コラム

2024.07.03
2024.07.03

チームワークの大切さとは?高める方法や仕事への影響など簡単に解説

 ▼ 目次
チームワークとは、簡単に言えば「1つの目標を目指して、複数人で協働すること」です。チームのメンバーが力を合わせることで、一人では成し得ないような大きな成果を上げることができます。企業にはさまざまな人材が集まり、ともに仕事をしているからこそ、従業員の協力関係は不可欠です。
しかし、チームワークの大切さを頭では理解していても「実際にチームワークの良い職場をつくるのは難しい」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、チームを高める具体的な方法やポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
 

チームワークの意味とは?

 
チームワーク(teamwork)とは、日本語に直訳すると「集団で行なう作業」のこと。共通目標に向かって、複数人が協力して作業・行動することを指します。どれだけ優秀な人であっても、一人の力だけで乗り越えられることには限界があります。それは、個人が持つ「時間」「経験」「能力」に限りがあるためです。時間については言わずもがな、経験に関してもこれまでの経歴は人それぞれ異なり、持っている知見もさまざまです。
また能力についても、メンバー一人ひとり強みや個性は違います。課題を正確に発見することが得意な人もいれば、自由な発想で解決策を提案するのが得意な人、意見をまとめ上げるのが得意な人もいるでしょう。各々の強みを発揮することは、互いの弱みを補完し合うことにもつながります。
メンバーの時間・経験・能力を集結させることで、チームや組織としての力を最大化させることができ、その結果、個人の力だけでは成し遂げられない大きな目標を達成することが可能になります。
 

チームとグループの違いは?

 
集団という意味合いで使われる「チーム」と「グループ」ですが、厳密には両者の言葉の意味は少し異なります。
チームは、ある共通した目的を持って集まった集団のことを指し、集団として1つの目標を持つことが特徴です。お互いの能力が相乗効果を生むため、「チームとしての成果>個人が発揮した力の合計」となり、掛け算式に大きな総合力をもたらします。
一方、グループは同じ属性を持って集まった集団であり、集団としての目標の有無は問われません。グループ内における相互の影響は小さいため、「グループとしての成果=個人が発揮した力の合計」と足し算式の効果にとどまるのが特徴です。
 

チームワークが大切な理由

 
激しい環境変化が続く近年。「目まぐるしい変化によって先行きが不透明で、将来の予測が困難な時代」という意味で、今の時代をVUCA時代と表現することがあります。
企業がVUCA時代を生き抜くためには、グローバル化が当たり前となった複雑かつ激動な市場環境に柔軟に適応していく必要があります。そこで重要になるのがダイバーシティーと生産性です。
多様な価値観やバックグラウンド、専門性を持った人材が企業に集うことで、幅広い知見と自由な発想で課題解決に取り組むことが可能になります。また、多様な人材が掛け合わさり相互に作用し合うことで大きな成果を生み、生産性はアップします。いずれの場合も、さまざまな人材が一緒に働き高いパフォーマンスを発揮するうえで、チームワークは不可欠と言えるでしょう。
 

チームワークを高めるメリット

 
チームワークを高めると、一人では困難な大きな目標を達成できるだけでなく、業務効率やモチベーションなどにも良い影響をもたらします。
 

一人では達成が難しい目標でも達成できる

前述のとおり、一人が持っている時間・経験・能力には限りがあります。同じ企業であっても、まったく同じ経験をしている従業員はおらず、まったく同じ能力を持つ従業員もいないでしょう。多様な個性を持つ人材が協力し合うことによって、組織力が高まり、一人では達成できないような困難な課題に立ち向かうことができます。
また、各々の強みを活かすことは、各々の弱みを補完すること。従業員それぞれの力を集結させ相乗効果をもたらすことで、個人では成し得ない成果を引き出すことが可能になります。
 

情報共有がスムーズになる

チームワークが高まると、おのずとチーム内のコミュニケーションが活性化します。ミーティングの場でわざわざ情報共有の時間を設けずとも、日頃の会話の中で必要な情報がスムーズに共有されるようになります。
また、コミュニケーションが増えると他のメンバーが「どのような仕事を、どのような方法で進めているか」を知る機会も増えるでしょう。他の人の活動を知ることで新たな気付きを得たり、効果的な手法を横展開したりすることも可能になります。チームでナレッジやノウハウを共有することは、チーム全体のパフォーマンスを向上させることにつながります。
 

