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オンボーディング施策とは?目的・メリット・具体的な進め方を事例付きで徹底解説

オンボーディング施策とは?目的・メリット・具体的な進め方を事例付きで徹底解説

公開日: 2026.02.27
更新日: 2026.02.27
「せっかく採用した新入社員が、半年も経たないうちに辞めてしまった」「中途社員がなかなか組織に馴染めず、本来の実力を発揮できていない」こうした悩みを抱える人事担当者やマネージャーは少なくないでしょう。

 

大卒新入社員の3年以内離職率が3割以上に達する今、入社後のフォロー体制を「仕組み」として整えることは企業にとって喫緊の課題です。その解決策として注目されているのが、オンボーディング施策にほかなりません。

 

本記事では、オンボーディング施策の基本的な意味や目的、実施するメリットに加え、フェーズ別の具体的な進め方や成功のポイント、よくある失敗パターンと回避策まで網羅的に解説します。自社の受け入れ体制を見直す際の参考にしてください。

 

 

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オンボーディング施策とは?基本の意味と新人研修との違い

まずはオンボーディングの基本的な意味を押さえましょう。従来の新人研修やOJTとの違い、注目が高まっている背景を理解すれば、自社に必要な施策の方向性が見えてきます。

 

オンボーディングの定義と語源

オンボーディング(on-boarding)とは、新しく組織に加わった社員が職場環境や業務に馴染み、早期に活躍できるよう組織全体でサポートする一連のプロセスを指します。「on-board(乗船・搭乗している状態)」が語源であり、新入社員が組織という"船"に乗り込んで航海を始めるイメージです。

 

対象は新卒社員だけに限りません。中途採用の若手から管理職クラスまで、組織に新たに参画するすべての人材がオンボーディングの対象となります。

 

新人研修・OJTとの違い

新人研修やOJTは「入社直後の数日〜数週間」で完結するケースが大半でしょう。一方、オンボーディングは入社前から半年〜1年にわたって継続的に実施される点が大きな違いです。

 

また、新人研修が業務知識やビジネスマナーの習得を主な目的とするのに対し、オンボーディングは企業文化の理解や人間関係の構築、キャリアビジョンの共有まで幅広くカバーします。教育担当者だけでなく、上司・同僚・経営層を含む組織全体で取り組む仕組みである点も特徴的でしょう。

 

なぜ今オンボーディングが注目されているのか

オンボーディングへの関心が高まっている背景には、早期離職の深刻化があります。厚生労働省が2024年10月に公表したデータによると、2021年3月に大学を卒業して就職した人の3年以内離職率は34.9%に達しました。高卒では38.4%とさらに高い水準です。

※出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」

 

注目すべきは、従業員1,000人以上の大企業でも早期離職率が28.2%と過去最高を記録している点です。企業規模を問わず、入社後のフォロー体制の見直しが急務となっています。

 

価値観の多様化やリモートワークの普及により、従来型の画一的な研修だけでは新入社員の不安を解消しきれない状況が生まれました。こうした変化に対応するため、継続的かつ包括的なサポート手法であるオンボーディングの重要性がますます高まっているのです。

 

 

オンボーディング施策の3つの目的

オンボーディングを導入する企業が増えていますが、その目的を正しく理解しなければ施策の方向性がぶれてしまいます。ここでは、オンボーディングが果たす3つの主要な目的を整理します。

 

早期離職の防止

オンボーディングの最大の目的は、入社後の早期離職を食い止めることにあります。新入社員は慣れない環境の中で孤独感や不安を抱えやすく、相談相手が見つからないまま離職を決断してしまうケースも珍しくありません。

 

組織全体で新入社員を受け入れ、定期的な面談やコミュニケーションの機会を設ける仕組みがあれば、こうした「見えない離職リスク」を早期に察知して対処できるでしょう。

 

