お知らせ

2019.04.10
2019.04.10

給食支援報告書 Vol.9

給食支援報告書 Vol.9。 RECOGでは1ヶ月に10通以上レターを贈ると、発展途上国のこどもたちに給食を1食分届ける仕組みになっています。 給食支援は、株式会社テーブルクロスさんの給食支援事業を通して行っており、現場からも喜びの声をたくさん頂いています。 テーブルクロス様よりご提供頂いた給食支援報告書を共有させていただきます。

給食支援をガザ地区のアトファルナろう学校へ

「皆様からのご支援をパレスチナ・ガザ地区にある「アトファルナろう学校」での給食支援に使わせていただいています。アトファルナろう学校はガザで初めてできた聴覚障害者のための学校です。「アトファルナ」とはアラビア語で、「私たちのこどもたち」を意味します。アトファルナができるまで、ガザには聴覚に障害を持っている人のための教育施設はまったくなく、耳が聞こえないこどもたちは教育を受けることができませんでした。1992年に、当会と地元の人たちが協力して、手話を使った教育を行うろう学校を立ち上げました。そして「障がいを持っているこどもは、社会のみんなで育てる、みんなのこどもなんだ」という思いから「アトファルナ」という名前が付けられたのです。現在では生徒300人、職業訓練生70人が通い、聴覚検査や障害を持つこどもの親の相談など、教育だけでなく様々な保健・福祉サービスを地域に提供できるガザ地区を代表するNGOになっています。

ガザ地区の状況が悪化している

「しかしながら、アトファルナのあるガザ地区全体の状況が年々悪化し、支援の必要性が大きくなっています。ガザは東京23区の3分の2程の広さに、200万人が都市型の生活をしているところです。そして、その8割は支援に頼らざるを得ない状況にあります。というのも、50年以上イスラエルの軍事占領下にあり、また人や物資の出入りが厳しく制限された封鎖状態に10年以上置かれているためです。燃料が不足し、一日4時間程度しか電気が使えません。電力がないため上下水道などの都市インフラや冷蔵施設が機能せず生鮮品を保冷・流通できませんし、人口の増加に伴って環境が悪化しています。

そのうえ、軍事侵攻や空爆によって多くの人が犠牲になり、町や施設が破壊されていますが、その復興や経済の回復が遅々として進みません。失業率は40%(若者は 60%)という世界的に見ても最も悪い状態にあり、多くの若者が将来に希望を描けずにいます。2018年3月以降、パレスチナ難民が故郷に戻ることを訴えるデモをイスラエルとの境界沿いで行っていることに対して、イスラエル軍が武力で鎮圧し多くの犠牲者が出ていることが世界的なニュースになってい ます。

給食が支えていること

アトファルナに通ってくる多くは貧困世帯のこどもたち。収入のない家庭に暮らし、朝ごはんを食べられずに学校に来ています。お腹が空いていることで勉強に集中できないことがないように、午前中に給食を提供しています。メ ニューは、白インゲンマメやエンドウマメをたっぷり使ったシチュー、チーズ入りのサンドイッチなど。育ち盛りのこどもたちの成長を支えるために、良質なタンパク質がなるべく取れるようにな温かい食事を提供しています。給食支援を通じて、アトファルナろう学校のこどもたちの学習と成長を支えていただいていることに改めて御礼を申し上げます。今後とも「私たちのこどもたち」として継続的なご支援とご関心を寄せていただきますようお願い致します。

 

★テーブルクロス累計給食支援数:169,722 食(2018年5月末現在)

★2018年5月支援実績:9,077 食

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