コラム

AI活用で人事業務に変革を!活用シーンやツールを紹介

AI活用で人事業務に変革を!活用シーンやツールを紹介

公開日: 2025.11.18
更新日: 2025.11.18

人材不足が深刻化する中、人事部門の業務負担は年々増加しています。採用競争の激化、働き方の多様化、従業員エンゲージメントの重要性の高まりなど、人事が対応すべき課題は複雑化の一途をたどっています。

 

このような状況下で注目を集めているのが、AI(人工知能)を活用した人事業務の変革です。

 

本記事では、人事業務が抱える課題からAI活用のメリット、具体的な活用シーン、そして実際に導入できるツールまで、包括的に解説していきます。


 

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従来の人事業務が抱える5つの課題

AI導入の背景には、人事業務が直面する根深い課題が存在します。まずは、多くの企業で共通する5つの課題を見ていきましょう。

 

複数のルーティンワークによるコア業務の圧迫

給与計算、勤怠管理、入退社手続き、社会保険関連の書類作成など、人事業務には多くのルーティンワークが存在します。これらの業務は正確性が求められる一方で、定型的な業務であり、なおかつ多くの時間が必要です。

 

ルーティンワークの増加に伴ない、人事担当者が本来注力すべき組織開発や人材育成などの戦略的な業務を圧迫している状況です。

 

また、特に人手不足が顕著な中小企業では、少人数の人事担当者がすべての業務を担当せざるを得ず、業務過多による疲弊やミスの発生リスクが高まっています。

 

採用活動における工数とミスマッチ

採用活動は人事業務の中でも特に工数がかかる領域です。求人票の作成から応募者管理、書類選考、面接日程調整、合否連絡まで、一連のプロセスには膨大な時間と労力が必要です。特に応募者が多い場合、書類選考だけでも膨大な時間がかかるでしょう。

 

さらに深刻なのは、せっかく採用した人材が早期離職してしまうミスマッチの問題です。従来の選考方法では、候補者のスキルや経験は把握できても、組織文化との適合性や潜在的な能力まで見極めることは困難でした。結果として、入社後のギャップによる早期離職が発生し、採用コストの無駄と組織の生産性低下を招きかねません。

 

適切な人材配置・育成が困難

従業員のスキル、経験、キャリア志向、適性などを正確に把握し、最適な部署やプロジェクトに配置することは、タレントマネジメントの理想です。しかし、多くの企業ではこれらの情報がデータとして一元管理されておらず、上司や人事担当者の勘・経験に依存した配置が行なわれ、従業員のポテンシャルを最大限に活かしきれていないケースが散見されます。

 

また育成計画においても、画一的な研修プログラムの提供にとどまり、個々の特性やニーズに応じてパーソナライズされた育成計画はできていない企業は少なくありません。そのため、一人ひとりにマッチした育成ができずに成長機会が失われてしまう従業員が増えていっています。

 

人事評価の属人化と不公平感

人事評価制度は、従業員のモチベーションと組織の成長に直接影響する重要な仕組みです。しかし、多くの企業では評価者の主観や個人的な感情が入り込みやすく、評価の公平性に疑問を持つ従業員が少なくありません。

 

評価基準が曖昧であったり、評価者によって判断基準が異なったりすることで、従業員間に不公平感が生まれます。このような状況は、優秀な人材の離職や組織全体のモチベーション低下につながり、生産性の低下を招く要因となっています。

 

従業員エンゲージメントの低下と離職予兆の把握

従業員エンゲージメントの低下は、現代の人事管理における重要な課題の一つです。エンゲージメントが低い状態が続くと、生産性の低下、離職率の上昇、企業文化の劣化など、さまざまな悪影響が生じます。

 

従来の方法では、年に1〜2回の従業員満足度調査や上司との面談に頼っていましたが、これでは日々変化する従業員の心理状態をリアルタイムで把握することは難しいでしょう。その結果、従業員が不満を抱えていても気づけず、離職の兆候を察知したときにはすでに手遅れという事態も起こりがちです。


 

