コラム

テレワークの課題とは?導入後に見えてきた問題点と企業が取るべき対策

テレワークの課題とは?導入後に見えてきた問題点と企業が取るべき対策

公開日: 2026.03.09
更新日: 2026.03.09

働く場所の自由度が高いテレワークは、通勤時間の削減やワークライフバランスの向上といった利点から、コロナ禍以降も定着しつつあります。一方で、テレワークを導入したものの、仕事のしづらさを課題に感じるケースは少なくありません。

 

本記事では、テレワークで起こる課題を整理し、具体的な解決策をご紹介します。テレワークに課題をお持ちの方、よりよい形で今後も継続していきたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

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テレワークで多くの企業が直面する代表的な課題

 

はじめに、テレワークで生じやすい課題を確認していきましょう。漠然と「テレワークではうまく仕事が進まない」と感じている方は、どの課題が当てはまるか考えながらご覧ください。

 

コミュニケーション不足・情報共有の課題

テレワークでは相手の状況が見えづらいため、何か相談したいと思っても「今は忙しいかもしれない」とタイミングを迷ったり、「わざわざ連絡するほどたいしたことでもないし…」と躊躇したりします。そのため、オフィスワークで自然に行なえていた些細な相談や雑談ができず、テレワークでは悩みを一人で抱え込んだり、情報の共有漏れが生じたりする課題があります。

 

また、メールやチャットのやり取りは、細かいニュアンスが伝わりにくく、認識のズレも多くなるでしょう。トラブル発生時など迅速な対応が求められる場面では、意思疎通や情報共有がうまくいかず、連携ミスが起こりやすい点もテレワークの課題といえます。

 

人材育成の課題

新入社員や異動してきたメンバーなど、誰かに仕事を教える機会は少なくないでしょう。オフィスワークでは実際にやって見せて、相手の反応を見ながら説明したり、疑問をその場で解消したりする教え方ができますが、テレワークではそのような対面のOJTができません。そのためテレワークでは、教えてもらっても十分に理解できず、習得まで時間がかかるといった課題が発生します。

 

特に、新入社員の場合は「先輩や上司と関係性ができていないため、質問があっても連絡しづらい」「何がわからないのかを言語化できず、メールや電話で質問できない」などの課題もあるでしょう。テレワークでは周囲も困っている様子に気づきにくいため、孤立感や不安にもつながります。

 

勤怠管理の課題

オフィスワークでは、出社から退社までが就業時間となるため、勤怠管理は比較的容易でしょう。しかしテレワークでは、始業・終業時間が自己申告となり、周囲の目が届かない環境になります。「隠れて残業する」「休憩を取らない」「無断で中抜けをする」といったテレワーク下の行動を把握しにくく、勤怠管理が難しいという課題があります。まわりが気づかないうちに、長時間労働につながる場合もあるでしょう。

 

一方、これらのテレワークの課題を解決しようと、パソコンの起動時間をチェックしたり、上司へのこまめな報告を義務づけたりすると、メンバーは「監視」と捉えかねません。組織への不信感が生まれたり、窮屈さからストレスを感じたりする課題も生じます。

 

労務管理の課題

テレワーク中のケガ・病気は、認定基準を満たせば労災の対象ですが、その基準を満たすかどうかの判断が課題になります。

 

テレワークで労災と認定されるには「組織の指示で、その業務を行なっていたこと(業務遂行性)」「ケガ・病気と、業務に因果関係があること(業務起因性)」の両方を満たす必要があります。たとえば「仕事の書類をポストに投函しに行く途中で交通事故にあった」場合は、労災として認定されやすいでしょう。しかし、「休憩中に夕食を作っていて火傷をした」ケースは、私的な行為中のケガと判断され、労災認定されにくくなります。

 

このように、テレワークでは業務と私的行為の線引きが曖昧になりやすいため、労災の判断が難しくなります。

 

