コラム

2024.03.26
2024.03.26

ダメな上司の特徴とは?部下にNGな発言やチェック項目、対策を紹介

 ▼ 目次
社内でリーダーとなる社員の中には、部下への対応能力やマネジメント能力が乏しい、いわゆる「ダメな上司」が存在します。ダメな上司は、自分自身がダメだと自覚できておらず、無自覚な発言や行動により部下のやる気を削いでしまったり、部下のモチベーションを下げたりと社内へ悪影響を及ぼします。
 
本記事では、ダメな上司の特徴や口癖、自分がダメな上司かどうかのセルフチェックに加えて、ダメな上司を生まないために会社で行なうべき対策について解説します。
 

ダメな上司の特徴とは?

 
ダメな上司による影響は部下だけにとどまらず、その上司が所属する組織や会社までダメにする恐れがあります。そこで、まずはダメな上司に共通する特徴を具体的に解説します。
 

自分に問題があると思わない

ダメな上司は、自分に問題がある思わない傾向があります。そのため、失敗の原因や成果を出せなかった責任は他人にあると考え、ときには部下に責任を押し付けることもあるでしょう。
また、自分が新人だった頃に能力を活かしてくれる環境があったり、面倒を見てくれた上司がいたりしたことに気づいておらず、すべてが自分の成果や実力だと考える傾向もあります。そのため「自分が若い頃はもっとできた」「もっと努力して成果を出した」と自分と部下を比較して責めてしまうこともあるでしょう。
 

判断基準や評価が曖昧

本来、上司は明確な判断基準をもって部下の評価をするべきですが、ダメな上司は判断基準に一貫性がなく評価が曖昧です。そのため、成果を見ずに主観で評価をしたり、ときには自分の好みで感情的に評価をしたりと、不公平な評価を下す傾向があります。そのため、このような上司は、一人ひとりの適正や能力に合わせて業務を依頼することができません。その結果、本来上司として行なうべき適切な人材配置や業務の割り振りができず、効率的に業務を進められなくなるでしょう。
 

部下の頑張りや成果を認めない

部下の成果を認めないことも、ダメな上司の特徴です。それどころか、部下の頑張りによって得られた成果を自分の成果として独占してしまうこともあります。
また、高い能力を持つ優秀な部下に対しては、自分の立場と逆転する可能性があると恐れがちです。そのため優秀な部下がどんなに良い成果を出したとしても、その成果を認めることは少ないでしょう。
 

部下の意見を聞かない

ダメな上司は部下の意見を聞かないだけでなく、意見を言いにくい雰囲気を作る特徴があります。部下の意見が自分の意見と食い違う場合は、頭ごなしに部下の意見を否定することもあるでしょう。正当な理由もなく意見を聞いてもらえない状況では、部下は上司に対して嫌悪感を持つばかりか、仕事に対してもやる気をなくしてしまいます。
 

人によって表情や言葉遣い、態度が変わる

ダメな上司は、自分より立場が上の人に対してはゴマをすったり媚びへつらったりする特徴があります。一方で、部下に対しては不機嫌な表情になることが多く、厳しく威圧的な態度を取るため、人によって言葉遣いや態度が変わる傾向があります。
 

ダメな上司が言ってしまいがちな部下に対してのNGな発言・口癖

 
ダメな上司に共通するNGとなる発言や口癖には、以下のようなものがあります。
 

こんな簡単なこともできないのか

仕事の難易度は、当然ながら人によって異なります。自分は簡単にこなせたことでも、部下にとっては難しいこともあるでしょう。自分が過去にできたことは、すべて自分自身の能力や努力だけでできたこととは限りません。周囲のサポートや環境のおかげでできた可能性もあります。
しかし、ダメな上司は部下にとっての難易度を考慮せず「こんな簡単なこともできないのか」のような技能や力量を叱責する発言をしがちです。前述したように、ダメな上司は自分が過去に受けた環境やサポートを忘れている、または認識していないため、できない部下に対して責める言葉を投げかけてしまうのです。
 

私が若い頃はこんなに努力した

自分の若い頃と比較する言葉も、ダメな上司が言いがちな発言です。過去の経験を伝えることそのものは、悪いことではありません。本人としても、アドバイスをしている程度の感覚で「私が若い頃はこんなに努力した」と発言しているかもしれません。単純に昔の自分と比較されてしまっては、努力している部下も揶揄されていると思うでしょう。
過去の経験がそのまま現在も活かせるとは限らず、通用しないことも多くあるため単純に比較することはNGです。
 

やる気が足りないのでは?