新入社員・中途社員の早期戦力化

二つ目の目的は、入社した社員が本来の実力を発揮するまでの期間を短縮させることです。業務知識だけでなく、社内のルールやツールの使い方、暗黙知として共有されている仕事の進め方まで体系的に伝える仕組みを整えれば、戦力化のスピードは格段に上がります。

 

とりわけ中途採用の社員は、前職でのスキルを持ちながらも社内独自のシステムに慣れるまでに時間がかかりがちです。オンボーディングによってその適応期間を縮められれば、組織全体のパフォーマンス向上に直結します。

 

人材育成の質の安定化

三つ目の目的は、育成品質のばらつきを抑えることです。オンボーディングが制度化されていない企業では、配属先の上司や先輩の力量によって新入社員の成長スピードに大きな差が生まれてしまいます。

 

人事部が中心となって体系的なプログラムを設計すれば、すべての新入社員に一定水準以上の教育機会を提供できるようになるでしょう。

 

 

オンボーディング施策を実施する5つのメリット

オンボーディングは新入社員だけでなく、既存社員や組織全体にもプラスの影響をもたらします。ここでは代表的な5つのメリットを確認しましょう。

 

社員の定着率が向上する

オンボーディングを通じて職場の人間関係が早い段階で構築されると、新入社員の孤独感や不安が大幅に軽減されます。「この組織に居場所がある」と実感できる環境は、定着率の向上に直結するでしょう。

 

採用・教育コストを削減できる

社員1人あたりの採用コストは年々増加傾向にあり、早期離職が発生すればその投資が水の泡になりかねません。定着率が高まれば、採用活動にかかる人件費や広告費、再研修のコストを大幅に抑えられます。

 

組織全体の生産性が高まる

新入社員の戦力化が早まると、指導にあたっていた既存社員も本来の業務に集中できるようになります。チーム内の連携もスムーズになるため、組織全体の生産性が底上げされるのは大きな利点です。

 

従業員エンゲージメントが向上する

オンボーディングは新入社員だけの施策ではありません。受け入れる側の既存社員も、新たなメンバーを迎える過程で自社の理念や業務を再確認する機会を得られます。社員同士のコミュニケーションが増え、企業や仕事に対する前向きな感情が生まれやすくなるでしょう。

 

企業ブランド・採用力が強化される

手厚いオンボーディングを実施している企業は、口コミサイトや採用市場でポジティブな評価を得やすい傾向があります。「社員を大切にする会社」というブランドイメージは、優秀な人材の獲得にもつながる重要な競争優位です。

 

 

オンボーディング施策の具体例【フェーズ別ロードマップ】

オンボーディングは一度きりのイベントではなく、時間軸に沿って段階的に進めるプロセスです。ここでは入社前から半年以降までを4つのフェーズに分けて、それぞれの具体的な施策を紹介します。

 

入社前(プレボーディング)の施策

入社前のフォローは、内定辞退の防止と入社初日のスムーズなスタートの両面で重要な役割を果たします。

 

具体的には、内定者向けの社内報や会社紹介動画の配信、歓迎キット(ノベルティや社員からのメッセージカード)の送付などが効果的です。入社前面談を実施して、配属先の情報や初日のスケジュールを事前に伝えておくと、入社時の不安を大幅に軽減できるでしょう。

 

入社初日〜1週間の施策

入社初日の印象はその後の定着を大きく左右します。事務手続きだけで終わらせるのではなく、歓迎の気持ちが伝わる演出を心がけましょう。

 

主な施策としては、チーム全員での歓迎ランチ、社内ツアー、自己紹介の場の設定、バディ(メンター)のアサインなどが挙げられます。バディ制度は、業務上の質問だけでなく、日常のちょっとした悩みも気軽に相談できる窓口になるため、心理的安全性の確保に大きく貢献するでしょう。

 

入社1ヶ月〜3ヶ月の施策

入社から1ヶ月が経過すると、業務への慣れと同時に理想と現実のギャップ(リアリティショック)を感じやすい時期に入ります。

 

