強い組織をつくるためには、人材育成が欠かせません。従業員一人ひとりのスキルや能力を向上させることは、組織全体のパフォーマンスを高めることにもつながります。
人材育成では個々に合わせた目標設定が必要ですが、そこでキーポイントとなるのが目標の「数値化」です。
本記事では人材育成における目標設定の数値化にフォーカスし、目標設定のポイントや職種別の具体例などを解説します。
人材育成とは?意味・目的について
人材育成とは「企業の経営戦略の実現に貢献できる人材」を育成するため、必要なスキルの習得を促すことです。ここでいうスキルには専門的な知識や技能だけでなく、コミュニケーション能力や時間管理能力といったソフトスキルも含まれます。
従業員一人ひとりの成長は組織全体の成長につながるため、人材育成は企業にとって非常に重要です。
人材育成では、組織と従業員が掲げる目標が同じ方向を向いていることが大切です。そのためには、適切な目標設定が欠かせません。
人材育成における目標設定の重要性
人材育成を成功させるためには、目標設定が非常に重要です。部下の育成に取り組む際、明確な目標を設定すると以下のような効果を期待できます。
モチベーションが向上する
最終的な目標(ゴール)を設定すれば、「いま、やるべきこと」を逆算的に考えられるようになります。
目標もなくただ漠然と日々の業務をこなしているだけでは、働く意欲がだんだんと低下してしまうもの。組織の一員として自分が目指すべき方向性や、達成すべき課題が明確化されれば、仕事に対するモチベーションを高く保つことができるでしょう。
スキルアップを促進できる
従業員一人ひとりに目標を設定すると、目標達成のために必要なスキルも明確化されます。目標を設定し、それを達成のために必要な知識や技術を身につけるというサイクルを繰り返すことで、従業員のスキルアップを促進できるでしょう。
また、目標達成のために重要度の高い業務に集中できるため、今あるスキルも効率的に磨かれていきます。
企業ビジョンの浸透を図れる
人材育成における目標を設定するためには、組織としての行動指針や方向性を明らかにする必要があります。人材育成は「企業に貢献できる人材の育成」を目的としているため、まずは組織全体としての目標を定め、そこから部門→チーム→従業員一人ひとりへと目標を落とし込んでいく必要があるのです。
このように、業務における個人的な目標は、組織の方向性と密接につながっています。組織の方向性から逆算して個人の目標を設定すれば、「自分の目標を意識すること=組織の目標を意識すること」となり、企業ビジョンを自然と浸透させることができるでしょう。
人材育成における目標の立て方&ポイント
人材育成の目標を設定する際は、以下のポイントをおさえることが大切です。
組織と個人の目標の方向性をあわせる
人材育成における目標設定では、組織と個人の目標が同じ方向を向いている必要があります。
個人の目標が組織の方向性からずれていると、企業は経営戦略を達成しづらく、個人は組織内で評価されづらくなったりと、双方にとってマイナスです。部下の目標設定をサポートする際は、自社が掲げる経営理念やビジョンを今一度確認するとよいでしょう。
具体的かつ定量的な目標を設定する
人材育成における目標は、できるだけ具体的かつ定量的なものが望ましいでしょう。
たとえば「顧客数を増やすこと」だけでは漠然としすぎているので、「〇カ月後までに顧客数を〇%増やす」といったように目標を数値化することをおすすめします。
目標に具体性を持たせることは、後述するロードマップの作成やフィードバックを適切に行なうためにも大切です。
明確な期日を設定し、ロードマップを作成する
目標を数値化したら、達成期日を設定します。「なにを」「どの程度」「いつまでに」達成するのか、具体的な期日を定めましょう。
次に、目標達成に至るまで「小さな目標」を段階的に設定し、ロードマップを作成します。たとえば「半年後に売上300万円を達成する」という目標を定めたら、3ヵ月後には150万円、1ヵ月後には50万円……というように、最終目標から逆算してマイルストーンを置いていきましょう。
「半年後に売上300万円」と考えるよりも「1ヵ月後に売上50万円」と考えたほうが、目標達成のための行動を、より具体的なアクションに落とし込みやすくなります。
また、一定期間ごとの目標を設定することで、進捗状況を管理しやすくなるというメリットもあります。
進捗状況を可視化し、フィードバックの機会を設ける
目標を設定したら、定期的に進捗状況を確認し、フィードバックの機会を設けましょう。