AIが人事業務にもたらすメリット

前述したような課題に対し、AIは強力な解決策になると期待されています。AIを人事業務に導入することで得られる主なメリットを5つ紹介します。

 

業務効率化と工数削減

AIの最も直接的なメリットは、ルーティンワークの自動化による業務効率化です。書類選考の自動化、勤怠データの自動集計、給与の自動計算など、これまで人手で行っていた業務をAIが代替できれば、人事担当者の作業時間を大幅に削減できます。

 

たとえば、応募書類のスクリーニングにAIを活用すれば、数百件の履歴書を数分で処理・分析し、要件に合致する候補者を抽出できます。人事担当者は候補者との直接的なコミュニケーションや、より戦略的な採用活動に時間を割くことが可能になるでしょう。

 

データドリブンな意思決定

AIは膨大なデータを分析し、人間では見つけられないパターンや相関関係を発見できます。過去の採用データ、パフォーマンスデータ、離職データなどを総合的に分析できるため、より精度の高い予測と意思決定が可能になります。

 

たとえば、活躍している従業員の特性を分析して採用時の判断材料とすることで、ミスマッチの軽減が期待できます。また、組織内の理想と現状を分析してスキルギャップを可視化することで、適切な人材育成施策の立案も可能です。

 

人事判断の公平性と透明性の向上

AIは人事判断の分野でも効果的です。AIは事前に設定された客観的な基準に基づいて評価を行なうため、評価者の主観や偏見を排除できます。そのため、より公平で透明性の高い人事評価が実現するでしょう。

 

また、AIは評価プロセスを可視化し、なぜその評価になったのかを説明する際にも役立ちます。従業員は自身の評価に対する根拠を理解できるだけでなく、改善すべき点が明確になるため納得感のある評価制度を構築できます。

 

優秀な人材の確保

AIの活用によって、精度の高い人材マッチングが可能になります。候補者のスキル、経験、性格特性、価値観などを多角的に分析し、組織文化との適合性を予測できます。

 

さらに、AIは過去の採用成功事例を学習し、成功確率の高い候補者を特定することも可能です。したがって、採用の質が向上して早期離職のリスクを低減できるでしょう。

 

また、AIの活用で納得感のある人事評価が適切な人材育成ができるようになれば、従業員にとって魅力的な職場を構築できます。結果として優秀な人材が定着しやすくなり、自社の成長へとつながっていきます。

 

従業員エクスペリエンスの向上

AIチャットボットによる24時間365日の問い合わせ対応、パーソナライズされた学習コンテンツの提供、キャリアパスの可視化など、AIは従業員エクスペリエンス(従業員体験)を大きく向上させます。

 

従業員は必要な情報に即座にアクセスでき、自身の成長に必要なリソースを容易に見つけられます。このような環境は従業員の自律的な成長を促進し、エンゲージメントの向上につながっていくでしょう。


 

人事業務におけるAIの具体的な活用シーン

AIは人事業務のあらゆるフェーズで活用が始まっています。具体的な活用シーンを見ていきましょう。

 

採用・選考

採用プロセスにおけるAI活用は、実用化が進んでいる領域の一つです。求人票の自動作成から始まり、応募者の書類選考、適性検査の実施、面接日程の自動調整まで、採用プロセス全体をAIがサポートします。

 

近年注目されているのがAI面接です。AIが面接官となって一次面接に対応するため、人事担当者の工数軽減が期待できます。さらに候補者の表情、声のトーン、回答内容を総合的に分析し、コミュニケーション能力やストレス耐性などを評価することで、面接官の主観に左右されない客観的な評価が可能になるでしょう。

 

人材の配置・育成

AIは組織内の人材データを分析し、最適な人材配置を提案します。各従業員のスキルや経験、パフォーマンス履歴、キャリア志向などから、最適なプロジェクトや部署への配置を提案します。

 

育成面では、個々の従業員の学習履歴やキャリア目標などから、一人ひとりにパーソナライズされた学習プログラムを提供します。効果が出にくかった画一的な研修から脱却し、各従業員の成長を最大化する育成の体制を築けるでしょう。