人事評価の課題

多くの企業では、業務プロセスと成果をバランスよく人事評価の項目としているのではないでしょうか。オフィスワークの場合、たとえ成果に結びつかなかったとしても、前例にないチャレンジに取り組む姿勢や、積極的なチーム貢献などを把握できるため、プロセス面を適切に評価できます。

 

しかしテレワークでは、評価者がメンバーの仕事ぶりを直接見られないため、判断材料が成果に偏り、わかりやすい成果を出している人が評価されやすいという課題があります。成果の見えやすさは担当業務によっても差があるため、公平性の観点からも懸念が生じるでしょう。そのためテレワーク環境では、「テレワークに適した評価基準」を整備することが重要な課題となります。

 

情報セキュリティの課題

オフィスでは、外部からの攻撃や不正アクセス防止のための十分なセキュリティを施すことが可能です。しかしテレワークは、メンバー一人ひとりのインターネット環境が異なるため対策が難しく、安全性の確保が課題になります。

 

たとえば、テレワークで暗号化されていない公衆無線LANを利用してしまうと、通信内容が盗み見られたり、マルウェアに感染したりするリスクが高まります。マルウェアに感染した端末から社内ネットワークにアクセスすれば、情報漏えいの恐れもあるでしょう。

 

また異常が生じた際もオフィスなら迅速に対応できますが、テレワークでは通信の遮断や遠隔対応の難しさから対処に時間を要し、トラブルが深刻化するという課題もあります。

 

 

マネージャーとメンバーがテレワークで抱える課題

 

ここまで組織として直面するテレワークの問題点を解説してきましたが、立場によっても抱える課題は異なります。ここからは、テレワークで管理職とメンバーがそれぞれ感じる課題を見ていきましょう。

 

管理職の視点:チームをどうマネジメントすべきか

管理職が抱きやすいテレワークの課題は、次の3点です。

  • チームの進捗が見えづらい

  • 生産性や成果を適切に評価しづらい

  • メンバーのケアやフィードバックが難しい

テレワークでは、メンバーの状況をつかみにくいため、業務が順調に進んでいるか、必要なフォローが行き届いているかなど、オフィスワーク以上に配慮が求められます。

 

また、自身が評価者の立場にある場合は、メンバーの仕事ぶりをテレワークで正しく把握する難しさを課題に感じることも少なくありません。

 

現場メンバーの視点:孤立感や不安をどう解消するか

一方、メンバーが直面しやすいテレワークの課題は、次の3点です。

  • 上司や先輩からのフィードバックが少なく、モチベーションが低下する

  • 孤立感や不安を覚え、仕事のやりがいを喪失する

  • 社内での存在感が薄れる感覚を覚える

テレワークによるコミュニケーションの減少で、褒められることも指摘を受けることも少なくなり、スキルアップを実感しにくい傾向にあります。また、人間関係の希薄化から寂しさを感じたり、モチベーションが維持しづらくなったりする点もテレワークの課題です。

 

 

テレワークの課題に対して企業が取るべき対策

 

テレワークの課題を解決し、より働きやすい環境にするために、組織としてどのような対策ができるでしょうか。それぞれのテレワーク課題に対する具体的な解決策をご紹介します。

 

オンラインのコミュニケーションを増やす

テレワークでは、どうしてもコミュニケーション量が課題となるため、意識的に増やす取り組みが大切です。

 

オンラインでの朝礼やミーティングを増やす

テレワークの課題に対するひとつめの解決策は、オンラインで顔を合わせる機会を作ることです。たとえばオンラインで毎朝朝礼をすると、テレワーク特有の課題である孤立感が和らいだり、お互いの変化に気づきやすくなったりします。

 

また、テレワークで複雑な説明をする場合には、メールや電話ではなくミーティングを設定しましょう。表情からニュアンスを汲み取れ、質問がしやすくなるため、認識のズレの課題も解消できます。

 