管理ツールを用いて「いまはロードマップのどのあたりにいるのか」「達成まであとどのくらいなのか」といった情報を可視化すると、進捗状況を共有しやすくなります。当初の予定通り進んでいない場合はその原因を探り、部下と一緒に改善策を考えていきます。
目標達成が困難な場合は、計画の変更も手段のひとつです。はじめに立てた計画に固執しすぎると目標が達成できず、部下の自信やモチベーションが低下してしまう恐れがあります。計画が予定通り進まなかった原因や改善策を考案したうえで、柔軟に計画を変更しましょう。
職種別!人材育成の目標例
人材育成における目標の設定方法は、職種によっても異なるものです。
そこで、営業部や企画・開発部など、職種や部門ごとの人材育成の目標例をご紹介します。
営業部の人材育成
営業部は「売上」や「成約件数」といった数値目標を設定しやすいという特徴があります。
具体的には、以下のような目標を設定するとよいでしょう。
▼営業部の目標例
企画部・開発部の人材育成
企画・開発部の目標は数値化しやすいものの、不確定要素が強いためプロセス重視の目標を設定することをおすすめします。売上だけでなく、予算や営業件数などの数値目標を立てるとよいでしょう。
▼企画部・開発部の目標例
総務部・財務部の人材育成
総務・財務部の仕事は企業の利益に直結しないため、数値目標を立てにくい傾向があります。業務効率化を図ったり、業務にかける時間などの目標を設定するとよいでしょう。
▼総務部・財務部の目標例
管理職の人材育成
管理職は自身の目標ではなく、部下の成長に関する目標を設定するとよいでしょう。また、部下の健康面やメンタル面に配慮し、残業時間を削減できるよう働きかけることも大切です。
▼管理職の目標例
人事部の人材育成
人事部の仕事は、大きく分けると「今いる人材の育成」と「新たな人材の採用」の2種類です。
採用の目標に対して、人材育成の目標は数値化が難しいため注意しましょう。
▼人事部の目標例
カスタマーサポート部の人材育成
カスタマーサポート部では、お客様からの問い合わせ対応における満足度を主な指標にするとよいでしょう。個人目標だけでなく、チーム全体での目標を設定するのもおすすめです。
▼カスタマー部の目標例
エンジニアの人材育成
エンジニアの目標設定は、開発・リリースのスケジュールに関するものと、ECサイトの売上や会員ページの継続利用率など、ユーザーのアクションにつながるものとに分けられます。システムの保守・運用が中心の場合は、エラー回数の最小化を目的にしてもよいでしょう。
▼エンジニアの目標例
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毎朝の定例ミーティングで進捗状況を確認し、今期中に納期達成率100%を目指す
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ECサイトのUI/UXを改善し、売上を5%アップさせる
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週1度のミーティングと3カ月に1度のエラーチェックで、システムエラーの頻度を40%削減する
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人材育成において、個々のメンバーに最適な目標を設定するためにはコミュニケーションが欠かせません。日頃から積極的にコミュニケーションをとることで、メンバーそれぞれの適正や希望に即した目標を設定することができます。
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RECOGは、感謝や称賛を通した双方向のコミュニケーションを叶えるサービス。アプリを通じて「レター」を贈ることで、メンバーの行動や成果を日常的に褒めることができます。
レターの内容は贈った人・贈られた人以外も確認できるため、メンバーに贈られたレターをチェックすれば、その人の意外な強みや頑張りを把握することが可能です。
また、褒めるコミュニケーションは、お互いの理解を深め、より良い人間関係を築くことにもつながります。
人材育成における目標設定や働きやすい環境づくりに、ぜひRECOGをお役立てください。
まとめ
人材育成を成功させるためには、目標設定が非常に重要です。
「売上◯%アップ」「問い合わせ件数◯件獲得」といったように目標を数値化すると取り組むべきアクションや課題が明確になり、目標の管理もしやすくなります。日頃から部下と積極的にコミュニケーションをとり、個々に最適な目標を設定・管理しましょう。
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