 

問い合わせ対応

社内からの人事関連の問い合わせは、人事部門における業務負荷の大きな要因です。たとえば給与明細の見方、有給休暇の申請方法、各種手続きの方法など、日々寄せられる定型的な質問は後を絶ちません。

 

しかしAIチャットボットを導入すれば、これらの問い合わせに24時間365日自動で対応できます。従業員は必要な情報を即座に得られ、人事担当者はコア業務に集中できるようになるという、社内にとって多くのメリットが期待できます。

 

タレントマネジメント、離職防止

AIが従業員一人ひとりのスキルや経験などを分析したデータは、採用戦略や育成計画の参考にできます。個人が最も活躍できる職種やプロジェクトに配置したり、自社に必要なスキルを持つ人材を採用したりできるため、組織体制を強化できるでしょう。

 

また、AIは従業員のパフォーマンスデータや勤怠データ、エンゲージメント調査結果などを継続的に分析し、離職リスクの高い従業員を早期に特定します。早い段階でフォローアップできるようになるため、優秀な人材の流出を防ぐことにもつながります。

 

人事評価

AIは、360度評価データ、目標達成率、日常のパフォーマンスデータなどを総合的に分析できます。これらのデータを活用すると、公平で透明性の高い人事評価が実現します。

 

評価の根拠が明確になるため、従業員の納得感が高まり具体的な改善点も明確になる点もメリットです。また、AIがデータをモニタリングしていくため継続的なフィードバックができるようになり、年次評価だけでなく日常的なパフォーマンス管理も可能になります。

 

労務管理

勤怠管理、給与計算、社会保険手続きなどの労務管理業務は、AIによる自動化の効果が特に期待できる領域です。

 

業務効率化だけでなく、AIが勤怠データの異常を検知して長時間労働の予兆を察知したり、処理漏れの申請書類にアラートを出したりする使い方も可能です。また、法改正への対応や複雑な給与計算も自動で処理し、ミスのリスクを大幅に削減します。

 

従業員エンゲージメント管理

パルスサーベイ(短期間での頻繁な調査)とAI分析を組み合わせることで、従業員のエンゲージメント状態をリアルタイムで把握できます。AIは選択式の設問のほか、自由記述欄のテキストも分析できるため、従業員のネガティブな感情や業務負荷の現状などを可視化できるでしょう。

 

また、AIは調査結果から改善すべき領域を特定し、具体的な施策の提案も可能です。組織の課題を早期発見により、生産性や離職率などに影響が出る前に対策を講じられます。


 

【領域別】AI活用で人事業務を効率化するツール

現在、多くの人事関連ツールがAI機能を搭載し、業務の高度化を支援しています。ここでは代表的なツールを領域別に紹介します。

 

採用管理システム(ATS)

採用業務の入り口である母集団管理や選考プロセスをAIで効率化できるツールを紹介します。

 

HRMOS採用

HRMOS採用は、ビズリーチが提供する採用管理システムです。求人票の作成から応募者管理、選考プロセスの管理まで、採用業務全体を一元化できます。複数の求人媒体との連携も可能で、応募者情報を一元管理できる点が特徴です。搭載されたAIが魅力的な求人票を作成してくれるため、採用活動の効率化を図れます。

 

PERSONA

PERSONAは、AIを活用した採用支援ツールです。求職者の行動データや興味関心を分析し、自社にマッチする可能性の高い候補者を特定します。AIによる分析機能が優れており、各候補者に合わせて面接での質問内容や内定承諾のためのコミュニケーション方法などを提案してくれます。

 

タレントマネジメント、人事評価ツール

社員のスキルや評価を一元管理し、AIが配置や育成、評価を支援するツールを見ていきましょう。

 

カオナビ

カオナビは、顔写真を中心とした直感的なインターフェースが特徴のタレントマネジメントシステムです。従業員のスキルや経験、評価履歴などを一元管理し、戦略的な人材配置を支援します。収集したデータのAIによるポジティブ・ネガティブ分析を基に、組織の現状や従業員の本音の分析が可能です。