ダメな上司は、部下の仕事の内容や成果よりも自分の指示にしたがっている姿に満足する傾向があります。しかし、判断基準や評価が曖昧なダメな上司は指示も曖昧なことが多く、優先するべき業務が不明瞭となり業務効率が落ちてしまいます。その結果、自分が指示したはずのことができなかった部下に対して「やる気が足りないのでは?」と発言してしまうのです。
そもそも、このような上司は業務の改善やプロセスを振り返ることもしないので、部下のやる気が足りないせいで成果が出ていないないと考え、業績が伸び悩む原因となることもあります。
 

忙しい

業務を進めるために、部下は上司に対して相談や質問などをするものです。ところが、ダメな上司は部下からの相談や質問を「忙しい」と言って拒否することがあります。実際に忙しい状況だったとしても、上司から「忙しい」と言われてしまうと、部下はそれ以上に相談や質問ができなくなってしまうでしょう。その結果、部下が大きなミスをしたり、有益な提案を逃して業務遂行に支障をきたりすることも考えられます。
実際にダメな上司が多忙であることもありますが、多忙な自分に対して気遣いをしてほしい、忙しいので周囲の人が代わりに動いてほしいと考えているケースもあります。また、「忙しい」が口癖になっていると、部下にとっては「仕事量の管理ができない人」と印象付けられてしまうでしょう。
 

話すことはない

本来、上司は部下とコミュニケーションを取って仕事を進めやすい環境を整えるべき立場です。しかし、上記の「忙しい」と同様に、ダメな上司は「話すことはない」と部下の意見や相談を受け入れないケースもあり得ます。また、部下の話を聞かない上、話しかけづらい雰囲気を出すこともあるでしょう。
上司自らが話しづらい環境を作ってしまうと、仕事をする上で欠かせない「報連相」もまともにできなくなります。最低限のコミュニケーションも取れなくなるため部署やチーム内の風通しが悪くなり、良好な関係を保つために不可欠な信頼関係の構築が困難となるでしょう。
 

ダメな上司になってない?セルフチェック項目

 
周囲から「ダメな上司」と認識されていても、当の本人は自分自身がダメな上司とは自覚していないことが多くあります。自分がダメな上司ではないかどうか、セルフチェックで確認してみましょう。以下に挙げる項目に当てはまる点が多いほど、「ダメな上司」であるといえます。
 
1.自分が最も優秀だと思っている
2.部下の努力を認めていない
3.チーム・組織として結果が出ないのは足を引っ張る従業員がいると考えている
4.相手によって表情や言葉遣い態度が変わる
5.褒めるとしかるのメリハリができていない
6.自分より優秀な部下を認められていない
7.部下の人間性や意見を尊重できていない
8.日常的に部下とコミュニケーションを取っていない
9.部下の考え方や行動へのフィードバックやフォローができていない
10.一人ひとりの多様性や違いを認めることができていない
11.部下の長所ではなく短所ばかりに目を向けている
12.部下に威圧的な態度や雰囲気を与えている
13.職場の雰囲気が悪い
14.成果を公平に評価できていない
15.職場で自信の機嫌が悪くなることがある
 

ダメな上司にならないために上司自身ができる対策

 
自分では仕事ができ、部下のことも考えながら業務を進められる優秀な上司と感じていても、自分では自覚できていない問題点により、周囲にとっては「ダメな上司」と思われている可能性があります。ダメな上司にならないためには、以下で紹介する方法を参考に対策を講じてみましょう。
 

相手を尊重する

ダメな上司は部下の意見や考えに聞く耳を持たなかったり、否定したりすることが多いものです。一方で、目上の人に対しては媚びへつらう、ゴマをするなど、態度を変えることがあります。そのため部下は、自分の話をろくに聞いてくれない、上司にないがしろにされている、と感じるでしょう。業務を円滑に進めるためには、同じチームや部署で働く部下との信頼関係が重要ですが、このような関係では相手を尊重する気持ちが感じられず、信頼関係構築が困難となります。
ダメな上司にならないようにするには、役職や年齢に関係なく相手を尊重しましょう。
 