この時期に有効なのが、上司との定期的な1on1ミーティングです。週1回・15〜30分程度でも、業務の進捗確認と合わせて本人の悩みや不安をヒアリングする場を設ければ、問題の早期発見につながります。部門横断のランチ会やワークショップを開催して、配属先以外の社員との接点を増やすことも効果的です。

 

また、3ヶ月目の節目では業務目標の到達度を振り返るレビュー面談を実施し、本人と上司の認識をすり合わせましょう。

 

入社3ヶ月〜6ヶ月以降の施策

入社から3ヶ月以上が経過すると、オンボーディングの「卒業」に向けた仕上げの段階に入ります。

 

中間振り返り面談を通じてこれまでの成長を言語化し、今後のキャリアプランを一緒に描く機会を設けるとよいでしょう。上司だけでなく同僚からも360度フィードバックを受ける仕組みがあれば、本人の強みと課題が多角的に明らかになります。

 

 

オンボーディングを成功させる5つのポイント

施策の内容を整えても、運用の仕方を誤れば十分な効果は得られません。ここでは、オンボーディングを確実に成功へ導くために押さえておきたい5つのポイントを紹介します。

 

「4つのC」フレームワークを活用する

オンボーディングの設計指針として広く知られているのが「4つのC」フレームワークです。

  • Compliance(コンプライアンス):就業規則や社内ルール、法令に関する基礎知識の共有
  • Clarification(クラリフィケーション):役割・期待値・業務目標の明確化
  • Culture(カルチャー):企業理念やミッション、社風の浸透
  • Connection(コネクション):上司・同僚・他部門との人間関係の構築

4つの要素をバランスよく施策に盛り込めば、単なる業務習得にとどまらない「組織への適応」を実現できるでしょう。

 

現場・人事・経営層が一体となって取り組む

オンボーディングを人事部だけの施策にしてしまうと、現場との温度差が生まれがちです。受け入れ部署のマネージャーが主体的にかかわり、経営層がオンボーディングの重要性をメッセージとして発信する体制を築きましょう。

 

三者が連携して初めて、「会社全体で新入社員を支えている」という安心感を届けられます。

 

KPIを設定して効果を測定する

オンボーディングの効果は「なんとなく良くなった気がする」で終わらせず、定量的に測定することが大切です。主な指標としては以下のようなものが考えられます。

  • 入社3ヶ月・6ヶ月・1年時点での定着率
  • エンゲージメントサーベイのスコア
  • 1on1の実施率
  • 新入社員の業務パフォーマンス評価
  • 新入社員向けアンケートの満足度スコア

数値をもとにPDCAを回し、年度ごとにプログラムの精度を高めていく姿勢が不可欠です。

 

称賛・感謝の文化を仕組みで醸成する

新入社員にとって、自分の仕事が認められていると感じられる体験は、定着とモチベーション維持の強力な要因になります。しかし、日常業務に追われる中で口頭の称賛だけに頼ると、どうしても機会が限られてしまうでしょう。

 

称賛や感謝を「仕組み」として組織に根付かせるためには、サンクスカードや社内SNS、称賛アプリといったツールの導入が効果的です。ツールを活用すれば、部署や拠点を越えて感謝のメッセージを届けられるうえ、誰がどのような場面で活躍しているのかを組織全体で可視化できます。

 

振り返りと改善を繰り返す

どれほど綿密にプログラムを設計しても、最初から完璧なオンボーディングは存在しません。施策実施後には必ず振り返りの場を設け、新入社員・既存社員の双方からフィードバックを収集しましょう。

 

寄せられた声をデータとして蓄積し、次回以降のプログラムに反映させる改善サイクルを確立すれば、オンボーディングの質は年々高まっていきます。

 

 

オンボーディング施策でよくある失敗パターンと回避策

せっかくオンボーディングを導入しても、設計や運用に問題があれば期待した成果は上がりません。ここでは多くの企業が陥りがちな3つの失敗パターンと、その回避策を解説します。

 

