導入事例

2022.12.02
2022.12.02

「ありがとう」が飛び交う環境が、応対品質や離職率によい影響を与える

国内株式個人取引シェアNo.1(※1)のネット証券会社として、確固たる地位を築く株式会社SBI証券。今回は、カスタマーサービス部門の栗原様、酒井様に、RECOGを導入した背景や導入後の変化についてお伺いしました。 (※1)2022年3月期 通期の委託個人売買代金シェア

 

会社名:株式会社SBI証券
利用部署:カスタマーサービス部門
事業内容:SBIグループの中核事業である「金融サービス事業」の担い手として、インターネットを通じて幅広い商品を取り扱うオンライン総合証券
会社HP:https://www.sbisec.co.jp

 

RECOGを導入した背景
~RECOGの導入背景や導入する前に課題に感じていたことはありますか?~

アナログとデジタルを組み合わせ、形骸化しつつある取り組みに新たな息吹を

酒井 様(以下敬称略):弊社では、「忙しくて周りとコミュニケーションが取れない」といった理由から、オペレーターの早期離職が多い傾向がありました。社内アンケートを実施したところ、人間関係が構築される前に辞めてしまうオペレーターが多いことがわかり、離職率を改善するためには、入社早期に手を打つ必要があると判断しました。
そこで、弊社では、職場環境を向上させる取り組みのひとつとして、紙のサンクスカードを採用していました。結果として、この取り組みは一定の成果を収めたものの、「カードをポストへ投函する手間がかかる」「送る相手の顔と名前がわからず、渡しそびれてしまう」などの理由から、徐々に利用率が低下していきました。
栗原 様(以下敬称略):とくに、繁忙期は電話応対の件数が増えるため、カードを書く時間を取りにくいこともネックでした。
酒井:現代の生活スタイルでは、文字を「書く」よりも「打つ」ほうが主流です。そこで、紙のサンクスカードと並行して、スマホやパソコンで気軽に感謝や称賛を伝えることができるツールを導入してはどうか、と思い至りました。
そんなとき、他の部署からRECOGを紹介されました。
紙のサンクスカードと比べて手間がかからないことに加え、感謝や称賛を伝えた後、相手からのリアクションを確認できるというシステムにも惹かれました。また、素晴らしいと感じたレターに「拍手」を押すことで、自ら発信することが苦手な人も、気軽にツールを楽しめる点も魅力のひとつだと思います。
栗原:トライアルの時点でかなりの数のレターが飛び交い、参加者へのアンケートでも8割のオペレーターが「継続して使いたい」と回答していたこともあり、紙のサンクスカードと併用するかたちで本格的な導入を決定しました。
酒井:オペレーターからは「RECOGを導入してくれてありがとうございます」という感謝の声も多く寄せられており、導入に踏み切って正解だったと確信しています。

 

RECOGの運用状況と体制
 ~どのようにRECOGを活用されていますか?~

より多くの人にスポットライトを当てるため、投稿機能を活用

栗原:基本的にはルールを設けず、気軽に利用できることを重視した運用体制を取っています。お昼休みや空き時間に、息抜きとして楽しんで利用しているオペレーターも多い印象です。
ただし、導入当初、管理者に対しては「週に◯回はレターを贈る」という取り決めを設けました。管理者からチームメンバーへ、対応件数の多さや、お客様への素晴らしい対応を称賛するレターを贈ることで、チーム内の人間関係を育みつつ、ツールの定着を図るという狙いによるものです。
導入から半年後、ルールはほとんど不要になっていました。レターを受け取ったオペレーターには「他の人の良いところを見つけよう」という気持ちが、他のオペレーターには「自分もレターを貰えるように頑張ろう」という気持ちが芽生え、自然と他者を称賛する風土が生まれていったのです。管理者が積極的にRECOGを利用する流れをつくることで、よりスムーズな導入を実現できたと思います。
酒井:一方、「対応件数が多いオペレーターに称賛が偏ってしまうのでは?」という懸念もありました。カスタマーセンターでは、お客様からの電話に対応した件数が個人の評価につながる傾向があるためです。
そこで、より多くのオペレーターにスポットライトを当てるため、投稿機能を活用することにしました。
弊社では、お客様から感謝の言葉をいただいた回数を集計し、月1回のペースでチームごとの順位を発表しています。この施策とRECOGを組み合わせ、お客様から一定以上の「ありがとう」をいただいたオペレーターを投稿機能で紹介するようにしたのです。
栗原:そのほか、自社のスキルアップ研修を終えたオペレーターも、RECOGの投稿機能を使って周知するようにしています。もちろん、対応件数が多いオペレーターも、その頑張りを紹介しています。このように、RECOGで他者の頑張りを定期的に可視化し、「レターを贈るタイミング」を示すことで、RECOGの利用率がぐっと向上しました。今では、毎日レターが飛び交い、感謝や称賛を気軽に贈り合えるツールとして定着しています。