生産性や業務効率が向上する

チームワークが高まっている状態では、各々の役割分担が明確になっています。そのため「他のメンバーと作業の重複を避けられる」「一人ひとりが自身の仕事に集中できる」などのメリットをもたらします。
また、チームの結束力が高まると、他のメンバーとの連携が容易になり、相談への心理的ハードルも低くなります。一人で悩んでいる時間は、実は非生産的な時間である場合が多いものです。チームワークの向上は、一人ひとりの業務効率をアップさせ、チーム全体の生産性の向上をもたらします。
 

モチベーションが向上する

チームワークの高いチームは必ずと言ってよいほど、ポジティブな声が飛び交っています。誰かが高い成果を出した時には「おめでとう!」「よく頑張った!」と褒めながら喜びを共有し、力を借りた時には「○○さんのおかげで上手くいったよ」と感謝を伝え合っています。
信頼できる仲間から存在や能力を認められると、誰しも素直に嬉しいもの。仕事のモチベーションはアップし、より積極的に仕事に励むようになるでしょう。前向きに取り組むことでメンバー自身の意識も変化し、チームや企業に対する帰属意識や満足度も高まります。 
 

柔軟に変化に対応できる

チームの結束力が高まる過程で、相互理解が深まるため、自然と信頼関係も構築されます。仮に不測の事態やトラブルに直面したとしても、強固な信頼関係が築かれていれば、チーム一丸となって対処にあたることが可能です。
困難な状況でチームが一枚岩になれると解決のスピードは格段に速くなります。市場の変化や顧客のニーズにも柔軟に対応できるでしょう。対応のスピードや柔軟性は時に、社運を握るほど重要である場合があります。チームワークを発揮して対応することで、ピンチをチャンスに変えられる可能性も高まります。
 

新たなアイディアが生まれる

お互いの考えや価値観を尊重しているため、チームの心理的安全性も高い傾向にあります。どのような発言でも受け入れてもらえると安心しているからこそ、既成概念にとらわれない意見や、斬新で面白いアイディアを発言するなど、活発な意見交換が可能になります。
また、各々バックグラウンドが異なるからこそ、着眼点や発想の異なるアイディアを出し合えるのもチームで仕事をする強みの一つです。お互いの考えに刺激を受けながら、より発想を膨らませることで、これまでにない新たなアイディアが生まれるでしょう。
 

チームワークが欠けることによって生じるデメリット

 
チームワーク不足は、生産性や従業員の精神面といった点で組織にさまざまな負の影響を与えます。
 

大きな目標達成が難しくなる

大きな目標を達成するためには、メンバーそれぞれが自身の役割を全うしながら、密に連携を取り合うことが求められます。しかしチームワークが欠けると、チーム内のつながりやコミュニケーションが希薄になり、タスクや情報の両面で十分な連携がなされません。
タスクの面で上手く連携が取れなければ、作業の漏れや重複、ミスが生じるリスクが高まります。また、情報の面では、ナレッジやノウハウが共有されず、同じ壁につまずくメンバーが出てくるでしょう。連携不足によってチームで力を合わせられなければ、大きな目標達成は困難になります。
 

モチベーションが低下する

目標に向かってスムーズに仕事が進んでいる時は、チームの結束力が高まりやすく、士気も高まりやすい状態です。
しかしチームワークが悪くなると、メンバー同士の摩擦が多くなり、意思疎通を図ることも難しくなります。情報共有や連携が不足することで、ミスが発生したり、仕事が思うように進まなくなったりすることもあるでしょう。
仕事が円滑に進まない状態では、従業員のフラストレーションがたまり、モチベーションの低下に直結します。その結果、仕事の手を抜く「ぶらさがり社員」が増えてしまい、組織としての生産性も低下するでしょう。
 

職場の雰囲気の悪化

チームワークが欠けると、従業員同士がお互いを尊重したり協調したりすることができなくなります。そのため、業務上のトラブルが発生した際にも「○○さんのせいだ」と責任を他の人に押し付けるようになります。
また、意見が衝突した時にも、チームワークが機能していれば建設的な話し合いによって解決策を導き出すところを、互いの意見を受け入れず、主張のぶつかり合いになってしまう場面が増えるでしょう。
これらは人間関係も悪化につながり、職場の雰囲気も悪くなります。雰囲気の悪化は、さらなるチームワークの欠如をもたらし、負の循環に陥りかねません。
 