部下の良いところに目を向けるようにする

ダメな上司は部下が失敗した場合、悪いところばかりを指摘し、これまでに努力したことを褒めることがほとんどありません。
そんなダメな上司にならないためにも、部下が失敗した際は指摘するだけでなく、必ず褒めるところを見つけて褒めて会話を終るようにしましょう。こうすることで、部下との関係を良好に保つことができます。
また、部下の心理的安全性が担保され、仕事へのモチベーションが向上することで、失敗を恐れず新たなことにチャレンジしやすくなるでしょう。
 

積極的にコミュニケーションを取る

ダメな上司は、指示や連絡事項など、必要最低限のコミュニケーションで十分だと考えていることが多く、部下と密なコミュニケーションを取ろうとしません。しかし、コミュニケーションは業務を円滑に進めるために重要です。普段から積極的にコミュニケーションを取ることで、部下は仕事の悩みや相談をしやすくなります。
 
また、1on1を実施することも1つの方法です。1on1で注意したいのが、上司が主役になることです。あくまでも部下を主役として、話を聞くことを目的として実施しましょう。普段から話しかけてもらいやすい雰囲気作りを心がけていれば、部下もコミュニケーションを取りやすくなります。
 
1日のスケジュールの中で、部下とコミュニケーションを取る時間を設けるのもいいでしょう。1日のうち数分でも部下と顔を合わせて話すことを意識すると、ポジティブなコミュニケーションが取りやすくなります。
 
このように積極的にコミュニケーションを取ることは部下との信頼関係の構築にも役立ちます。
 

ダメな上司にならないために会社ができる対策

 
会社全体にも悪影響を及ぼしかねない存在であるダメな上司を生まないように、会社側でもできる対策があります。ダメな上司によるリスクを最小限に抑えるためにも、以下の対策を実践してみましょう。
 

研修を行なう

リーダーとしてふさわしい心構えや振る舞いなどを身につけるために、リーダー研修を実施しましょう。研修を通じて学ぶことで、チームや部署内で問題やトラブルが発生した際に適切に対処できるようになります。
リーダー研修以外にも、コンプライアンス研修やマナー研修なども実施しておくと、適切な行動や対応方法を身につけてもらえます。リーダーとしての心構えや正しい振る舞いを学ぶことで、部下から不信感を持たれたり信頼関係が崩れたりすることを防げるでしょう。
 

相談窓口を設置する

上司に提案や相談をしても聞き入れてもらえない状況では、部下は不信感が増すばかりです。チームや部署内での風通しも悪くなり、部下のモチベーションが低下する原因となります。
そうならないためにも、相談窓口を設置しましょう。上司以外に話せる場があれば、提案や相談などが気軽にできることに加えて、今までは一人で抱えていた上司に対する不満や悩みなども相談できます。部下からの話を元に問題を洗い出せれば、社内の問題も解決へ導きやすくなります。
 

部下を褒める仕組みを作る

ダメな上司は日頃から人を褒めることが少なく、それどころか否定するような言動が目立ちます。しかし、良いところや成果を褒めることは部下のやる気を上げて業績アップにもつなげられる要素となります。上司に部下を褒める文化を定着させるには、褒める仕組みを作ることが重要です。
その方法の1つが、サンクスカードの導入です。サンクスカードとは、社員同士で感謝の気持ちを伝え合う仕組みで、紙のカードを書いて贈る方法のほか、専用ツールを使う方法もあります。サンクスカードを導入することで部下に感謝や称賛の気持ちを伝えやすくなり、社内コミュニケーションの活性化が期待できるでしょう。
 

まとめ

ダメな上司は、どんなに仕事ができる部下であってもその成果や実績を認めることが少なく、意見や提案を聞こうともしません。しかし、当の本人は自分自身に問題があるとは自覚していないことがほとんどです。ダメな上司による悪影響を防ぐために、会社は相談窓口の設置やサンクスカードの導入、研修の実施などを行ない風通しの良い環境を作り、ダメな上司を生まないようにすることが重要です。
 
「自分はダメな上司ではない」と考えている方でも、セルフチェックをしてみると思い当たる節があるかもしれません。ダメな上司と周囲に認識される前に、今回ご紹介した対策を実施してみてはいかがでしょうか。
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