 

表彰制度とRECOGの掛け合わせにより、双方の取り組みが活性化

酒井:表彰制度と掛け合わせたことも、RECOGの利用率が向上するきっかけになりました。
弊社では、「職場環境をより良くするために」というテーマのもと、各チームが目標を掲げ、その取り組みの素晴らしさや成果をオペレーター同士で評価する制度を設けています。四半期に1度のペースで投票を行い、最終的には上位3チームを表彰します。
RECOGの導入後は、投稿機能を使い、途中経過として毎月上位10チームを発表するようにしました。すると、中間発表の度に、上位のチームを称賛するレターが多く飛び交うようになったのです。また、RECOGを通じて、お互いの頑張りを称え合っているチームも多く見られました。
酒井:RECOGを組み込むことで表彰制度そのものが活性化され、それによって人とのつながりが濃くなることで、さらにRECOGの利用率が向上する、というように、2つの施策の掛け合わせにより、大きな相互作用をもたらしました。
また、表彰の場としてRECOGを活用することで、チームの目標達成のために陰でコツコツ頑張っているオペレーターにも、称賛のスポットライトを当てることができました。
栗原:さらに、RECOGに関連した目標を掲げるチームも増えています。たとえば、あるチームは「RECOGを通して、週に1度お互いの良いところを伝え合う」という目標を掲げていました。
酒井:また、あるチームは、レターを月に10通以上送ると、世界中の子どもたちに給食1食分相当の寄付が贈られるという取り組みに共感し、「子どもたちへ給食を贈ること」を目標に掲げていました。
栗原:紙のサンクスカードと、RECOGを併用する取り組みを行ったチームもありました。紙のサンクスカードで称賛のメッセージを送り、受け取ったオペレーターはRECOGを通じて感謝の気持ちを伝える、という取り組みです。手書きのメッセージカードが手元に残る喜びと、ツールを通じて感謝を伝えられる気軽さ、それぞれの利点がうまく融合した素晴らしい取り組みでした。

RECOGを導入後の効果
~RECOGを導入して感じられた効果や、エピソードなどはありますか?~

称賛文化の醸成により、応対品質が約3%向上 離職率が約9%減少

栗原:RECOGの相関図(※2)によって、社内の人間関係を可視化できたことも、大きな収穫でした。

(※2)相関図
RECOG上のコミュニケーションから、組織の人間関係の繋がりが見える機能です。線の色や円の大きさで繋がりや連携の強さを可視化することができます。
酒井:この相関図は、オペレーターの配属や席替えを決定する際、大いに役立っています。たとえば「先輩Aさんと新人Bさんはレターを通して関わりがあるので、近くの席にしよう」「Cさんは、あまり馴染めていない様子なので、早めにフォローしよう」といったように、それぞれの人間関係に応じた対策を打てるようになりました。なるべく早期に環境に馴染めるようフォローすることで、オペレーターの離職防止にもつながっています。
栗原:RECOGを導入したことで、新人が配属された際に歓迎のメッセージを贈る文化も醸成されました。新人が配属されることをアナウンスすると、管理者をはじめとする先輩のオペレーターたちが「これからよろしく」「仲良くやっていこう」といったレターを贈り、新人を歓迎するようになったのです。先輩たちからレターが届くことで、配属直後から安心して業務に取り組めるような環境ができました。
実際に、新人の離職率はRECOGの導入前後1年間で9.1%減少しています。
また、RECOG導入後は、月間の対応件数が4.51%向上しました。自主的に対応件数の目標値を設定するチームも多く、RECOGで対応件数を称賛する仕組みをつくったことで、オペレーターのモチベーションが向上したのではないかと考えています。
さらに、お客様からの感謝の言葉をいただく回数も、3.15%向上しました。RECOGの導入後、お客様からの「ありがとう率」が上昇したオペレーターは、実に67%にも上ります。
このように、RECOGは職場でのコミュニケーションを円滑にするだけでなく、オペレーターのモチベーションや、応対品質にもよい影響を与えてくれています。
弊社では従来、紙のサンクスカードや表彰制度など、職場環境を向上させるためのさまざまな施策を行ってまいりましたが、RECOGを導入したことにより、その取り組みがさらに活性化されました。今後もRECOGを通じて人とのつながりを強化し、より良い職場環境の実現を目指していきたいと思います。
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