コミュニケーションツールを導入する

コミュニケーション課題の解決策として、テレワークに適したツールの活用も効果的です。具体的には、テレワークでも気軽にやり取りができるビジネスチャットや、社内に広く・早く情報共有できる社内SNSなどが挙げられます。また、チャットやビデオ会議、社内掲示板など複数の機能が搭載されたグループウェアの導入も改善策のひとつです。

 

いずれのツールを選ぶ際も、直感的に操作できる使いやすさを重視することがポイントです。

 

情報共有ができるツールを導入する

テレワークでは、情報共有しやすい環境づくりも必要です。スケジュール管理ツールで会議や外出の予定を入力したり、タスク管理ツールで業務進捗を可視化したりすると、テレワークでも円滑に仕事を進められ、上司もタイムリーに状況を把握できます。また、予定や業務の立て込み具合がわかると、「今連絡してもいいかな」と悩む課題も解消できるでしょう。

 

さらに、クラウドストレージを活用すれば、データ容量を気にせず資料を共有できます。

 

人材育成の方法を工夫する

テレワークでは対面で反応を見ながら教えられない課題があるため、育成方法を工夫しましょう。

 

育成計画を立てる

テレワークの課題として「先輩を見て、必要なスキルや成長後の姿をイメージすることが難しい」点が挙げられます。そのため、テレワーク環境の人材育成では育成計画の作成が重要です。「×月×日までに○○のスキルを習得する」「×日までに○○の業務を一人でできるようにする」など、目標と期限を明確に設定しましょう。教えるべき内容が整理され効率的に育成できるのはもちろん、教わる側も目の前の目標に集中して、着実にステップアップできます。

 

定期的な1on1を実施する

テレワークでは、新入社員や若手従業員と週に1回面談を行ない、相談や質問に丁寧に対応しましょう。テレワークでも疑問や悩みをこまめに解消できるので業務が円滑に進むだけでなく、日々の仕事のなかでその場で聞きづらいことがあっても「1on1で相談できる」と安心感につながります。

 

特に新入社員は、テレワークでのモチベーション維持やメンタル面のフォローも課題になるため、1on1でじっくりと話を聞きましょう。

 

ナレッジ共有ツールやマニュアルを整備する

テレワークでは質問しても回答が返ってくるまでタイムラグが生じる場合もあるため、自分で疑問を解決できるようナレッジ共有ツールやマニュアルを整備しておきましょう。たとえば、社内SNSやクラウドストレージ内に、過去の企画書や営業の基本をまとめた資料、競合他社の情報などをアップすれば、テレワークで疑問や課題に直面したときに閲覧できます。また、業務フローや注意点を整理したマニュアルがあると、自己解決できることが多くなり、生産性も向上します。

 

勤怠管理ツールを導入する

テレワークにおける勤怠管理の課題に有効なのが、ツールの導入です。Webやアプリから「出勤」「退勤」ボタンを押すだけで就業時間を記録できるため、メンバーの手間削減はもちろん、上司も状況を一目で把握できます。また、残業時間のアラートを設定しておけば、テレワークにおける長時間労働の課題の改善策にもなります。

 

さらに管理部門は、ツールから必要なデータをダウンロードして集計・分析すればよいため、業務負荷の軽減も期待できるでしょう。

 

労災について社内で共通認識をもつ

テレワークでは、労災認定における判断の難しさが課題になるため、事前の対策が重要です。

 

労災となる状況を明確に周知する

あらかじめ、テレワーク下で労災と認められる状況をメンバーに説明しておきましょう。前述のとおり、テレワークで労災認定を受けるためには「業務中であったこと(業務遂行性)」「ケガ・病気と業務が密接に関係していること(業務起因性)」の2点を満たす必要があります。

 

就業時間内に起こった事故であっても、家事や育児、介護など業務と直接関係のない私的行為中のケガ・病気は労災として認められない可能性が高い点を強調して周知しましょう。

