当社では社員満足度の向上を目標として掲げており、毎年実施している社員満足度調査から、組織としての3つの改善余地が明らかになりました。
1点目は、情報共有における改善の余地です。社長の経営戦略や上層部の今後の展望については、会議後に管理職が部下へ伝達する仕組みを整えていますが、伝え方や重点を置く内容に違いが生じる場合、情報の受け手による解釈が異なる可能性がありました。そのため、一部の社員からは、情報をよりスムーズにタイムリーに共有できる仕組みへの期待が寄せられていました。
2点目は、横のコミュニケーションを一層強化する必要性です。当社では近年、新規事業であるロボットSI事業への参入や、M&Aを通じたグループ会社の増加もあり、価値観や文化の異なる人々を多く受け入れ、これまでのコミュニケーションのあり方を見直す必要が高まってきました。このような状況を踏まえ、部門間のスムーズな連携や情報共有をさらに促進することで、多様な視点を生かした全社一体の協働を進めていくことが重要と考えています。
最後に3点目として、心理的安全性の醸成です。当社では、社員一人ひとりが「頑張ったことが正当に評価され、報われる」と感じられる、そんな組織文化を築くことを目指しています。このような文化は、社員一人ひとりのモチベーションを高め、チームの信頼関係を強化することで、主体的な行動を生み出し、全体としての生産性向上にもつながると考えています。そのため、日々の取り組みや成果をしっかりと認め合い、共有できる仕組みづくりに力を入れています。
サンクスカード自体は以前から社内で取り組んでいた施策でした。ただ、時間の経過とともに取り組みの勢いが失われており、経営企画室がExcelでの管理と出力作業に追われるなど、運用面での負担も大きくなっていました。また、1対1の限られたやりとりでは、社員の優れた取り組みや成果を組織全体で共有することができず、良い行動を全社的に波及させることが難しい状況でした。
そこで検討したのが、デジタルツールの活用です。複数の社内SNSを比較検討した結果、RECOGは当社のニーズに最も適したサービスとして選定しました。セキュリティがしっかりしていながら、個人のスマートフォンからアクセスできる手軽さや、メールアドレスの有無に関係なく利用できる点が、現場の実態に即していました。
他の社内SNSツールでは、メールアドレスが必須だったり、スマートフォンアプリに対応していなかったりと、全社展開を進める上で制約となる場合がありました。一方、RECOGはこれらの課題を解消し、現場の実態に即した柔軟な運用が可能な点が評価されました。
導入後、初回ログイン率は80~90%と高い参加率を実現し、多くの社員に活用されています。社長はコラムを通じて経営方針や展望を全社員に直接伝える場として活用しており、新入社員の紹介や社内ラジオ形式でのインタビューといったコンテンツも提供することで、Web社内報としての役割も果たしています。また、定期的なリマインド機能の活用により、継続的な利用が促進されています。
現在は主にサンクスカードや掲示板の機能が活用されていますが、今後は投稿フィード機能をさらに活用し、より活発な双方向のコミュニケーションを実現することを目指しています。この取り組みにより、会社の動きや方針がよりタイムリーに全社員へ届くようになり、RECOGとしても、会社全体としても新たな成長フェーズへと進んでいきたいと考えています。