チームワークを高めるうえで大切な4つのポイント

 
ここまではチームワークを高める重要性について解説してきました。ここからは、チームワークを高めるために、メンバーとリーダーが心がけたいポイントをご紹介します。
 

心理的安全性を高める

日頃から意見を一方的に否定されたり、「○○さんの意見は絶対」というようにメンバー内の発言に力関係が発生したりすると、無意識に言動を制限してしまいます。自由に発言できなければ、議論に納得できないメンバーが残ったまま仕事が進み、後に違和感が大きくなってチームがバラバラに分散してしまうこともあります。
チームワークを高めるためには、メンバー誰もが忖度なく公平にアイディアや意見を伝えられる環境を作ることが大切です。
また、その意見をお互いに受け入れる雰囲気作りも同時に行うことで心理的安全性を高めることが重要です。
 

ビジョンや目標を共有する

目指すべき方向性を共有できていなければ、従業員の向く方向がバラバラになり推進力が弱まります。業務を進める際にも意見が割れやすくなり、考えを集約するために本来必要のない時間を要してしまいます。
そうしたムダを防ぎ、組織のチームワークを高めるためには、経営層や上司などリーダーとなる立場の人から、従業員にビジョンや目標を十分に説明するのが良いでしょう。向くべき方向性を理解することで、従業員は「それを達成するために必要なことは何か」を具体的に考えることができます。
 

従業員一人ひとりの役割を明確にする

共有したビジョンや目標を達成するために、従業員それぞれにどのような役割を期待しているかを明確にする必要があります。一人ひとりの役割が明確になることで「この仕事は誰にお願いすればよいのか」もクリアになり、メンバー同士の連携もスムーズになります。
また責任感も芽生え、より積極的に仕事に取り組むようになるでしょう。
役割を与える際には、各々の個性や強みを考慮し適材適所のアサインを行なうことで、一人ひとりの能力を最大限に引き出すことができます。 
 

リーダーとしての役割を果たす

チームが上手く機能し、メンバーが自身の役割に集中するためには、チームをマネジメントするリーダーが必要です。「現在の進捗は計画通りか」「解決すべき課題はないか」などチーム全体を俯瞰しながら、目標達成に向かってメンバーを率いる役割を担います。
また、メンバーの個性を理解して適切な助言を行なうことで、個人の能力を最大化させること、さらに必要に応じて、他チームや他部署との調整を行ない、メンバーが動きやすい環境を整えることもリーダーの重要な役割です。
 

チームワークを高める方法

 
チームワークを高める具体的な方法として、すぐに実践できる取り組みをご紹介します。
 

コミュニケーションを活性化させる

チームワークを高めるためには、お互いを知ることが何よりも大切です。日々の仕事上でのコミュニケーションはもちろんのこと、ランチ会といったフランクな場で話をする機会を設けると良いでしょう。食事をともにすることで会話が弾み、プライベートが垣間見えて意外な一面を知るきっかけになります。
また、社内イベントを開催することも有効です。研修会や事例発表会といった業務に関連したイベントから、懇親会までさまざまなイベントの種類がありますが、普段の業務で関わりの少ない人とのコミュニケーションを深める良い機会となります。
 

1on1を行なう

1onとは、上司と部下が1対1で行なう個人面談のことです。リラックスした雰囲気で、普段部下がどのようなことを考えているか、どのような悩みを抱えているかなど、部下の内面を深く知ることが目的です。部下一人ひとりの考え方や価値観、強み、弱みを把握することで、適切なマネジメントやアサインが可能になるでしょう。
価値観や強みなどの個性は、1回の面談では深く知ることはできません。また、時間の経過や経験とともに少しずつ変化していくものです。面談時間は1人あたり1回30分と短い時間に設定して、定期的に行なうことがおすすめです。
 

行動指針の浸透

ビジョンや目標を共有すると、その達成に向かって同じ方向を向くことができます。しかし、達成する過程でどのようなステップを踏み、どのような手段を取るかには、数多くの選択肢が残ったままです。選択の基準がないために従業員の間でも意見が割れ、判断に迷う場面も出てくるでしょう。
行動指針が明確であれば、選択肢の中から指針に基づいた適切なステップ、手段を選ぶことができます。ビジョンや目標を共有する際、具体的な行動指針もあわせて示すことで、従業員が迷うことなく団結して目標達成に向かうことができるでしょう。
 

まとめ

チームワークが上手く発揮できれば、個人で仕事をするよりも格段に高い成果を上げることができます。チームワークを高めるためには、日々のコミュニケーションを意識しながらも、ビジョン・行動指針の共有や役割の明確化、心理的安全性の担保などを行なうことが重要です。チームの雰囲気が良くなると、中長期的には離職率の低下も期待できるでしょう。
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