現場任せで属人化してしまう

オンボーディングの設計を現場の裁量だけに委ねてしまうと、配属先によって教育の質に大きなばらつきが生じます。上司の異動や退職によってノウハウが失われるリスクも見逃せません。

 

回避策としては、人事部主導でガイドラインやチェックリストを整備し、どの部署でも一定品質のオンボーディングが提供される仕組みを作ることが重要です。

 

入社直後だけで終わってしまう

入社1週間のオリエンテーションだけで「オンボーディング完了」としてしまう企業は少なくないでしょう。しかし、それほど短期間で自走できる状態になるのは難しいのが実情です。少なくとも6ヶ月、理想的には1年間にわたるフォローアップ体制を構築し、節目ごとに振り返りの機会を設けましょう。

 

中途社員への施策が手薄になる

「経験者だから大丈夫だろう」と中途社員へのオンボーディングを省略してしまうのも、ありがちな失敗パターンです。いくら豊富な業界経験を持つ人材であっても、自社固有のシステムや文化への適応には時間がかかります。

 

中途社員向けには、業務スキルの研修よりも社内人脈の構築支援や企業文化の共有を重点的に盛り込んだプログラムを設計すると効果的でしょう。

 

 

ツールを活用してオンボーディングの質を高めよう

オンボーディングの効果を最大化するには、制度設計だけでなく、それを支えるツールの導入も重要な要素です。とくにコミュニケーションの活性化や称賛文化の醸成において、デジタルツールは大きな力を発揮します。

 

オンボーディングの成功には、日常的なコミュニケーションの活性化が欠かせません。とりわけリモートワークやハイブリッド勤務が普及した現在では、対面の機会が限られるぶん、デジタルツールの活用が重要な鍵を握ります。

 

社内チャットツールに加え、称賛・感謝を可視化する専用ツールを導入する企業が増えています。こうしたツールは新入社員の活躍を組織全体で共有する仕組みとして機能し、「自分はこの組織に貢献できている」という実感をもたらしてくれるでしょう。

 

チームワークアプリ「RECOG」でオンボーディングを加速させる

オンボーディングにおけるコミュニケーション課題を解決するツールとして注目されているのが、チームワークアプリ「RECOG」です。

 

RECOGは職場の仲間に感謝や称賛の「レター」を贈り合い、社内にポジティブな雰囲気を生みます。普段は気づかれにくい日々の頑張りがレターとして記録・共有されるため、新入社員の小さな成果にもスポットライトが当たります。

 

各メンバーが贈ったレターの集計データをもとに、チーム全体の活性度も分析可能です。オンボーディング期間中のチームの状態をリアルタイムでモニタリングでき、フォローが必要なタイミングを見逃しません。

 

仲間との前向きなコミュニケーションが日常化し、新入社員が「自分はこの組織の一員として認められている」と感じられる環境が生まれます。また、活躍の実感と強みの自覚によって自信が深まり、日々の業務に対する意欲が自然と高まっていくでしょう。

 

RECOGの詳細は以下の資料で紹介しているので、ぜひダウンロードしてみてください。

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まとめ

オンボーディング施策は、新入社員の早期離職を防ぎ、組織への適応と戦力化を加速させるために不可欠な取り組みです。入社前のプレボーディングから半年〜1年にわたるフォローアップまで、フェーズごとに適切な施策を設計・実行することが成功の鍵となるでしょう。

 

「入社後の研修を充実させれば十分」という時代はすでに終わりを迎えています。「4つのC」フレームワークの活用、KPIの設定と効果測定、そして称賛文化の醸成を三本柱として、組織全体でオンボーディングに取り組んでいきましょう。

 

なかでも、称賛・感謝の文化を「仕組み」として根付かせる手段として、チームワークアプリ「RECOG」の活用は効果的です。レター機能やスタンプ機能を通じて新入社員の活躍を可視化し、チーム全体のエンゲージメントを高めてみてはいかがでしょうか。

 

 

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