 

HRBrain

HRBrainは、人事評価からタレントマネジメントまで幅広くカバーする統合型人事システムです。OKR管理機能により、組織目標と個人目標の連携を実現します。360度評価の収集・分析や社内問い合わせ対応などの機能にAIが使われており、幅広い人事業務の自動化が実現します。

 

エンゲージメント管理・組織サーベイツール

次は、AIがサーベイ結果を分析して組織の課題を可視化できるツールを挙げていきます。

 

Wevox

Wevoxは、パルスサーベイに特化したエンゲージメント管理ツールです。週次や月次での短いアンケートを実施し、従業員の状態変化をリアルタイムで把握できます。収集されたデータはAIが分析し、組織と個人それぞれの状態や課題を可視化してネクストアクションの示唆を得られます。

 

モチベーションクラウド

モチベーションクラウドは、リンクアンドモチベーションが提供する組織診断ツールです。独自の組織診断技術により、組織の状態を多角的に分析します。人事のプロの知見を取り入れたAIが組織課題に合わせたアクションプランを提案。さらにAIチャットで会話形式でも相談できるため、人事担当者の不安に寄り添います。

 

AI面接・適性検査ツール

AIが面接を代行し、客観的な基準で候補者の特性やポテンシャルを分析するツールを紹介します。

 

SHaiN

SHaiNは、AI面接に特化したツールです。事前に設定した質問に沿ってAIが対話形式でWeb面接を行ない、面接評価レポートを作成します。Web面接を通じて候補者の表情、声のトーン、回答内容を分析し、コミュニケーション能力や性格特性が可視化されます。

 

アッテル適性検査

10万人のデータと特許技術により開発されたAI適性検査ツール。既存データとAIを活用して個人の活躍可能性を導き出し、採用の判断を後押しします。既存従業員の配置転換の際にも活躍可能性を参考にできるため、組織全体の生産性向上が叶うでしょう。

 

AIチャットボット(社内問い合わせ対応)

AIが人事部への定型的な問い合わせに自動回答してくれるツールには、以下のようなものがあります。

 

HiTTO

HiTTOは、人事・総務領域に特化したAIチャットボットです。給与、勤怠、福利厚生などの問い合わせに24時間自動対応し、人事部門の問い合わせ対応業務を大幅に削減します。100万以上のデータを学習したAIだからこそ、人事領域だけでなく営業や広報などの情報管理もできるのが強みです。

 

HRBrain AIチャットボット

HRBrain AIチャットボットは、HRBrainシステムと連携したチャットボットサービスです。各種ファイル添付や他チャットツールとの連携も可能なため、従業員が必要な情報にすぐにアクセスできます。


 

AIを搭載したチームワークアプリ「RECOG」

RECOGは、感謝・称賛をレターで贈り合い、組織内のコミュニケーション活性化や称賛文化醸成を実現できるチームワークアプリです。

 

AIがレター作成をサポートしたり、データを分析して組織状態を可視化したりできる機能が搭載されています。従業員同士のコミュニケーションだけでなく、離職率改善やエンゲージメント向上に取り組んでいる方は、ぜひ資料をダウンロードしてお役立てください。

 

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まとめ

AI技術の進化により、人事業務は大きな変革期を迎えています。ルーティンワークの自動化による業務効率化はもちろん、データドリブンな意思決定、公平性の高い評価制度、そして従業員エクスペリエンスの向上まで、AIがもたらす価値は多岐にわたります。

 

ただし重要なのは、AIを「人事担当者を置き換えるもの」ではなく、「人事担当者を支援し、より戦略的な業務に集中できるようにするツール」として捉えることです。人事業務を効率化したことにより創出されたリソースで、従業員との対話、組織文化の醸成、戦略的な人材開発など、人間にしかできない価値の高い業務に注力しましょう。

 

RECOGは、AIによる効率化と人間による温かみを兼ね備えたアプローチが可能です。ぜひ一度お問い合わせください。

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