り組みを始めましょう。実施後は数値だけでなく従業員の反応や現場の変化も振り返り、必要に応じて運用方法を改善していくことが大切です。

なかでも、日常的な感謝や称賛を伝え合う仕組みは、普段見えにくい貢献を共有し、部署や立場を越えたコミュニケーションを生み出す方法の一つです。感謝・称賛を組織に広げる仕組みを検討している場合は、RECOGの活用もぜひご検討ください。

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