 

労災が発生したら状況を記録するよう周知する

もしもテレワーク中にケガをしたり、病気になったりした場合は、必ずその状況を記録しておくよう伝えます。オフィスワークでは周囲が状況を把握している場合もありますが、自宅でのテレワークは一人のケースも多いでしょう。「何をしているときに」「どこで」「何が起こったのか」を覚えているうちに詳細に記しておきます。

 

日々の就業時間や業務内容の記録が労災認定に役立つ場合もあるため、日報をつける習慣も大切です。

 

人事評価制度を見直す

テレワーク環境に合わせた人事評価制度の再設計も不可欠です。テレワークでは上司が様子を直接確認できないため、チームへの貢献が評価に反映されにくいという課題があります。そのためテレワークでは、目標達成や業績など成果ベースの評価に、メンバー同士の評価を組み合わせる解決策が有効です。360度評価や、メンバーがお互いに感謝・称賛し合う「サンクスカード」の内容を評価に加えることで、上司からは見えにくい活躍も適切に反映できます。

 

セキュリティリスクに対策する

安全にテレワークを行なううえで、万全のセキュリティ対策も大きな課題となります。

 

セキュリティ教育を実施する

テレワークでは、オフィスワーク以上に一人ひとりがセキュリティを意識する必要があります。正しい知識を身につけ、「リスクにつながる行動」と「万が一の際の対応」を理解することが、テレワークにおけるセキュリティ課題の対策となります。外部講師による研修やeラーニングの活用のほか、情報セキュリティの検定試験の受講推奨も効果的です。

 

また、インターネット上の脅威や課題は日々変化していくため、定期的に学び直しをしましょう。

 

技術的な対策を講じる

物理的なセキュリティ対策も課題の解決策になります。まず重要なのは、パソコンへのセキュリティソフトのインストールです。外部からの攻撃を防ぎ、テレワーク下のネット環境の安全性を高めます。

 

また、第三者が侵入できない仮想空間を経由して、社外から社内ネットワークに安全にアクセスする仕組み「VPN」の利用も有効です。テレワークを狙ったサイバー攻撃が課題になっている今、技術的な対策で安全性を強化しましょう。

 

テレワークでもエンゲージメントを向上させるポイント

 

テレワークでは組織への帰属意識が育たず、エンゲージメント低下の課題に悩むケースも見られます。離職につながりかねない課題でもあるため、ぜひ2つの解決策を実践してみてください。

 

理念を浸透させる

企業理念は、組織が大切にしている価値観や進むべき方向性を示すものです。理念が自分のなかでしっかり理解できると、日々の業務でもその理念に基づいた判断ができるようになり、「自分はこの組織の一員である」という実感が高まります。特にテレワークでは、社内の雰囲気や対面でのやり取りを通じて社風を感じられない課題があるため、明文化された理念を浸透させる取り組みが重要になります。

 

サンクスカード制度を導入する

サンクスカードとは、メンバー同士が互いの行動や気遣いに対して、感謝・称賛を送り合う仕組みです。自分のことを認めてくれる組織には誰しも愛着が湧き、モチベーションも高まります。そのため、帰属意識やエンゲージメントの向上には「ありがとう」を伝え合う習慣が効果的です。テレワークでは表情や言葉のニュアンスが伝わりにくいという課題があるため、サンクスカードによる感謝の可視化が不可欠になります。

 

 

まとめ

テレワークは、オフィスワークと勝手の異なる場面もあるため、仕事の進めづらさを課題に感じることもあるでしょう。一方で、「育児や介護と両立しやすい」「遠隔地でも働ける」など、テレワークは人材確保の経営課題を解決できるだけでなく、ワークライフバランス向上のメリットもあります。仕組みやツールで課題を一つひとつクリアにしていき、より働きやすい環境へと進化させていくことがテレワーク継続のポイントになります。

 

 

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